SEOに取り組む際は、いきなり施策に着手するのではなく、まずは「初期調査」を実施しましょう。
初期調査とは、自サイトの流入状況や技術的な課題、競合サイトの状況などを把握し、的確なSEO方針を立てるための準備段階です。
現状を知らずに対策を打つと、見当違いな施策にリソースを割いてしまうおそれがあります。
ここでは、初期調査で押さえておきたい3つの観点と、効率良く進めるためのポイントを解説します。
SEO戦略を自社で立てるのは難しそうと思った方へ
資料ではSEOの戦略策定における全体的な戦略、キーワード戦略、戦略策定前にやるべきことを詳しく解説しています。 もし「自社でSEO戦略を立てるのは難しそう」とのことでしたら、お気軽にナイルの無料相談をご利用ください!
目次
SEOの初期調査は何のために行うもの?
初期調査は、SEO施策の最初の工程。
自サイトの現状や課題、競合の状況などを把握し、適切なSEO方針を立てるための準備段階です。
SEOの手順の全体像についてはこの記事をチェック!
初期段階で現状の課題や競合状況を整理しておくことで、何から優先的に着手すべきかを見極められます。
初期調査をせずに施策を始めてしまうと、実は問題のない箇所を改善しようとしたり、狙うべきではないキーワードに注力してしまったりと、効果の薄い施策に時間やコストをかけることになる可能性があります。
現状を正しく理解し、ゴールまでの道筋を整理して、効率的にSEOを進めましょう。
初期調査で押さえておきたい3つの観点
SEOの初期調査では、大きく3つの観点――現状把握・競合調査・SEO内部技術要件調査――を押さえておくことが重要です。
この3つをしっかり行うことで、施策の優先順位を見誤るリスクを減らし、効率良く成果につなげることができます。
それぞれのポイントや基本的なやり方を見ていきましょう。
<初期調査で押さえたい3つの観点>
1 現状把握
まずは、自サイトが今どんな状態にあるのかを把握することから始めます。
ここでは、アクセス数や検索パフォーマンスなどの定量的なデータと、サイト構造やコンテンツの整理などの定性的な項目の両方を確認しましょう。
現状を正しく理解することで、強みや改善すべきポイントが見えてきます。
定量的なデータ:流入状況、検索パフォーマンス、コンバージョンの確認
Googleアナリティクス(GA4)やGoogle Search Consoleを活用し、どのページにどれくらいのアクセスがあるか、どんなキーワードで流入しているか、どれくらいコンバージョン(CV)されているかを確認します。
流入が多いページや、検索順位は高いのにクリック率(CTR)が低いページなど、改善のヒントを探る材料になります。
定性的な項目:サイト構造の可視化
サイトの構造を把握するために、ディレクトリマップを作成するのも有効です。
これは、サイト全体のページ構成や階層を一覧化したもので、ナビゲーションのわかりにくさや、重複ページ、孤立ページ(※)といった課題が可視化できます。
※孤立ページ…Webサイト内の他ページから内部リンクが設定されておらず、ユーザーも検索エンジンもたどり着きにくいページのこと。
<ディレクトリマップの例>
ディレクトリマップの作成方法など、詳しくはこの記事をチェック!
2 競合調査
自社の取り組みをより良くするためには、競合調査も欠かせません。
競合サイトのSEOやコンテンツ施策、サイト設計などを分析することで、自社にはない強みや改善のヒントを見つけることができます。
競合の事例を参考にしながら、自社ならではの戦い方を考える材料となるでしょう。
競合サイトの選び方
競合調査では、次の3つの視点から、目的に合ったWebサイトを調査対象としてピックアップしてください。
<競合サイトを選ぶ視点>
- 狙っているキーワードの検索結果で上位に表示されているサイト
- ユーザーに比較されやすい同業他社
- ベンチマークしたい優良サイト
競合調査の項目
定量面(数値で見える部分)や定性面(見た目)から、目的に合わせた項目を選びましょう。
<競合調査の項目例>
- 流入トラフィック量
- 検索順位
- 被リンク数、参照ドメイン数
- ナビゲーション構造
- コンテンツの内容
- CTA(配置場所や文言)
- ページの回遊・導線設計
競合調査について、詳しくはこの記事をチェック!
3 SEO内部技術要件調査
SEO内部技術要件の調査は、テクニカルSEOの確認となります。
検索エンジンにサイトを正しく理解してもらい、スムーズにクロール・インデックスされる状態になっているかを確認します。
例えば、ページ表示速度に問題がないか、モバイル対応できているか、URLの正規化ができているか、重複ページの有無などがチェック対象です。
技術的な話が多い分野ですが、これらを疎かにすると、どんなに良いコンテンツを用意しても検索エンジンに正しく評価してもらえません。
SEO内部技術要件のチェックリストを作成し、基本的な部分だけでも押さえておくといいでしょう。
なお、ナイルでは最低限確認しておきたい要件をまとめたチェックリストをご用意していますので、必要な方は次のバナーからダウンロードしてください。
テクニカルSEOについて、詳しくはこの記事をチェック!
初期調査を効率的に進めるコツ
SEOの初期調査は、やろうと思えばいくらでも深掘りできる作業です。
しかし、すべてを完璧にやろうとすると、時間ばかりかかって、本来の目的を見失ってしまう可能性があります。
調査はあくまで「施策につなげるための情報収集」。
限られたリソースの中で効率良く進めるポイントを見ていきましょう。
<初期調査を効率的に進めるコツ>
すべてを完璧にやろうとしない
調査を網羅的に行わず、まずは目的に応じて必要な観点から優先的に進めましょう。
例えば、コンテンツ施策が主眼であれば、現状の流入状況や競合コンテンツの構成から調べる、技術的な課題を洗い出すのが目的なら、サイト構造やページ表示速度、モバイル対応の状況などから調べるといった具合に、取捨選択しながら調査することをおすすめします。
調査の目的を見失わない
調査を進めているうちに、「データを集めること」に夢中になりすぎて、手段が目的化してしまうケースがあります。
こうなると初期調査の本来の目的が見えなくなってしまいますので、常に「この調査結果をもとにどんな施策を打ちたいのか」の視点を持つようにしましょう。
数値だけでなく「なぜその結果になっているのか」考える視点を持つ
GA4やGoogle Search Consoleで得られる数値は、あくまで結果に過ぎません。
例えば、単に「このキーワードの検索ボリュームは月間1,000回」という事実だけでなく、「なぜこのキーワードがこれだけ検索されているのか」「季節性はあるのか」「ユーザーの検索意図は何か」といった点まで掘り下げて考えることで、より効果的な対策が見えてきます。
数値データから得られた事実の背景や原因を考える視点を持つことが、次の打ち手を見つける手がかりになるでしょう。
最終的にどう判断するか
初期調査の集大成として、収集したデータをもとに、どのような施策に重点を置くべきかを判断することが重要です。
例えば、次のようなケースが考えられます。
<初期調査から見える施策判断>
コンテンツが薄い、または競合に比べて不十分 → コンテンツ強化が優先Webサイト内の回遊性が低い、クロール効率が悪い → 構造改善が優先
高品質なコンテンツがあるのに評価されていない → 外部評価獲得が優先
このように、初期調査の結果を踏まえて、限られたリソースを最も効果的に活用できる施策の方向性を決定しましょう。
初期調査は「的確な施策」のための第一歩
SEOの初期調査は、方針策定の材料を集めるために必要な工程です。
現状把握・競合調査・技術要件などを幅広く見渡しつつも、Webサイトで達成したい目的に合った視点から優先的に調査することで、効率良く本質的な課題にたどり着けるでしょう。
数値や構造の裏にある原因や傾向を読み解くことで、打つべき施策がより鮮明になります。
調査は施策そのものではありませんが、的確な判断の精度を大きく左右することを意識して取り組んでください。
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