ドメインパワーとは?SEO評価への影響とその意味・確認方法について

SEOで使われる用語「ドメインパワー」について解説しています。
SEOを考えるにあたって、ドメインパワーという言葉が使われることがあります。「ドメインパワーが高いと検索エンジンに評価されやすい」と耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。ドメインパワーは、SEOにおいて長く議論されてきたテーマでもあります。
本ページでは、ドメインパワーの意味や概要、SEOにどのような影響があるのかについて解説いたします。
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目次
ドメインパワーとは
ドメインパワーとはSEO業界において通称される言葉であり、「そのドメインが持つSEOの優位性」のようなことを指します。Googleが公式に使っている言葉ではなく、「サイトの実績」と言い換えることも可能です。
例えばあなたも、新しく立ち上げたばかりの1ページしかないサイトと、長年そのジャンルにおいて有益な情報を提供し続けてきたサイトを比べた時、後者のサイトの方が「信頼できそうだ」と思うのではないでしょうか。
検索エンジンも同様に、そのサイトが持つ実績やサイト全体の品質などを考慮し、順位評価に反映します。
検索エンジンはページ単位でコンテンツを評価しますが、そのコンテンツについてのデータが少ない場合は、サイト全体の実績を考慮し、実績があるサイトのページを評価する傾向があります。
ドメインパワーが高いことで検索エンジンに評価される「初速」が速くなり、検索結果での露出増加に繋がったり、被リンク獲得のチャンスが増えたりするなど、大きなメリットがあります。
サイトの「実績」を表す指標は、コンテンツ量やドメインの運用年数、被リンク数など様々ですが、詳細は公開されていません。
ドメインパワーが高いとSEOに有利なのか?
ドメインパワーが高いことで、検索エンジンに評価される「初速」が速くなる傾向があります。
前述の通り、ドメインパワーが高いということはサイトの実績や信用があるということとなります。
そのため、「新しいドメインで作成したサイト」と「実績や信用があるサイト」で同じ施策を行った場合、実績や信用があるサイトの方がSEOの効果が出やすくなり、すぐに上位に表示されやすくなることがあります。
いわゆる「ドメインパワーが高いサイト」として例えばWikipediaがありますが、Wikipediaでは、様々なビッグワードで1ページ目に表示されています。
このことはWikipediaがウェブ上の百科事典として豊富な情報を長年にわたり提供しつづけてきた結果として、上位表示されやすくなっていると考えられます。
「競合サイトと同じように記事を更新しているのに、なぜ自分のサイトは順位が上がらないのだろう」とお悩みの方は、ドメインパワーが原因のひとつかもしれません。
Googleからの公式の発言
Googleのジョン・ミューラー氏は、「Googleのアルゴリズムは基本的にページ単位で評価するが、サイト単位で評価しないわけではない。新しい情報のコンテンツの場合は、どのサイトが発行したかが考慮されることがある。」と2018年6月にイギリスで行われたカンファレンスで発言しています。
全く新しい情報を評価する場合、長年の実績があるサイトと、全く実績がないサイトであれば、サイトの実績を考慮してランキング付けを行っているようです。 最終的に、そのキーワードに対するデータが集まった頃には、ページ単位での評価に落ち着きます。ただデータが充分にない新しい情報の場合は、ドメインパワーが高いサイトが先に評価されやすくなります。
ドメインパワーの参考となるDomainAuthorityとDomainRating
ドメインパワーを表す指標の詳細は公開されていませんが、ドメインパワーの参考にできる指標として、Mozが開発したDomainAuthority(ドメインオーソリティ)と、Ahrefsが開発したDomainRatingという指標が存在します。
DomainAuthorityは1~100までの数値でドメインを評価しており、この数値が高いほどドメインのランキング優位性が高いということを示しています。 DomainAuthnorityの構成要素の詳細は公開されていませんが、サイトの権威性、コンテンツの品質、被リンクの状況、周囲の競争状況などをもとに計算されています。
参考:What Is Domain Authority and How Do I Build It?
DomainRatingも同様に1~100までの数値でドメインを評価しており、この数値が高いほどドメインのランキング優位性が高いということを示しています。 DomainRatingは被リンクの質と量をもとに算出されています。
参考:ドメインパワーの確認方法&ドメインパワーを強くする方法
ひとつ注意して頂きたいことは、DomainAuthorityとDomainRatingはMozとAhrefsが独自に開発した概念であり、Googleとは一切関係がないということです。 Googleがサイトの実績を考慮して順位評価をしていることは確かであり、サイトの「実績」を「ドメインパワー」とSEO業界では呼んでいますが、DomainAuthorityとDomainRatingは「ドメインパワー」とは似て非なるものとなります。
このことは、2019年10月にイギリスで行われたカンファレンスにて、Googleのジョン・ミューラー氏から「DomainAuthorityはMoz独自の指標であり、その指標はGoogleで使用していない」と公式の場で発言されています。
"We've seen a few times when people have asked Google: "Do you use domain authority?" And this is an easy question. You can simply say: "No, that's a proprietary Moz metric. We don't use Domain Authority."
ドメインパワーを確認する方法
残念ながらGoogleがランク付けを行う際に考慮しているドメインの「実績」にあたるドメインパワーは、それにあたる明確な数値がある訳ではありません。 一方で、Ahrefsが開発したDomainRating、Mozが開発したDomainAuthorityは確認することができるため、その数値を自身のサイトが持つドメインパワーの参考にすることができます。
DomainRatingの確認方法
(DR)は被リンク分析ツールであるAhrefsが独自に開発した数値であり、被リンクの量や質を分析し算出されています。
Ahrefs自体は有料のツールですが、GoogleChrome又はFirefoxの拡張機能である「Ahrefs SEOツールバー」を利用することで無料でDomainRatingを確認できます。
Ahrefs SEOツールバー:https://ahrefs.com/seo-toolbar
Ahrefs SEOツールバーをブラウザにインストール後、ブラウザのツールバーにあるボタンを押すと、ページ上部に現在見ているサイトの情報が表示されます。 この情報のうち、DR(=DomainRating)がドメインパワーにあたる数値です。
また、検索結果画面でツールボタンを押すことで、検索結果に表示されているページのDomainRatingも確認可能です。
DomainRatingは1~100までの数値でドメインを評価しており、この数値が高いほどドメインパワーが高いということになります。
Ahrefs SEOツールバーではその他にも
- AR(Ahrefsランク)…Ahrefsが算出したページ単位のランク
- BL(被リンク数)
- RD(被リンクドメイン数)
- SNSでのシェア数 などのデータを調べることが可能です。
DomainAuthorityの確認方法
DomainAuthority(DA)はSEOツールのMozが開発した数値であり、被リンクの量や質など複数の要素から算出されています。
DomainAuthorityはMozのサイトから確認可能です。(※アカウント登録無料)
ログイン後、「Link Explorer」にてURLをいれて検索することで、そのサイトのDomainAuthorityを調べることができます。
DomainAuthorityも1~100までの数値でドメインを評価しており、この数値が高いほどドメインパワーが高いということになります。
Link Explorerでもその他に
- Linking Domains:被リンク元のドメイン数
- Inbound Links:被リンク本数
- アンカーテキスト
- PA:ページオーソリティ…Mozが算出したページ単位のランク
などのデータを調べることが可能です。
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ドメインパワーはどういった要素により判断されるか
ドメインパワーはサイトの実績として言い換えることができます。そのため「ドメインパワーを高める」という方法は存在せず、堅実にサイトを運営し、良いサイト作りを継続して行っていくことで、結果としてドメインパワーが高まっていきます。
ドメインパワーは、主に以下の様な要素を考慮し判断されていると考えられます。
コンテンツの品質
サイトが持つコンテンツの品質はドメインパワーに影響すると考えられます。
ユーザーにとって有益なコンテンツを作成し続け、ユーザーニーズを第一に考えたサイト運営を地道に続けていくことが重要です。
コンテンツの品質評価については、Googleが提供する品質評価ガイドライン「Google General Guideline」においても記載されていますが、
- ユーザーが必要とする情報を、適切な形で提供しているか(Needs Met)
- ページの品質・信頼性を示す(Page Quality)
- 知りたい情報にアクセスしやすいか(ユーザビリティ)
という3点を軸に、E-E-A-Tに考慮したコンテンツ作成をするなど、ユーザーファーストなコンテンツ作りをしていく必要があります。
被リンクの状況
外部のサイトから自身のサイトに貼られた被リンクの状況もドメインパワーに影響すると考えられます。
コンテンツがユーザーにとって有益であれば、自然と他のページから引用・紹介されることが増えていきます。
- 引用や紹介を目的に自然に貼られたリンク
- 関連サービスなどから貼られた関係性を示すリンク
- ビジネス上で繋がりのある、他の企業や団体から貼られたリンク
といった自然リンクを増やしていくことで、結果としてドメインパワーも高まっていきます。
もちろん、ガイドライン違反対象となり得るような有料リンクの購入や、リンクプログラムの参加は逆効果となる可能性が高くなりますので、過去にそのような対策を実施していた場合は、リンク精査を行うようにしましょう。
参考:被リンクとは?被リンク(バックリンク)とSEO効果について
サイトの運営期間
そのドメインでのサイトの運営期間も、ドメインパワーに影響すると考えられます。
前述の通り、ドメインパワーは「そのサイトが培ってきた実績」を表します。 サイトの運営期間が長いということは、そのサイトで扱っているジャンルでの実績が多くある場合が多く、自然リンクも多く得ているケースが多いです。
そのためサイトの運営期間(ドメインエイジ)が長いと、ドメインパワーが高くなっていく傾向があります。
一方で、コンテンツの品質が低かったり、被リンクが全くない状態であれば、サイトの運営期間が長かったとしてもドメインパワーはほとんど意味がありません。
原則として、ユーザーにとって有益なサイト作りを継続してきたかどうかが重要な要素となります。
中古ドメインの扱いに注意
既に長くサイトを運用してきた実績のある中古ドメイン(オールドドメイン)を購入することで、そのドメインの実績を引き継いでSEOに有利な状況で新規サイトを立ち上げる、という手法が以前は多く用いられていました。
SEOで初速を出す=サイトの立ち上げ時にできるだけ速く検索エンジンから評価をされやすいようにする、と考える場合は、現在もある程度この手法は有効であると考えられます。
ただ一方で、中古ドメインは過去にそのドメインがペナルティを受けていた場合はその評価も引き継いでしまうなど、リスクも多くつきまといます。
ドメインパワーは「地道に高品質なコンテンツを提供しつづけていくこと」の結果として高まっていくものであり、最終的にはコンテンツの品質によって変わっていきます。 そのため中古ドメインを使用したとしても、コンテンツの品質が低ければ、ドメインパワーはいずれ下がっていってしまうということを留意しましょう。
まとめ
- ドメインパワーが高いことで検索エンジンに速く評価されやすくなる
- ドメインパワーはGoogle公式の指標ではなく、確認することはできない
- ドメインパワーを高めることを目的とするのではなく、高品質なコンテンツ作りをしていくことで結果としてドメインパワーが高まっていく
継続してユーザーにとって有益なサイト作りをしていくことで、ドメインパワーは自然と蓄積されていきます。 そのため、検索エンジンからの評価のためにドメインパワーを高めるという考えではなく、ユーザーにとって有益であり、役に立つコンテンツを用意していくようにしましょう。
ドメインパワーや新規で立ち上げるサイトのSEOについてなど、SEOでお悩みのこと、お困りのことがございましたら、以下よりお気軽にご相談ください。弊社のコンサルタントが一貫してサポートいたします。
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