データベース型サイトのSEOで最初に意識すべきことと成功するための5つのポイント

データベース型サイトのSEOで最初に意識すべきことと成功するための5つのポイント
細山 武揚(ほそやま たけあき)

著者情報

コンサルティングユニット|細山 武揚
人材系の支援会社で大規模BPOセンターのマネージャーに従事する傍ら、独学でWEBサイトを運営・グロースさせ独立。独立後は様々な企業様のWEBコンサルタントを経験し、ナイルへ入社。自身のメディア運営経験を活かした、SEOコンサルティング、コンテンツマーケティングを得意とする。
人材系の支援会社で大規模BPOセンターのマネージャーに従事する傍ら、独学でWEBサイトを運営・グロースさせ独立。独立後は様々な企業様のWEBコンサルタントを経験し、ナイルへ入社。自身のメディア運営経験を活かした、SEOコンサルティング、コンテンツマーケティングを得意とする。

データベース型サイトとは、ECサイトや求人サイトなど、大量の情報をまとめてユーザーに提供するサイトのことです。

膨大な数のページがテンプレートで自動作成されるといった特性から、記事中心のオウンドメディアとはSEOを成功させるポイントが異なります。

本記事では、データベース型サイトでのSEOの流れと、SEOを成功させるための5つのポイントを紹介します。

なお、ナイルではデータベースサイトのSEOのコンサルティングサービスを行っています。ご興味のある方は、下記の資料をチェックしてみてください。

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この記事のまとめ

  • データベース型サイトでは、詳細ページが検索エンジンに高く評価されると上層の一覧ページの評価も高まり、ひいてはサイト全体の評価が高まる
  • データベース型サイトのSEOに取り組む際は、最初に全体像の設計をしっかりと考えておく必要がある
  • データベース型サイトのSEOを成功させるには、検索エンジンのクロールやインデックス登録にきちんと対応することが大切

 

データベース型サイトとは?

データベース型サイトとは、大量の保有情報にもとづいて、Webページが自動作成されるサイトのことです。「ECサイト」「求人サイト」「不動産サイト」「グルメサイト」「旅行サイト」「美容サイト」など、ビジネスの各ジャンルに存在しています。

データベース型サイトでは、ひとつのテンプレートで多くのWebページが作成されるため、ページ構成が各ページとも共通しており、大量のページがGoogleなどの検索エンジンに登録されています。

各ジャンルの代表的なサイト名、Googleなどの検索エンジンに登録されているWebページの目安であるインデックス登録数は下記のとおりです。

■各ジャンルの代表的なサイト名とインデックス登録数

ジャンル 代表的なサイト インデックス登録数
ECサイト Amazon 約5,330万件(co.jpのみ)
求人サイト タウンワーク 約398万件
不動産サイト SUUMO 約1,370万件
グルメサイト 食べログ 約5,780万件
旅行サイト JTB 約110万件
美容サイト ホットペッパービューティー 約1,580万件

※検索フォームに「site:対象ドメイン」を入力しておおよそのインデックス登録数を調査

データベース型サイトの特徴と構造

データベース型サイトの特徴は、大量の情報が整理され、各ページに表示されていることにより、ユーザーが情報を探しやすいことです。データベース型サイトでは、ユーザーは求める情報をサイト内で探したり、条件で絞り込んだりして、容易に見つけることができます。

データベース型サイトのもうひとつの特徴は、多くのサイトが「トップページ」「一覧ページ」「詳細ページ」の3種類のページで構成されていることです。基本的に、データベース型サイトの各ページは、以下のような構造になっています。

■データベース型サイトの構造

データベース型サイトの構造

 

データベース型サイトのこのような構造は、サイトのSEO対策に少なからず影響を与えます。詳細ページが検索エンジンに高く評価された場合、上層の一覧ページの評価も高まり、ひいてはサイト全体の評価が高まることにつながるからです。

■詳細ページの評価がサイト全体の評価につながる仕組みのイメージ

詳細ページの評価がサイト全体の評価につながる仕組みのイメージ

 

ここまで読み進めて「難しすぎてよくわからない」という方は、下記より無料相談を受け付けておりますので、お問い合わせください。

まずはここから!データベース型サイトのSEOで最初に意識すべきこと

データベース型サイトのSEOで最初に意識すべきことは、サイトの全体像の設計です。

サイトにどのようなページが必要か、詳細ページにどのような情報を盛り込むか、どうすればユーザーにとって使い勝手の良いサイトになるか、といったことを考え、全体像の設計をしっかりと組み立てなくてはなりません。

サイトの大枠をきちんと決めることが、データベース型サイトのSEOの第一歩となります。

ステップ1 サイトに必要な一覧ページを洗い出す

データベース型サイトのSEOに取り組む際の最初のステップは、サイトに必要な一覧ページを洗い出すことです。サイトに必要な一覧ページとは、ユーザーの検索ニーズに応える情報が盛り込まれた一覧ページを指します。ファッションECサイトであれば、アイテムカテゴリごとの商品の一覧ページ、不動産サイトであれば、目的のエリアにある物件の一覧ページなどのことです。

検索ニーズに応える一覧ページを洗い出し、作成することで、多くのユーザーの流入が期待できます。

検索ニーズに応える一覧ページを洗い出すには、ユーザーの検索ニーズを把握しなくてはなりません。そのために必要なのが、キーワード調査です。

キーワード調査を行い、ユーザーにとってどのような一覧ページが必要かを洗い出し、階層設計することで、ユーザーの流入を期待できるようになるでしょう。

■ファッションECサイト 大カテゴリー「トップス」配下のサイトイメージ

ファッションECサイト 大カテゴリー「トップス」の例

 

ステップ2 詳細ページに掲載する情報を考える

サイトに必要な一覧ページを洗い出したら、次は詳細ページに掲載する情報を考えます。

例えば、ECサイトでは、詳細ページに該当する各商品のページには多くの商品情報が掲載されています。主な情報は下記のとおりです。

<ECサイトの商品ページに掲載されている商品情報>

  • 商品名
  • 商品の画像
  • 金額
  • 商品の特徴
  • 評価・レビュー
  • 在庫状況 など

アパレルECサイトなら、メーカーが公式に発表している商品情報のほか、着心地や購入した感想などのレビューなどが商品ページに掲載されていると、検索エンジンの高評価を獲得しやすい傾向があります。

不動産サイトであれば、不動産物件を実際に内見した担当者の感想などが掲載されていると良いでしょう。

ステップ3 ユーザーにとって使い勝手の良いサイトにする

データベース型サイトでは、ユーザーにとって使い勝手の良いサイトとなるよう設計することが大切です。

サイト内で情報を検索できる「サイト内検索」、ユーザーの行動を元におすすめ情報を提供する「レコメンド機能」、検索結果を特定の条件で絞り込める「絞り込み機能」などは、データベース型サイトの使い勝手の良さを左右します。これらの機能がないと、ユーザーは、サイトを訪問しても求める情報が得られず、途中で離脱してしまうかもしれません。

■ファッションサイトにおける絞り込み機能の例

  • 性別
  • カラー
  • サイズ
  • 価格

ユーザーが迷うことなく求める商品ページにたどり着けるよう、サイトはできるだけ使い勝手を良くしておくことが大切です。サイト内検索、レコメンド機能、絞り込み機能などは、欠かさず実装しておくことをおすすめします。

絞り込み機能に関しては、URLパラメータの理解が必要なので下記の記事も併せてご覧ください。

データベース型サイトのSEOを成功に導く5つのポイント

データベース型サイトのSEOを成功に導くには、複数のポイントを押さえる必要があります。主なポイントは下記の5つです。

ポイント1 検索エンジンがクロールしやすいサイトにする

データベース型サイトのSEOを成功に導くポイントのひとつは、データベース型サイトを、検索エンジンがクロールしやすいサイトにすることです。

クロールとは、「クローラー」と呼ばれるプログラムが、コンテンツをインデックスに登録することなどを目的に、Web上のデータを自動的に取得することです。

クローラーは、インターネット上のWebサイトのリンクをたどり、たどり着いたページの情報収集を行います。クローラーがWebサイトのリンクをたどることを、「クローリング」と呼びます。

クローラーの役割

 

データベース型サイトのSEOを成功させるには、クローラーがクロールしやすいサイトにすることが大切です。クロールしやすいサイトになっていないと、クローラーが効率よくサイトを巡回できず、インデックス登録が不十分となり、思うように検索結果に表示されなくなってしまうからです。

クロールしやすいサイトにするには、主に以下の対策を行うことをおすすめします。

■クローラーがクロールしやすいサイトにするために必要な対策

XMLサイトマップの作成・登録 XMLサイトマップ(クロールしてほしい重要なページを検索エンジンに伝えるファイル)を作成・登録する
パンくずリストの設定 パンくずリスト(サイトの階層をリスト化したナビゲーション)を設定する
内部リンクの最適化 内部リンク(サイト内を行き交うリンク)を適切に設定する
robots.txtの設定 robots.txt(クローラーに、特定のディレクトリやページをクロールしないよう指示するファイル)を設定する

 

ポイント2 各ページをインデックスに登録されやすくする

データベース型サイトのSEOを成功させるもうひとつのポイントは、各ページをインデックスに登録されやすくすることです。

インデックス登録とは、クローラーが、収集したページの情報を検索エンジンのデータベースに格納する工程のことです。「入手した書籍をいつでも取り出せるよう、本棚にしまっておく作業」と言い換えるとわかりやすいでしょう。

サイトの各ページは、インデックスに登録された情報をもとにランク付けされ、検索結果に表示されるようになります。

■クロールからインデックス登録までの流れのイメージ

クロールからインデックス登録までの流れのイメージ

 

データベース型サイトのページをインデックスに登録されやすくするには、以下の対策を実施すると効果的です。クロールしやすいサイトにするための施策と一部重複しますが、参考にしてください。

■ページをインデックスに登録されやすくするための主な対策

内部リンクの最適化 内部リンク(サイト内を行き交うリンク)を適切に設定する
XMLサイトマップの作成・登録 XMLサイトマップ(クロールしてほしい重要なページを検索エンジンに伝えるファイル)を作成・登録する
タイトル・ディスクリプション
のチューニング
ページのタイトルと、概要を表すディスクリプションを最適化する
独自コンテンツの追加 E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を意識した独自性のあるコンテンツを作成する

 

サイトの各ページがインデックス登録されているかどうかは、Google Search Consoleで確認できます。インデックスへの登録状況を定期的に確認し、インデックス登録されていないコンテンツがきちんとインデックス登録されるよう対策してください。

インデックス登録状況を確認するには、Google Search Consoleを開き、「URL検査」を選択します。該当ページのURLを入力して「テスト」ボタンをクリックすれば、そのページが現在インデックスに登録されているかどうかがわかります。

■インデックス登録状況の確認画面

Google Search Consoleのインデックス登録状況の確認画面

 

インデックスに登録されていない場合は、登録されなかった理由を確認し、理由に合わせた対策を実施してください。

■Google Search Consoleのステータスと対策例

クロール済み - インデックス未登録 低品質ページと判定されている可能性があるため、情報量を増やすなど、コンテンツを充実させる
検出 - インデックス未登録 URLを検出したもののクロールされていない状態。前述のXMLサイトマップの登録、内部リンクの最適化を実施させる
重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません 他ページとコンテンツが重複しているため、コンテンツ内容を見直すか、重複ページとの統合を検討する

 

ポイント3 対策キーワードに対応するページを表示させる

対策キーワードに対応するページをきちんと検索結果に表示させることも、データベース型サイトのSEOを成功させるポイントです。

前述のとおり、データベース型サイトのSEOでは、必要となる一覧ページを洗い出し、ユーザーが求める情報を詳細ページに盛り込むよう設計することが大切です。

しかし、データベース型サイトをそのように設計し、ページを作成しても、検索結果に表示されなくては、ユーザーの流入は見込めません。対策キーワードで検索した際、該当のページが表示されるかどうかを定期的に確認し、表示されていない場合はきちんと表示させることが大切です。

例えば、グルメサイトで「品川 イタリアンレストラン」というキーワードに対策すべく、品川駅付近のイタリアンレストランの一覧ページを作成しても、実際にそのキーワードで検索すると、品川駅ではないエリアのレストランの一覧ページが検索結果に表示されることはよくあります。こうした場合には、改善が必要であるため、定期的に状況を確認してください。(※画像はあくまでイメージです)

「品川 イタリアンレストラン」検索結果の表示例

 

確認するポイントは、「そのページがきちんとインデックスに登録されていること」「タイトル・ディスクリプションにキーワードが含まれていること」などです。これらを確認し、不十分である場合は対応しましょう。

ポイント4 テンプレート単位でキーワード対策をする

データベース型サイトでSEOを行うには、テンプレート単位でキーワード対策をすることも大切です。

データベース型サイトはページ数が膨大になるため、各ページはタイトルやディスクリプションを含め、基本的にテンプレート単位で自動作成されます。各ページが検索結果できちんと表示されるようにするには、適切な内容で自動作成されるよう、テンプレートの記載ルールを設定する必要があります。

データベース型サイトの中には、どのページも同じタイトルで作成されている例が多くあります。また、テンプレートの記載ルール設定が不十分であるために、検索意図と微妙に異なるページが表示されてしまうことも少なくありません。

テンプレートを、ユーザーの検索意図に正確に対応できるよう細かく設定することには、多くの時間と労力を要します。しかし、一度きちんと設定すれば、多くのページを一括で改善可能です。対策する効果は大きいため、時間と労力をかけて対応することをおすすめします。

ポイント5 掲載する商品数を増やす

掲載する商品数を増やすことも、データベース型サイトのSEOを成功させる重要なポイントです。

データベース型サイトでは、掲載される商品数(店舗数、求人数など)が多いほど、SEOでも有利になります。ここまでご紹介したポイントをすべて押さえても、掲載されている商品数が少なければ、ユーザーにとっては使い勝手の良いサイトとはいえず、検索結果で上位を獲得することも難しいでしょう。

データベース型サイトのSEOに注力し、上位表示を達成しよう

データベース型サイトは、大量の情報を元にWebページを自動作成し、ユーザーに提供するサイトです。

データベース型サイトでSEOを行うには、最初にユーザーが求めている情報を把握し、それにもとづいてサイト全体を設計する必要があります。

また、作成したページが検索結果に表示されるよう、検索エンジンが行うクロールやインデックス登録にきちんと対応することが大切です。

データベース型サイトのSEOに注力し、サイトの上位表示を達成しましょう。

ナイルでは、データベース型サイトでSEOに取り組む企業へのコンサルティングサービスを行っています。

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金子 光(かねこ ひかる)

編集者情報

金子光

新卒で楽天グループ株式会社に入社。営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。現在はナイルのSEO相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。

新卒で楽天グループ株式会社に入社。営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。現在はナイルのSEO相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。

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