YMYLとは?検索上位を目指すためのポイントやSEO成功事例を紹介

細山 武揚

著者:細山 武揚

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YMYLとは?検索上位を目指すためのポイントやSEO成功事例を紹介

YMYL(Your Money or Your Life)とは、ユーザーの人生や幸福、経済状況などに深く関わる情報分野を指す言葉で、Googleが検索品質評価において特に重視している概念です。

YMYL領域がテーマのWebサイトは、それ以外のジャンルよりもSEOで成果を出す難易度は高いですが、評価基準を踏まえて適切な戦略を実践すれば、検索上位を実現する可能性はあります。

この記事では、YMYLの基本的な意味と重要性、どのようなジャンルが該当するのか、SEOを成功させるポイントや実際の成功事例などを解説します。

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YMYLの基本的な意味と重要性

YMYLの概要解説図

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、文字通り「お金」や「人生」に深く関わる情報領域を指します。

Googleが定める「検索品質評価ガイドライン」では、YMYL領域のコンテンツについて、特に厳しい品質評価が行われると明記されています

なぜGoogleが厳しく評価するのかというと、YMYLに該当する情報は、ユーザーの健康、財産、安全、幸福などに直接影響を及ぼす可能性があるため。

間違った医療情報を掲載した記事が検索上位に表示され、それを信じたユーザーが誤った自己判断をしてしまえば、深刻な結果を招くおそれもあるのです。

また、YMYLと深く関係する概念として、Googleがコンテンツの質を判断する重要な評価基準のひとつ「E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)」があります。

<E-E-A-Tの概要>

E-E-A-Tの各指標の概要

特にYMYL領域では、このE-E-A-Tを満たしていることが強く求められ、信頼できる情報発信者によって書かれた、正確で有益なコンテンツであるかが重要です。

ここで、YMYL領域のWebサイトと、一般的な情報サイトとの違いを次の表で見てみましょう。

<YMYL領域のWebサイトと一般的な情報サイトの違い>

比較項目 YMYL領域のサイト 一般的な情報サイト
求められる専門性 医師・弁護士・専門家などの資格者が執筆・監修 ジャンルによるが専門性を求めないケースもある
E-E-A-Tの重要度 非常に高い 高い(YMYL領域よりは低い)
被リンクの質 信頼性の高いドメインからのリンクが必要 SNSや個人ブログからでも評価対象になる
コンテンツの更新頻度 常に最新情報の更新が必要 常に更新されていると良い

 

このように、YMYL領域では情報の正確性・信頼性が最優先されます。
検索上位を目指すためには、単に記事を書くだけでなく、「誰が書いたか」「どのような根拠があるか」といった情報の裏付けが欠かせません

YMYLに該当するジャンル

YMYLは、「ユーザーの人生やお金に大きな影響を与える情報分野」を対象としています。
そのため、金融・医療・法律といった専門性の高いジャンルはもちろん、人生の選択や心理的な影響を与える情報もYMYLに該当する可能性があります

Googleが検索品質評価ガイドラインの中で示しているYMYLに該当するジャンルは、次のとおりです。

YMYLに該当するジャンル

<YMYLジャンルの具体例と特徴・注意点>

ジャンル 具体例 特徴・注意点
お金・金融関連 投資、保険、ローン、税金、クレジットカード、年金など 誤った情報により金銭的損失を被るリスクがある
正確性・公正性が重要
健康・医療関連 病気の症状、薬、治療法、健康食品、医療機関の情報など 命や健康に関わる情報のため、非常に厳しいE-E-A-Tが求められる
法律・安全関連 離婚、相続、労働問題、交通ルール、防災・安全対策など 法的トラブルや安全リスクに直結
専門家の監修や正しい根拠の提示が必要
社会的・政治的
トピック
選挙、公共政策、政府機関、人権問題、社会運動など 社会に大きな影響を与える内容
中立性と信頼できる情報源の引用が求められる
そのほか、人生に関わる情報 進学・就職・転職、住宅、育児、心理、宗教、人生相談、ショッピングなど 人生の重要な意思決定に影響を及ぼす可能性がある
専門的・倫理的配慮が必要

 

これらのジャンルでは、ユーザーの誤解を招かないように「正しい情報を、適切な立場の人が伝える」ことが最も重視されます

特に、資格や実績が求められる領域では、著者情報や監修体制の明示がないと、検索エンジンからの評価が大きく下がる可能性も

逆にいえば、YMYLジャンルのコンテンツをしっかり作ってユーザーと検索エンジンからの信頼を得られれば、長期的に検索上位に表示される可能性も高くなるといえるでしょう。

YMYL領域のWebサイトがこれからSEOに取り組む価値はある?

YMYL領域では、検索結果の上位に大手企業や公的機関のサイトが並んでいることが多く、「新規サイトでは勝てないのでは?」と感じる人は少なくありません。

確かに、Googleは誤情報によるユーザーへの影響を避けるため、信頼性の高い既存ソースを優先的に評価する傾向があります

例えば、医療情報なら厚生労働省や病院の公式サイト、金融情報なら銀行や金融庁など、実績と信頼性が担保された組織のページが上位を占めやすいのが現状です。

では、新しく参入するYMYL領域のWebサイトがSEOに取り組んでも意味はないのかといえば、そんなことはないでしょう
大手に比べてスタート地点はハンデがあるかもしれませんが、戦略次第で十分にチャンスはあります。

成果を出すために重要なのは、SEOだけで戦おうとしないこと
SNSを運用するなどSEO以外からの流入を狙いつつ、次に紹介するSEOで成果を出すポイントを押さえて自サイトの信頼性を強化することが、YMYLの分野では大きな武器になります。

YMYL領域でSEO成果を出すための7つのアプローチ

続いて、YMYL領域でSEOの成果を出すために重視したいポイントを解説していきます。

Webサイト全体の専門性を高める

Googleは、YMYL領域のWebサイトについて、扱っているテーマに対してどれほど専門的な知見を持っているかを評価します。

例えば、医療情報にまつわる検索クエリにおいて、医療情報だけを扱った医師が監修している専門サイトと、さまざまな話題を扱う一般的なサイトを比べると、前者のほうが検索上位に表示されるのは明らかです。

そのため、自サイトで扱うジャンルを絞ることでドメイン全体の専門性が高まり、SEOにおいても効果が期待できます。

Webサイト全体の信頼性を高める

個々のコンテンツの質だけでなく、Webサイト全体の信頼性の構築は、YMYL領域でSEO効果を高めるための土台となります。

具体的には、次のような取り組みがおすすめです。

Webサイト全体の信頼性を高めるための施策

こうした基本的な情報が整っていると、ユーザーに「このサイトの情報は安心して読める」と感じてもらいやすくなり、それが検索エンジンの評価にもつながっていくでしょう。

専門性の高い著者が執筆・監修し、正確な情報を発信する

YMYL領域では、「誰が書いたのか」「誰が監修したのか」が最も重要な評価ポイントとなります。

医療、法律、金融などの高い専門性が求められる分野では、専門知識を持つ人が発信する情報が信頼され、著者の経歴や肩書がその評価基準となります。

医療に関する記事であれば、「●●クリニック院長 ●●医師(内科専門医)」のように、資格や実績を明確に記載すると、ユーザーだけでなく検索エンジンからも高い信頼を得ることができます。

そのため、記事には必ず著者や監修者の情報を明示し、プロフィールページなどで経歴や実績を詳しく紹介することが、SEO評価を高める上でも欠かせません。

一次情報(実体験にもとづいた話、調査レポートなど)で差別化をしている

YMYL領域で他サイトと差別化を図るためには、オリジナルの情報(一次情報)を盛り込むことが効果的です

大手サイトと同じような内容を単に整理しただけでは、後発のサイトが検索上位に入るのは難しいのが現実。

そこで、例えば進学・就職・転職といったジャンルであれば、経験者の体験談や、独自に実施したアンケート結果を紹介することで、リアリティと独自性のあるコンテンツとしてユーザーの共感を呼ぶでしょう。

また、医療や金融、法律など高度な専門性が求められる分野では、専門家の寄稿・インタビューなど、ほかのWebサイトにはない情報を紹介するのもおすすめです。

ほかにはない経験者のリアルな声、専門家が語る正確な情報は、訪問したユーザーにとって参考になることが多く、自サイトの価値向上につながります。

\コンテンツに一次情報を入れるポイントを語っています/

最新情報を発信し、適宜アップデートする

YMYLジャンルでは、情報の鮮度が重視されます

医療、法律、金融といった分野は、制度やルールが頻繁に変わります。
それにもかかわらず、内容をアップデートせず古い情報がそのまま掲載されていると、ユーザーに誤解を与える原因となり、検索エンジンからの評価も下がってしまうでしょう。

特に、税制改正や保険制度の変更といったトピックは、年ごとに内容が更新されることが多いため、更新タイミングを把握して定期的にコンテンツをアップデートすることが大切です。

信頼できる根拠を記載する

当然のことですが、YMYL領域の検索をする際、ユーザーが最も求めることは情報の正しさです。
そのため、出典が不明な情報は不安を与えます。

検索エンジンも、根拠のない主張に対しては正当性を評価できず、検索順位に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。

医療や法律、金融といった分野では、厚生労働省、金融庁、裁判所などの公的機関が発表しているデータや公式情報を参照し、それを記事内で明記すると信頼性が格段に高まります。

可能であれば、該当する情報へのリンクを設置し、読者が一次ソースを直接確認できるようにするとより効果的です。

外部からの評価を獲得する

検索エンジンは、第三者からの評価を信頼のサインとして非常に重要視しています。

そのサインをどこではかるかというと、外部サイトからの被リンク、WebサイトやSNSで自社のブランド名・サービス名などが言及されるサイテーションが該当します。

被リンクとサイテーションの概要解説図

特に、大手企業や官公庁のサイトなど、すでに権威のあるWebサイトからの被リンクやサイテーションが最も効果が高いです。

こうして外部からの評価が集まることで、社会的にも信頼されていると判断されやすくなり、SEOにも良い影響を与えます。

YMYL領域のサイト運営におけるNG行為

YMYL領域では、検索エンジンの評価以前に、読者の命や人生に関わる情報を取り扱っているという点を常に意識しなければなりません

次のような行為は、SEO評価の大幅な低下や信頼失墜に直結するため、絶対に避けましょう。

YMYL領域のサイト運営におけるNG行為

無資格者による専門的なアドバイス

医療や法律、金融などの専門性が求められる分野において、無資格者がアドバイスを行うことは非常にリスクが高く、YMYL領域では特に注意が必要です

ユーザーは検索結果に表示された情報を信頼しやすく、もし誤ったアドバイスをしている場合も真に受けて行動してしまうおそれがあることを忘れてはいけません。

専門性の高い情報を発信する際は、必ずその分野に精通した有資格者が執筆、もしくは監修をすることで、情報の正確性と信頼性を担保しましょう

誇大表現や根拠のない主張

効果を強調しすぎたり、根拠のない断定表現を使ったりすると、ユーザーの不利益につながるだけでなく、法的リスクも生じます。

特に医療・美容・健康食品などの分野では、薬機法によって「効果がある」「治る」といった表現が厳しく規制されています
例えば、「飲むだけでやせる」「100%安全」などの文言は、科学的根拠がなければ違法な誇大広告と見なされるおそれがあります。

さらに、景品表示法では、実際より優れて見せたり、お得に感じさせたりするような表現も禁止されています
そのため、数値や効果を伝える際は、出典や根拠、どんな条件下の結果かを明示することが必要です。

例えば、「80%が効果を実感」と書くなら、調査方法や対象者数なども必ずセットで示しましょう。

\薬機法についてはこちらの動画で詳しく解説しています/

YMYL領域のWebサイトにおけるSEO成功事例

ここからは、ナイルがご支援したYMYL領域の企業サイトにおける成功事例を紹介します。

三菱UFJニコス株式会社│蓄積してきた金融系コンテンツのノウハウを活かし、信頼性と独自性のある記事を制作

三菱UFJニコス株式会社のトップ画面

クライアント 三菱UFJニコス株式会社
業種、対象サービス 金融(クレジットカード)
20~30代向けのお金に関するオウンドメディア「my card
クライアントの課題
  • 自社内のメンバーがオウンドメディアやSEOに関する知見が浅い
  • 自然検索流入を増加させたい
  • 検索順位が頭打ちで、なかなか上がらない
行ったSEO施策
  • 対策キーワード選定
    →「mycard」がカバーできる領域を探りながら、キーワードの幅を広げていった
  • 金融関連コンテンツのノウハウを用いた記事制作(リライトも含む)
    →ユーザーアンケートなど一次情報を絡めることで他社サイトと差別化
施策実行後の成果
  • 流入数は前年比140%以上増加
  • 「源泉徴収票の見方」「国民健康保険料の計算方法」など、難しい話題を解説したキーワードで検索上位を獲得

 

三菱UFJニコス株式会社のオウンドメディア「mycard」は、検索順位の停滞と流入数の伸び悩みが課題でした。
さらに、流入数とコンバージョン、両方を獲得したいがあまり、どっちつかずのキーワード選定を行っていたそうです。

そこでナイルでは、まず「流入獲得」に舵を切った戦略を実施しました。
20~30代が抱える確定申告や源泉徴収、保険料などの身近なお金の悩みを切り口にした正攻法のキーワードに加え、流入の間口を広げるための「チャレンジ枠」も用意し、コンテンツ制作を行っています。

コンテンツ制作では、ナイルがこれまでにご支援した金融関連コンテンツのノウハウを活かしつつ、三菱UFJニコス様で金融業界、企業独自のルールに則って表現のチェックなどをしていただき、YMYL領域ならではの信頼性の担保に努めました

その結果、「mycard」の流入数は前年比140%以上も増加しています。

株式会社セブン・ペイメントサービス│ユーザーが欲しい情報を拡充&リード獲得導線の設計で流入数・CV数共に大幅UP

セブン・ペイメントサービスのトップ画面

クライアント 株式会社セブン・ペイメントサービス
(法人向け送金・入金サービス)
業種、対象サービス 金融
(ATM受取サービス、法人向け送金・入金ソリューション)
クライアントの課題
  • Webマーケティングの知見があるメンバーがいない
  • Webサイトへの流入が少なく、Webからのリード獲得がほぼない
行ったSEO施策
  • サービスページの改修
  • 導入事例インタビュー記事の制作
  • 指名検索対策
  • リスティング広告の運用アドバイス
  • リード獲得の導線づくり
施策実行後の成果
  • 自然検索流入数が約2倍増加
  • 問い合わせコンバージョン数が約2倍増加
    →Webからリードを獲得できるようになったため、従来のDM営業を

 

セブン銀行ATMを活用し、口座情報なしで企業から個人への送金を可能にする「ATM受取」など、法人向けサービスを提供しているセブン・ペイメントサービス
Webサイトへの流入数が少なく、Web経由での新規リード獲得ができていないことが課題でした。

ナイルでは、まずサイト上でサービスの魅力を訴求することができていないことに着目。
「ATM受取」の活用シーンや他社送金サービスとの比較表の追加など、ユーザーが欲しいであろう情報の拡充を念頭に置いた施策をご提案しています。

併せて、導入企業へのインタビューをもとに事例記事を制作したほか、指名検索キーワードの対策や、リード獲得導線を最適化したコンバージョン改善なども行いました。

結果、施策開始から半年で自然検索流入数は約2倍に増加し、問い合わせ・資料ダウンロード数も大幅に改善
従来のDM中心の営業体制から、Web経由で効率的にリード獲得できる仕組みへ転換することに成功しました。

\動画でも本案件の取り組みについて語っています/

株式会社鈴木ハーブ研究所│一次情報を交えた美容ライターの執筆によるコンテンツで、検索順位が大幅に改善

鈴木ハーブ研究所のトップ画面

クライアント 株式会社鈴木ハーブ研究所
業種、対象サービス 美容・EC通販
クライアントの課題
  • 広告以外のWeb集客が弱い
  • ECサイトの集客・売上げが伸びていない
  • SEO記事の順位が上がらず流入が伸びない
行ったSEO施策
  • ロングテールを軸にした段階的なキーワード戦略
  • 美容ライターによる専門性の高いコンテンツ制作
    →スタッフ紹介や取材記事など独自性の高い記事も制作
施策実行後の成果
  • 流入が大幅に増加
  • 対策したキーワードの半数以上が検索順位5位以内にランクインしたことで、メインキーワードの「除毛クリーム」も最高2位まで上昇(10位以内を維持)。EC集客の改善に貢献

 

自然派化粧品やサプリメントを開発・販売する鈴木ハーブ研究所では、広告以外からの流入が安定せず、売上げが伸び悩んでいたことが課題でした。

そこで、最終的にメインキーワード「除毛クリーム」での検索上位獲得を目指し、まずは周辺のロングテールキーワードから対策することで、段階的にWebサイトの評価を高めていく戦略を実施しています。

コンテンツ制作では、鈴木ハーブ研究所のスタッフ様への取材をもとに、美容ライターが執筆
検証データやお客様の声も積極的に活用しつつ、専門性・独自性のいずれも担保したコンテンツでユーザーの信頼を獲得しました。

その結果、主要キーワードの半数以上が検索順位5位以内にランクインし、検索流入は大きく増加。
メインキーワード「除毛クリーム」でも順位が上昇し、10位以内を維持できています。

\動画でも本案件の取り組みについて語っています/

難度の高いYMYL領域は“ユーザーにとっての価値”を最大限考慮したサイトづくりが必須

YMYLは、ユーザーの人生や財産、健康に関わる情報を扱うため、検索エンジンが最も厳しく評価するジャンルです。

この領域でSEOを成功させるには、専門性と信頼性を備えた、根拠のある情報提供、一次情報による差別化などが重要。
さらに、外部サイトやSNSで言及されることで、信頼に値するWebサイトであるという権威性を高めていく必要があります。

YMYLは難度の高い分野ではありますが、ユーザーにとって本当に価値のある情報を誠実に届け続ける姿勢がSEO成果につながっていくでしょう。

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