KPIは、SEO施策の進捗や効果を測るための重要な指標です。
しかし、KPIがWebサイトの目的に合っていないと、成果につながる施策が打てず、空回りすることになるでしょう。
ここでは、KPIとKGIの違いから、ビジネスモデルやWebサイトの成長フェーズに応じた設計の考え方などを解説します。
SEOの基礎知識 TOPページへ最適なKPIってどう考えればいいのだろうとお困りの方へ
目次
SEOにおけるKPIとは?
SEOで成果を出すためには、適切な指標を設定して進捗を測ることが欠かせません。
その中心となるのがKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)です。
SEOに取り組むプロセスにおいて、KPI設計は初期調査の後に行う工程になります。
SEOの手順の全体像についてはこの記事をチェック!
KPIとは、ビジネス目標の達成度を測るための具体的な数値指標のこと。
SEOに取り組むにあたって何を目的にするかを明確にし、取り組みの効果を可視化するために使用します。
例えば、「オーガニック検索からの訪問者数を月間5,000人増加させる」「コンバージョン率を現状の2%から3%に向上させる」といったものがKPIにあたります。
適切なKPIを設定することで、SEO施策の方向性が定まり、効率的に取り組むことができるでしょう。
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KPIとKGIの違い
SEOの成果指標を語る上で混同しやすいのが、KPIとKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)です。
両者は似て非なるもので、その違いを理解することが効果的な指標設計の第一歩となります。
KGIは「最終的に達成すべきゴール」を示す指標。
一方、KPIはそのゴールに至るまでの「プロセスの達成度」を測る指標です。
例えば、ECサイトのKGIが「年間売上1億円」だとすると、それを実現するためのSEO関連のKPIは「オーガニック検索からの訪問者数を月間1万人にする」「検索経由のコンバージョン率3%を達成する」などと設定できます。
なぜSEOにKPIが必要なのか
SEOは短期間で劇的な成果が出にくく、継続的な取り組みが求められる施策です。
そのため、「どこまで進んでいるのか」「何がうまくいっているのか」を可視化するKPI(重要業績評価指標)が欠かせません。
KPIがあることで、施策の方向性や効果を把握しやすくなり、無駄なく改善を進めることができるようになります。
KPIがないことで陥りがちな落とし穴
KPIが定まっていないと、SEOを実施しても成果につながりにくくなります。
例えば、次のような課題に直面しがちです。
<KPIが定まってないことによる落とし穴>
- 他部署のリソースを借りる、予算を獲得することが難しくなる
KPIがないと決裁者が意思決定できず、施策が進まなくなる恐れがある。 - 施策の優先順位が判断できず、場当たり的な対策に走ってしまう
何を優先すべきかわからなくなり、改善効果が出にくい作業に工数を割いてしまう恐れがある。 - 成果が見えず、担当者のモチベーションが低下する
SEOは成果が出るまでに時間がかかることが多いため、途中でモチベーションが下がりやすい。
適切なKPI設計がもたらすメリット
一方で、KPIをしっかり設計しておくと、SEO施策はぐっと進めやすくなります。
主なメリットは次のとおりです。
<適切なKPI設計のメリット>
- 目標の明確化
「何をもって成功とするか」が明確になることで、どれだけの努力が必要かを客観的に把握できるようになる。 - PDCAサイクルを回せる
進捗を定期的に確認し、施策の見直しや改善がスムーズに行える。 - リソース配分の最適化
改善インパクトの高い施策から取り組めるようになり、限られた時間や工数、人材を有効に活用できる。 - チーム内での認識統一とモチベーション維持
目標が可視化されていることで、関係者全員の理解が深まり、達成に向けた一体感も生まれやすい。
BtoBとBtoCで異なるKPIの概念と設計アプローチ
SEOにおけるKPIは、すべてのサイトで一律に設計できるものではありません。
ビジネスモデルや顧客の意思決定プロセスの違いに応じて、重視すべき指標や設計のアプローチも変わってきます。
特に「BtoB(企業向けビジネス)」と「BtoC(個人向けビジネス)」では、コンバージョンや導線の構造が異なるため、KPIの設計において違いが出るポイントです。
BtoBサイトの特性:段階的な中間指標が大切
BtoBサイトでは、購入や契約に至るまでのプロセスが長く、意思決定には複数の関係者が関わることが一般的です。
そのため、SEO施策によってすぐに売上げや受注につながることは少なく、段階ごとの中間指標を設定することが重要になります。
<BtoBサイトに多いKPI指標>
- サービス資料のダウンロード数
- セミナー申し込み数
- 問い合わせフォームの到達数
- 認知拡大を目的とした記事へのセッション数
このようなリード獲得につながるアクションをKPIとして設定し、それらを蓄積・育成していく前提でSEOを設計する必要があります。
BtoCサイトの特性:直接的な成果指標として機能
BtoCサイトでは、意思決定のスピードが早く、検索から購入・申し込みまでが短期間で完結するケースが多く見られます。
そのため、SEO施策が直接的な売上げに直結しやすく、KPIも結果ベースになりやすいのが特徴です。
<BtoCサイトに多いKPI指標>
- 自然検索経由の購入件数
- 商品ページへの流入数
- 特定キーワードでの検索順位
- カート投入率、購入率
BtoCでは、SEO施策と売上げの距離が近いため、短期的な効果検証やABテストとの組み合わせも比較的スムーズです。
<BtoBサイトとBtoCサイトのKPI設計の違い>
観点 | BtoB(企業向け) | BtoC(個人向け) |
---|---|---|
顧客の意思決定プロセス | 多い(社内の複数人による意思決定が必要) | 少ない(1人~家族の意思決定で済む) |
成果が出るまでの期間 | 長い(数週間〜数ヶ月) | 短い(即日〜数日) |
KPIの主な役割 | 中間成果の見える化・リード育成 | 売上げなど直接的な指標 |
よく使われるKPIの例 |
|
|
設計のポイント | 売上げに至るステップごとの分解が重要 | 売上げに直結する指標を重視 |
SEOのKPIを設計する方法
ここからは、SEOのKPIを設計するための基本のステップを紹介します。
<SEOのKPI設計の手順>
1 KGIを設定する
KPI設計においては、まず最終的に達成すべき目標(KGI:Key Goal Indicator)を明確にしましょう。
KGIはビジネスの究極的な目標で、Web経由で実現したい成果を具体的に表したもの。
売上げの向上、顧客獲得、ブランド認知向上など、ビジネスにとって本当に重要な目標を定義します。
適切なKGIの設定が、効果的なKPI設計の土台となります。
KGIがブレると、その下に設定するKPIも意味をなさなくなってしまうため、十分に検討してください。
<サイトの種類別:KGIの例>
サイトの種類 | KGIの例 |
---|---|
ECサイト | 自然検索からの年間売上1億円 |
BtoB企業サイト | SEO経由の月間有効リード数50件獲得 |
メディアサイト | 月間PV100万、月間広告収益300万円 |
店舗ビジネスサイト | Web予約による来店数を前年比150% |
また、KGIを設定する際は、次のポイントを意識しましょう。
<KGIを設定する際のポイント>
ビジネス全体の目標との整合性
SEOのKGIは、会社全体の経営目標と合致するようにしてください。
例えば、会社の年間売上げ目標が3億円で、そのうちWebからの売上を20%に高めたい場合、SEO関連のKGIは「Web経由の年間売上6,000万円」となります。
具体的で測定可能な指標にする
抽象的な目標ではなく、「年間売上〇〇円」「新規顧客〇〇件」など、具体的な数値で表現できる目標を設定しましょう。
測定できないものは改善もできません。
目標達成期限を設定する
設定したKGIをいつまでに達成するのかを明確にしましょう。
「今年度末までに」「12ヵ月後までに」といったように、期限を設けることで進捗管理がしやすくなります。
2 KGIから逆算してKPIを洗い出す
KGIが決まったら、次はそれを達成するための中間指標(KPI)を設定しましょう。
KPIは、KGIを達成するために必要なプロセスにおける指標で、日々管理し、状況に応じて改善していく項目となります。
KPIは複数あって構いません。
「KGIを達成するために、どんな指標が必要か」を逆算して考えてください。
では、BtoB企業サイト、ECサイトで考えられるKPIの例を見てみましょう。
3 数値目標を設定する
KPIを選定したら、次はそれぞれの数値目標を具体的に設定します。
この段階では、「いつまでに、どの程度の数値を達成するか」を明確にしましょう。
数値目標設定の難しさは、「高すぎると挫折する」「低すぎると成長機会を逃す」といった点にあります。
過去のデータや業界標準を参考にしつつ、適切な目標値を設定してください。
<BtoB企業サイトのKPI目標値例>
なお、KPIを管理するのにおすすめのテンプレートをご用意していますので、ぜひご活用ください。
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SEOで使えるKPI指標の選び方
SEOの成果を測定するKPI指標は多岐にわたるため、自社のビジネス目標や、自サイトの取り組みのフェーズに合わせて、適切な指標を選ぶことが大切です。
効果的なKPI指標の選定では、「何を測るか」だけでなく、「なぜそれを測るのか」「どのように改善につなげるのか」という視点が欠かせません。
各指標の意味を理解し、自社の状況に合った指標を選ぶことで、SEOの効果測定が的確になります。
ここでは、SEOで活用できる主要なKPI指標を4つのカテゴリーに分け、それぞれの意味や測定方法、適切な活用シーンを解説します。
<SEOに活用するKPI指標>
訪問者指標関連
訪問者指標とは、サイトに何人が訪れ、どれだけ行動を起こしたかを把握するための指標群です。
SEOによる集客の成果や、ユーザーがページ上でどれだけ興味を持って行動してくれているかを確認できます。
指標 | 概要 | 活用シーン | 確認ツール |
---|---|---|---|
セッション数 (SS) |
Webサイトへの訪問回数。
検索流入の増減を把握する基本的な集客指標。 |
記事公開後の流入効果測定や、トレンドの変化を確認したいときに見る。 | GA4 |
ユニークユーザー数 (UU) |
実際に訪問した人の数。
リピート訪問を除いた純粋な訪問者の規模を測ることができる。 |
新規ユーザーの獲得状況を評価したいときに有効。 | GA4 |
CTAクリック数 | ボタンやリンクなど、コンバージョンにつながる行動のクリック回数。 | 導線設計の見直しや、ボタン配置のA/Bテスト結果の確認に最適。 | GA4(イベント設定必須) |
GA4について、詳しくはこの記事をチェック
検索エンジン評価関連
検索エンジン(主にGoogle)から、自社サイトがどう評価されているかを測る指標です。
コンテンツの品質やサイトの信頼性、外部からの評価が数字で表れます。
指標 | 概要 | 活用シーン | 確認ツール |
---|---|---|---|
検索順位 | 特定キーワードでのGoogle検索における掲載順位。 | コンテンツ改善の優先順位付けや、上位表示達成状況を把握する際。 | Google Search Console
順位計測ツール(GRC、Ahrefsなど) |
被リンク数 | 他サイトから自社ページに向けられたリンクの数。 外部からの評価や信頼度の指標になる。 |
広報・PR施策の成果測定や、Googleからの評価向上施策を検討する際。 | ahrefs、Semrushなど |
コンテンツ品質関連
訪問者がただ訪問しただけでなく、実際にページを読み進めたり、ほかのページを読んだりしているかを示す指標です。
単なるアクセス数だけでなく、コンテンツの内容が評価されているかを判断する材料になります。
指標 | 概要 | 活用シーン | 確認ツール |
---|---|---|---|
平均エンゲージメント時間 (旧:平均滞在時間) |
ユーザーがWebサイトを実際に見ていた・操作していた平均時間。 | 記事の理解度や読み進められているかをチェックできる。 | GA4 |
エンゲージメント率 (旧:直帰率の逆指標) |
ページがしっかり活用された(一定時間の滞在や複数ページ遷移など)訪問の割合。 | コンテンツの質や導線設計が適切かどうかを評価できる。 | GA4 |
コンテンツ数 | Webサイト内のページ・記事の本数。 SEOでは「量より質」が前提だが、一定数の蓄積も重要。 |
コンテンツ戦略の進行度チェックや、メディア全体の設計を見直す際。 |
コンバージョン関連
Webサイトへの訪問が“成果”につながったかを測る、最も重要な指標群です。
問い合わせや購入など、ビジネスゴールへの貢献度を定量化します。
指標 | 概要 | 活用シーン | 確認ツール |
---|---|---|---|
コンバージョン数 (CV数) |
設定したゴール(例:問い合わせ、購入)が実際に達成された回数。 | KGIとの整合性チェック、施策成果の評価。 | GA4 |
コンバージョン率 (CVR) |
セッション数に対するコンバージョン数の割合。 ページや導線の成果効率を示す。 |
フォーム改善や訴求表現の見直しに役立つ指標。 | GA4 |
問い合わせ数・ 資料ダウンロード数 |
BtoB企業サイトで特に重要なコンバージョン指標。 商談化やリード獲得の起点となる。 |
営業部門との連携評価、リード獲得目標の進捗確認。 | GA4 CRM(Salesforce、HubSpotなど) |
なお、コンバージョンは問い合わせ数や資料ダウンロード数など複数の項目を設定することが多いので、ただ「コンバージョン」と言うと、具体的にどのアクションを指しているのかがわからなくなるケースが少なくありません。
そのため、KPIをコンバージョンにする場合は、「問い合わせ数」「購入数」のような具体的なアクション名で関係者と会話をしたほうが、認識の齟齬が生まれないでしょう。
【ビジネスモデル別】KPI設計例
SEOのKPIは、すべてのサイトで一律に設計できるものではありません。自社のビジネスモデル(売上構造やコンバージョンの形)に合わせて設計することが重要です。
ここでは、代表的な3つのビジネスモデル別に、KPI設計の考え方と具体例をご紹介します。
<ビジネスモデル別のKPI設計例>
ECサイト:売上直結型KPI
購買までの意思決定が早く、SEO施策が売上げに直結しやすいのがECサイトの特徴です。
そのため、KPIも売上貢献を意識した「成果直結型」の設計になります。
<ECサイトのKPI例>
KGI:月間売上300万円(自然検索経由)
KPI例:
- 自然検索経由のセッション数:5万セッション
- 商品ページの購入率:2.0%
- 平均購入単価:6,000円
- カート投入率や購入完了率の改善率(必要に応じて)
「検索流入数×購入率×単価=売上」という構造をもとに、どこを伸ばせば売上げが上がるかを逆算してKPIを設計します。
BtoBサイト:段階的リード育成型KPI
商談・受注までに時間がかかるBtoBサイトでは、SEOによってリードを段階的に獲得・育成していく視点が求められます。
KPIは中間成果を可視化する形で設計しましょう。
<BtoBサイトのKPI例>
KGI:月間問い合わせ数50件KPI例:
- 問い合わせフォーム到達数:月間500
- サービス紹介ページの閲覧数:月間5,000PV
- 関連キーワードの検索順位: 10位以内のキーワードを10件以上
- ホワイトペーパーのダウンロード数やセミナー申込み数(育成フェーズに応じて追加)
KGI(問い合わせ数)を支える接点を細かく分解し、それぞれに数値目標を設定。
いきなり問い合わせをしてくれる人ばかりではないので、段階ごとに必要なアクションを追いかけることが大切です。
メディアサイト:広告収益最適化型KPI
インプレッション広告(※)やアフィリエイト収益が主な目的となるメディアサイトでは、ユーザー数やPV数などの「トラフィック」が成果に直結します。
※インプレッション広告…広告が表示された回数を基準に費用が発生するWeb広告のこと。
そのため、KPIも流入量や回遊、収益単価を軸に設計しましょう。
<メディアサイトのKPI例>
KGI:月間広告収益100万円KPI例:
- 自然検索経由のセッション数:20万セッション
- ページあたりの平均収益:500円
- 1訪問あたりの平均PV数:2.5
- 直帰率(またはエンゲージメント率):65%以下
「広告単価×PV数=収益」という構造をもとに、「どの指標を改善すれば収益が上がるか」を逆算してKPIを組み立てます。
SEOだけでなく、コンテンツ導線や回遊性の設計も重要です。
KPI指標の数値取得方法
KPIを設計したら、その数値をどうやって確認・記録するかが重要になります。
特に、問い合わせ件数や資料ダウンロード数などのコンバージョンをKPIに設定している場合は、GA4での計測設定が必要です。
GA4では、コンバージョンにあたる行動を「イベント」として登録し、それをもとに数値を取得します。
フォームの送信やボタンのクリック、資料のダウンロードなどを正しく計測できるよう、あらかじめGA4側での設定作業が欠かせません。
詳しい設定方法については、次の記事で解説していますので、そちらをご覧ください。
詳しくはこの記事をチェック!
【SEOのフェーズ別】KPIの考え方
SEOでは、サイトの成長フェーズに応じて、適したKPIが変化していきます。
例えば、立ち上げたばかりのサイトで「問い合わせ数」をKPIにしても、まだ流入も認知も少ない状態では成果が出にくく、目標としては現実的ではありません。
一方で、ある程度の検索流入が確保できているサイトが、「セッション数」をKPIにしても、本来の目的である問い合わせや売上げに結びつかない可能性があります。
このように、フェーズによって適したKPIが異なるため、ここでは、「立ち上げ期」「成長期」「安定期」の3つの段階に分けて、それぞれのフェーズでのKPIの考え方を見ていきましょう。
<サイトのフェーズ別:KPIの考え方>
サイト立ち上げ期(0~3ヵ月)
この時期は、SEOの土台づくりが最優先。
コンテンツを増やして、検索エンジンにきちんと認識(インデックス)される状態を整えることが重要です。
<サイト立ち上げ期のKPI例>
- 公開記事数
- インデックス登録数
- エンゲージメント率・エンゲージメント時間
ポイント:
ユーザーに訪問してもらうのと同時に、検索エンジンに見つけてもらうことが重要な時期です。
流入状況やコンバージョンよりも、コンテンツ数やインデックス状況を意識しましょう。
成長期(4~12ヵ月)
この時期になると、少しずつ検索流入が生まれ始めるフェーズです。
Webサイト、コンテンツが検索エンジンから評価され、順位がつくことでアクセスが伸び、施策の手応えも見えてきます。
<成長期のKPI例>
- 自然検索経由のセッション数
- 検索順位(主要キーワードの順位)
- エンゲージメント率や平均エンゲージメント時間
ポイント:
「どのコンテンツが検索上位に入ってきたか」「どこに改善余地があるか」を意識しながら、PDCAを回しつつ成果を加速させる時期です。
記事の量だけでなく、質の改善や流入増加に注目しましょう。
安定期(1年以降)
このフェーズは、自然検索流入数が安定してきている状態です。
ここまできたら、流入を「売上」や「問い合わせ」などのビジネス成果につなげる段階に入ります。
<安定期のKPI例>
- コンバージョン数(CV数)
- コンバージョン率(CVR)
- CTR(クリック率)
- 自然検索経由の売上や問い合わせ数
- 検索流入ごとの収益性(ページ別・記事別)
ポイント:
Webサイトへの流入数ではなく、コンバージョンの効率や収益性といった“質の指標”を重視しましょう。
流入を最大化するのではなく、売上や成果につながる導線設計・改善が主眼になります。
KPI設計でよくある失敗と対処法
誤ったKPIを設定すると、的外れな施策やチーム内の混乱を招いてしまうことにもつながります。
ここでは、SEO初心者がよくやってしまうKPI設計の失敗パターンと、その対処法を紹介しましょう。
<KPI設計でよくある失敗>
非現実的な数値目標を設定している
「セッション数を来月中に5倍にする」「コンバージョン率を1ヵ月で0.5%→5%に改善」など、現実離れした目標を立ててしまうと、もちろん達成できず、モチベーションの低下につながります。
過去の実績や業界水準、キーワードの検索ボリュームなどを参考に、達成可能な範囲で設定するのが基本です。
成長率の目安をもとに、「3ヵ月で1.5倍」など、段階的な目標にすると、改善の手応えも感じやすくなるでしょう。
KPIを細分化しすぎている(orしなさすぎる)
細かすぎるKPIを大量に設定してしまうと、管理が煩雑になる上、目的に直結する指標が何なのかがわからなくなり、KPIを達成するためだけのコンテンツづくりになってしまう可能性があります。
逆に「セッション数だけ」などざっくりしすぎたKPIにすると、何を改善すべきかが見えなくなってしまうでしょう。
それらを防ぐには、KGIに直結する重要なプロセスを3~5項目程度に絞ってKPI化するのがおすすめ。
「KPIの数が多すぎて追えない」「少なすぎて判断できない」という状態を避けましょう。
ビジネス目標と連動していないKPIを設定している
KPIを設定する際に、「測定できるから」「数値として取りやすいから」といった理由だけで指標を選んでしまうと、本来のビジネス目標とかけ離れた数値を追いかけることになりかねません。
例えば、
- 「資料請求を増やすこと」が目的なのに、「SNSでのシェア数」をKPIにしている
- 「ECサイトでの購入促進」が目的なのに、「記事のスクロール率」をKPIにしている
といったケースでは、たとえKPIが改善されても、最終的な成果に直結しない可能性があります。
KPIは「この数値が改善されれば、最終的な目標(KGI)に近づけるか」という視点が重要。
目的との因果関係が不明確な指標は、参考値として扱う程度にとどめましょう。
成果につながるKPI設計は、目的から逆算することが大事
SEOにおけるKPIは、ただ数値を追うためのものではなく、ビジネスゴールに向かって正しく進むための指標です。
Webサイトの成長段階やビジネスモデルごとに適した設計があり、それを見誤ると、施策が空回りし、効率的に成果をあげることが難しくなるでしょう。
大切なのは、「自サイトで何を達成したいのか」を踏まえて、その目的に直結する数値を指標として追うことです。
まずは今のKPIが自サイトの目的と合っているかを確認し、必要があれば見直しましょう。
もし、適切なKPI設計に自信がない、プロのアドバイスが欲しいといったご希望がありましたら、まずはナイルの無料相談をご活用ください。Webサイトの状況に応じたKPI設計のお手伝いをします。
SEOの基礎知識 TOPページへSEO対策の悩みをプロに相談してみませんか?
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