SEO施策を成功させるには、単に施策のアイディアを出すだけでなく、優先順位をつけて計画的に実行していくことが重要です。
この記事では、SEO方針策定の基本的な考え方や進め方を解説。
調査・設計で得られた情報をもとに課題を整理し、即効性のある施策から長期的な施策までを段階的に計画していくことで、成果に結びつきやすいSEO方針を立てることができるでしょう。
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目次
SEO方針策定とは
SEO方針策定とは、これまでに行ってきた調査・分析・設計のプロセスを経て得られた情報をもとに、SEO施策に優先順位をつけて実行計画を立てる段階です。
具体的には、ユーザーのニーズや検索意図を分析した初期調査、達成すべき目標を数値化したKPI設計、そして流入につなげるためのキーワード設計の結果を踏まえて、「どのページを」「どのように」「いつまでに」最適化していくかという実行計画を立案します。
SEOの手順の全体像についてはこの記事をチェック!
SEOは一度にすべての施策を実行できるものではありません。
予算、人員、時間といった制約がある中で、最も効果的な施策を見極めて優先順位をつけることが、成功への鍵となります。
効果的なSEO方針の特徴
SEO方針策定を行う際は、ただ施策を羅列し、場当たり的に進めるのではなく、下記の要素を押さえることが大切。
そうすることで、限られたリソースの中でも最大の成果を得られるSEO戦略を構築できるでしょう。
<効果的なSEO方針の特徴>
明確な優先順位がある
SEOには数多くの施策が存在しますが、すべてを同時に実行することは現実的ではありません。
そのため、どの施策から着手すべきかを明確にしましょう。
特に優先したいのは、次のような施策です。
<優先度の高いSEO施策>
セキュリティに関する施策
最優先で取り組んでいただきたいのは、Webサイトのセキュリティ確保です。
特にHTTPS化(SSL化)は、ユーザーの安全性を守るだけでなく、Googleが公式に検索順位の評価要素として明言している重要な施策です。
HTTPSに対応していないサイトは、ブラウザで「安全ではない」と警告表示されるため、ユーザーの信頼を失い、検索エンジンからの評価も下がってしまいます。
HTTPS化はすべてのSEO施策の前提となる基盤であり、まだ対応していない場合は必ず実施してください。
詳しくはこの記事をチェック!
クロール・インデックスに関連する施策
検索エンジンがWebサイトを正しく認識し、検索結果に表示されるための基盤となる施策です。
例えば、サイト構造の改善、内部リンクの最適化などが該当します。
これらはほかの施策の効果を最大化するための土台となるため、こちらも優先して取り組んでほしい領域です。
詳しくはこの記事をチェック!
Webサイトの目的に直結する施策
ビジネスの成果に直接的な影響を与える施策も、優先度が高くなります。
例えば、コンバージョン(CV)に近いキーワードでの順位向上、商品・サービスページの最適化、問い合わせや購入につながるコンテンツの強化をまず実施しましょう。
データに基づいている
効果的なSEO方針を立てるには、推測や勘ではなく、確実なデータに基づいて策定しましょう。
初期調査で収集した現状のアクセス状況、競合調査、SEO技術要件調査の結果から、どの施策がSEOにおいて最もインパクトが大きいかを客観的に判断してください。
例えば、「検索流入が多いが直帰率が高いページ」や「検索順位は上位だがクリック率が低いキーワード」など、データから見えてくる課題を特定し、それを解決する施策を優先的に計画します。
こうしたデータをもとにしたアプローチによって感覚的な判断による失敗を防ぎ、成果につながりやすい方針を立てることができるでしょう。
実行可能性が考慮されている
どれほど理想的な施策であっても、実行できなければ意味がありません。
そこで、時間・人手・コストなどのリソース制約を現実的に踏まえた上で、「やるべきこと」と「できること」のラインを見極めることが大切です。
例えば、大規模なサイトリニューアルが理想的だとしても、予算や開発リソースの制約がある場合は、既存サイトの改善でできる範囲での最適化を優先します。
また、専門知識が必要な施策については、社内での知見習得にかかる時間や、外部委託のコストも考慮に入れましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
短期・中期・長期の視点がバランス良く組み込まれている
SEOは、比較的即効性のある施策と、時間をかけて効果を発揮する施策が混在する分野です。
そのため、時間軸の異なる施策をバランス良く組み合わせることで、効率的に成果が出るように進めていくことが重要になります。
<効果が出るまでにかかる期間別の施策例>
- 短期施策(1〜3ヵ月)
既存ページのタイトルやメタディスクリプションの最適化、内部リンクやコアウェブバイタルの改善など、技術的なSEO要件の見直しや既存コンテンツの改善。 - 中期施策(3〜6ヵ月)
カテゴリ構造の見直しやURL構造の最適化をはじめとするサイト構造の部分的な改善、新規コンテンツ制作などは、ある程度の時間をかけて取り組む施策です。 - 長期施策(6ヵ月以上)
ブランディングやユーザー体験の向上など、時間はかかるものの、持続的な競争優位性を生み出す施策。
権威性・信頼性を高めるためのE-E-A-T対策などがあたります。
SEO方針策定の進め方
効果的なSEO方針を策定するためには、段階的なアプローチが必要です。
ここでは、基本の進め方を3つのステップに分けて解説します。
<SEO方針策定の手順>
1 課題を分類・整理する
まずは、初期調査で明らかになった課題を体系的に分類・整理しましょう。
SEOの課題は大きく次の3つのカテゴリに分類できます。
このように分類することで、どこに課題が集中しているのかが把握しやすくなります。
2 優先順位をつける
課題を整理したら、次はどの施策から着手するかを決める段階です。
前項「効果的なSEO方針の特徴」で解説した通り、改善インパクトやリソース状況を踏まえて、施策を実行する優先度をつけましょう。
ここでは、特に次の視点がポイントになります。
<施策の優先度をつける際のポイント>
- 効果とリソースのバランス
少ないリソースで大きな効果が期待できる施策は優先度が高くなります。
例えば、既存ページのタイトルタグ最適化は比較的少ないリソースで大きな効果が期待できる施策です。 - 緊急性と重要性の判断
ビジネスへの影響度と対応の緊急度も重要な判断軸。
中でも、HTTPS化の未整備、クロールエラー、インデックス登録漏れは、検索エンジンに評価される基盤を揺るがす課題になるため、いの一番に対応しましょう。
3 実行スケジュールを立てる
優先順位が決まったら、実際の実行スケジュールに落とし込みます。
この段階で重要なのは、優先度の高いものから順番にスケジュールに組み込み、現実的な実行計画を作成することです。
ポイントは、次の2点。
<SEO施策の実行スケジュールを立てる際のポイント>
短期・中長期施策を分けて管理する
スケジューリングでは、短期施策と中長期で進める施策を分けて管理するのがおすすめ。
短期施策(1〜3ヵ月)は詳細なスケジュールを立て、中長期施策(6ヵ月以上)は大まかなマイルストーンを設定します。
こうすることにより、目の前の作業に集中しながらも、将来的な大きな目標を見失わずにSEOに取り組むことができ、短期施策の成果を見ながら中長期施策の内容を調整する柔軟性も持つことができるでしょう。
詳しくは、次の「SEO施策のロードマップ作成の考え方」でご説明します。
WBSを活用する
複雑なSEO施策を管理するためには、WBS(Work Breakdown Structure)を活用しましょう。
WBSとは、大きな作業を小さなタスクに分解して整理する手法のこと。
例えば、「コンテンツSEO強化」という大きな施策を、「キーワード選定」「記事企画作成」「執筆」「公開」「効果測定」といった具体的なタスクに分解します。
これにより、各タスクの所要時間や担当者を明確にでき、進捗管理もしやすくなります。
<WBSの例>
SEO施策のロードマップ作成の考え方
SEO方針を実行に移す際は、施策を時系列で整理した「ロードマップ」を作成するのがおすすめです。
単なるスケジュール表ではなく、限られたリソースの中で成果を最大化するための戦略的なツールとして活用できます。
フェーズ別の施策整理
ロードマップを作る際は、成果が表れるまでの想定期間別に施策を分類すると整理しやすくなります。
即効性のある施策(1~3ヵ月)
比較的短期間で効果が表れやすい施策です。
例えば、次のようなものがあります。
ただし、Webサイトを立ち上げたばかりでコンテンツが少ない場合は、そもそも即効性のある施策はありません。
次のフェーズからの積み上げによる施策が中心になります。
中長期的な成果を狙う施策(3~12ヵ月)
SEOの成果が安定して積み上がってくる期間です。
主に次のような施策が該当します。
<中長期的な成果を狙う施策例>
- 新規コンテンツ制作…ターゲットキーワードの検索上位を狙ったコンテンツの追加
- UX(ユーザー体験)改善…導線整理、コンテンツの読みやすさの改善など
- コンバージョン改善(CRO)…お問い合わせ・購入に至る流れの改善
長期的な競争力の強化施策(1年~)
Webサイト全体の競争力をさらに高めるための施策です。
SEOの土台が整った段階で効果を発揮しやすくなります。
<長期的な競争力の強化施策例>
- 外部対策…被リンク獲得、SNS活用など
- 検索ボリュームの多いキーワードを狙ったコンテンツ制作
- SEO以外の施策との連携…広告、PRなど
実施計画を具体化する
施策を整理してロードマップを作成したら、実際の作業計画に落とし込むステップに入ります。
ここでは「誰が」「いつまでに」「どのように」実行するのかを明確にしましょう。
タスクの細分化と工数の見積もり
実施計画を具体化するにあたっては、各施策のタスクを細分化し、リソースと時間を割り当てることで、実行可能な計画を作成します。
まず大きな施策を具体的なタスクに分解しましょう。
例えば、「既存コンテンツのリライト」という施策があった場合、次のように細分化します。
<新規コンテンツ制作のタスク>
- 対象記事の選定と優先順位付け…3時間
- 各記事の現状分析(検索順位、流入数、競合分析)…1記事あたり30分
- 改善案の策定(構成の見直し)…1記事あたり1時間
- 執筆、タイトル・メタディスクリプションの最適化…1記事あたり1~3時間
- 内部リンクの見直しと追加…1記事あたり30分
このように具体的なタスクに分解することで、実際にどれだけの作業量が発生するかが見えてきます。
工数見積もりの際は、作業の複雑さだけでなく、担当者のスキルレベルや他業務との兼ね合いも考慮して、現実的な時間を設定することが大切です。
<工数見積もりのコツ>
- 過去の類似作業の実績を参考にする
- 不確定要素がある場合はバッファを設ける(見積もり時間の20~30%程度)
- 複数人で作業する場合のコミュニケーションコストも考慮する
- 承認プロセスや待ち時間も工数に含める
担当者の割り当て
各タスクには適切な担当者を割り当てる必要があります。
SEO施策は多岐にわたるため、それぞれの専門性に応じた人材配置が効果的です。
担当者を決める際は、次の点を考慮しましょう。
<担当者を決めるポイント>
- スキルマッチング…タスクに必要なスキルと担当者の能力が一致しているか
- リソース…他業務との兼ね合いで、十分な時間を確保できるか
- 責任の明確化…各タスクの最終責任者を明確にし、曖昧な責任分担を避ける
- バックアップ体制…主担当者が不在の場合のサポート体制
スキルマッチングやリソースの都合で、社内に適した人材がいない場合は、外注を検討するのも手。
差し当たっては外部の専門家に頼りながら、同時に社内の人材を育成することで、将来的な内製化も期待できるでしょう。
詳しくはこの記事をチェック!
マイルストーンとデッドラインを設定(主に長期的な施策に適用)
長期的な施策では、最終的なゴールまでの道のりを可視化し、進捗を管理するためのマイルストーンとデッドラインの設定が不可欠です。
また、デッドラインを設定する際は、次のようなことを考慮しましょう。
<デッドライン設定のポイント>
- 現実的な期限設定…余裕のないタイトなスケジュールは避ける
- 他タスクの遅れリスク…前工程が遅れる可能性を踏まえる
- 外部要因による遅れリスク…システムメンテナンス、繁忙期、祝日などの影響を踏まえる
必要な予算の計画
SEO施策の実行には、人件費以外にもさまざまなコストが発生します。
予算計画では、これらを漏れなく見積もり、適切な予算確保を行いましょう。
<SEO施策の主な予算項目>
- 人件費…内部リソースの工数コスト、外部委託費用
- ツール費用…SEO分析ツール、キーワード調査ツール、順位測定ツールなどの月額・年額利用料
- コンテンツ制作費…外部ライターへの原稿料、写真・イラスト、動画制作費
- 技術実装費…システム改修費、サーバー使用料
- 外注費…SEOコンサルティング費用、コンテンツ制作費用
SEOに必要な費用については次の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
詳しくはこの記事をチェック!
戦略的で現実的なSEO方針策定が成果を左右する
SEO方針策定は、調査・設計で得られた情報をもとに施策を優先順位づけし、現実的な実行計画に落とし込むプロセスです。
課題を整理し、効果やリソース、緊急性を踏まえて実施する施策を決め、さらに優先順位をつけて進めていくにあたっては、ロードマップを作成することが重要。
タスクの細分化、担当者の割り当て、マイルストーンの設定、予算計画まで具体化していく際、絵に描いた餅にならないよう実行可能な方針を立てることを意識しましょう。
SEOは長期戦だからこそ、無理なく継続できる計画設計が成果につながります。
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