「コンテンツSEO 効果なし」その判断早いかも?注意点と”効果測定”の捉え方

「コンテンツSEO 効果なし」その判断早いかも?注意点と”効果測定”の捉え方

こんにちはナイルの梅田です。今回は普段お客様と接している中でよくある悩みの『効果測定』について触れたいと思います。

昨今、様々な企業が、新規顧客獲得に向け、自社サイトやオウンドメディアを通してコンテンツ配信の取り組みを実践しています。

一時期“コンテンツSEO”という言葉が流行ったように、コンテンツの配信の成果指標を『新規顧客の獲得』に置いたサイトも多く見られました。

しかし、以下のような悩みを持った担当者の方も多いのではないかと思います。

  • KGI・KPIを立てているものの、一面的な数値を見るだけで振り返りを十分に行えておらず、やっている実感がわかない。
  • 「何となく」手応えは感じているが、うまく数値化出来ておらず、社内の理解・協力を得られていない。
  • 集客目的の取り組み一つとっても、本来であれば『最終的な目的は何か』によって、追うべき指標は異なるはずです。例え現場のメンバーが成果を実感していたとしても、最終的な目的に繋がる”意味のある数値”として伝わらなければ社内の理解も得られませんし、同時に、正しい振り返りや次のアクションにも繋がらないでしょう。

    今回はそうした、取り組みを開始してからある程度期間が経過したものの「正しい効果測定の方法がわからない」「本来の成果を見落としているのではないか」などの悩みを持つ方々に向けて、よくある失敗ケースをもとに、どうすれば正しい指標を追えるようになるかをパターン別に解説します。

    今回は“コンテンツSEO”の取り組みを行っているであろう、下記3名のタイプの方にお伝えします。

         ①【集客】を指標としているWeb担当者

         ②【サイト内の回遊率】を指標としているWeb担当者

         ③【問合せ・購入などCV】を指標としているWeb担当者

    ①【集客】を指標としているWeb担当者

    サイトにおけるユーザー行動段階①集客

    集客を主に指標をした場合、下記の指標の改善に焦点を当てていると思います。

    指定したキーワードの順位・オーガニックセッション数・新規訪問率

    よくある悩みと注意点

    ①-1「順位がなかなか上がらない…」

    ▶注意点:計測しているキーワードが適切ではないかも?

    ▶ 対策 : 各コンテンツで評価させたいキーワードを見直しましょう

    これまで獲得出来ていなかったような順位を主な指標としてウォッチしている時に、「そもそも計測しているキーワードが誤っていた」ケースはよく見られます。

    例えば「親戚へのおすすめ出産内祝いの品」に関する記事コンテンツを公開していた場合、「出産内祝い」単体での順位を見ていても、SEOにおける適切な評価を見るという面では不十分でしょう。

    「出産内祝い」単体で検索しているユーザーは、「出産内祝いってそもそも何だ?」という純粋な疑問から「内祝いのマナーを知りたい」「出産内祝いのおすすめ商品を知りたい」など、かなりニーズが広いことが想定されます。よって、「親戚への出産内祝い品」に内容を限定したコンテンツは、網羅性・競合性・ニーズのズレなど様々な関係から、「出産内祝い」単体で順位向上する可能性は低く、「出産内祝い」の順位だけを見ていても正当な評価を下せない恐れが高いです。

    そういった場合は、コンテンツが評価されるであろうキーワードを記事毎に選定し、例えば複数のキーワードで計測して効果を見るなどすることで、検索エンジンからの評価を判断しましょう。

    コンテンツに対するキーワード選定の適切・不適切なケース(出産内祝い)
    まとめ
  • 計測している順位が一向に上がらない場合は、計測しているキーワードが不適切な可能性がある
  • そのコンテンツで評価させたいキーワードを再定義し、順位の定点観測を行うことで効果が見えてくることも

  • 【補足】「計測しているキーワードは適切なはずだけど上がらない…」という方へ

    一方で、計測しているキーワードに対してのアンサー・ニーズがズレていることや、そもそもtitle要素に含まれておらず検索エンジンが認識出来ていないことが原因で順位が向上しないケースも存在します。前者に関しては、狙いたいキーワードのアンサーとなるよう、他に上位表示されている記事を参考にしたり、ユーザーの求めている情報を推察することで記事をリライトしてみることもおすすめします。後者に関しては、title要素に狙いたいキーワードを挿入するなど、SEOの基本事項を抑えることで効果がすぐに見えるかもしれません。

    参考:内部SEO対策のためのチェックリスト

    ①-2 「順位も流入も上がらないし、SEOに全く影響なかった…」

    ▶注意点:そう判断するには早計で、“間接的な効果”を見落としているかも?

    ▶ 対策 :オーガニックからの直接の流入だけでなく、リファラルのトラフィックや、被リンク獲得の目線での効果検証も考慮してみましょう

    コンテンツ制作・公開における直接的な流入が想定していたよりも少ないものの、“間接的”な効果を得られており、それを見落としているケースはよくあります。

    見落としてはいけない間接的な効果としては、コンテンツがまとめサイトに載ることで外部サイトからのリファラルの流入を獲得出来ていたり、外部サイトから自然な文脈でのリンクが設置されていることなどが挙げられます。特に後者に関しては、すぐには効果として見えにくいものの、長期的なスパンで見ればドメイン全体でのSEOにおける評価向上につながっているため、直接的な流入が期待していたよりなかったからといって取り組みをやめることに関しては注意が必要です。

    コンテンツのAhrefsにおける被リンク調査状況

    ※SEO分析ツール『Ahrefs』におけるSite explorerの使用画面

    まとめ
  • コンテンツ自体で直接流入や順位を得られなくとも、取り組みの中で外部からの自然リンクや、リファラルからの流入を獲得出来ている可能性あり
  • 流入・順位といった指標だけで取り組みを判断するのではなく、総合的に判断することも重要

  • ①-3 「全然効果が見えてこない」

    ▶注意点:判断するに当たって、期間が短すぎるかも?

    ▶ 対策 :SEOで直接効果が見られるのは半年以上かかるケースも多いことを理解しておきましょう。

    これまでどういった運用が行われたドメインでコンテンツを配信していくかにも依存しますが、検索結果における順位向上・直接流入の向上は、半年以上様子を見て初めて成果が出るケースも多いです。①-2とも重複しますが、SEOでの効果は長い目、かつ複数の視点で見ることで、本来の効果が導き出せることが往々にしてあるため、早々に見切りをつけることは適切に効果を見れていない場合があります。

    参考:図解で分かる”コンテンツSEO” : コンテンツ配信→リンク蓄積→流入増のサイクルを作る

    上の記事では“コンテンツSEO”の流入増加のイメージを記載しているので併せてご確認ください。

    ②【サイト内の回遊率】を指標としているWeb担当者

    サイトにおけるユーザー行動段階②回遊

    ECサイトを運営されている方が商品ページへの遷移率や、本体の比較ポータルサイトへの遷移率をウォッチしている場合、制作したコンテンツのオーガニック流入において、下記の指標に重点を置いていると思います。

    滞在時間・PV/セッション・想定ページへの遷移率

    よくある悩みと注意点

    ②-1 「直帰率も高いし、滞在時間も短い。SEOからの流入はサイトの回遊に貢献出来ていないかな…」

    ▶注意点:滞在時間と直帰率だけでなく、指標を変えるだけで効果が見えるかも?

    ▶ 対策 :コンテンツごとに見たい指標を割り当て、個別最適な計測手段で効果を検証しましょう

    「オーガニックで流入を獲得出来たのは良いものの、数値的には滞在時間も短いままだし、直帰率も高い」といったケースはよく見られますが、見る指標を変えるだけで正しい効果が見えてくることも多々あります。

    そもそも作成しているコンテンツが「用語集」や「FAQ」などであれば、訪れるユーザーの特性上直帰率が高いのも当然でしょう。その場合は、回遊はせずとも、例えばサイト認知しているかどうかを指標として変更し、読了率という指標で最下部への遷移率を見ることで、コンテンツの満足度という観点での効果も検証出来るかもしれません。

    参照:読了率を測るには?

    一方で記事系コンテンツや、お悩み系コンテンツで、明確に「このページに遷移させたい」というのが固まっていれば、遷移させたいページへの導線にイベントトラッキングを設定することで、より厳密に遷移率を把握することが出来、詳細な効果検証が可能となります。

    参照:Googleアナリティクス イベントトラッキング設定再入門

    一律に成果指標を設定することも一つではありますが、コンテンツタイプごとに異なった指標を設定することで、どういったタイプが本来の目的に最も適うかを検証し、改善するのも一つの手段です。

    まとめ
  • 直帰率や滞在時間だけでは”回遊性”などをジャッジするには不十分かもしれません
  • コンテンツごとに何を成果として見るかを検討し、グループ毎に最適なデータ収集を

  • ②-2 「見てほしいページにユーザーが遷移しない…」

    ▶注意点:狙っているキーワード、ひいてはターゲット層が誤っているかも?

    ▶ 対策 :狙うキーワード・ひいてはユーザーの設定を改めるのも一つの手です

    狙っていたキーワードの順位・流入も獲得しているし、②-1のように遷移を数値化して取得しているものの、遷移率が悪いケースもあるでしょう。その場合はそもそも狙っていたキーワード、またそれを検索するユーザーのニーズが、遷移させたいページと大きくかけ離れている可能性はないでしょうか。

    例えば老人ホーム・介護施設の比較ポータルサイトを運営しているケースの場合は、施設利用者を集客したい場合がほとんどでしょう。それにも関わらず、下記のように老人ホームの働き手側が求めるキーワードを集めても、おそらく求めているページへの遷移率の向上は実現しないことが予想されます。

    老人ホーム系キーワードにおける注意点

    手当たり次第に関連するキーワードや、検索ボリュームの高いキーワードを狙うのではなく、検索するユーザー像を明確にし、またその人が検索するであろうキーワードに絞ってコンテンツを展開させることが重要となります。

    まとめ
  • 狙っているキーワードの裏にある検索ニーズが本来求めていたものとズレている可能性も
  • 集客・回遊させたいユーザーを明確にし、そこからキーワード・コンテンツを逆算しましょう
  • ③【問合せ・購入などCV】を指標としているWeb担当者

    サイトにおけるユーザー行動段階③CV

    ECサイトにおける商品の購入や、サービスサイトにおける問合せを成果指標としている場合、下記の項目に重点を置いていると思います。

    CVR・費用対効果

    よくある悩みと注意点

    ③-1 「オーガニック流入は来ているんだけど、全然CVに寄与していない…」

    ▶注意点:オーガニック流入からの直接のCV数しか見れていないかも?

    ▶ 対策 :ユーザー行動におけるCVへの遷移を測ることで、コンテンツの「正しい売上への貢献度」を見ましょう

    コンテンツマーケティングや、SEOを取り組むにあたって、「ではどれだけ売上に貢献したか?」という問いはよくある悩みです。こうした場合、GoogleAnalyticsで流入ページ群を見て、そこからのCV数を見て判断しているケースがありますが、「その後リマーケティング広告でCVしたユーザー」や、「何度も再訪して、最終的にTOPからCVしたユーザー」など本来CVに貢献したユーザーまでカウント出来ていない恐れがあります。

    そういった場合は、ユーザーの行動を計測することで、記事に訪れたユーザーの最終的なCVへの貢献度を見ることが出来ます。

    現状ご利用のツールを活用し、検証したいデータを取り出すことで、コンテンツの正しい効果検証を行いましょう。

    CVへの貢献度はGoogleアナリティクスの機能を用いて分析可能
    まとめ
  • オーガニック流入からの直接のCVR・CV数の把握だけでは、コンテンツの効果を判断するのに不十分な可能性が高い
  • ツールを活用し、ユーザー行動を分析することで正しい効果を見極めましょう

  • ③-2 「サイト全体の流入・PVも増えたけど、売上が増えない…」

    ▶注意点:購入・問合せへの中間地点をCVポイントとして設置したほうが良いかも?

    ▶ 対策 :CVポイントを変更・追加することを検討する

    コンテンツ制作・公開の運用体制も整え、サイト全体の流入・PVも増えたものの、投資した費用に対して思いの外売上が伸びないといったケースもあるでしょう。そうした場合、②-2と近いのですが、ユーザー像が購入や、問合せと「距離が遠すぎる」ことが原因であることが多くあります。

    例えば、「名刺管理」ツールを販売している企業が、仮に「売上管理」で多くのトラフィックを獲得していたとします。ユーザーにとって売上管理の悩みはあるものの、そこから「名刺管理」へとソリューションが直結しないケースがほとんどでしょう。

    そうした流入をなるべく取りこぼさないよう工夫する場合、記事の内容や、導線の工夫でユーザーをCVに近づける施策も選択肢としてはありますが、購入や問合せへの中間CVポイントを設けることも効果的な施策です。

    例えば、ホワイトペーパーのダウンロードによる、顧客リストの獲得などがわかりやすい例として挙げられます。

    SEO HACKSにおける中間CVポイントのご紹介

    オーガニックからの流入の還元を、問合せ・購入だけでなく、顧客リストの獲得に置き換えることで、見えてくる成果・ユーザーの行動も変わり、獲得した顧客リストの活用次第では次の施策も考えられるでしょう。

    まとめ
  • そもそもCVのポイントとコンテンツとがかなりの「距離」があるケースが存在する
  • 中間CVとして、ホワイトペーパーやメルマガ登録、電話相談などを設置することで最終的なCVへとたぐり寄せる施策も検討してみる
  • 総括:本来の価値・成果を意識して、次のアクションにつなげましょう

    SEOで見るべきは順位や自然検索流入セッション数だけではなく、売上への還元率や、ブランディングの寄与も当然のように見るべきであると私たちは考えます。

    その辺りを大切にしたいと考えつつも、ついつい順位や流入ばかり追ってしまい、SEOでの指標の立て方や、キーワードマッピング、効果検証において不安な方々もいるでしょう。その場合は記事中にも何度か記載しましたが、改めて求めているユーザー像を明確にし、喚起したい行動をもとにKPIや成果指標の設定をすることで本来追いたい価値は何かを再認識することを強くオススメします。

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    著者紹介

    梅田 晃啓(うめだ あきひろ)
    梅田 晃啓(うめだ あきひろ) コンサルタント(SEO・サイト運用コンサルティング)

    慶應義塾大学卒。大手ECサイトやメディアサービス、転職求人サイトなどを担当。SEO戦略設計や運用改善の実績を高める。テクニカルな面に限らずコンテンツマーケティングの企画にも力を入れ、現在は執筆やセミナーなどの情報発信にも力を入れている。大学時代にお笑い全国大会優勝経験あり。

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