コンテンツマーケティングとは?必要な理由やメリット、実践方法全まとめ

コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツ発信を通じてサービスや企業の認知拡大・理解促進などを行い、売上の向上を狙う一連のマーケティング手法のことです。
ただ、自社で進めるにあたり、具体的に何から始めればいいかわからない方もいるのではないでしょうか。また、効果が出るまでにある程度の期間が必要となるため、コンテンツマーケティングが成功するかは不安があるかもしれません。
そこで今回の記事では、取り組む上で押さえたいコンテンツマーケティングの基本から、成功のポイントなどコンテンツマーケティング推進に必要な情報をまとめて詳しく解説します!
これからコンテンツマーケティングを始めようと思っている方は、ぜひご一読ください。
また、「社内でコンテンツマーケティングの進め方を検討したい」と思っている方向けに、共有しやすいPDF資料(無料)をご用意しています。
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目次
コンテンツマーケティングとは?わかりやすく解説!
コンテンツマーケティングとは「有益なコンテンツ発信を軸にしたマーケティング手法」のことです。
企業がメディアのような発信を行うことで、見込み客を顧客に、さらに顧客をファンにしていくことを目指します。
アメリカでは、2000年頃から多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組み始め、現在は日本でも浸透しています。
アメリカのコンテンツマーケティングインスティチュート(Content Marketing Institute (CMI) /コンテンツマーケティング学会)によると、コンテンツマーケティングの定義は以下になります。
「コンテンツマーケティングとは、マーケティング戦略のひとつで、適切で価値が高く、一貫性のあるコンテンツを生み出して届けることにフォーカスしている。明確に規定した見込客を引き寄せて、関係性を作り、最終的には発信側の利益となる行動へとつなげることを目的とする」“Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.”
引用:What Is Content Marketing?(CMI)
コンテンツマーケティングが必要な3つの理由
コンテンツマーケティングが求められている背景としては、ユーザーの情報への接し方が変わり、マーケティング環境が変化したことにあります。
ここでは、コンテンツマーケティングが必要な理由について解説します。
【理由1】広告の限界
コンテンツマーケティングが必要な理由のひとつとして、広告によるマーケティングの限界が挙げられます。
ソーシャルメディアとスマートフォンの普及により、人が日常的に接する情報の量は以前とは比較にならないほど増加しており、人間の処理可能なレベルをはるかに上回るようになりました。
そんな中で、多くの人は欲しい情報を「みずから探す」または「知人・友人に聞く」という選択をとるようになり、広告は不要なノイズとして見られるようになってきたのです。
その代わりに、ユーザーは自分が求める情報をみずから検索して発見したり、友人知人にシェアしたりするようになりました。
そのため、企業やサービスの本当の価値を知って購入してもらうには、ユーザーが求める有益なコンテンツが必要だと考えられ、コンテンツマーケティングが注目されるようになったのです。
【理由2】SEOだけではもったいない!多種多様なチャネルの存在
コンテンツマーケティングが必要な理由の2つ目に、多種多様なチャネルの存在があります。
特にオウンドメディアを運用していると、自然検索流入、SEOだけに流入数を頼ってしまう傾向があります。
しかし、ユーザーにコンテンツを届ける方法はたくさん存在しています。さまざまなチャネルで、作成したコンテンツを拡散することができれば、特定のチャネルだけでは届けることのできないユーザーへアプローチすることができるのです。
例えば、SEOはユーザーの検索に合わせて、コンテンツを届けることが得意なチャネルですが、その分「このように思う」という意見のコンテンツは届けにくい傾向があります。よって、そういったコンテンツに関しては、メルマガやSNSなどの発信することができるチャネルを用いて、ユーザーに届けていく。そんな分け方です。
また、チャネルによっては年代や性別などユーザーの属性が大きく異なることも多く、SEOや広告だけでなく、Twitterを始めとしたSNSや、YouTube、メルマガなどチャネルを使い分けることで、会社として届けたいユーザーの最大値を広げることができます。
このように作成したコンテンツをどのように届けていくかということを考えるのも、コンテンツマーケティングのポイントになります。
【理由3】ユーザーの行動の変化(ZMOT)
インターネットやソーシャルメディアなどの普及に伴って、ユーザーの行動も変化するようになりました。
ユーザーは商品やサービスを購入するにあたって、インターネットで情報収集してから購入するかどうかを判断するようになったのです。そういったユーザーの変化も、コンテンツマーケティングが必要な理由のひとつといえます。
ユーザーが店で商品を購入する前にインターネットで情報収集して、購入したいものをすでに決めているというマーケティング理論をZMOT(Zero Moment of Truth)といいます。
企業は、商品やサービスを購入してもらうために、ユーザーの行動変化に対応したコンテンツマーケティングを行って検索結果の上位に表示されることが重要です。
なお、ほかにもコンテンツマーケティングをすべき理由はいろいろあります。目的から逆算することで内容が理解しやすくなるので、ぜひ下記記事を参考にしてください。
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コンテンツマーケティングを実施する3つのメリットとは?
コンテンツマーケティングを実施することで、主に次の3つのメリットがあります。
ほかにも、既存ユーザーをサポートできたり、ファンとのコミュニケーションがとれるようになったりするといったメリットがありますが、ここでは大きな3つのメリットを紹介します。
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【メリット1】見込み顧客と接触し、自社サービスを知ってもらえる
コンテンツマーケティングのメリットのひとつは、見込み顧客と接触できるということです。
ユーザーはみずから欲しい情報を検索し、ソーシャルメディアで友人から興味深い情報を得る傾向があります。良質なコンテンツをうまく発信することができれば、そうしたユーザーに発見してもらうことが可能です。
まずは接触し・自社サービスのことを知ってもらう機会を設けることで、その後の購買行動の可能性を高めていくのが狙いです。
また、特にBtoB領域などの購買の意思決定までの時間がかかる商材のマーケティングにおいては、見込み顧客のメールアドレスなどの顧客データを獲得すること=「リードジェネレーション」が大切とされています。得られた顧客接点をもとに、その後のコミュニケーションで見込み客になるように興味関心を育てて行くのです。
リードジェネレーションにおいてはまず興味を持ってくれているユーザーの情報を獲得する必要があります。例えば役立つノウハウをまとめて「メールアドレスを入力すれば無料でダウンロード可能」とするなどの手段も有効です。
【接触・リードジェネレーションのフェーズで必要となるコンテンツ例】
- ソーシャル拡散力のある面白い/興味深いコンテンツ
- よく検索される業界ノウハウの解説記事
- 話題のプレイヤーへのインタビュー記事、対談記事
- 話題性のあるニュースの取材記事・解説記事
- 賛否両論分かれる話題への意見表明
- すぐに役立つノウハウを集めた冊子の無料ダウンロード(メールアドレスを獲得)
- 独自の調査結果をまとめたホワイトペーパーの無料ダウンロード(メールアドレスを獲得)
【メリット2】「そのうち客」を「今すぐ客」に育てられる
ユーザーを育てていけることも、コンテンツマーケティングのメリットのひとつです。
一度接触したユーザーにアプローチし、次第に自社サービスの購買確度を上げていくことを「リードナーチャリング」といいます。
リードナーチャリングのフェーズでは、買う可能性はあるものの積極的に買うつもりはない「そのうち客」に対し、継続的に情報を発信する中で潜在的なニーズを刺激し、自社商品の魅力を知ってもらいます。
コンテンツによる接触を通じて、実際に顧客になりうる「今すぐ客」の状態まで見込み顧客の心理状態を引き上げるというのがリードナーチャリングの役割です。メルマガを購読してもらったり、ソーシャルメディアのアカウントをフォローしてもらったりすることで継続的な接触を図ります。
【リードナーチャリングのフェーズで必要となるコンテンツ例】
- その分野についてユーザーの理解を深める学習コンテンツ
- ユーザーの現状課題を放置しておいた場合のリスクを伝えるコンテンツ
- 自社サービスの成功事例やお客様の声などのイメージを沸かせるコンテンツ
- 自社サービスと他社サービス(または自社の他商品)との比較コンテンツ
【メリット3】ブランドイメージを構築できる
見込み顧客との接触や育成と並行して発生するコンテンツマーケティングのメリットとして、ブランドイメージを構築できることが挙げられます。
多くの商品がコモディティ化し、明確な差別性が見えにくくなっている今、何か困ったときに「あのサービスがあった!」というという第一想起が得られることは非常に重要です。
また、他社サービスとの比較となった際も、「このサービスは信頼できそう」という意識があることにより、最終決定の際に自社商品を選んでくれる可能性が高まります。
ブランドの構築のためには、企業やサービスごとに統一されたブランド思想と、それを可視化するコンテンツが必要になります。コンテンツによる接触を通じて、ブランドイメージをユーザーに伝えることが可能になります。
その際、発信されるコンテンツは企業のブランドを伝えるものでなければいけませんから、「そのサービス・企業の特徴や思想を色濃く反映したコンテンツ」「社員の顔が見えるコンテンツ」「その企業にしか出せないコンテンツ」である必要があります。
「なんとなくこのサイトのコンテンツをよく見るな」という程度では、ブランドを構築することはできません。当然ですが、Web上で拾った情報の寄せ集めのような薄いコンテンツでは、ユーザーの心を動かすことはできません。
例えばエナジードリンクの「RedBull」は、“翼をさずける”というキャッチコピーで、ブランドイメージを強く印象づけています。協賛しているエクストリームスポーツの様子が、YouTubeや自社メディア上に展開しているのをご覧になった方もいるかもしれません。
RedBullほどのことはできなくとも、自社独自の取り組みや人的資産、思想にもとづいたコンテンツ作りは何かしらできるはずです。「どこにでもあるもの」ではなく、独自のこだわりや価値を丁寧に反映させることが重要です。
【ブランドイメージ構築で必要となるコンテンツ例】
- 企業のブランドイメージと深く結びつき、ユーザーの心を動かすコンテンツ
- 他のサービスにはない、独自の強みや特徴を反映させたコンテンツ
- 企業とユーザーの絆やつながりを見せるコンテンツ
- CSRやCSV(Creating Shared Value)の活動を伝えるコンテンツ
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コンテンツマーケティングを実行する5つのステップ
日本でもコンテンツマーケティングが流行し、数多くのオウンドメディアが作られました。
「とりあえず作ってみよう」といった形で始まり、中途半端に実施しているがためにうまくいかないケースも多くあります。コンテンツマーケティングは、下記の5つのステップに沿って実行し、しっかりと戦略を立てて形に落とし込んで継続することが重要です。
【ステップ1】 体制を作る
コンテンツマーケティングは、長期的なマーケティング施策であり、広告のように、実施して即効果が出るようなものではありません。
ある程度長く続け、効果の判断ができるくらいまでは続ける必要があります。予算と体制をバッチリ整えて、◯年は必ずやる、といったようにコミットする企業もあるでしょう。
しかし、成果の読めない施策に膨大な予算をポンと出せる企業はほとんどありませんし、こだわりすぎて現場がついていけなくなるというパターンもあります。そんなときは、「小さく始めて大きく育てる」体制づくりがおすすめです。
はじめの段階で、「いつまでにどのくらいの成果が出れば良しとするか」を考えましょう。のちにふれるKPIをできるだけシンプルに設定し、予算や更新数が大きくなりすぎずにコンセプトの検証ができることを目指します。
小さな会社であれば、プロジェクトリーダーが自分で何記事か書いてみて、その反応を見る、といった形でもいいでしょう。ただこのときも、中途半端な記事をなんとなくアップしただけでは検証もできないため、配信経路などの考慮は必要になります。
このあたりも意識しながら、実際の立ち上げステップを見ていきましょう。
【ステップ2】 戦略を立てる
コンテンツマーケティングに取り組む際には、戦略を立てることが重要です。
何を実現するために、誰に・何を・どう届け、どうフォローしていくのかをしっかり考える必要があります。戦略を立てるにあたっては、以下3つのポイントについて考えておくといいでしょう。
●ポイント1 ペルソナ設計
ペルソナとは、「F1層」「30代会社員男性」のような分類ではなく、具体的な人物のプロフィールや思考・行動特性を書き出したユーザー像のことです。
ユーザーはどのような人で、何を考えているのかを正しく把握することからマーケティングは始まります。ペルソナを設定することで、リアルなターゲットユーザーがイメージできるようになるでしょう。
●ポイント2 カスタマージャーニーマップ作成
カスタマージャーニーマップは、ペルソナがそのサービスに関連する領域でどのような経験をするかということを、図式化したものです。
リアルな思考や行動の仕方を洗い出すことで、実際のユーザーに即したコンテンツづくりにつなげられるメリットがあります。
この際、可能であれば実際のユーザーにグループインタビューをしたり、ユーザーとふれ合う機会の多い営業メンバーを交えてワークショップをしたりして作ることをおすすめします。思い込みで作ってみたら、実際のユーザーとは全然違っていたということもよくあります。
●ポイント3 競合調査
コンテンツマーケティングの実施にあたっては、事前に競合がどういった情報発信をしており、ユーザーにどのように受け入れられているのかということを十分に調査する必要があるでしょう。
競合が強い分野の場合、それぞれの競合がどんな分野でどのようなポジショニングを確立しているのかを明確にし、自社がどこを取りにいけるのか、どうすれば差別化が可能なのかを考える必要があります。
この際、ポジショニングマップなどを使って確認してみるといいでしょう。もちろん、自社がどういった強みを持っているかということも客観的に把握します。
その際に注意したいのは、どのようなウェブサイトが検索上位にいるかということです。商品やサービスの競合他社ではなく、アフィリエイトサイトや比較サイトなどが検索上位にいる場合もあり、競合他社とは違った差別化が必要になることもあります。
●ポイント4 戦略設計
ユーザー、競合、自社という三者(いわゆる3C)が理解できたら、それをもとに戦略を立てます。
何を目的にコンテンツマーケティングを行うのか、どのフェーズにいるユーザーをターゲットにするのかといったことを明確にした上で、適切なメディアで適切なコンテンツを発信する戦略設計が必要です。
潜在層の悩みを解決し、リード獲得につなげるのであれば、オウンドメディアで悩みを解決してサービス理解を深めてもらうコンテンツが必要でしょう。
また、市場が飽和して商品のコモディティ化が進み、機能面での訴求が難しくなっている商品やサービスでは、コンテンツを通じたブランドイメージの構築を行うことが必要です。この場合は、SNSでの展開も考えられるでしょう。
ユーザー、競合、自社という三者(いわゆる3C)が理解できたら、それをもとに戦略を立てます。ひとくちにコンテンツといっても、読者とサービスの関係性によって、アプローチを変える必要があります。
なお、戦略の立て方については、以下の記事でも詳しく解説しています。特に適切なKPIを設定した進め方は、改善を図る上でとても重要です。
【ステップ3】 戦略を戦術に落とし込む
コンテンツマーケティングでの戦略が決まったら、それを実現し、成果を出していくための具体的なステップを考えます。
そのためには、下記3つの項目について検討するようにしてください。
●項目1 KGI、KPIを適切に設定する
戦略が決まったら、それを適切に評価する指標として、「重要目標達成指標」であるKGI(Key Goal Indicator)と「重要業績評価指標」であるKPI(Key Performance Indicators)を設定します。KGIは最終目標で、KPIは過程を評価する指標と考えるといいでしょう。
これらはできるだけシンプルで、業績に直結しやすい指標を立てるようにします。例えば、リードジェネレーションを目的とするのであればリード獲得数、リードナーチャリングを目的とするのであればコンテンツ閲覧数や資料ダウンロード数などをKGI、KPIとして設定します。
トータルのPV数などを指標にするのもいいですが、ソーシャルの反応や検索順位ばかりを重視する恐れがあり目的から外れたコンテンツを作ってしまうことにもなりかねません。
●項目2 コンテンツごとに適切な集客導線を考える
コンテンツを作成する際は、そのコンテンツをどのように見てもらうかを考える必要があります。
多くのユーザーが検索するキーワードがはっきりしているテーマであれば、SEOが重要になります。記事を書く際に、どんなキーワードで検索されるのかということを考えながら執筆するといいでしょう。
ソーシャルメディアは、記事公開時の最初の流入源になります。公式アカウントや運用関係者のアカウントを育て、フォロワーを増やしていくことで拡散力を高めることが可能です。
第三者のメディアに掲載されれば、自力では届かない範囲にまでコンテンツを届けることができるようになります。Yahoo!ニュースやSmartNewsをはじめとする、キュレーションメディアなどに掲載されるようにアクションしていくことも必要です。
また、特にソーシャルメディアの広告において、コンテンツそのものを広告として出す手段も増えてきています。力を入れて制作したコンテンツは、そのまま広告枠に配信するという手段も検討可能です。
●項目3 サイト流入後の内部導線を考える
ウェブサイトに流入した後のユーザーの動きもしっかりと考えましょう。
コンテンツは見られるようになったが、その後ユーザーが何のアクションもしないまま、ということでは意味がありません。流入後に期待するユーザーの行動に合わせて、サイトのインターフェースや構造も最適化する必要があります。
リードジェネレーションを目的とし、メールアドレスの獲得を目標とするのであれば、メールアドレスを獲得できるコンテンツへの誘導が必要になります。
メールマガジンの登録導線をわかりやすい位置に示したり、メールアドレス入力で無料ダウンロードできるコンテンツへのバナーリンクを記事の下に置いてみたり、そうした導線上の工夫が必要になります。
【ステップ4】コンテンツを作る
コンテンツマーケティングの中核を担うのはコンテンツです。
いくら戦略を練り込んでも、質の高いコンテンツが作れなければ意味がありません。また、継続的に作るということも大切です。関係者を巻き込み、モチベーションを維持して更新頻度を保つのはなかなか難しいものですが、予算があれば外部にコンテンツ制作を委託するという方法もあります。
しかし、コンテンツを内製する場合でも、外部に委託する場合でも、質の高いコンテンツを作ることが大前提です。ここでは、どのようなコンテンツを作ればいいか、3つのポイントを解説します。
●ポイント1 訴求したい方向性に合わせたコンテンツ
コンテンツマーケティングでは、訴求したい方向性に合わせたコンテンツを作ることが大切です。
コンテンツの種類はウェブ記事だけではなく、ホワイトペーパーや動画、レビューなど、さまざまなものがあります。アプローチが変わればそれを届けるコンテンツ自体も工夫する必要があるため、適切なコンテンツは何かを常に考えるようにしましょう。
●ポイント2 独自性の高いコンテンツ
コンテンツマーケティングが広まったことで、検索上位記事と同じような内容のコンテンツが多く作られるようになってきているのが現状です。
しかし、ユーザーの購買意欲につながるものを作ろうとするならば、独自性の高いコンテンツを増やしていく必要があります。
Googleの品質評価ガイドライン(Google General Guidelines)でも、「独自性」や「専門性」が非常に重視されるようになっています。検索上位に表示されるためには、独自の価値を確保することが重要です。独自要素を獲得するには、有識者に対する取材が最も効果的です。
取材によってしか得られない情報を掲載することができれば、独自性や専門性が保たれた質の高いコンテンツになるでしょう。
●ポイント3 誘導力の高いコンテンツ
独自性や専門性のあるコンテンツであることは大切ですが、コンテンツマーケティングの場合は誘導力も高いコンテンツである必要があります。
ユーザーに気づきを与え、自社の商品やサービスに誘導できるようなコンテンツを作成するようにしましょう。専門分野の知識を提供した上で、このサービスなら悩みを解決できるというストーリーができると理想的です。
とはいえ、質の高いコンテンツを自社でいきなり作るのが難しいと感じた方もいるのではないでしょうか。このようなときは、コンテンツ制作のプロに外注しながら進めるのも方法のひとつです。
コンテンツマーケティングを外注するメリットについて知りたい方は、以下をご一読ください!
【ステップ5】 効果測定と改善を繰り返す
コンテンツを作成して公開したら、そのコンテンツがどのような効果を出しているのか、設定したKPIをベースにパフォーマンスを測定しましょう。
コンテンツマーケティングでも効果測定と改善は大切です。良いパフォーマンスが出ているコンテンツ、そうでないコンテンツを切り分け、それぞれの傾向を確認します。効果の出ているコンテンツの傾向を次の制作に反映させることで、より効果的なコンテンツ制作が可能になります。
また、インターフェースも定期的に見直すようにしてください。記事のパフォーマンスの測定方法としては、Googleアナリティクスでの数値測定のほかにも、ヒートマップで確認するという手段もあります。
ヒートマップでユーザーが離脱しているポイントやクリックしている場所を見ることで、意図したとおりにユーザーが動いてくれているのかどうかがわかります。
改めて、ここまでの情報をまとめます。
【コンテンツマーケティングを実行する5ステップ】
- 体制を作る
- 戦略を立てる
- 戦略を戦術に落とし込む
- 魅力的なコンテンツを継続的に作る
- 効果測定と改善を繰り返す
既にコンテンツマーケティングを始めていて「運用のポイントだけが知りたい!」と思った方は、以下も参考となります!
コンテンツマーケティングのコンテンツの種類8つ
コンテンツマーケティングには、さまざまな手法の種類があります。
ひとつずつ見ていきましょう。
【種類1】ウェブ記事(オウンドメディアの記事)
最も一般的なコンテンツマーケティングの手法が、ウェブ記事です。
テキストが主体で、必要に応じて画像や動画を記事に組み込んでいきます。多くの情報を整理してわかりやすく伝えられるのが、ウェブ記事の長所です。定期的にウェブ記事を更新していくことで、ウェブサイトへのアクセスを増やすことができます。
また質の高い記事を発信すれば、顧客が自然とSNSで拡散してくれます。人気記事となれば、SEO効果が上がり、検索エンジンの上位化にもつながります。ただし、記事を作成して公開する手順自体は簡単ですが、読者が求める質の高い記事にするには文章力や取材力が問われます。社内のリソースも踏まえて、外注も検討しましょう。
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【種類2】ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、必要なユーザーに役立つ情報を専門家目線でまとめた自社オリジナルの資料のことです。
独自のノウハウを集めた資料や、分析したレポートなどが代表例です。
ウェブ記事よりもさらに詳細に伝えたい場合は、ホワイトペーパーが適しています。ダウンロード時に、名前やメールアドレスなどの情報を入力してもらうことで、リードを獲得できるのがメリットです。
【種類3】動画
かつてはハードルが高かった動画作成も、今やスマホを使えば、その場ですぐに作成してYouTubeで簡単に公開できる時代になりました。
動画の魅力は何といっても、テキストでは表現しきれないことまで伝えられる点です。例えば、方法の手順だったり、技術の速度だったりは、動画で観れば一目瞭然です。また、ただ人物が話すだけのコンテンツであったとしても、その人の人柄を伝えることができます。
雰囲気やニュアンスを伝えるのに動画は長けています。記事と同様に、動画は今やコンテンツマーケティングには、欠かせないコンテンツといえるでしょう。
ただし、動画コンテンツが急速に普及するなかで、そのクオリティもどんどん上がっています。個人の発信ならば、素人感のある動画もまた魅力的な場合もありますが、企業が発信するには、しっかりとした動画コンテンツを作成する必要があります。
プロの外注も検討しながら、取り組んでいくのがよいでしょう。
【種類4】セミナー(ウェビナー)
セミナーも、コンテンツマーケティングの手法として使えます。
ウェビナーなど、オンライン上で実施されるセミナーを行うことで、ウェブサイトに集客できるだけでなく、企業のブランディングにもつながります。自分たちならではのノウハウをセミナーで公開したり、人脈を生かして専門家をセミナー講師に招いたりして、企業の特徴を打ち出していくと、商品の信頼性にもつながっていくでしょう。
また、商品やサービスには関心を持っているけれども「商談に至るには、まだもうちょっと情報がほしい……」という潜在顧客と接点を持つのにも、じっくり情報を得られるウェブセミナーはぴったりです。
【種類5】レビュー
自社の商品やサービスについて顧客から、メールで感想が寄せられたり、ウェブ上で評価されたりすることがあるでしょう。
そうした顧客の声を集めれば「レビュー」としてコンテンツ化できます。商品の購入やサービスの導入を検討しているユーザーにとって、レビューは有益なコンテンツです。「口コミマーケティング」とも呼ばれ、商品のPRに加えて、新規顧客の獲得にも適した方法です。
なお、レビューの活用方法については、以下でまとめています。詳しく知りたい方は、ご一読ください。
【種類6】事例
コンテンツマーケティングでは、いかに具体的な情報を発信できるかどうかが重要です。
そういった観点からも、有効な手段が「事例紹介」です。自社製品やサービスの導入事例を記事にしたり、利用者のインタビューをコンテンツとして発信したりすることを差します。
ユーザーも利用している姿をイメージがしやすくなり、販売促進やブランディングにつながります。
【種類7】コミュニティ
コミュニティを作り、ユーザーを集めて実際の声を聞くことも、コンテンツマーケティングとして有効な手段です。
アンケートではなかなか拾えないユーザーの本音を語ってもらえば、商品やサービスの開発に役立てられるでしょう。また、ユーザーにとっては、そうして顧客の声に耳を傾けようとしていること自体が、企業のイメージアップになります。
参加意識のあるユーザーをファンとして取り込めるのが、コミュニティの大きな利点です。
【種類8】シミュレーション
ユーザーがウェブで新たな商品やサービスの存在を知ったら、「それを使うことで、どんな変化をもたらすのか」に関心を持つはずです。
そんなニーズに応えるコンテンツマーケティングが、「シミュレーション」です。ウェブ上でシミュレーションできるコンテンツを発信し、商品やサービスの具体的なメリットを体感してもらいましょう。
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コンテンツを広めて認知させるための5つの手法
コンテンツマーケティングでは、良質なコンテンツの発信はもとより、その存在を認知してもらうことも重要です。
それぞれコンテンツマーケティングの手法の特徴を解説していきましょう。
【手法1】SEO
SEO対策を行うことで、検索エンジンからの流入増加を狙えます。
SEOに取り組む際に重要なのは、ユーザーがどんな悩み・課題をもっているのかということを考えることです。
ただキーワード選定をするだけでは、ユーザーの課題を解決できるコンテンツは作れません。どういった課題を元に、ユーザーが検索しているのかということを理解してはじめて、良いコンテンツを届けられるのです。
一方でSEOは上位に表示されないと、検索結果でクリックされないため、キーワードの選定も重要になります。上位表示させやすいキーワードを選ぶだけでなく、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを知ることで、ユーザーの課題への理解も深まるでしょう。
なお、SEOの基礎を一通り押さえたい方は、以下がおすすめです!
【手法2】SNS
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを生かすことで、コンテンツを広めることができます。
拡散性と速報性に優れたTwitter、クローズドな空間で情報の特別感があるFacebook、ビジュアル力が高いInstagramと、SNSにはそれぞれ特徴があります。どのSNSでどのように広がるかを分析することで、コンテンツの方向付けにも役立つでしょう。
たとえ、SNS上で直接物が売れなくても「見込み客を開拓して、関係性を築く」ことも可能です。そういった見込み客との交流を「ソーシャルセリング」と呼びますが、コンテンツはそんな交流のきっかけにもなります。
SNSについてさらに詳しく知りたい方は、以下もご一読ください!
【手法3】ウェブ広告
ウェブ上の広告によってコンテンツを広める方法もあります。
リスティング広告、バナー広告、アフィリエイト広告、SNS広告など、種類は多岐にわたります。それらを駆使して、ターゲットとするユーザーに、コンテンツの存在を知ってもらうようにしましょう。
リスティング広告について詳しく知りたい方は、以下をご一読ください。
【手法4】メールマーケティング
ユーザーにより直接的にコンテンツを届けられるのが、メールマーケティングです。
企業やサイト運営者が持っているリストに一斉にメールをすることで、ユーザーとの関係性を築き、行動を促します。
例えば、サイトやオウンドメディア上で、有益なホワイトペーパーを作成し、メールアドレスの登録者に届けるようにします。次のステップとして、そのメールアドレスに、より機能が充実した有料サービスを案内するといったことも可能です。
顧客のフェーズに応じたメール内容を送ることで、ユーザーのより能動的なアクションを誘導できます。ただし、当然、登録アドレスに情報を送る旨はあらかじめ承諾を得る必要がありますし、メールの内容が自分に合わないと感じてしまうと、ユーザーは配信拒否をしてしまうのでそういった点は要注意です。
低コストで、かつ、直接的にユーザーにアプローチできるからこそ、メールマーケティングを行う際は、頻度や内容などをチームでよく話し合いましょう。
メールマーケティングについて、詳しくは以下をご一読ください。
【手法5】プレスリリース
プレスリリースとは、企業が自社の新製品や新サービス、イベント開催などの最新の情報をお知らせするものです。
もともとは、テレビ局や雑誌社、ニュースサイト運営社などの報道関係者に対し配信するものでした。
現在は、ウェブ配信サービスが普及したことで、登録者は誰でも閲覧が可能です。自社のコンテンツを広げるのに、重要なPR法なので、積極的に活用していきましょう。
コンテンツマーケティング成功のための3つのポイント
コンテンツマーケティングを、成功させるポイントについてまとめます。
コンテンツマーケティングを成功させるには、下記の3点を意識することが大切です。
【ポイント1】ターゲットを明確にする
コンテンツマーケティングを行うにあたって、ターゲットを明確にすることが重要です。
ターゲットを明確にしなければ、ユーザーが求めるコンテンツを発信することはできません。自社商品やサービスを知らない潜在顧客に対してアプローチしたいのであれば、リードとなる人はどのような人なのかを明確にし、その人にとって有益なコンテンツを発信する必要があるのです。
また、ターゲットが明確になっていれば、コンテンツマーケティングを行うチーム内でも共通認識を得ることができ、方向性を誤ることなく施策が実行できるようになります。
【ポイント2】理解しやすいコンテンツを提供する
ターゲットを明確にしたら、そのターゲットにとって有益なコンテンツを提供していかなければなりません。
そして、情報として有益であるだけでなく、理解しやすいコンテンツを作成する必要があるのです。理解しやすいコンテンツにする方法のひとつとして、PREP法があります。
PREP法とは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」という流れで書く文章構成方法のことです。
PREP法で文章を書くことで、伝えたいことをすぐ伝えられるだけでなく、説得力のある文章にすることができるでしょう。
もちろん、SNSやホワイトペーパーなど、メディアによって適切な表現方法は異なります。発信方法に応じて、ユーザーが理解しやすいコンテンツを作ることが大切です。
【ポイント3】競合を分析する
コンテンツマーケティングを行う際には、競合を分析することも重要です。
競合を分析することで、自社の強みや改善点がわかるようになります。競合のメディアやSNSの運用状況、ホワイトペーパーなどの資料の内容、イベントの開催状況・内容などをチェックしてみましょう。
その上で、自社の足りない点を見つけて改善していくことが大切です。
コンテンツマーケティングの成功事例を紹介!
コンテンツマーケティングは、進め方が理解できても、いざ実践しようとすると「自社では何を進めるべきか」「どうやって進めれば上手く行くのか」と悩むことも多いです。
このようなときは、成功事例を見ると参考になるのでおすすめです。
事例1:ゼロからはじめるクレジットカード(三井住友カード株式会社) |
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参考:ゼロからはじめるクレジットカード~初心者のための使い方・作り方~ |
事例2:VERY(株式会社光文社) |
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参考:VERY[ヴェリィ] 公式サイト |
ほかにも、コンテンツマーケティングの成功事例はいろいろあります。他にも見たい方は、以下をご一読ください!
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コンテンツマーケティングのよくある疑問を3つ解説!
最後に、コンテンツマーケティングを進めるときによくある疑問にお答えします。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
- 【疑問1】コンテンツマーケティングに役立つ本やツールは?
- 【疑問2】コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いは?
- 【疑問3】コンテンツマーケティングでBtoBの商品・サービスは売れる?
【疑問1】コンテンツマーケティングに役立つ本やツールは?
コンテンツマーケティングにおすすめの本は、以下の7つです。
- KPI・目標必達のコンテンツマーケティング 成功の最新メソッド
- できるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88
- いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本
- コンテンツマーケティングの教科書
- Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書
- エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書
- オウンドメディアのやさしい教科書。 ブランド力・業績を向上させるための戦略・制作・改善メソッド
これからコンテンツマーケティングを進めるのであれば、イラストや図解も多い『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本(インプレスブックス)』がおすすめです。
自分に合った本を見つけたい方は、以下をご一読ください!
なお、コンテンツマーケティングを進める上で避けて通れないのが、ツールの活用です。特にデータ分析に活用するGoogle Analyticsや、Search Consoleは押さえておきたいところです。
それぞれ以下で解説しているので、まずはご一読ください!
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【疑問2】コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いは?
コンテンツマーケティングとコンテンツSEO違いは、以下のとおりです。
- コンテンツマーケティング:集客だけでなく、資料請求や購買にもつなげていく施策のこと
- コンテンツSEO:コンテンツマーケティングで利用される集客手段のひとつ
つまり、コンテンツマーケティングがマーケティング活動であることに対し、SEOは集客手段のひとつといったところです。ほかにも、コンテンツマーケティングとSEOには、以下のような違いがあります。
詳細については、以下記事をご一読ください!
【疑問3】コンテンツマーケティングでBtoBの商品・サービスは売れる?
結論からいうと、コンテンツマーケティングはBtoBの商品・サービスを扱う上で効果が高いです。
BtoBのコンテンツマーケティングを進めることで以下ことが実現できるでしょう。進めたかによっては、BtoCよりも成果が上がることもあります。
- 情報収集期間にコンテンツを発信できる
- 比較検討期間にコンテンツを発信できる
- コンテンツを通じて自社商品の強みを発信できる
- コンテンツによって自社ブランド力が強化できる
上記の詳細やBtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるコツについては、以下で詳しく解説しています。詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください!
最後に:コンテンツマーケティングはナイルにお任せください
この記事で紹介してきたように、コンテンツマーケティングにおいてただ情報を発信するだけでは成功しません。
ナイルは成果を上げるという視点から、貴社のコンテンツ戦略の立案を総合的にサポートします。
まずはお悩みや課題のご相談だけでもかまいません!コンテンツマーケティングサービスの無料相談から、お気軽にお問い合わせください。
また、コンテンツマーケティングについてまとめた無料のPDF資料もご用意しております。
- 勝ち筋を考える競合調査
- コンテンツの品質を高めるポイント
- 投資対効果を最大化するための効果測定の考え方
等について解説しております。
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