【初心者向け】BtoBマーケティングとは?戦略の立て方や事例を解説

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【初心者向け】BtoBマーケティングとは?戦略の立て方や事例を解説

企業間取引を成功に導くためのマーケティング活動である「BtoBマーケティング」は、IT化の進展やコロナ禍といった変化を経て、重要性が高まっています。

しかし、BtoBマーケティングには多くのステップがあり、その手法もさまざまであるため、初めて取り組む方にはわからないことが多いかもしれません。

そこで本記事では、BtoBマーケティングの基礎知識や、BtoBマーケティングの流れと主な手法、成功させるポイントなどを初心者向けに解説します。

また、BtoBマーケティングを実施した2社の成功事例も紹介します。ぜひ最後までお読みください。

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BtoBマーケティングの成功への近道を知りたい方へ

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BtoBマーケティングとは企業間取引におけるマーケティング活動

BtoBマーケティングとは、企業間取引におけるマーケティング活動のことです。「BtoB」は「Business to Business」の略で、企業が法人の顧客に商品やサービスを提供することを指します。

BtoBマーケティングの目的は、顧客となる可能性がある見込み客(リード)を獲得し、関係を育て、商品やサービスを購入してもらうことです。また、購入後も顧客との関係を継続し、購入し続けてもらえるよう取り組んでいく必要があります。

このように、BtoBマーケティングには多くのステップがあり、ステップごとで必要となる手法も多岐にわたります。明確な戦略を立て、それに応じた手法を効果的に用いることが大切です。

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BtoBとBtoCの違い

法人顧客に商品やサービスを提供するビジネスをBtoBと呼ぶのに対し、一般消費者に商品やサービスを提供するビジネスを「BtoC(Business to Consumer)」といいます。

BtoBとBtoCの主な違いは下記のとおりです。

【BtoBとBtoCの主な違い】

BtoB BtoC
対象者 法人 個人
取り扱う商品・サービス 完成品およびそれ以外 主に完成品
顧客数 少なめ 多め
購入目的 課題解決 課題解決・体験・所有
価格 基本的に高額 基本的に少額
主な販売方法 直接販売 小売店・ECサイトを通じた販売
購入の意思決定者 複数の担当者 消費者本人
成約までの期間 長め 短め
顧客との関係 基本的に長期 基本的に短期

 

上記のように、BtoBとBtoCには多くの違いがあります。そのため、マーケティング活動の進め方も異なってくるのです。

なお以下の記事ではBtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いをより詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

BtoBマーケティングが必要な理由

BtoBマーケティングは、社会のIT化の進展、コロナ禍による営業接点の減少などにより、その手法が変化しているだけでなく、企業にとっての必要性が高まっています。

BtoBマーケティングが必要な主な理由について解説します。

顧客の購買プロセスが変わったため

BtoBマーケティングが必要とされる理由のひとつは、顧客の購買プロセスが変わったことです。

BtoBに限らずBtoCにおいても、IT化やコロナ禍などによって、対面で営業活動を行う機会が減りました。顧客側も、気になる商品やサービスをインターネットで探し、複数の企業を比較検討した上で購入を決めることが当たり前となっています。現にBtoBにおいては、購買行動の57%が営業前に終わっているとも言われています。

BtoBマーケティングが重要な理由

 

こうした状況下で、顧客となる可能性のある見込み客を獲得し、関係を育て、成約へと導くBtoBマーケティングの必要性が高まっているのです。

コロナ禍が落ち着いてからは、徐々に対面での営業やセミナーも増えてきましたが、BtoBマーケティングの必要性がなくなったわけではありません。対面での活動に加え、ウェビナーやオンラインイベントは依然として多く開催されており、マーケティング活動の一環で、オウンドメディアやコンテンツ制作などを行っている企業も増えています※。

※参考:実は“若いオウンドメディア”が圧倒的多数! ここ3年以内に生まれたメディアが8割以上【全研本社調べ】 | Web担当者

商品・サービスを知ってもらうため

顧客に商品やサービスを知ってもらうためにも、BtoBマーケティングは必要です。

前述のとおり、顧客の購買プロセスはIT化やコロナ禍などによって変化しています。そうした中、顧客に自社の商品やサービスを選んでもらうためには、まず商品やサービスを知ってもらわなくてはなりません。

そのためには、商品やサービスの魅力を伝える展示会やウェビナーの開催、コンテンツの制作・発信が不可欠です。これらはすべて、BtoBマーケティングに含まれる取り組みです。BtoBマーケティングは、将来、顧客となる法人との最初の接点をつくるために欠かせない活動といえるでしょう。

顧客を認知から購入へ導くため

BtoBマーケティングは、顧客を、商品やサービスを「認知」している状態から「購入」へと導くために必要です。

BtoBビジネスでは、BtoCビジネスと異なり、顧客が商品を認知してから購入するまでの期間が長い傾向があります。企業には商品やサービスの購入を判断する意思決定者が複数いて、購入の際には基本的に稟議が行われるからです。

認知から購入までの過程では、多くの比較検討が行われます。商品やサービスを提供する企業は、自社が選ばれるために、顧客との関係を育て、信頼してもらわなくてはなりません。定期訪問やセミナーの開催、メールマガジンの配信といったBtoBマーケティングによって、関係を育てていくことが不可欠です。

BtoBマーケティングの流れと主な施策

BtoBマーケティングの基本的な流れと主な施策は下記のとおりです。「顧客の段階」「対応部門」「施策」の軸でまとめましたので、参考にしてください。

【BtoBマーケティングの流れと主な施策】

BtoBマーケティングの流れと主な施策

 

顧客の段階は、上記のとおり7段階に分けることができます。各段階の具体的な状態は下記のとおりです。

【顧客の段階と具体的な状態】

顧客の段階 具体的な状態
潜在顧客 顧客になりえることを顧客自身も認識していない状態
コールドリード 顧客となりえる可能性があるが、商品・サービスに対する顧客自身の関心が低い状態
育成中リード 商品・サービスへの興味が少しずつ高まっている状態
ホットリード 商品・サービスに強い興味があるが、まだ購買を決めていない状態
商談中顧客 商談を実施し、購買の後押しをしている状態
顧客 商品・サービスを購入した状態
ロイヤルカスタマー 商品・サービスの購買を継続的に行っており、商品・サービスを信頼している状態

 

BtoBマーケティングを進めるには、顧客の各段階において、状態に応じた施策を行うことが大切です。

そのためには、顧客が現在、どのような状態にあるのかを深く理解する必要があります。顧客の現状を的確に把握した上で、効果がある施策を適切なタイミングで行うことにより、潜在顧客からロイヤルカスタマーへと育てていけるでしょう。

【フェーズ別】BtoBマーケティングの手法

BtoBマーケティングは、顧客の段階に応じて複数のフェーズで考えることができ、フェーズごとに複数の手法があります。BtoBマーケティングの主なフェーズは下記のとおりです。

BtoBマーケティングのフェーズ

  • 戦略の立案:「誰に・どんな価値を・どのように提供するか」を決めるフェーズ
  • リードジェネレーション(集客):見込み顧客(リード)を獲得するフェーズ
  • リードナーチャリング(育成):見込み顧客を顧客へと育成するフェーズ
  • リードクオリフィケーション(絞り込み):商談に向け、顧客になりそうな見込み顧客を絞り込むフェーズ

以下の図は、フェーズ別の主な手法をまとめたものです。

BtoBマーケティングのフェーズ別の主な手法の図解

 

BtoBマーケティングは、フェーズごとで取り組むことが変わります。BtoBマーケティングを適切に進めるために、ぜひ下記を参考にしてください。

フェーズ1 戦略の立案

BtoBマーケティングは、戦略の立案から始まります。戦略の立案では、最初に目的を明確にします。

戦略の根拠となる目的のことを「KGI(「Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」といいます。KGIは、「売上数」「成約数」など、企業として達成したい目標を数値で表したものです。

KGIを設定する際は、「売上を増加させる」などと抽象的に定めるのではなく、「年度内に売上5億円」「成約単価を50%アップ」と具体的に定めるようにしてください。目標が抽象的だと、成功したかどうかを判断しにくいためです。

目的を明確にしたら、次は戦略を定めます。

自社が置かれている環境や強み・弱みなどを客観的に把握し、市場を顧客のニーズや特性などの軸でセグメント(細分化)。その上で、市場のどの顧客層をターゲットとするかを定め、自社がどのようなポジションで勝負するかを決めていきます。この流れを視覚化したものが、以下の図になります。

戦略立案の流れ図解

 

ターゲティングとポジショニングを行ったら、具体的な施策を決めます。

例えば、ターゲットが「年商1億円未満の美容サロン」で、自社のポジションが「予約管理ツールを安価に提供する」だとしたら、広告を打つ場合はマス広告よりも対象を絞り込める業界紙やWeb広告の方が適しているといえます。このように、ターゲティングとポジショニングにもとづいて適切な施策を検討することが大切です。

また、施策を策定する過程では、顧客のニーズを把握することが重要です。市場調査、競合調査のほか、必要に応じて商品やサービスの利用者に直接ヒアリングを行いましょう。その上で、自社の商品やサービスを、顧客のニーズに応えられるよう磨き上げていくことが必要です。

なお、施策を実行する際は、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定してください。「成約単価50%アップ」を目的とする場合、KPIは「マーケティングを通じて獲得した顧客の受注額」などとするのが妥当です。

戦略の立案に活用できる手法は主に下記のとおりです。戦略立案のフェーズで活用してみましょう。

【戦略の立案で活用できる主な手法】

手法 概要
3C分析 顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つを分析し、自社を取り巻く環境を把握すること
SWOT分析 自社の強み・弱みを外部環境(競合・政治状況・トレンドなど)と内部環境(価格・品質・ブランド力など)に分類して分析すること
STP分析 市場を細分化(セグメンテーション)し、狙うべき市場を定め(ターゲティング)、競合との位置関係を決める(ポジショニング)こと
カスタマージャーニーマップ 認知から購入までの顧客の思考・行動を時系列で可視化したもの

 

フェーズ2 リードジェネレーション

リードジェネレーションは、将来、顧客となりうる見込み顧客(リード)を獲得する活動です。

フェーズ1で立案した戦略にもとづいて各種手法を展開すれば、良質な見込み顧客を獲得することができます。ただし、リードジェネレーションの手法はそれぞれ特徴があるため、状況に応じて使い分けることが大切です。

【リードジェネレーションの主な手法】

手法 概要
コンテンツマーケティング ターゲットに向けてコンテンツを発信し、自社やサービスに興味を持ってもらうこと
SEO Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略。検索結果で上位表示を狙い、多くの人にWebページを読んでもらうこと
Web広告 ターゲットが興味を持てる広告をWeb上で配信し、自社サイトなどへ誘導すること
SNS 公式アカウントで自社や商品の情報を発信し、認知してもらうこと
プレスリリース 新商品の発売などの情報を発信し、商品サイトやSNSを訪問してもらうこと
セミナー・ウェビナー セミナーまたはウェビナーを開催し、参加申込をしてもらうこと
展示会 展示会に出展して、来場者と名刺交換をしたりパンフレットを配布したりすること
訪問営業 企業を直接訪問して、名刺交換や商品・サービスの提案をすること
テレアポ 電話でアポイントを取ること
FAX・DM FAXやダイレクトメールを送付し、問い合わせをしてもらうこと
マス広告 テレビ・ラジオや新聞・雑誌に広告を掲載し、問い合わせを獲得すること

 

なお、リードジェネレーションの施策と成功までのステップについては、下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひお読みください。

フェーズ3 リードナーチャリング

リードナーチャリングは、獲得した見込み顧客を、継続的なコミュニケーションを通じて顧客へと育成することです。例えば、展示会での名刺交換で見込み顧客を獲得した後、その見込み顧客にとって有益な情報を継続的に提供し、信頼関係を築いていくことがリードナーチャリングに該当します。

見込み顧客は、名刺交換やオウンドメディアを通じた資料請求などの接点から獲得できますが、自社の商品やサービスへの関心度はさまざまです。リードナーチャリングは、それぞれの見込み顧客のニーズに合わせて情報提供を行って進める必要があります。

下記は、リードナーチャリングの主な手法です。前述したリードジェネレーションと重複する施策がありますが、目的が異なるため注意しましょう。

【リードナーチャリングの主な手法】

手法 概要
メールマガジン 自社商品の必要性を発信し購買意欲を高めること
SNS 自社のビジョンやノウハウを発信して、信頼を得たりファンになってもらったりすること
ホワイトペーパー 自社や商品への理解を深めてもらい、問い合わせにつなげること
セミナー・ウェビナー ニーズのある情報を発信し、信頼を得て問い合わせにつなげること
定期訪問 直接会話することで信頼関係を構築し、商談化を目指すこと
FAX・DM 商品やサービスの情報を提供して興味を持ってもらい、注文を取ること

 

下記の記事では、リードナーチャリングの手法や具体的な進め方を紹介しています。ぜひ、こちらも参考にしてください。

フェーズ4 リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングを通じて育成した見込み顧客の中から、購入につながりそうな見込み顧客を絞り込むことです。

リードクオリフィケーションでは一般的に、「商品紹介ページを閲覧:1ポイント」「資料請求:3ポイント」といった形で見込み顧客にポイントを付与し、一定以上に達した見込み顧客を抽出して商談へつなげるという方法で進めます。

リードクオリフィケーションで質の高い見込み顧客を抽出できれば、成約率のアップを見込めます。

【リードクオリフィケーションの主な手法】

手法 概要
セグメント設計 見込み顧客を属性(業種・業態、担当者の役職、ビジネスの課題など)で区分すること
シナリオ設計 見込み顧客のフェーズに合わせた最適なコンテンツの内容・提供タイミングを考えること
スコアリング設計 見込み顧客を属性・行動にもとづいて点数をつけ、購買可能性の高さを数値化すること

 

なお、下記の記事ではリードクオリフィケーションを含むBtoBマーケティングの手法を詳しく解説しています。ぜひ読んで参考にしてください。

商談・受注・リピーター化で大切なこと

BtoBマーケティングでは、各フェーズを経て良質な見込み顧客を抽出できたら、いよいよ商談に臨みます。商談が成功して受注を果たしたら、リピーター化に向けて取り組んでいきます。

商談を担当するのは、主に営業部門です。ここで大切なのは、「セミナー参加は2回」「最初の資料請求は半年前」といった見込み顧客に関する情報を、営業部門に細かく伝えることです。こういった情報共有により、商談時の営業トークがしやすくなります。

商談により、見込み顧客の合意が得られれば受注となりますが、受注に至らないケースもあります。「競合よりも品質が劣る」「サポート体制が薄い」といったことが原因で受注できない場合がありますので、日頃から商品やサービスに磨きをかけておくことが大切です。また、失注の反省を活かした商品・サービスの改善も重要です。

晴れて受注できたら、リピーター化や単価向上に向けて引き続き活動していくこととなります。顧客満足度の向上、新たな商品やサービスの提案などを通じて、顧客との関係を深く・広くしていくことが大切です。「顧客にとって価値のある情報の提供」「新商品・サービスの開発」「顧客向けのセミナー」などを行うと効果的です。

顧客管理、顧客とのコミュニケーションといった「インサイドセールス」に関する悩みがありましたら、下記バナーよりお気軽にご相談ください。

BtoBマーケティングを成功させるポイント

うまく進んでいるように見えても、なかなか目的達成にはつながらない場合は、紹介するポイントが押さえられていないケースがあります。これから紹介する3つのポイントを押さえて、BtoBマーケティングを成功させましょう。

ポイント1 課題を正しく理解する

成功させるためのポイントとして、現状の状態を正確に分析し、課題を理解することが重要です。現状の課題が「集客ができていない」ことでも、しっかり分析をすると、「集客後の導線に問題があり成果につながっていなかった」ことはよくあります。

このように、現状をしっかりと分析すると、思っていた課題とは違うものが本当の課題だったというのはよくあるパターンです。しっかりと状況を分析し、何が一番の課題なのかを理解し戦略や施策を考案するのが重要です。

課題を見誤った状態で戦略を立ててしまうと、成果にもつながらなくなってしまいます。そのため、成功させるためには、現状の分析を抜かりなく行い、課題を正しく理解する必要があるのです。

ポイント2 関連部門と連携する

BtoBマーケティングを成功させるためには、マーケティング部門だけではなく、施策実施時に関連する部門と連携するのが重要です。

例えば、リードクオリフィケーションの施策(見込み顧客の絞り込みを行い、購入する可能性の高い顧客を選別する施策)を行うのであれば、その後の商談がスムーズに行えるよう、事前に営業部門と密に連携をとる必要があるでしょう。

ほかにも、マーケティング施策を実施した際に、商品に改善すべき課題があるとわかったら商品企画部と連携をとる必要が出てきます。

また、営業やインサイドセールス(既存顧客に対して電話やメールなどを使う内勤型の営業)を行う部門では、ユーザーのニーズや声を直に感じていることも多いです。

ゆえに、施策検討の時点でも他部門と連携をとることで、ユーザーのニーズにあった効果的な施策を検討できるようになります。

一見当たり前のようなことだと思うかもしれませんが、他部門と連携がうまく取れず、施策が十分な効果を発揮しなかったということも少なくありません。

そのため、BtoBマーケティングを成功させるためには、マーケティング部門だけではなく、他部門ともしっかりと連携をとる必要があるのです。

ポイント3 マーケティング支援会社と協力する

BtoBマーケティング支援会社と協力することも、BtoBマーケティングを成功させるポイントのひとつです。BtoBマーケティング支援会社には複数のタイプがあります。主なタイプは下記のとおりです。

BtoBマーケティング支援会社の主なタイプ

  • コンサルティング型:戦略立案や施策の検討・支援をしてくれる
  • BPO型(アウトソーシング型):各種実務を実行してくれる
  • 人材シェアリング型:知見やスキルを有する人材を時間単位で派遣してくれる
  • ツール提供型:BtoBマーケティングの各種ツールを提供してくれる

どのタイプの支援会社に依頼するとしても、BtoBマーケティングの目的、自社に不足している要素などを明確にしておくことが大切です。これができていないと、支援会社と良い形で協力することができず、思うような成果を得られません。

ポイント4 マーケティングツールを活用する

BtoBマーケティングを成功させるためには、ツールを活用することも重要です。BtoBマーケティングに活用できるツールには下記のようなものがあります。

主なBtoBマーケティングツール

  • MA(Marketing Automation):見込み顧客の管理やスコアリング、分析レポートなどの機能があり、メルマガの自動配信なども可能
  • CRM(Customer Relationship Management):顧客の担当者氏名・所属部署・連絡先のほか、商談履歴やアプローチへの反応なども管理できる

BtoBマーケティングのツールを活用するメリットは、施策の実行や効果測定の自動化、顧客データの一元管理などができることです。自社にとって何が重要であるかを把握し、自社に合ったツールを導入してください。

ポイント5 効果検証を重ねる

最後のポイントは、実施する施策の目的を見失わないことです。例えば、集客を目的としてSEO施策に注力したとしましょう。

しかしながら、コンテンツ作成をして公開しただけで満足してしまい、「検索順位だけを追っていて、実際の集客効果までは見ていなかった」というのはよくある話です。

また、最終的な目的を見失ってしまい、集客はできているが成果につながっていないケースも少なくありません。

そのため、施策を実施するだけでなく、目的を明確に保ちつつ、同時に目的の達成度や施策の効果を分析する必要があります。

BtoBマーケティングのトレンド

近年、BtoBマーケティングでは下記の8つがトレンドとなっています。各トレンドについて、順番に見ていきましょう。

BtoBマーケティングにおける8つのトレンド

 

トレンド1 コンテンツマーケティング

1つ目のトレンドは、コンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングとは、「見込み顧客に有益なコンテンツの発信」を軸にしたマーケティング手法です。

新型コロナウイルス感染症の流行を皮切りに、顧客への対応は非接触・非対面で行うデジタル化の活動が進展しました※。

※参考:第2章 コロナ禍で加速する デジタル化(令和3年版 情報通信白書 第1部/総務省)

また、近年は似たような商品やサービスがたくさんあり、機能や品質などでブランドを差別化するのも難しい状況です。そのため、初期段階で自社商品のメリットや必要性をアプローチして、ユーザーを取り込まなければなりません。

有益な情報を発信するコンテンツマーケティングの実施により、見込み顧客獲得の機会を増やせるだけではなく、最終的には自社のファンになってもらえる可能性も高くなるのです。

なお、コンテンツマーケティングのメリットや種類、手順などは下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

トレンド2 アカウントベースドマーケティング(ABM)

アカウントベースドマーケティング(Account Based Marketing/ABM)では、特定の企業に対して「One to One」で戦略的にアプローチします。多くの見込み顧客獲得を目的としていた従来のマーケティング手法と違って、量より質を重視することが特徴です。

自社にとって利益率の高い企業をターゲットに定めることで、成約すれば大きな利益になります。具体的な施策としては、「ターゲット企業が興味を持ちそうなコンテンツを作成した上で、メールにコンテンツのURLを記載して送信する」などが挙げられます。

特に、「顧客がサービスを利用してから終了するまでの期間、どれだけの利益をもたらすか」といった、「ライフタイムバリュー(LTV)」の高いビジネスモデルを扱う企業におすすめの手法です。

トレンド3 SNSマーケティング

3つ目のトレンドは、X(旧Twitter)やFacebookといったSNSを活用する「SNSマーケティング」です。近年は、BtoB企業でもSNSを活用して情報収集する傾向にあります。そのため、見込み顧客にとって有益な情報を継続的に発信することで、信頼感が生まれやすくなります。

下記は、SNSマーケティングの手法の一例です。

【SNSマーケティングの手法例】

  • SNSアカウントを運用し、ユーザーとの接点や信頼関係を構築する
  • キャンペーンなど、SNS上でユーザー参加型のイベントを行う

顧客側でプロダクト導入の必要ができたときに、「この会社はいつも参考になる情報を発信しているから候補に入れよう」と第一想起される可能性も高まります。

トレンド4 メールマーケティング

これまでBtoBで活用されてきた「メールマーケティング」も、トレンドのひとつです。メールマーケティングでは、集客や商品・サービスの購買などの目的を達成させるために、メールを通じてさまざまなコンテンツを提供します。

メールマガジンやステップメール、ターゲティングメールの活用は、リードジェネレーションやリードナーチャリングにも有効です。

なお、「メールマーケティングを実施するときの手順を詳しく知りたい」などの場合は、下記の記事をご一読ください。成果を出すために欠かせない、「効果測定の方法」も紹介しています。

トレンド5 オンラインイベント

ウェビナーやオンライン展示会などは、インターネット上で行う新しい形のイベントです。それぞれの違いは、下記のとおりです。

【ウェビナーとオンライン展示会の違い】

  • ウェビナー:Webとセミナーを合わせた造語でオンライン開催のセミナー
  • オンライン展示会:Webサイトやバーチャル空間で開催の展示会

これまでは、セミナーと展示会のどちらもオフラインが主流でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、セミナーや展示会開催の中止が相次いだことで、一気に注目を集めるようになったのがオンラインで行うイベントです。

ウェビナーやオンライン展示会は、通信環境さえ整っていれば移動の手間がかからないため、遠方にいる見込み顧客も参加しやすいのがメリットです。リアルでセミナーや展示会を開催するよりもコストを抑えられるため、積極的に活用するのがおすすめです。

なお、ウェビナーでの集客方法や成功させるポイントを知りたい方は、下記の記事をご一読ください。

トレンド6 カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、商品やサービスの提供を通じて顧客の「成功」を支援することで、BtoBマーケティングのトレンドとなっています。

カスタマーサクセスがトレンドとなった背景には、サブスクリプション型のビジネスモデルが広がったことがあります。特にIT業界では、システムやソフトウェアを納品すれば仕事が完結するという、いわゆる「売り切り型」のビジネスが多い傾向がありました。

しかし近年は、サブスクリプションサービスの普及によって、納品後も継続利用してもらい、満足度を高く維持することが重視されるようになっています。

ただ商品やサービスを納品するに留まらず、その先にある顧客の「成功」を考えることが大切になっているのです。

トレンド7 動画マーケティング

動画マーケティングも、今ではBtoBマーケティングのトレンドとなっています。

動画を用いたマーケティングは、従来はSNSを中心にBtoCのビジネスで多用されていました。しかし、5Gの普及に伴って動画市場が拡大し、BtoBマーケティングでもよく用いられるようになっています。

動画の大きなメリットは、商品やサービスの魅力を短時間で簡潔に伝えられることです。これにより、サービスの紹介やツールの操作方法、セミナー、導入企業のインタビューなど、多様な用途で展開されています。今後もBtoBマーケティングのさまざまな場面で利用されるでしょう。

トレンド8 生成AI

「ChatGPT」の登場により、生成AIがあらゆる分野で注目されるようになりました。今後、BtoBマーケティングでも広く活用されることが予想されます。

例えば、メールマガジンのタイトルや本文の作成、見込み顧客の状況に応じた最適な施策の検討などが、用途として考えられます。

しかし、生成AIが提示した回答が正しいとは限らず、生成AIは責任をとることもできません。生成AIを利用する際は、回答を鵜呑みにするのではなく、参考程度に留めておくことが賢明です。的確な回答が出せるプロンプトを考えるなどの試行錯誤も必要でしょう。

BtoBマーケティングを実施した2社の成功事例

ここで、オウンドメディアを活用したBtoBマーケティングの成功事例を紹介します。2社が行った施策の特徴を、ご覧ください。

成功事例1 アドビ株式会社

「Adobe Market Engage(通称:マルケト)」というマーケティング自動化ツールを扱うアドビ株式会社の事例です。同社の主な受注経路は、「展示会やイベントからの集客」や「検索エンジンからのサイト流入」でしたが、受注の拡大のためにSEO対策を強化しました。

アドビ株式会社

 

出典:アドビ株式会社※2023年9月時点

【Adobe Market Engage(アドビ株式会社)のBtoBマーケティング成功プロセス】

<施策に至る背景>

  • 主な受注経路のひとつである展示会やイベントの成果が不安定だったことに加え、コロナウイルス感染拡大に伴いオフラインイベントの参加が困難になった
  • サイトの検索流入から受注につながるケースの成約単価が高く安定していた

<施策の概要>

  • 自社サイトの検索結果での表示増加に向けた、自社サイトページの分解
  • ビッグキーワードでの検索上位を狙った記事コンテンツ制作

<得られた成果>

  • 検索経由のリード獲得数150%アップ商談成約率130%向上
  • 検索ボリュームの多い「MA」のキーワードで検索順位1位獲得

本事例の詳細については、以下の記事をご覧ください。

成功事例2 株式会社ジーニー(旧:ちきゅう株式会社)

株式会社ジーニー(旧:ちきゅう株式会社)は、顧客管理ツール「GENIEE SFA/CRM」(旧:ちきゅう)を販売する企業です。受注経路である自社サイトの流入強化のためSEOを実施した結果、高い成果を残しました。

株式会社ジーニー(旧:ちきゅう株式会社)

 

出典:株式会社ジーニー(旧:ちきゅう株式会社) ※2023年9月時点

【株式会社ジーニー(旧:ちきゅう株式会社)のBtoBマーケティング成功プロセス】

<施策に至る背景>

  • 受注経路として広告経由の比重が高く、長期的なコスト高を懸念していた
  • サイトを立ち上げたばかりで、検索流入が少ない傾向だった

<施策の概要>

  • 自社サイトの課題と狙う検索キーワードの洗い出し
  • サイトの内部設計
  • 取材を通じたユーザーに役立つコンテンツの追加

<得られた成果>

  • 自然検索によるサイト流入が40倍に拡大
  • 取材記事のSNSでのシェア750を超え、SNSでの拡散に成功

本事例の詳細については、以下の記事をご覧ください。

なお、BtoBマーケティングの事例をより多く知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

※そのほか、各施策の事例をご覧になりたい方は、事例紹介ページをご覧ください。

明確な目的と正しい戦略でBtoBマーケティングを成功に導こう

BtoBマーケティングは、BtoBビジネスを成功に導くための大切な活動です。インターネットによる情報収集と商品購入が当たり前となった今、その必要性はBtoBビジネスの存続と成長のためにますます高まっているといえます。

BtoBマーケティングを効果的に行うには、戦略を正しく立案し、各施策をフェーズごとで適切に実行する必要があります。関連部門との連携、マーケティング支援会社との協力などを積極的に行い、必要に応じてツールを導入することも大切です。

明確な目的と正しい戦略により、BtoBマーケティングを成功に導くことができるでしょう。

なおナイルでは、BtoBマーケティングの進め方をもっと詳しく知りたい方に向けて、「BtoBマーケティングの流れ」や「実践しやすい施策」をまとめた資料をご用意しております。

お気軽に以下のバナーをクリックして、ダウンロードフォームより資料をお申し込みください。無料相談も承っております。

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編集者情報

大澤 心咲
大澤 心咲
新卒でアクセンチュア株式会社を経て、2018年ナイル入社。
コンサルタントとして大手企業SEO戦略策定・コンテンツマーケティング支援を担当。
現在はナイルのマーケティングとセールスの統括マネージャーとして従事。
著書:「ひとりマーケター成果を出す仕事術

監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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