リードナーチャリングとは?戦略的に成功させるためのノウハウを網羅

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リードナーチャリングとは?戦略的に成功させるためのノウハウを網羅

「膨大な営業活動を、効率化したい」と改善を望む企業には、リードナーチャリングが特におすすめです。

この記事では、リードナーチャリングとは何なのか、リードジェネレーション(リード獲得への活動)との違いや、具体的な手法、リードの質を改善する方法についても詳しく解説します。

ナイルでは、リードナーチャリング以前のリードの獲得から悩んでいる方やうまくナーチャリングできないと悩んでいる方のためにウェブコンサルティングを実施中です。
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リードナーチャリングとは

リードナーチャリングは、顧客の育成をするマーケティング施策です。問い合わせや資料請求、名刺交換などで獲得した見込み顧客に対して適切な情報提供を行うことで自社の製品・サービスの購入意欲を高めてもらい、将来的に契約へとつなげます。

BtoB、BtoCそれぞれのビジネスモデルで、リードナーチャリングの考え方や見込み顧客へ提供すべき情報や手法は異なります。

例えば、BtoBの場合は一般的に導入担当者のほかに決裁者がいることが多く、比較検討に時間を要したり社内で稟議を申請したりする必要があります。企業の顧客に対して、各担当者を説得できる情報の提供を電話やメール、ホワイトペーパーなどで用意することが王道です。

一方で、BtoCの場合は購入者=利用者となることがほとんどです。個々の顧客に対して、スピーディに疑問点を解消するためにチャットボットを活用したり、SNSを使って情緒的なコミュニケーションをとったりする必要があります。

リードジェネレーションとリードクオリフィケーションとの違い

リードナーチャリングと似た言葉に、「リードジェネレーション」と「リードクオリフィケーション」があります。これらはすべて、ユーザーが商品を購入するまでの「リードのステップ」を指す言葉です。

獲得したリードは、商談へ向かって以下の順にステップアップします。

商談へ向かってのステップ

 

ここでは、「リードジェネレーション」と「リードクオリフィケーション」との違いを、詳しく見ていきます。

リードジェネレーションとの違い

リードジェネレーションは、見込み顧客の情報を新たに獲得するための取り組みを指します。リードナーチャリングがすでに顧客情報を入手していることに対し、リードジェネレーションはこれから顧客情報を入手する段階であることが違いです。

リードジェネレーションの主な手法は、以下のとおりです。

【オンラインの施策】

  • SEO
  • SNS
  • プレスリリース
  • ウェブ広告

【オフラインの施策】

  • イベント・展示会への出展
  • マス広告・交通広告・看板広告
  • テレアポ
  • ダイレクトメール
  • 飛び込み営業

このうち、「オウンドメディア・SNSでの発信」や「プレスリリースの配信」など、自社で制作したコンテンツを軸にしたマーケティング手法のことを「コンテンツマーケティング」といいます。

このように、リードジェネレーションで獲得したリードは、リードナーチャリングを経て購買意欲の向上を狙います。

なお、コンテンツマーケティングの支援実績が2,000社以上あるナイルが、ノウハウを無料資料にまとめていますので、興味があれば以下からお気軽にダウンロードしてください。

リードクオリフィケーションとの違い

リードナーチャリングによって購買意欲の高まった見込み顧客を選別する工程を、リードクオリフィケーションといいます。リードナーチャリングは育成の段階ですが、リードクオリフィケーションは育成が終わった段階のことです。

一般的には、マーケティング施策の実施状況を管理できる「MAツール」を使って、見込み顧客ごとにスコアリングしながら選別を進めます。

選別されたリードは、マーケティング部門から営業部門へと引き継がれて商談に入ります。そして、その商談が成功すれば晴れて成約するという流れです。

リードナーチャリングが注目されている4つの理由 

リードナーチャリングが注目されている4つの理由 

近年、リードナーチャリングは注目度を増しています。ここでは、上記4つの理由を紹介します。

理由1 顧客の購買プロセスの変化

リードナーチャリングが注目されている1つ目の理由は、「顧客の購買プロセスの変化」です。

現代では、消費者が商品を購入する際や企業が新しいツールを導入する際、事前にインターネットで検索して、入念に情報収集をするケースが増えました。このため、商品・サービスを認知してから、購入にいたるまでの検討期間が長期化しています。

特にBtoBの場合は、下記2つの要因から、購入までに数ヵ月から1年以上を要するケースがあります。

【BtoBの検討期間が長期化する2つの理由】

  1. 複数の決裁者が関わる社内稟議を通す必要があるから
  2. 予算など社内の都合で、導入時期を持ち越すことがあるから

また、BtoCビジネスでも、不動産や自動車などの高額な商材は、購入までの検討期間が長い場合がほとんどです。

そこで、検討期間にある企業や消費者へアプローチを行い、購買意欲を向上させるリードナーチャリングの役割が重要になってきています。

理由2 従来の営業スタイルからのシフト

企業の営業スタイルが変わってきていることも、リードナーチャリングが注目される理由の1つです。

従来は、飛び込み営業やテレアポなど、売り手側から積極的に働きかけて購入を促す営業スタイルで行われていました。しかし、この営業スタイルにはマンパワーが必要です。

さらに、人材不足に悩む企業が増え営業の効率化を迫られた結果、ウェブを活用した集客が主流になっています。そこで、獲得した見込み顧客を成約に結びつけるためのリードナーチャリングが、注目されています。

理由3 顧客ニーズの多様化

リードナーチャリングが注目されている理由として、顧客ニーズの多様化も挙げられます。

今の市場には多くの商品・サービスの種類が増え、購入者が購入先を選べる状況です。そのようななか、アウトバウンド営業の「押し売り感」が、消費者に受け入れられないケースが発生しています。

そこで着目されたのが、売り手がウェブサイトやSNSで情報を発信し、それを見て興味を持った人に購入してもらう「インバウンド」型の営業です。

インバウンド型の営業は、情報発信のためのコンテンツを制作するコストを要します。ですが、完成したコンテンツは資産となり、長期的に集客効果を得られます。また、買い手が主導になるため、拒否される可能性も低いです。

集客できた「自社に興味を持ってくれた見込み顧客」に対してナーチャリングを実施し、商品・サービスの購入につなげます。

理由4 ウェブマーケティングツールの進化

リードナーチャリングが注目されている4つ目の理由として、ウェブマーケティングツールが進化し、より効率的に行えることがあります。

従来は、電話やDMによるアナログなナーチャリングが主流でした。ですが、現在では、メールマガジンやオウンドメディア・SNSなど、デジタルの手法がよく用いられます。また、施策結果を分析するツールも発達し、詳細なデータを把握できるようになりました。

以上により、結果や分析の把握だけではなく、改善や次の施策への反映が迅速に行えるため、ナーチャリングの精度をアップしやすくなっています。

なお、ナイルでは、リードナーチャリングによく用いられるオウンドメディアの立ち上げを支援しています。ご興味のある方は、下記のバナーから無料資料をダウンロードしてください。

 

リードナーチャリングを行う4つのメリット

リードナーチャリングの実施で、4つのメリットが得られます。それぞれ具体的に見ていきましょう。

リードナーチャリングを行う4つのメリット

 

メリット1 ハウスリストを活用し、商談につなげられる

これまでの広告や会員登録、名刺交換などによって獲得してきた見込み顧客のメールアドレスや電話番号の一覧を「ハウスリスト」と呼びます。

現在の個人情報保護法により、見込み顧客の連絡先をリスト会社から購入することが難しいため※2、営業する上でハウスリストは企業にとって大きな資産といえます。

※2参考:令和3年 改正個人情報保護法について(官民を通じた個人情報保護制度の見直し)(個人情報保護委員会)

また、ハウスリストは少なくとも一度は自社との関係性を持った顧客なので、初対面よりも見込み顧客の心理的なハードルが低く、商談につながる可能性が高いと考えられます。

リードナーチャリングはハウスリストを活用して見込み顧客にアプローチできるので、既存の資産を活かすことが可能です。

メリット2 興味を持った顧客を逃さず、機会損失を減らせる

資料請求やセミナー参加など自分から能動的な行動を起こしている見込み顧客は、何らかの興味や課題を持っている可能性が高いです。

リードナーチャリングを行うことは、これまで機会損失となっていた顧客が獲得できる可能性を秘めているといえるでしょう。

メリット3 闇雲に営業するよりも、営業効率や受注率が上がる

対応すべきリードの数が多くなればなるほど、営業効率や受注率が下がってしまうことも営業担当者の悩みの種です。

リードナーチャリングは、この悩みをリードクオリフィケーションと組み合わせることで解決できます。

例えば、メールを開くと1点、資料請求をすると3点、セミナーに参加すると5点といった点数を見込み顧客に付与します。その上で、一定期間内に合計30点に到達した見込み顧客には自動メールで「個別お悩み相談会」の日程調整を打診するといったシナリオを組むのです。

そうすることで、見込み顧客の悩みが顕在化したタイミングで営業担当者が商談を行うことができるので、闇雲に営業するよりも営業効率や受注率を上げることが可能となります。

メリット4 リード獲得を増やすだけで、商談につながる基盤が作れる

「リードを獲得すれば商談につなげられる」という万全な態勢を整えることができるのも、リードナーチャリングの大きなメリットといえます。

事前に自社における王道のシナリオが確立できていれば、マーケティング費用をリード獲得する施策に費やすだけで商談数、ひいては受注数を増やすことができるからです。

王道のシナリオを作るまでには時間を要します。ですがその分、商談に結びつく基盤が整えられるので、リードナーチャリングは最大の魅力といえるでしょう。

リード獲得の土台となるオウンドメディアについてのご質問は、下のバナーよりお気軽にお問い合わせください。

リードナーチャリングを行う際のデメリット

メリットがある一方でリードナーチャリングには、下記のような2つのデメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

リードナーチャリングを行う際のデメリット

 

デメリット1 ナーチャリングを行うまでに工数がかかる

リードナーチャリングを行う前に、シナリオ設計をしなければなりません。

シナリオ設計をするには、下記の工程が必要です。特に2の工程では、リードの属性ごとにシナリオを作成するため、さらに多くの工数がかかります(シナリオ設計について、本記事の「リードナーチャリングの実施フロー4ステップ」でも解説しています)。

【シナリオ設計の3工程】

  1. リードの属性を分類する
  2. 分類した各属性に合わせたシナリオを作成する
  3. 作成したシナリオを配信する

このようにナーチャリングを行う際には、リードに合わせた対応が必要になる場合が多いです。また、シナリオ設計だけではなくほかのナーチャリング手法でも工数がかかってしまう点はデメリットといえるでしょう。

デメリット2 成果が出るまでに時間がかかることがある

リードナーチャリングは、成果が出るまでに時間がかかることもデメリットのひとつとして挙げられます。

リードの状態によっては、多くの過程を踏みナーチャリングしなければなりません。例えば、「興味あるフェーズ」の状態であれば、そこから「比較と検討のフェーズ」を経て自社の商品やサービスを選んでもらう時間が必要です。

一方で、すでにある程度比較し、検討段階のリードであれば、それほど時間がかからないこともあります。しかし、リードの多くは興味や比較のフェーズである場合が多いため、ナーチャリングを行っても成果が出るまでにある程度の時間がかかってしまうのが現状です。

そのため、ナーチャリングを行う場合は、あらかじめ成果が出るまでに時間がかかることを念頭に取り組みましょう。

リードナーチャリングの7つの手法

リードナーチャリングの重要ポイントは、ユーザーがパッと見たときに「あ、いいかも!」「勉強になる!」など良い印象を抱いて覚えてもらうことです。ここでは、代表的な7つの手法をユースケース(活用事例)と一緒に紹介します。

リードナーチャリングの7つの手法

 

手法1 電話

電話は最も古くからあり、イメージしやすいリードナーチャリング手法です。

電話は、1対1で見込み顧客と対話が可能であることが最大の特徴です。「見込み顧客が必要としている情報が何なのか」というニーズを確かめ、適切な情報提供を行うことで、自社商品への興味・関心を強化できます。

このように見込み顧客のニーズをリアルタイムで把握し、受注確度が高い商談の機会を営業担当に供給できることは、電話ならではのメリットといえるでしょう。

手法2 メール

メールも電話と同じく、古くからあるリードナーチャリング手法です。

メールは、目的によってフェーズの異なる見込み顧客に分けて送付します。例として、下記4種類のメールナーチャリングを紹介します。

【4種類のメールナーチャリング】

  1. ステップメール:無料サービスに申し込んだユーザーに対して、サービス利用開始から5日後に、より便利な有償アップグレード機能の紹介をするメールを自動送付し、商談の打診を行う。
  2. セグメントメール:「建築業界の企業に勤めている見込み顧客のみ」など、特定の条件に合致した見込み顧客にだけ業界別事例のメールを送る。
  3. サンクスメール:問い合わせフォームへ入力を行った見込み顧客に対して、お礼メールとして「こんな資料もいかがですか」と資料請求を促す。
  4. 案内・集客メール:業界の最新情報や見込み顧客が気になるセミナー・イベントなどを案内する。

補足として、メールマガジンは、連絡先のわかる見込み顧客全員に送付する手法です。下記の記事で、詳しく解説していますので併せてご一読ください。

手法3 オウンドメディア

オウンドメディアとは、「集客」「ブランディング」「売上向上」「採用・求人」などを目的に企業が見込み顧客の知りたい情報をウェブサイト上で発信することを指します。

ナイルが支援したライオン株式会社のオウンドメディア「Lidea(リディア)」の事例では、自然検索数が2倍になりました※3。

オウンドメディア「Lidea(リディア)」

 

出典:Lidea(ライオン株式会社)

オウンドメディアは、企業の商品・サービスを見込み顧客に伝えたいときに有効です。第一に、ユーザーの課題を解決する良質なコンテンツを発信すると、検索エンジンに対して有利に働きます。また、SNSでの共有は、見込み顧客の共感とシェアの可能性も広がり、自社ウェブサイトへ来訪のきっかけになります。

※3参考:オウンドメディア「Lidea」のSEO設計、コンテンツ企画・制作により、自然検索流入数が2倍に - ライオン株式会社(ナイルのSEO相談室/ナイル株式会社)

手法4 ウェビナー

ウェビナーとは、ウェブとセミナーから取った言葉で呼ばれるオンラインで行うセミナーのことです。

興味関心度の高いユーザーを集めることができるほか、1度収録すれば2回目以降は録画した映像を見込み顧客に届けることもできます。

また、資料ダウンロードからいきなり問い合わせしてもらうのはハードルが高くても、ウェビナーへの参加はしてもらえることもあります。接点の数を増やせば商談につながる可能性が高まるので、とても有効な手法です。

手法5 リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度ウェブサイトに来訪した見込み顧客に対してのみ特定の広告を掲載する手法です。

見込み顧客に自社の商品・サービスを思い出させる効果があるため、通常の広告よりも高い効果が見込めます。

なかでも「今だけ初回/初月無料」といった特典の訴求は、商品・サービスの購入を踏みとどまっていた見込み顧客に有効です。リターゲティング広告を機に再度興味を持ってもらうことで、商談などにつながる可能性もあります。

手法6 チャットボット

チャットボットとは、見込み顧客の質問・回答内容によって返答するメッセージが異なる仕組みを持つ機能のことです。

専門的な知識がないと理解しづらい複雑な商品・サービスのケースに用いられ、よくある質問への対応や新商品の特徴紹介に適しています。

詳しいチャットボットの仕組みや精度の高い回答を行うための要素を知りたい方は、以下もご参照ください。

手法7 SNS

最後の手法は、FacebookやTwitter、YouTubeなどのSNSでの情報発信です。

企業アカウントからの発信で見込み顧客が集客できます。既存顧客の口コミやインフルエンサーによる自社商品・サービスの紹介では、認知が広がり、結果として見込み顧客の獲得につながりやすい一石二鳥の手法です。

また無料でアカウントも開設できるため、施策を検討しやすいことも魅力です。SNSを使った集客についてさらに詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

リードナーチャリングを成功させる戦略を設計する4ステップ

リードナーチャリングを成功させる戦略を設計する4ステップ

リードナーチャリングの戦略は、上記の4ステップで設計します。では、それぞれについて詳しく見ていきます。

ステップ1 リードナーチャリングの目的の明確化

最初のステップは、「リードナーチャリングの目的の明確化」です。リードナーチャリングの最終的な目的は、獲得したリードの購買意欲を向上させることです。

ただ、リードのフェーズによって温度感が異なるため、細かく目標を設定する必要があります。メールマガジンに登録しているだけのリードと、ウェビナーへ継続的に参加しているリードでは、リードナーチャリングで目指すべき目標が違うためです。

なお、マーケティングの働きかけによって、十分に購買意欲が高まった見込み顧客のことを「MQL(Marketing Qualified Lead=マーケティング・クオリファイド・リード)」といいます。ナイルの場合は、下記の2つの項目を満たしていることを条件に設定しています。

  • マーケティング部門で設定した指標をクリアし、「受注したい案件」と判断されている
  • 「問い合わせ」や「無料相談」などの商談に直結する行動をとっている

このMQLの定義は、企業によって異なるため、リードナーチャリングに取り組む上では、自社における定義をあらためて確認しましょう。

なお、MQLの詳細は下記の記事で紹介していますので、ご参照ください。

ステップ2 顧客理解(ペルソナ設計 / カスタマージャーニーの把握)

効果的に購買意欲を向上させるためには、顧客のことを知っておく必要があります。顧客を理解できていれば、「どのような施策が刺さるのか」という仮説を立てられるからです。

そのため、リードナーチャリングを実施する前には、リード獲得の際に設定していたペルソナをあらためて確認しましょう。ペルソナとは、ターゲット像より細かい項目まで設定した人物像のことです。

ペルソナの説明図

 

また、ペルソナの設計と併せて、顧客が自社の商品・サービスを認知してから購入するまでの行動や心理の変化を図式化した、以下の「カスタマージャーニーマップ」も作成します。

カスタマージャーニーマップの例

 

カスタマージャーニーマップを確認すれば、顧客が置かれているステージごとに求めていることが可視化できます。以上のように、顧客理解を深めてナーチャリング施策を考えると、効率的なアプローチが可能です。

なお、ナイルでは、ペルソナを設計する方法に関する無料の資料を配布しています。興味のある方は、下記からお気軽にダウンロードしてください。

 

ステップ3 CVポイントの設計

続いてのステップは、「CVポイントの設計」です。

リードナーチャリングの施策のなかで、「顧客に起こしてもらいたい行動=CV」には、以下の種類があります。

【リードナーチャリングにおけるCVポイントの例】

  • メールマガジンへの登録
  • 資料のダウンロード
  • ウェビナーへの参加申し込み
  • 電話やフォームからの問い合わせ など

このうち、「メールマガジンへの登録」は手軽にできる一方、成約までには時間がかかると予測されます。このため、「まだ接点が少なく熱量がそこまで高くないリード」を対象にしたCVポイントへ設定するのが現実的です。

一方、電話やフォームからの「問い合わせ」があった顧客は、自らアプローチしていることから成約に近いと判断できます。そこで、CVポイントの対象は、継続的にウェビナーへ参加しているような、「接点が多く熱量が高まっているリード」を設定するというわけです。

なお、ナイルでは、問い合わせアップを目指す方に向けて、コンテンツ制作のノウハウを提供しています。資料は無料なので、下記のバナーからお気軽にダウンロードしてください。

ステップ4 インサイドセールスなど組織体制の整理

ナーチャリングは、マーケティング部門とインサイドセールス部門の両方で取り組むケースが一般的です。インサイドセールスとは、電話やメール、ウェブ会議などを使って、非対面で行う営業のことを指します。

リードを獲得した後のアプローチには、以下の2パターンが考えられます。

【リード獲得後のアプローチ2パターン】

  1. マーケティング部門がアプローチしてから、インサイドセールス部門へ引き継ぐ
  2. インサイドセールス部門がアプローチしてから、マーケティング部門へ引き継ぐ

もちろん企業によってほかのパターンもあります。ですが、商機を逃さないためには、いずれの場合もマーケティング部門とインサイドセールス部門の連携が不可欠です。

個別の顧客に対して、「どのようなアプローチを実施したのか」「何の資料を渡したのか」など、情報を共有するための組織体制を構築しましょう。

なおナイルでは、これからインサイドセールスを立ち上げる方のために、ノウハウを無料資料にまとめています。よくある失敗を防ぐためにも、以下のバナーからお気軽にダウンロードしてください。

 

リードナーチャリングの実施フロー4ステップ

リードナーチャリングを行うには、大きく4つのステップがあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。

リードナーチャリングの実施フロー4ステップ

 

ステップ1 シナリオ設計を行う

シナリオ設計とは、特定の行動を起こした見込み顧客に対して、どのようにアプローチするかを設計したものです。

例えば、下記のようなアクションをします。

【シナリオ設計の方法】

  • 資料ダウンロードしたユーザーに、関連度の高いセミナーの動画を送る。
  • 資料ダウンロード後に自社メディアに頻繁に訪れているユーザーに、電話でヒアリングする。

見込み顧客が商品やサービスを認知してから購入するまでのカスタマージャーニーを描き、「探す」、「決める」、「使用する」、「評価する」のそれぞれのタイミングでどのような情報を必要とするのかを整理することから始めるといいでしょう。

ステップ2 スコアリングのルールを作る

作成したシナリオに合わせ、見込み顧客の起こした行動に対して点数を付与します。例えば、メールを開くと1点、資料請求をすると3点、セミナーに参加すると5点といった点数を付与します。

点数の配分は、見込み顧客の課題が顕在化していそうなものを高得点にすることが重要です。また、企業の規模などによっても点数付けをするケースもあります。

ステップ3 シナリオに合わせたコンテンツを作る

ステップ1で作成したシナリオ設計に合わせて、見込み顧客が欲しいコンテンツを用意します。

例えば、オウンドメディアの検索順位が上がらず悩んでいる見込み顧客の場合であれば、下記のようなコンテンツ発信が有効と考えられます。

  • オウンドメディアによくあるSEOの間違いと課題解決法
  • SEOでやってはいけないこと10選
  • 検索順位を改善するためのチェック項目10
  • 2022年最新版のSEOに関する講習会(ウェビナー)

見込み顧客が欲しいコンテンツであれば、資料請求をしたり、ウェビナーに参加したりなどの行動を起こしやすいでしょう。

ステップ4 スコアリングデータを集計して受注確度を見極める

ステップ1〜3の完了後は、スコアリングのデータをまとめて、合計点数がどのくらいになったら商談・受注がしやすいかの確度を検証します。

1度で完璧なリードナーチャリングを行うことは至難の業です。営業担当者と二人三脚で、見込み顧客のシナリオを見直し、各行動に関する点数配分の変更やコンテンツの修正・拡充に繰り返し取り組みましょう。

さらにリードナーチャリングの質を高める2つの方法

リードナーチャリングの手法がわかっていても、実際に商談の質を高めることが難しいと悩まれている方も多いのではないでしょうか。

そこで、リードナーチャリングの質を高める2つの方法を紹介します。それぞれ詳しく確認していきましょう。

リードナーチャリングの質を高める2つの方法

 

方法1 コンサルタントを導入し、リードナーチャリングの戦略設計を強化する

自社にリードナーチャリングの成功体験がないと、どういったシナリオで何をすれば良いのかがイメージできないこともあります。

そんなときは思い切ってコンサルティング会社に依頼することもひとつの手です。プロのノウハウをもとに自社のリードナーチャリングを強化しましょう。

コンサルタントへの依頼は、今後自社でリードナーチャリングを内製化するときにも役立ちます。リードナーチャリングの質を高めるのはもちろん、今後内製化を進めていきたい方にもおすすめです。

方法2  MAツールを使い、リードナーチャリングの効率・質をともに上げる

MAツールとは、見込み顧客が商品やサービスを購入するまでの動きを把握・管理し、自動的に適切なアプローチを仕掛けるためのシステムのことです。

膨大な見込み顧客数がある場合、特定の情報で見込み顧客を絞り込むだけで一苦労です。しかしMAツールを使えば簡単に条件が合致する見込み顧客だけを抽出できたり、シナリオを組んで自動でメールを送ったりすることもできます。

リードナーチャリングの効率、質をともに上げたい場合は、MAツールの導入を検討するとよいでしょう。MAツールの詳細や導入による詳しいメリットなどについては、以下をご参照ください。

リードナーチャリングを行った後にやるべきこと

リードナーチャリング後は、ナーチャリングをして終わりではなく、リードクオリフィケーションを行いましょう。

リードクオリフィケーションとは、確度の高いリードを選別する施策です。数あるリードの中でも特に成果につながりやすいリードを選別すると、効率よく営業やクロージングに移行することが可能になります。

営業やクロージングをかけた際に成果につながらなかった場合は、再度ナーチャリングを行ったり、見込み顧客と信頼関係を築いたりする必要があります。成果につながらなかった場合でも、無理強いはせず、焦らずしっかりと関係を築いていくことが重要です。

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リードナーチャリングの成功事例2選

ここでは、リードナーチャリングに成功した事例として、上記の2つを紹介します。

事例1 メディカルサポートジャパン

メディカルサポートジャパン

 

1つ目は「水の森美容外科」のマーケティングを担当している、株式会社メディカルサポートジャパン様の事例です。

「SEOによる集客アップ」と「CVR改善」のために行ったのは、以下の施策です。

  • サイトの基本的なタグチューニング
  • サイト内のネガティブ要素の排除
  • リンク切れの画像・不適切なcanonical設定など
  • 記事のSEO観点でのチェック など

このように集客の強化に加えて、患者様へアンケートを実施し、顧客の「性質」や「求めているもの」の把握にも努めました。

さらに、依頼元のメディカルサポートジャパン様が中心となって、広告運用の見直しやSNSでの積極的な発信も実施しています。その結果、ウェブサイトへの自然流入が前年比で46%アップし無料カウンセリングへの申し込みも、前年から43%増加しました。

詳細は下記の記事でお伝えしていますので、ご興味のある方は併せてご覧ください。

なお、本件はナイルが支援した事例です。実体験にもとづいた無料相談を行っていますので、「とりあえず話を聞いてみたい」という場合でもお気軽に以下のバナーからお試しください。

 

事例2 株式会社ランドネット

株式会社ランドネット

 

出典:株式会社ランドネット

次は、国内で不動産流通事業や不動産投資事業を展開している株式会社ランドネット様の事例を紹介します。同社が抱えていた課題は、タイムラグのない迅速な顧客管理です。

定期的にセミナーを実施していましたが、資料請求やオウンドメディア・リスティング広告など集客用の媒体が複数あった上、別で顧客情報を管理していました。その結果、顧客の最新状況を把握できず、アプローチのタイミングを逃しているのではと課題を感じます。

そこで、MAツールを導入し、顧客の分類を自動化したところ、リードの創出からアプローチまでを迅速に行えるようになりました。さらに、顧客に合ったコンテンツを用意することで、セミナー経由の面談の申し込み数がアップするという成果につなげています。

顧客の行動をポイントではなく一連の流れで追えるようになった結果、ニーズに合わせたコンテンツ制作や提案などを行い、顧客との信頼関係の構築につながった事例です。

参考:株式会社ランドネット | HubSpot 導入事例

リードナーチャリングは1日にして成らず

リードナーチャリングは、取り組めばすぐに営業効率や受注率を上げることができるわけではありません。

しかしながら、見込み顧客が欲している情報は何かを理解し、コンバージョンポイントごとに適切なシナリオを用意できれば、自社の継続した売上を作る仕組みが完成することは間違いないです。

なお、ナイルでは、ナーチャリングにも活用できるオウンドメディアの支援サービスを行っています。ご興味のある方は、下記からお気軽にご相談ください。

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編集者情報

大澤 心咲
大澤 心咲
新卒でアクセンチュア株式会社を経て、2018年ナイル入社。
コンサルタントとして大手企業SEO戦略策定・コンテンツマーケティング支援を担当。
現在はナイルのマーケティングとセールスの統括マネージャーとして従事。
著書:「ひとりマーケター成果を出す仕事術

監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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