製造業界のWebマーケティングで把握しておきたいこと

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製造業界のWebマーケティングで把握しておきたいこと

製造業とは、物を作って販売する産業のこと。日本の製造業は、その品質の高さから「ものづくり大国」として確固たるブランドを築いてきましたが、近年は諸外国の低価格高品質な製品が台頭し、日本企業にも変革が迫られています。

製造業では、既存顧客との関係構築に加えて、新規顧客開拓の重要性が増しているため、これからは、製造業においてもWebマーケティングの価値が高まっていくでしょう。

ナイルではさまざまな業界のWebマーケティング支援を行っていますが、今回は製造業において、Webマーケティングで把握しておきたいことを解説します。

この記事のポイント

  • 製品やサービスの購入を検討する場合、参考にする情報源が企業のWebサイト
  • ベネフィットや安心・信頼の醸成に関する情報をWebサイトで提供すべき
  • ナイルが支援する際に気をつけているのが、目的を把握する、3C分析で理解を深める、適切なKPIを設計すること

 

製造業のWebマーケティングの特徴とは?

既存顧客との取引を中心にしてきた製造業では、新規開拓をそれほど重視しない傾向がありました。さらに、予算規模が高額な傾向があるため、Webマーケティングだけで新規リードを開拓するのは難しいと思われていました。しかし、実際には、製造業とWebマーケティングの相性はいいと言えます。製造業のWebマーケティングの考え方について、把握していきましょう。

 

BtoBではWebサイトが重要になる

製造業はBtoBの産業であり、顧客は企業になります。BtoCと大きく違うのは、製品やサービスの購入を検討する場合、参考にする情報源が企業のWebサイトだということ。

トライベック・ブランド戦略研究所のデータによると、BtoBの場合、製品・サービスを検討する上で、実に66.6%の割合で企業Webサイトを情報源にしているという結果になっています。

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仕事上の製品・サービスの情報源(2019年)(複数回答)

出典:トライベック・ブランド戦略研究所

 

つまりBtoBにおけるWebサイトは、「営業職や技術職の代わりに顧客対応をする」という役割を果たしているのです。購入の意思決定チャネルが多様で、注力する施策の見極めが難しいBtoCに比べて、BtoBの場合は「Webサイトを作り込むこと」に絞って、取り組みをスタートできます。

 

製造業の場合はWebサイトでのクロージングは不要

製造業の場合、Webサイトだけで顧客が発注を決めるケースは稀です。なぜなら、プロジェクト単位の予算が大きく、受発注の前に仕様や要件を決めるプロセスが存在するからです。仕様や要件を策定する、というフローにおいて営業や技術員との話し合いが必ず必要になります。

ですから、Webサイトだけで、顧客と契約を結ぶクロージングまで考える必要はありません。製造業のWebサイトは「顧客がほしい情報」「社内協議のときに参考になる情報」を提供することを考えるべきです。自社がどういうことをやれるのかを示すことで、「話を聞いてみよう」「資料請求をしてみよう」と、顧客に思ってもらうことが、Webサイトの役割になります。

Webサイトに訪れた人に対して、「企業ポリシー」「安全へのこだわり」「具体的なサポート内容」「環境に対する取り組み」といったベネフィットや安心・信頼を醸成する情報を提供します。そうすることで、他企業との差別化につながるのです。

 

製造業の支援で大切にしている3つのこと

ナイルでは、製造業のお客様に支援をする場合、特に以下の3点に気をつけています。

 

  1. 目的について把握する
  2. 3C(自社、市場、競合)分析によって理解を深める
  3. 適切なKPIを設計する

 

まずは、目的を明確にすること。国内での新規受注なのか、海外でのプレゼンスを高めるのか、目的をしっかり把握します。そして、3C(自社製品、競合、市場)分析では、製造業の製品理解は容易ではないため、特に市場理解と競合との差別化の理解に注力するようにしています。

そこからKPIの設計になります。調査に基づいた勝ち筋のある戦略を立てて、目的を実現する必要があります。KPIの策定フローは、「目的策定→調査→仮説→計測指標の策定」となります。

多くの企業がWebマーケティングに取り組む目的は、収益を上げること。そのため、取り組みを評価する指標は、収益に紐づくものでなくてはなりません。

最終目標であるKGIは収益として、KPIはどのように設定すればいいのでしょうか? KPIをセッション数増加となるケースが多いと思いますが、注意したいのは収益増加とイコールではないということ。例えば「納期2ヵ月で100万円以上」の商材を扱っているのに、「納期1ヵ月で50万円」を希望する訪問者が増えても意味がありません。大事なのは、収益に直結する訪問者を増やすことです。

まずは、「問い合わせ数は多いが受注率が低く、契約期間が短いA群」「問い合わせ件数は少ないが受注率が高く、契約時間が長いB群」というように、データからリアルなペルソナを設定して数字を仮設定し、どちらのグループがより収益貢献度が高いかを判断しましょう。

B群に注力したほうがCVR(コンバージョン率)が高ければ、このプロジェクトの目的は「お客様B群を増やすこと」、KGIは「受注額」、KPIは「お客様B群の訪問者数と再訪問率」などとなります。

さらに具体的に、予算、問い合わせ件数、受注率、受注件数、受注額について、お客様A群とお客様B群で見ていきましょう。

この企業のお客様を比較すると、収益貢献度ではお客様B群が増えることを目指すべきといえます。お客様B群は、お客様A群よりも問い合わせ件数は5倍、受注額は3倍を超えますので、営業効率もよさそうです。

月額契約となると、関わり方が深くなりますので、LTV(顧客生涯価値)ではさらに大きな差が出ることになります。アップセルやクロスセルにつながる可能性が高まり、他部署への関わりを広げることができるかもしれません。

 

SEO対策で決めておきたいキーワード

Webサイトへの流入を考えるうえで、キーワード選定は非常に重要になります。

例えば、川崎重工様を例にして考えてみます(ナイルがご提案したキーワードではありません)。川崎重工様は「水素エネルギー」に注力しているため、「○○(企業名) 水素」「水素 運搬船」「水素」といったキーワードでのSEO対策が考えられます。「○○(企業名) 水素」は、企業ブランディングにつながります。「水素 運搬船」「CO2削減」は、企業ブランディングに加えて、情報検索しているターゲットユーザ向けのマーケティングキーワードとして重要です。

実際に川崎重工様のWebサイトでは、水素エネルギーに注力していることが分かるように、非常に充実した内容のページが用意されています。

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川崎重工 Kawasaki Hydrogen Road

また「水素 運搬船」の検索結果を見ると、川崎重工様に関係する記事やプレスリリースが検索結果を専有しています(2020年11月17日現在)。

検索ボリュームが少ないとしても、1件でも契約につながれば、大きな金額の受注になります。このようにWebサイトを軸にして、手掛ける事業内容をしっかりと説明して、顧客への理解をうながすことが必要です。

 

海外市場を対象にしたWeb戦略

製造業の場合、海外市場を対象にした展開も考えられます。日本の製造業には確かな技術力があるため、海外市場でプレゼンスを高めることで、大きな収益増加につながる可能性があります。弊社でも海外におけるSEOのご支援をさせていただいた実績がございます。

海外市場の場合、「検索キーワード」「順位取得ツール」はターゲットとなる国に合わせます。ナイルが海外市場をターゲットとする製造業をサポートしたケースでは、商材の規模が大きく専門知識が必要だったため、製品理解は一般的な範囲に止め、顧客ニーズ理解と競合調査を優先して方針を策定しました。

SEOはキーワードが肝ですが、英語ではニュアンスを汲み取りきれないため、日本語で作成したものをクライアントに英語でチェックしてもらうようにしました。また、海外のGoogleで順位計測を行うことで、成果検証を行いました。

 

<ナイルの対応の流れ>

・製品理解、顧客理解をしてからキーワード抽出

・各部署に強化キーワードなどをヒアリングして絞り込み

・絞り込んだキーワードに関して競合調査を実施

・上位表示している競合サイトのサイト構造や上位表示コンテンツ内容を調査

・強化キーワードに応じたサイトマップやサイト構造、コンテンツ案の提示

・制作会社に対するSEO技術要件の指示や実装ディレクション

 

Webマーケティングでは実データを活用しよう

BtoBの場合、MAなどのツールを使ってアカウントを紐付ければ、CVRへの貢献度が高い顧客層の詳細な属性や傾向をより正確に把握することができます。とは言え、やはり営業現場が把握している現場の声が、最も参考となる情報ソースとなります。そのため、架空のペルソナではなく、営業部門にヒアリングして連携することが必須です。営業部門における実データやヒアリングデータをマーケティングと仮説に活用し、収益貢献する運用改善を実施していきましょう。

 

記事監修

今崎 善秀(いまさき よしひで)

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