【徹底解説】オウンドメディアとは?その役割や立ち上げ・運営のポイントを紹介

オウンドメディア(Owned Media)とは、企業がユーザーとの接触やブランディングを目的に、運営・所有するメディアのことです。自社で運営しているため、外部のプラットフォーム(SNSなど)を利用する場合と違い、すべてコントロール可能な点が特徴です。
本来の意味では、パンフレットやカタログなど、ウェブに限らず、自社で所有し提供されるものすべてがオウンドメディアですが、ウェブマーケティングの文脈ではウェブ上で展開される情報メディアという意味で使われます。
ここでは、オウンドメディアの役割や、メリット・デメリットをご紹介します。また、コンテンツの戦略設計や、オウンドメディアの立ち上げと運営のポイントなどについても見ていきましょう。
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目次
オウンドメディアとは?
オウンドメディアは、本来は自社で運営するメディアの総称です。広義では企業のサービスサイトはもちろん、SNSやブログ、ECサイト、紙のパンフレットなどもオウンドメディアとされます。
日本では、企業が運営するウェブメディアをオウンドメディアと呼ぶことが一般的です。
オウンドメディアはトリプルメディアのひとつ
オウンドメディアは、ペイドメディアやアーンドメディアと並んでトリプルメディアのひとつです。トリプルメディアは、マーケティング活動でのユーザーへの接触手段を大きく3つに分けたものであり、それぞれの得意・不得意領域を補完し合う形となっています。
オウンドメディア
オウンドメディアは、企業が自社で運営・所有するメディアのことで、顧客との接触やブランディングが目的です。ペイドメディアやアーンドメディアと違い、一度作成したコンテンツを自社の資産として残しておけるというメリットがあります。
ペイドメディア
ペイドメディアは、費用を払って出稿するメディアのことで、企業やその製品・サービスの認知が目的です。テレビCMやリスティング広告などがその例で、短期的な効果を求めるときに有効です。枠が決まっているため、情報量には限界があります。
アーンドメディア
アーンドメディアは、FacebookやTwitterといったSNSや、口コミサイトなど、広告ではなくユーザー情報が起点となり、信用や相互理解が必要なメディアです。すでに人が集まっているメディアで露出できるメリットがある反面、自社ではコントロールしにくいといえます。
アーンドメディアについてはこちらもご覧ください。
オウンドメディアの目的
ペイドメディアには「多大な費用がかかってコミュニケーションが一方的になりがち」、アーンドメディアには「新しい情報以外では接触が難しく、情報を蓄積しにくい」といったデメリットがあります。この2つのデメリットを補うのがオウンドメディアです。
オウンドメディアを運営する目的としては、主に「リード獲得」「ブランディング」が挙げられます。
リード獲得
オウンドメディアを運営する目的のひとつはリード獲得です。ITの進化で、誰もが情報を発信できる時代となり、ユーザーが企業や商品、サービスの情報にふれる機会は格段に増えました。それらの情報の中でも、より信頼性があり、ユーザーに役立つコンテンツを発信できるのがオウンドメディアです。自社の商品やサービスについて一方的に発信するのではなく、自社の商品やサービスに合わせてユーザーが知りたい情報、課題解決できる情報を提供することで、リードの獲得につなげることができます。
ブランディング
ブランディングも、オウンドメディア運営の目的のひとつです。ブランディングとは、自社の商品やサービスを認知してもらい、競合との違いを明確にすることです。
オウンドメディアで自社を理解してもらえるコンテンツを発信していくことで、自社の商品やサービスのイメージを作り上げることができます。
公式サイトとの違い
企業が運営・所有するメディアとしては、公式サイトもあります。公式サイトとは、会社概要や事業内容などを記載しているコーポレートサイトを指すことが一般的です。
オウンドメディアと公式サイトでは、目的や扱う情報の種類、対象者などが異なります。オウンドメディアでは集客を目的とすることが多く、そのため企業の商品やサービスに関連する情報や特定の分野に関わる情報を扱うことが多くなっています。一方、公式サイトでは、幅広いユーザーや取引先などに対して、企業情報を提供することが多いといえるでしょう。
オウンドメディアが必要な理由
では、なぜオウンドメディアが必要なのでしょうか。オウンドメディアが必要な理由は、ペイドメディアとアーンドメディアのデメリットを補うことができるからです。
ペイドメディアには「多大な費用がかかってコミュニケーションが一方的になりがち」、アーンドメディアには「新しい情報以外では接触が難しく、情報を蓄積しにくい」といったデメリットがあります。
ITの進化で、誰もが情報を発信できる時代となり、ユーザーが企業や商品、サービスの情報にふれる機会は格段に増えました。ただし、ユーザーがふれられる情報は、全体の情報量のほんの一部です。企業がどれだけ情報を発信しても、ターゲットに届くとは限りません。
さらに、SNSが浸透したことで、検索エンジンを利用しなくても簡単に口コミや感想が手に入るようになり、ユーザーが商品やサービスについて検索する機会は減っています。
その中で、より信頼性があり、ユーザーに役立つコンテンツを発信できるのがオウンドメディアです。自社の商品やサービスについて一方的に発信するのではなく、自社の商品やサービスに合わせてユーザーが知りたい情報、課題解決できる情報を提供します。それによって、検索流入したユーザーの興味を喚起し、商品・サービスの認知拡大や購買、ブランディングなどにつなげることが可能になるのです。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアを運営するメリットは、大きく3つに分けられます。それぞれのメリットについて、詳しく確認しておきましょう。
新規接触・集客ができる
オウンドメディアで継続的に情報を発信することで、幅広くユーザーと接触することができます。
昨今は、ユーザーの行動やニーズが多様化し、ペイドメディアに大量に広告を投下しても、効果が出にくくなりました。それでもなお、広告の出稿費用に多額の費用がかかる状態は変化していません。
ユーザーはみずから検索し、必要な情報を集めた上で比較・検討を行います。BtoBであれば、購買や契約までに稟議・承認のプロセスが必要となるため、さらに比較・検討の期間がさらに長くなるでしょう。
オウンドメディアでユーザーに役立つ情報を発信し続けることで、商品やサービスに興味を持ったユーザーの集客が可能になります。認知のためのコンテンツ、商品やサービスの基礎知識を解説するコンテンツなど、コンテンツによってユーザーのカスタマージャーニーを進める手助けをしましょう。集客を目的にオウンドメディアを運営する場合は、検索で上位表示させて流入を促すこと重要です。
ブランディング・ファン化ができる
オウンドメディアは、コンテンツを通じて企業の考えや想いを伝えることができるので、企業への共感や企業理解が期待できます。企業の信頼性を高め、競合他社との差別化を図るため、統一感のあるメッセージを伝えることが重要です。口コミなどと違い、自社で内容をコントロールできるという点も、ブランディング向きといえるでしょう。
オウンドメディアで公開した内容をSNSでも配信し、ユーザーとのコミュニケーションを活発にすると、より一層ユーザーの「ファン化」が進みます。
また、採用に特化したオウンドメディアであれば、自社の考えや想いを配信することで、自社とマッチした応募者を集めることができます。
売上向上・広告枠の適正化が見込める
前述したように、ユーザーの購買行動には、インターネットでの情報収集が大きく関わっています。オウンドメディアでユーザーに有益なコンテンツを発信できれば、潜在層から顕在層まで幅広く集客することができ、売上向上につなげられるでしょう。例えば、オウンドメディアでインタビュー記事や体験談記事などを公開することで、実際の利用イメージをわかせることができ、CVにつなげやすくなります。
また、オウンドメディアに流入したユーザーは、自社が発信する情報に興味を持って訪れた人であり、今後顧客になる見込みのある人です。無闇に広告配信するのではなく、見込み度の高い人に合わせて広告配信することで、コストを抑えて顧客を獲得できる可能性が高まるでしょう。
オウンドメディアのコンテンツは自社の資産とできるため、出稿を止めた時点で集客や売上がなくなる広告より、長期的に活用できる点もメリットです。
コンバージョン(CV)についてはこちらもご覧ください。
オウンドメディアのデメリット
企業がオウンドメディアを持つことで、さまざまなメリットがある一方、いくつかデメリットと感じられる点もあるでしょう。オウンドメディアの運用を行う前に、デメリットについても理解しておく必要があります。
効果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは、ペイドメディアと違って即効性があまりなく、始めてすぐに効果が出るものではありません。オウンドメディアを開設してからコンテンツが検索結果画面で上位表示されるためには、短くて3ヵ月、長ければ半年以上かかることもあります。
オウンドメディアのドメインの強さや、競合などによっても違いがありますが、集客や売上向上などの効果が出るまでには、半年から1年以上は見ておくべきです。
運営が難しくコストがかかる
多数の企業がオウンドメディアに取り組むようになった今、競争は激化しました。SEOや、シェアされやすいコンテンツが何かを理解して制作を進めなければならず、ターゲットや目標によって良いコンテンツの定義は変わります。
また、それを行うためには人的・金銭的リソースが必要です。すぐに効果が出にくい中、運営のコストがかかる点はデメリットといえるでしょう。
オウンドメディア立ち上げのポイント
オウンドメディアは、どうやって立ち上げれば良いのでしょうか。オウンドメディア名やURLのほか、CMS、デザインといったオウンドメディア立ち上げのポイントについてご紹介します。
適切なオウンドメディア名をつける
オウンドメディアには、扱うテーマや商品・サービスなどをイメージしやすい名称をつけることが大切です。何をテーマにしているメディアなのか、どのようなブランドのメディアなのかがわかるようにすることで、読者の理解度や信頼度も高まります。
また、他社の商標と同じ名称になっていないかという点も確認しておく必要があります。
目的に合わせてURLを設定する
オウンドメディアの名称が決まったら、URLを検討します。すでにコーポレートサイトがあり、特定の分野で評価を得られているようであれば、コーポレートサイトドメインのサブディレクトリで構築するといいでしょう。
例えば、「https://www.xxxxxx.co.jp」というドメインであれば、オウンドメディアは「https://www.xxxxxx.co.jp/yyyyy/」といったURLです。
また、コーポレートサイトからは切り離し、中立なメディアにしたいということであれば、独自ドメインを取得するという方法があります。
どちらにしても、URLはあまり長すぎず、一見して理解しやすいものにすることをおすすめします。
CMSでオウンドメディアを構築する
オウンドメディアを構築するにあたっては、WordPressやMovable TypeといったCMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)を利用すると便利です。
CMSで構築することで、HTMLについての詳しい知識がなくてもオウンドメディアの記事の追加や更新ができます。
シンプルで読みやすいデザインにする
オウンドメディアのデザインは、ユーザーが理解しやすい、シンプルで読みやすいデザインにするといいでしょう。
オウンドメディアの主な目的は集客で、ユーザーがしっかりと情報を理解してもらうことが必要です。一見、かっこいいデザインになっていたとしても、読みにくかったり、使いにくかったりすると、ユーザーが知りたい情報をしっかり伝えられないことにもなりかねません。
オウンドメディアのコンテンツ戦略の立て方
オウンドメディアを運営する場合、コンテンツの戦略設計をしっかり立てておくことが重要です。コンテンツの戦略設計を行うことで、オウンドメディアに統一感が生まれ、コンテンツ制作の指針が定まります。
例えば、SWOT分析により、企業ブランドや商材の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を抽出します。狙っている市場において、競合との関係性をマッピングすることで、目指すべき領域や方向性が明確になります。指名検索されやすいオウンドメディアを目指すには重要な要素です。
続いては、コンテンツの戦略設計を立てる前の事前調査や、設計方法について見ていきましょう。
ユーザー調査・市場調査
まずは、顧客満足度調査やユーザー意識調査、ユーザー実態調査といったアンケートを実施し、ユーザーと市場を理解しましょう。
そこから、ユーザーの動向や市場のトレンドを的確に把握するために、どのような顕在ニーズと潜在ニーズがあるのかを見極めます。さまざまな調査データを駆使することで、コンテンツ戦略に影響を与える市場特性や外部要因などを明らかになっていきます。
また、目的に応じて、ユーザーインタビューやワークショップを実施してみるのもおすすめです。
ターゲット(ペルソナ)設定
コンテンツを作る際には、「誰に向けて作るのか」というターゲットの設定を行います。年代や性別、職業、年収をはじめ、より詳細な価値観やライフスタイルを持った顧客像を設定します。こうした架空の人物像のことを、「ペルソナ」といいます。
ユーザー調査や市場調査の結果や、営業担当者へのインタビュー、社内のデータ分析などをもとに、リアリティのあるペルソナを設定しましょう。さらに、ペルソナの行動シナリオを明確にし、具体的なニーズを想定することで、より詳細なユーザー目線のコンテンツを作ることができます。
ペルソナについてはこちらもご覧ください。
脱「なんとなくペルソナ」。ユーザーの本当の姿を知る3つのステップ
集客チャネル設計
オウンドメディアを立ち上げて、すぐに集客できるわけではなく、集客チャネルを設計する必要があります。チャネルとは、集客するための媒体や流入経路のことで、検索エンジンやSNSなどが該当します。チャネルは多ければ多いほどユーザーが集まる可能性が高くなりますが、ターゲットに合っていなければ、運用の手間が増えるだけで意味がありません。
ペルソナの行動を踏まえて、適切なチャネルを選んでください。それぞれのチャネルの特性を見極めて、効果的な集客方法を打ち出しましょう。
カスタマージャーニー設計
カスタマージャーニー(Customer Journey)とは、顧客の行動や思考、感情といったプロセスを、目に見える形に落とし込んだものです。可視化して分析することで、ユーザー行動の全体像を俯瞰することができます。制作チーム内で、オウンドメディアやコンテンツの方向性を共有する際にも役立つでしょう。
例えば、ユーザーは商品やサービスの購入・契約までに、「認知段階」「検討段階」「決定段階」といったステップを踏むと想定します。それぞれの段階で、どのようなコンテンツを提供すべきかを考えていきます。
コンテンツ方針設計
ペルソナやカスタマージャーニーを踏まえ、コンテンツの方針を設計します。
カスタマージャーニーのどこでふれるコンテンツなのか、目的は認知拡大なのか、行動喚起なのか、コンテンツの具体的な内容を考えて、制作に移ります。コンテンツ方針や制作ルールを明文化しておくと、チームメンバーが共通認識のもと、コンテンツ制作をすることができます。
KGI・KPIの設定
最終的に、オウンドメディアで何を達成するかというKGIと、そのためにいつまでに何を達成しなければいけないかというKPIを設定しましょう。
オウンドメディアは中長期的に取り組むものですから、方向性や着地点を見失わないために、ゴールや中間目標を設定することが重要です。
KGI・KPIについてはこちらもご覧ください。
KGI・KPIとは?Webマーケティングにおける目標設定の方法を解説
オウンドメディアにおけるコンテンツの作り方
続いては、オウンドメディアで質の高いコンテンツを作るための流れを確認していきましょう。
1. テーマを明確にする
まずは、制作するコンテンツはどのようなテーマなのか、何を伝えたいのかを明確にします。1つのコンテンツに盛り込むテーマは、1つに絞るのが望ましいでしょう。検索ユーザーがどのようなキーワードで訪れるのかということや、コンテンツの公開をことも大切です。目的をはっきりさせない限り、良質なコンテンツは生まれません。
2. 執筆する
執筆する際は、専門的な内容であっても、誰もが理解できる文章を心掛けましょう。読者の印象に残る構成を考えることも大切です。
ある分野に特化したコンテンツであれば、専門的な用語を使ったほうが伝わりやすい場合もありますが、広く一般に向けたコンテンツであれば、専門用語は噛みくだいて表現する工夫が必要です。文体やコンテンツは、ターゲットに合わせて最適なスタイルを選んでください。
3. 見せ方を工夫する
コンテンツは読みやすさを考え、見せ方を工夫することが大切です。キーワードを太字にする、重要なポイントは箇条書きにするなど、レイアウトにも気を配ります。
文章だけで伝えにくい場合は、写真やイラスト、図版を用いるといった見た目の工夫も必要でしょう。
4. 読み直す(推敲、校正、校閲)
原稿の言葉遣いや表現方法などについて、十分に推敲してください。誤字や脱字があると、それだけでオウンドメディアの信頼性が損なわれます。できれば第三者の目を通して、事実関係に誤りがないかなど、校正・校閲を行うのがいいでしょう。
校正・校閲についてはこちらもご覧ください。
オウンドメディアの成功パターン
オウンドメディアは、成功すれば集客や売上のアップが見込める一方、導入しても失敗する企業は多くあります。
成功するオウンドメディアには、どのようなポイントがあるのでしょうか。オウンドメディアの成功パターンを解説します。
目的が明確である
オウンドメディアを成功させるためには、目的が明確であることが第一条件です。オウンドメディアを運営するうち、「オウンドメディアを運営すること」自体が目的になってしまうケースは多くあります。
オウンドメディアで成し遂げたい目標が何か明確に決まっていれば、そのための打ち手がわかるでしょう。
運営体制が整っている
オウンドメディアは立ち上げたら終了ではなく、継続的に運用していかなくてはなりません。そのための運用体制がきちんと整っていないと誰かに負荷が集中したり、まったく更新されなくなったりといった事態に陥ってしまいます。
社内理解がある
オウンドメディアは効果が出るまでに時間がかかり、運営にコストがかかるものです。さらに、目的がブランディングである場合など、効果や費用対効果を測るのは難しいでしょう。そのため、社内の理解が得られず、必要なコストをかけられないケースがあります。
社内でオウンドメディアの必要性や目的が周知され、さらに制作や運営で協力する体制があってこそ、オウンドメディアを成功に導けるでしょう。
ユーザーメリットを考えている
自社のメディアだからといって、宣伝色の強いコンテンツや自社の主張ばかりのコンテンツを一方的に公開し続けていれば、ユーザーは離脱するでしょう。場合によっては嫌悪感を抱かれる可能性もあります。
ユーザーのメリットを第一に考えて興味を引き、役立つコンテンツを提供しなければ、オウンドメディアは成功しません。
ユーザーがたどり着きやすい
ユーザーにメリットがあるコンテンツであっても、見つけてもらえなければ意味がありません。コンテンツを必要とするユーザーが迷いなくたどり着けるように、オウンドメディアはSEOやサイト設計を行う必要があります。
さらに、「関連の記事を読みたい」「問い合わせをしたい」「資料をダウンロードしたい」など、ユーザーが希望に応じてストレスなく移動できるように設計することも、オウンドメディアを成功させるために重要です。
オウンドメディアの事例
一口にオウンドメディアといっても、さまざまなパターンがあります。いくつか事例をご紹介しましょう。
サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
企業向けのグループウェア商材を提供するサイボウズ株式会社は「製品の紹介にはつなげない」という形で2012年から継続的に記事の更新を続けています。
成果が出始めるまでにはかなりの時間を要したようですが、「新しい価値を生み出すチームのメディア」というコンセプトをぶらすことなくコンテンツを展開し、認知度向上やファン獲得に成功しています。
mercan(メルカン)(株式会社メルカリ)
「mercan(メルカン)」は、フリマアプリ「メルカリ」の開発・運営を手掛ける株式会社メルカリのコンテンツプラットフォーム。「メルカリの人を伝える」をコンセプトに、自社の情報を発信しています。採用につながるだけではなく、社員同士の交流が生まれることにも貢献しているようです。
北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)
「北欧、暮らしの道具店」は北欧のライフスタイルを取り入れて、自分たちらしく表現することをコンセプトとしています。ネットショップおよびECメディアを運営し、オリジナル商品ブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING」のアイテムなども取りそろえています。北欧のライフスタイルを提供するという明確な世界観が構築されていることで、コアなユーザーを獲得し、ファンづくりに成功しているオウンドメディアです。
THE BAKE MAGAZINE(株式会社BAKE)
「THE BAKE MAGAZINE」は、チーズタルト専門店として大人気の株式会社BAKEが運営するオウンドメディア。各商品のブランドのハブとしてオウンドメディアがあるのではなく、会社のファンを育てていくことを目的にしています。「読みやすく、わかりやすく、親近感をもって自分たちの言葉で素直に伝えていくこと」を大切にして、情報発信を行っています。
「決定者が多いと、つまらないものしかできない」BAKE阿座上さん・塩谷さんに聞くオウンドメディア成功の秘訣
ばね探訪(東海バネ工業株式会社)
企業向けにバネのオーダーメイド制作を行う東海バネ工業の事例です。事業者向け、そして「バネ」というニッチな領域ですが、バネにまつわる基礎知識やバネ職人の話、活用事例集など豊富なコンテンツを展開しています。ニッチながらも競合企業が多い業界で、技術力の高さやノウハウを伝えることで他社との差別化に成功しています。
町田美容院の知恵袋(美容室「monohair」)
美容師として独立するタイミングで、集客手段として立ち上げた「町田美容院の知恵袋」。「キャリア16年の美容師が、髪の疑問や悩みに答えます」というコンセプトのもと、LINEやFacebookなどSNS上で集まったユーザーからの質問に回答しています。「自身の強みを活かしながらも、ユーザーのニーズに応えるコンテンツを提供する」ということが実現されている事例です。
LINEをコンテンツ作りに活用、700超のQ&Aで毎月30人の新規獲得に貢献する「町田美容院の知恵袋」
ナイルが担当したオウンドメディア事例
ここからは、ナイルが担当したオウンドメディアの事例をご紹介いたします。
ビジドラ~起業家の経営をサポート~(三井住友カード株式会社)
「ビジドラ~起業家の経営をサポート~」では、起業家・個人事業主・スタートアップの担当者が、知っておきたいバックオフィスの基礎知識を解説しています。専門性の高い内容のため、税理士、弁護士、社労士の監修が入ったコンテンツ制作を行いました。
LIMIA(リミア)(リミア株式会社)
リミア株式会社の運営するメディア「LIMIA」では、立ち上げ時のSEO設計および、SEO運用で協力しました。「LIMIA」は、インテリア、DIY、リフォームといった住まいや生活の情報が毎日多く集まるメディアです。
ILACY(アイラシイ)(株式会社アドバンスト・メディカル・ケア)
株式会社アドバンスト・メディカル・ケアが運営する、働く大人の女性医療メディア「ILACY(アイラシイ)」では、立ち上げ時のメディア全体の戦略策定・コンテンツの企画・制作をサポートしました。
REISM STYLE(リズム・スタイル)(リズム株式会社)
リズム株式会社が運営するサイト「REISM STYLE」において、コンテンツ企画・制作・編集を行いました。「REISM STYLE」は、一人暮らしの単身者をターゲットに、インテリアや引越し、ライフスタイルにまつわる情報を発信しています。
Lidea(リディア)(ライオン株式会社)
ライオン株式会社が運営するオウンドメディア「Lidea(リディア)」のSEO内部設計、コンテンツ企画・制作のサポートを行いました。成果として、自然検索流入数が約2倍に向上しました。編集会議などを通して、メディアの獲得したいユーザー像をしっかり定め、そのユーザーを引きつける説得力の高いオリジナルコンテンツを展開。集客力の高いコンテンツの構築をサポートすることで、事業への貢献を高めることができました。
オウンドメディア運営の5つのポイント
オウンドメディアで成果を出すためには、どのように立ち上げて運営すればいいのでしょうか。5つのポイントを確認しておきましょう。
1 マーケティング課題とメディア運用の目的を合致させる
オウンドメディアを立ち上げても、ただのスタッフ日記になってしまう場合も多くあります。「◯◯を買った」「おいしいスイーツを食べた」というような内容では、よほどのカリスマ店員や社員でない限り、あまり興味を持ってもらえないでしょう。
オウンドメディアは、例えば「新規顧客の開拓」や「リピーター客の増加」など、自社のマーケティング課題を踏まえ、それらを解決できるようなものであるべきです。また、そのメディアを通じて何を伝えたいのか、ユーザーにどう感じてもらいたいのか、そして最終的にはどんな行動をしてもらいたいのかを明確にする必要があります。その上で、目的がぶれないようにコンテンツを考えていかなければなりません。
2 中長期的な取り組みであると理解する
短期的な利益が必要なときに、オウンドメディアの立ち上げはあまりおすすめできません。広告は費用をかければ短期的な利益が期待できる施策ですが、前述したように、オウンドメディアはコンセプト設計からサイト設計、コンテンツ制作まで、時間もリソースもかかります。成果が出始めるまで少なくとも半年、できれば1年以上はかかると考えて時間やリソースを配分してください。
3 社内理解を得る
オウンドメディアの立ち上げや運営は、とても根気のいる取り組みですから、担当者1人で抱え込まずに社内のメンバーを巻き込んでいくことが理想です。そのためには、ほかのメンバーにもオウンドメディアの目的や意義、そして継続的な取り組みが必要であることをしっかりと理解してもらうことが重要です。
4 長期的に役に立つコンテンツ制作をする
特に、オウンドメディアを立ち上げる際、安く簡単に大量にコンテンツを作成しようとするケースが多く見られます。しかし、安く大量に作成することと、コンテンツの質を担保することを両立するのは簡単ではありません。コンテンツ制作の基本は、ユーザーにとって有益な情報を提供することです。そうでなければユーザーには興味を持ってもらえませんし、検索結果上での露出(上位表示)も難しくなります。
オウンドメディアのコンテンツは、資産として長期的に流入が見込めるものです。良質なコンテンツを作成することはもちろん、定期的にメンテナンスして情報をアップデートすることも重要です。
5 的確なチャネル設計をする
オウンドメディア運営において、「コンテンツを作ってサイトにアップすること」がゴールになっている場合も多く見られます。コンテンツは作って終わりではなく、そのコンテンツをどのようにユーザーに届けるのかというチャネルも設計しなければなりません。
SEO(検索結果上での露出)、SNS(FacebookやTwitterなど)、外部サイトでの掲載・リンクなど、ターゲットユーザーに合わせてさまざまなチャネルを検討し、コンテンツの届け方を戦略的に考えましょう。
オウンドメディアの設計ならナイルにお任せを
なおナイルでは、オウンドメディア全体の戦略設計から対応することができます。また、さまざまなコンテンツを作成して、情報発信していきたいけれど、記事を書くリソースがないお客様に、コンテンツ制作代行のプランをご用意しております。まずはお気軽にご相談ください。
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