<初心者が知るべきSEOの基礎知識>
- SEOとは
- 検索エンジンの仕組み
- SEOの種類
- SEOの手順
- SEOの効果測定(この記事)
SEOに取り組むなら、その成果が出ているかをきちんと把握することが大切です。
検索順位やセッション数だけを見て満足していると、改善のチャンスを見逃す可能性も。
この記事では、効果測定の基本や見るべき指標、改善策へのつなげ方までを解説します。
集客・コンバージョン数を増やしたい方へ
目次
SEOの効果測定とは
SEOの効果測定とは、SEOの取り組みによって、どれだけ成果が出ているかを数値で評価するプロセスです。
単に検索順位の上下を見るだけではなく、Webサイトへの流入やコンバージョン(問い合わせや購入など)といった、ビジネスへの貢献度を総合的にチェックすることが重要。
SEOは「コンテンツを作る」だけで終わりではないため、公開後はデータをもとに改善を繰り返し、成果を最大化していくことが求められます。
そのためには、定期的に効果測定を行い、改善点を見極めながらPDCAサイクルを回していく必要があるのです。
効果測定をするタイミング
Webサイトを立ち上げたばかりのタイミングは、検索エンジンに認識されるまで時間がかかります。
そのため、この期間は細かい数値に一喜一憂するのではなく、週に1回程度、ざっくりとしたモニタリングをしてください。
本格的な効果測定は、検索順位がつきはじめて、セッション数(サイトへの訪問数)が増えはじめたタイミングでスタートするのがおすすめです。
目安としては、サイト立ち上げから3ヵ月後くらいがひとつの区切りと考えるといいでしょう。
そこからデータをもとに改善施策を検討・実施していくことで、より高い成果を目指すことができます。
SEOの効果測定で利用するツール
SEOの効果測定を行う上で、必ず押さえておきたいツールが「Googleアナリティクス4(GA4)」と「Google Search Console」です。
それぞれ役割が異なり、どちらもSEOにおける現状把握と改善に欠かせない存在です。
このように、ユーザーがWebサイトを訪問する前と訪問した後、両方の視点からデータをチェックすることが、SEO効果測定の基本となります。
次に、それぞれのツールの特徴や、測定できる主な指標を見てみましょう。
Googleアナリティクス(GA4)
GA4は、Webサイトに訪れたユーザーがどのような行動を取ったかを把握できる分析ツールです。
SEOでは、特に次のような指標を確認するのに役立ちます。
<GA4で確認できる主な指標>
指標 | 概要 |
---|---|
セッション数 | ユーザーがWebサイトに訪問した回数 |
アクティブユーザー数 | Webサイトを訪問したユニークユーザーの数 |
平均エンゲージメント時間 | ユーザーがWebサイトを開いたまま画面を見ていたり、スクロールやクリックなどの操作をしていた時間の平均 別のタブに切り替えたり、画面を放置していた時間はカウントされない。 |
コンバージョン(CV)数 | ユーザーがWebサイト上で目標(問い合わせ、資料請求、購入など)にしている行動をした数 |
これらのデータをもとに、「アクセス数は増えているか」「狙ったページでしっかり成果が出ているか」といった点を分析し、次の施策に活かすことが可能です。
詳しくはこの記事をチェック!
Google Search Console
Google Search Consoleは、Webサイトが検索エンジン上でどのように表示され、どれだけクリックされているかを分析するためのツールです。
主に次のような指標をチェックすることができます。
<Google Search Consoleで確認できる主な指標>
指標 | 概要 |
---|---|
表示回数 | 検索結果にページが表示された回数 |
クリック数 | 検索結果から実際にクリックされた回数 |
平均掲載順位 | 検索結果でのページの平均順位 |
CTR(クリック率) | 表示回数に対してどれだけクリックされたかの割合 |
詳しくはこの記事をチェック!
SEOの効果測定をする際に見る指標
効果測定において、「どのタイミングで」「どの指標を見るか」を整理しておくことが重要です。
特に、Webサイトの成長段階に応じて、追っていく指標や改善のポイントは変わってきます。
基本的には、継続的に追いかける「定点観測用の指標」と、特定の施策を行った際に確認する「施策効果測定用の指標」の2つに分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。
定点観測用の指標
定点観測では、SEOの成果が中長期的にどう変化しているかを見るために、次のような指標を定期的にチェックします。
施策の有無にかかわらず、週や月単位で継続的に追いかけるようにしましょう。
なお、定点観測の際は、「URL単位」「キーワード単位」「Webサイト単位」で見ていくのがおすすめです。
<URL単位で見る指標>
指標 | 概要 | チェックできるツール |
---|---|---|
セッション数 | Webページごとの流入数を確認し、検索経由のアクセスが伸びているかをチェックする。 | GA4 |
コンバージョン数
コンバージョン率(CVR) |
購買や資料ダウンロードなどの成果に結びついているかをページ単位で把握する。 | GA4 |
<キーワード単位で見る指標>
指標 | 概要 | チェックできるツール |
---|---|---|
検索順位 | 狙ったキーワードでの順位が上がっているかを確認し、記事の改善タイミングを見極める。 | Google Search Console |
クリック率(CTR) | 検索結果からユーザーに選ばれてクリックされているかを確認し、タイトルやメタディスクリプション改善のヒントを得る | Google Search Console |
<Webサイト単位で見る指標>
※ビッグワード(検索ボリュームの大きいキーワード)を狙うメイン記事(コンバージョンを目指す記事)ではURL単位で見ることもある。
指標 | 概要 | チェックできるツール |
---|---|---|
被リンク数 | 外部サイトに自サイトのリンクが貼られている数を確認する。 | Ahrefsなどの外部ツール |
ドメインランク | 外部のSEOツール(AhrefsやMozなど)が独自に算出した、サイト全体の信頼性や影響力を数値化した指標を確認する。 | Ahrefsなどの外部ツール |
詳しくはこの記事をチェック!
施策の効果測定時に追加で見る指標
新しく記事を公開したり、リライトしたりした後には、通常の定点指標に加えて、より詳細なユーザー行動や検索結果での反応を確認しましょう。
<追加で見る指標>
指標 | 概要 | チェックできるツール |
---|---|---|
エンゲージメント率
エンゲージメント時間 |
ユーザーがページ内でどれだけ積極的に行動したか、どのくらい滞在しているかを測定し、コンテンツの構成や質の改善に活かす。 | GA4 |
効果測定から改善策につなげる方法
効果測定で得られる数値は、「改善のヒント」を見つけるための材料です。
数字を見て終わりにせず、数値から改善につなげる考え方を見ていきましょう。
<効果測定から改善策につなげる方法>
指標ごとに改善アクションのヒントを持つ
数値にはそれぞれ意味があり、課題によって改善の方向性が異なります。
よくある指標ごとの悩みと、そこから考えられる改善策の一例を紹介しましょう。
<指標ごとの改善アクション例>
指標 | よくある悩み | 改善アクション例 |
---|---|---|
クリック率(CTR) | 検索結果に表示されているのにクリックされない |
|
平均エンゲージメント時間 | 滞在時間が短い |
|
検索順位 | 検索順位が低い |
|
セッション数 | 流入が少ない |
|
コンバージョン(CV)数/ コンバージョン率(CVR) |
流入はあるが成果が出ない |
|
数値を仮説に変えて、小さくテストする
SEOでは、成果が出る施策を最初から導き出すのは難しいもの。
そこでおすすめなのが、仮説→実行→検証のサイクルを回すことです。
例えば、「クリック率(CTR)が低いのは、タイトルがわかりにくいからでは?」という仮説を立てて、まずは1記事だけタイトルを変えてみる――このように、小さく試して結果を見ることが、改善の第一歩になります。
効果測定と改善をセットで習慣化する
効果測定と改善は、一度ではなく継続的に行うことで成果につながりやすくなります。
おすすめなのは、「毎月○日に効果測定をする」「その翌週に改善案を出す」といったルールをチームや担当者の中で決めておくこと。
習慣化することで、「何が成果につながっているのか」「どの施策がうまくいっていないのか」が徐々に見えてくるでしょう。
SEOの効果測定における注意点
効果測定をする際、数値をただ追いかけるだけでは正しい改善にはつながりません。
そのため、次のようなポイントを意識して取り組むといいでしょう。
<SEOの効果測定で意識したいこと>
数値だけを見て一喜一憂しない
SEOの成果は、短期間で劇的に現れるものではありません。
例えば、検索順位が下がると、そのときは不安になるでしょう。
ただ、検索エンジンのアルゴリズムは日々変わるため、ちょっとした順位変動は起こり得ます。
そのため、すぐに対策を講じるのではなく、1週間〜2ヵ月のスパンで全体の傾向を見た上で検討してください。
なお、Googleコアアップデートによって順位などの変更があった場合は、アップデートが終了したタイミングでの状況を踏まえて、改善の検討しましょう。
Googleコアアップデートについて、詳しくはこの記事をチェック!
指標の目的を理解して使う
「セッション数」「クリック率(CTR)」「エンゲージメント率」など、SEOではさまざまな指標を使いますが、それぞれが何を測っている数値かを理解した上で見るようにしましょう。
意味を知らずに数字だけを見ると、誤った判断につながる可能性があります。
データが変化したら、その原因を調査する
数値が大きく変わったときは、その背景に何があったのかを振り返りましょう。
例えば、記事をリライトしたら順位が上がった、Googleコアアップデートがあった、SNSで話題になった(バズった)、などの要因が考えられます。
データの動きと行動や環境の変化をセットで把握すると、改善策を講じる際のヒントになります。
SEOの効果測定は“気づき”から“改善”につなげることに意味がある
SEOは、コンテンツを作って終わりではなく、その後の効果測定と改善の積み重ねが重要です。
ただ数値を眺めるだけではなく、課題を見つけて仮説を立て、改善する――こうした地道な検証と実践を続けていくことで成果につながるでしょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、「何がうまくいっていないのか?」「どうすれば良くなりそうか?」という問いを持つだけでも、分析の視点は養われます。
本記事で解説した改善策につなげる考え方を参考に、自サイトの状況を確認してみてください!
Googleアナリティクス4(GA4)何から始めたいいかわからない方へ
本資料では、GA4の導入や移行で最低限押さえておくべきポイントを解説しています。2023年7月1日以降、Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)がいつ見れなくなるかわかりません。急に困らないよう、資料の内容を参考にGA4の設定をしましょう!