【基本】デジタルマーケティングの全体像を3つに分けて解説!成功の秘訣も紹介

【基本】デジタルマーケティングの全体像を3つに分けて解説!成功の秘訣も紹介

DX推進やデジタル改革など、業務のデジタル化を推進している企業が増えています。マーケティングも同様で、デジタルマーケティングの実施を考えている方も多いです。

しかし、初めてデジタルマーケティングを進める場合、どのような流れで施策を行うのか、何から始めればよいのかなど疑問点も多いのではないでしょうか?

本記事では、デジタルマーケティングの全体像を把握する考え方、成功させるためのポイントについて詳しく紹介します。

なお、デジタルマーケティング全般に関してお悩みや質問したいことがある方は、お気軽にナイルの無料相談までお問い合わせください!

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デジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングは、ウェブに限った施策だけではありません。

店舗などに設置するデジタルサイネージのデータを活用したり、SNSやメールを活用したりする施策もあります。

似ている言葉である「ウェブマーケティング」は、ウェブ上で商品やサービスが売れる仕組みを作る施策全般のことです。集客をウェブ上で行うのはもちろん、集客後のナーチャリングや分析などもウェブのデータを活用して行います。

つまり、下図のようにウェブマーケティングは、デジタルマーケティングが包括するひとつの施策イメージです。

【ウェブマーケティングは、デジタルマーケティングが包括するひとつの施策】

デジタルマーケティングの中にウェブマーケティングがある円の図

このようにデジタルマーケティングという言葉はかなり抽象度の高い用語です。この記事では便宜上「デジタルマーケティング」を使用しますが、皆様の中でも「自社においてデジタルマーケティングとは何をすることか」を言語化してみてください。

以降では、デジタルマーケティングの全体像の本題に入っていきます。事前にデジタルマーケティングそのものについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご一読ください。

デジタルマーケティングの全体像がわかる3つの考え方

デジタルマーケティングの全体像は、以下の3つの視点で押さえることがおすすめです。

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

デジタルマーケティングの全体像がわかる3つの考え方(デジタルマーケティングのコンセプト図。ソーシャルネットワークとメディアコミュニケーション。SEO、SEM、プロモーション)

1. マーケティングの流れから考える

まずは、マーケティングの流れから全体像を押さえることがおすすめです。

マーケティングには、大きく分けて3つの流れがあります。

デジタルマーケティングの流れ:認知・集客(・広告・SEO・SNS・メルマガ・展示会・セミナー・ウェビナー)→獲得(・名刺交換・問い合わせ・資料ダウンロード)→売上最大化(・CVの導線強化・フォームの改善・アプローチの強化・MAの導入・コンサルへの依頼)

「認知・集客」「獲得」「売上最大化」の各段階では、それぞれ実施すべき施策が異なります。

例えば、そもそも集客がうまくできていない場合は、ウェブ広告やイベントなど、集客につながる施策を強化する必要があります。

一方で、ある程度集客ができている場合は、リードナーチャリング施策などで、自社商品やサービスに興味を持ってもらえるようにユーザーとコミュニケーションをとるのがおすすめです。

また、すでに会員や購入したユーザーが多い場合は、再度購入してもらったり、サービスを解約しないで長く使ってもらったりしてLTVを高めていく施策が考えられます。

このように、マーケティング全体の流れからデジタルマーケティングの全体像を整理していき、サービスの課題に合わせて施策を組み合わせていくのがおすすめです。

2. デジタルマーケティングの戦略から考える

デジタルマーケティングの全体像を理解するためには、以下のように戦略面から把握することも重要です。

【デジタルマーケティングの戦略】

  1. KGIやKPIの検討・設計
  2. 自社の価値や競合の分析
  3. ターゲットとなるユーザーを明確化
  4. KPI達成のためにできる施策の選定

現状の課題をもとに施策を実施しようとすると、対応すべき施策が多く、優先度などを決めることが難しくなってしまいます。

まずは、達成すべき目標(KGI)を決めて、それを実現するための数値目標(KPI)を立てる必要があります。

また、デジタルマーケティングを行う上で「競合と比較した自社の強み」の理解はとても重要です。施策を打つ際に伝えるポイントとなるので、整理しておく必要があります。

また、自社商品・サービスを届けたい人に認知されなければ、最終的な商談などにつながりづらくなってしまいます。そのため、適切なターゲット選定も重要です。

このように、デジタルマーケティングの戦略に関しても全体像を把握すれば、売上アップや顧客数増加などの目標を達成するにあたって、具体的に何をすべきか検討しやすくなります。

特に「デジタルマーケティング」となると範囲も広いため、何から取り組むべきか迷うことも多くなります。

戦略から考えることと同時に施策ベースで考えることも忘れないようにしましょう。

3. オフライン・オンラインに分けて考える

オフラインとオンラインに分けると、より実施すべき施策の検討がしやすくなります。

下の表を参考にしてください。

手法
施策例
オフラインマーケティング
  • ダイレクトメール
  • テレアポ
  • イベントへの出展
  • セミナー
オンラインマーケティング
  • ウェブ広告
  • SEO
  • SNS
  • メールマガジン
  • ウェビナー

 

オフラインマーケティングとは、インターネットを介さずに行うマーケティング手法です。

例えば、新規顧客獲得をする場合は不特定多数のユーザーに電話営業を行うテレアポ、確度の高い見込み顧客に売り込むためにはセミナーなどの方法を使います。

一方で、オンラインマーケティングはウェブ上で行うマーケティング手法です。

SNSで商品を宣伝することやサービス・ブランドの認知を自社ホームページのコンテンツを活用して、検索エンジンから流入させるSEOなどが該当します。

とはいえ、オンライン・オフラインいずれであっても、費用対効果の高い施策から取り組むべきです。デジタルマーケティング感はあまりないですが、「獲得」が重要なのであれば、テレアポから取り組むこともあります。

デジタルマーケティングを成功させるための4つのポイント

デジタルマーケティングを成功させるためには、ポイントが4つあります。

順番にそれぞれのポイントを見ていきましょう。

デジタルマーケティングを成功させるための4ポイント(SNS、デジタル戦略、モバイル広告、マーケティングオートメーション、良質なコンテンツ、ローカル広告のデジタルマーケティングコンセプトアイコンが並んだ下でパソコンで作業する手元)

【ポイント1】導入目的と課題を明確化する

デジタルマーケティングは、「認知・集客」「獲得ナーチャリング」「売上最大化」の3段階に分けられます。

導入目的や課題が明確化されていない場合、どの施策を行えば期待した効果を得られるのかがわかりません。

まずは、現状を確認して課題感を整理しましょう。課題感を整理するときは、達成したい大きな目的から逆算することをおすすめします。

例えば、商談数を月10件から30件に増やしたいとします。この場合、現状10件の商談が何を経由して来ているのか分析するところから始めましょう。

仮に「ウェビナーの参加者からの申し込み人数が多い」といった結果がわかった場合、ウェビナーの集客に力を入れることで短期間で効率的に商談数を増やせる可能性があります。

まずは自社の現状を確認し、導入目的や課題感を整理しましょう。もしも目標設定で悩むことがあれば、以下の資料もご活用ください。

\Webマーケティングで事業を効率的に成長させたい方必見!/

【ポイント2】費用をかけすぎないようにする

いきなり費用をかけすぎないことも、デジタルマーケティングを進める上で重要なポイントです。

デジタルマーケティングは、実施する施策によってかかる費用が大きく変わります。また、費用だけではなく成果が出るまでの期間も異なります。

費用をかけすぎた挙句に成果が上がらない状況になってしまうと、デジタルマーケティングの予算を削減されてしまう可能性も0ではありません。

自社の課題解決につながり、かつ費用対効果の高い施策を見極めて実施していくことが重要となります。

よって、いきなり大風呂敷を広げるのではなく、まずは確実に成果を上げるために施策ベースで取り組むということもあるでしょう。

【ポイント3】PDCAサイクルを回しやすい体制を作る

デジタルマーケティングを成功させるためには、PDCAサイクルを回しやすい体制作りも重要です。

人員が不足していたり業務量が多すぎたりすれば、PDCAサイクル※を回せても具体的な改善案を出せない、あるいは改善自体が難しくなります。

そのため、人員・業務量ともに余裕を持った体制作りが必要です。もしも自社でデジタルマーケティングを進めていく人材が不足している場合は、外部に依頼することも考慮して体制作りを進めましょう。

※Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクル

【ポイント4】複数の施策やチャネルを併用する

デジタルマーケティングは複数の施策やチャネルと併用することで、より効果を高められます。

顧客との接点が増えて、認知度を上げたり販売機会を増やしやすくなったりするからです。

例えばSEOでは、悩みを持って検索しているユーザー層の獲得が可能です。しかし、潜在層の獲得が難しい特徴もあります。

一方で、SNSであればおすすめの投稿として紹介してもらえたり、広告を利用して潜在層に認知してもらえる可能性があります。

このように、複数のチャネルを併用することで、より実現したい目標の達成に近づきます。デジタルマーケティングを行う際は、複数の施策やチャネルを活用しましょう。

デジタルマーケティングを行う際に活用するフレームワーク8選

ここまでデジタルマーケティングの考え方を軸に解説しました。ここからは、デジタルマーケティングを行う際に活用するフレームワークの例を8つ紹介します。

それぞれのフレームワークの意味やメリットについて見ていきましょう。

デジタルマーケティングに活用するフレームワーク8選(creative process創造的なプロセス、business strategyビジネス戦略、big idea大きなアイデア、analysis分析を表すteam workチームワークの図)

1. PEST分析

PEST分析(ペスト分析)とは、外部環境を以下の4つの視点から分析する手法です。

  • Politics(政治)
  • Economy(経済)
  • Society(社会)
  • Technology(技術)

PEST分析を行う理由は、ビジネスが政治や経済といったマクロ環境(外部的要因)からの影響を避けられないからです。

また世の中の大きな流れを知ることで、将来発生するリスクやビジネスを成長させやすいかといった点も把握しやすくなります。

デジタルマーケティングにより、目的を達成するためには欠かせないフレームワークです。

2. 5フォース分析

5フォース分析(ファイブフォース分析)とは、以下の自社を取り巻く5つの脅威について分析するフレームワークです。

5フォース分析の種類
5フォース分析の特徴
1)競合他社との競争 同業界の競合との競争が激しくなると、価格やサービス面での差別化が必要になる
2)新規参入の脅威 新規参入が多いほど、収益が少なくなる
3)代替品の脅威 サービスや商品が競合のものに置き換えられる
4)売り手の交渉力 原材料を仕入れる際にかかるコストについて、売り手の力が強ければ、交渉に応じなければならない
5)買い手の交渉力 買い手から商品やサービスの値下げや性能向上などを要求される

 

5フォース分析をすることで、以下の内容を把握できます。

【5フォース分析でわかること】

  • 競合よりも自社サービスが優れている点
  • 将来的に発生するリスクの可能性
  • 事業継続に関する判断

自社のとるべき戦略を、明確にしやすくなるのでおすすめです。

3. プロダクト・ライフサイクル

プロダクト・ライフサイクル(製品ライフサイクル/PLC)とは、製品を市場に投入してから撤退するまでのプロセスのことを指します。

以下、4つのステージから構成されます。

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 衰退期

プロダクトライフサークルを理解すれば、自社製品が市場のどの状況に該当するのか、どんな施策を行えばよいのかがわかります。

導入期や成長期であれば、多額の資金を投資しても問題ありません。商品やサービスの認知度が高くなければ、広告の出稿やサンプルの提供といった認知度アップの施策を検討できます。

しかし、衰退期にさしかかっている場合は、撤退も視野に入れなければなりません。事業を継続するにしても、多くの資金の投入には慎重になりましょう。

4. STP分析

STP分析(エスティーピー分析)とは、以下の3つを略したデジタルマーケティングの手法です。

STP分析の種類
STP分析の特徴
セグメンテーション 市場を細分化して消費者のニーズを把握する
ターゲティング 狙う市場を決める
ポジショニング 自社と競合を比較して商品およびサービスの強みや弱みを明確にする

 

STP分析を行うと、顧客ニーズや自社の立ち位置がわかります。その結果、自社商品やサービスが戦える市場を把握しやすくなります。

5. ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューとは、商品やサービスの利用者に導入のきっかけ、選んだ理由、使用した感想などを直接聞く手法です。

ユーザーインタビューを行えば、利用者の潜在的なニーズの把握、自社商品の抱える課題を詳細に確認できます。

自社では想定していなかった感想を聞けるケースもあるので、商品開発や改善につなげやすくなるでしょう。

グループインタビュー・デプスインタビュー・エスノグラフィなどさまざまな方法がありますが、調査人数や期間、インタビューの目的によって最適なものが変わります。

6. USP分析

USP(ユーエスピー、ユニーク・セリング・プロポジション/Unique Selling Proposition)分析とは、自社商品やサービスの特徴・強み・独自性について分析する手法です。

商品やサービスを選ぶ際、顧客はそれぞれの特徴や強みをもとに判断します。しかし、ほとんどの顧客は商品やサービスについて詳しくありません。

自社商品の強みや特徴をわかりやすく打ち出すことで、他社商品よりも選んでもらいやすくなります。また、自社の商品やサービスの顧客を絞りやすくなるので、一層価値を提供できます。

7. SWOT分析

SWOT分析(スウォット分析)とは、自社の事業を内部環境と外部環境に分けた上で、内部環境の強みと弱み、外部環境の機会と脅威の4項目に整理して分析を行う手法のことです。

これら4つの項目を多方面から分析すれば、自社の課題や改善点を客観的に把握しやすくなります。

また、将来発生しそうなリスクを事前に予見して対処したり、他社との差別化を図って会社を成長させたりすることも可能です。

SWOT分析について、以下の記事で詳しく解説しています。

8. FICMサイクル

FICMサイクルとは、以下の4つから構成されているフレームワークです。

  1. Fact(事実)
  2. Issue(課題)
  3. Cause(原因)
  4. Measure(施策)

デジタルマーケティングでは、施策を打った後の反応がどうだったのか効果の計測をする必要があります。得られたデータをもとに仮説を立て検証する作業を行いますが、その際に使用されるフレームワークです。

デジタルマーケティングは市場と顧客の理解が重要

デジタルマーケティングでは、競合の強さや自社の立ち位置、顧客のニーズなどについて把握しなければなりません。

また、導入目的や課題についても理解した上で施策を実行しなければ、費用ばかりかかってしまいます。

実施すべき施策がイメージしづらい場合は、今回紹介したデジタルマーケティングのフレームワークを活用しましょう。

段階別に活用することで、市場や顧客の理解がしやすくなり、デジタルマーケティングを進めやすくなります。

また、冒頭でお伝えしたように「デジタルマーケティングでは何をするのか」が言語化できていないと、目的が不明確な取り組みになってしまい、無駄に時間と費用を使ってしまいがちです。

同じく最初から完璧を目指したり、大風呂敷を広げたりするとほぼ失敗します。スモールスタートは恥ずかしいことではなく、スマートな取り組み方です。自社に合った進め方を考えた上で、取り組んでいきましょう。

なお、デジタルマーケティングを実施する上では、コンテンツマーケティングに力を入れることも重要です。なぜなら、集客・ナーチャリング・セールスなどに役立つコンテンツを作ることができるからです。

良質なコンテンツを作る体制づくりができれば、マーケティングの施策を加速させることができます。

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    編集者情報

    金子 光
    金子 光(かねこ ひかる)
    新卒で楽天グループ株式会社に入社。
    営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
    現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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    監修者情報

    ナイル編集部
    ナイル編集部

    2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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