コンテンツSEOは、広告に頼らずユーザーを集め、信頼関係を築くための有効な手段です。
しかし、ただ記事を量産するだけでは成果は出ません。
本記事では、コンテンツSEOの基本的な考え方や取り組む手順、成果を上げるための体制づくりなどについて、詳しく解説します。
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目次
コンテンツSEOとは何か
コンテンツSEOとは、ユーザーにとって価値のある質の高いコンテンツを作成することで、検索エンジンからの評価を高め、自然検索での上位表示を目指す施策です。
従来のSEOはキーワードを詰め込んだり、被リンクを大量に獲得したりする技術的なアプローチが意識されがちでしたが、Googleの検索アルゴリズムが進化するにつれ、「ユーザーファースト」の質の高いコンテンツが評価される時代に変化しています。
コンテンツSEOでは、ターゲットユーザーが抱える課題や疑問を深く理解し、それに対する解決策や情報を提供するコンテンツ、ユーザーの検索意図(インテント)に応える内容のコンテンツを制作することが重要です。
コンテンツSEOの目的
コンテンツSEOの主な目的は次の3つです。
<コンテンツSEOの目的>
自然検索での流入増加(広告に頼らない集客の実現)
コンテンツSEOの最も基本的な目的は、Googleなどの検索エンジンで検索上位を獲得し、オーガニック(自然検索)からのトラフィックを増やすことです。
広告は掲載料を支払っている期間のみ表示されますが、自然検索結果の上位に表示されるWebページは、コストは一定でも継続的にユーザーを集客できる資産となります。
長期的に見ると、広告よりも費用対効果の高い施策といえるのです。
<SEOと広告のコストと流入数の変化>
ブランドの信頼性・専門性を高められる
コンテンツに業界の専門知識や、専門家である自社ならではの視点を盛り込み、ユーザーが知りたい情報や役立つ知識を提供することで、「このジャンルに関して精通している」「この会社(人)は信頼できる」という印象を与えることができます。
こうしてユーザーの信頼を獲得できると、結果としてブランドの価値向上につながるでしょう。
また、Webサイトのユーザーからの信頼性は、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)というGoogleの品質評価にも直結する要素。
検索結果で上位表示され続けるには、専門性や信頼性、権威性があるWebサイトだと評価されることが求められます。
ユーザーの課題解決を通じた関係構築
コンテンツSEOに取り組み、ユーザーの悩みや疑問を解決することで、長期的な信頼関係を構築することが可能です。
検索エンジン経由でWebサイトに訪れたユーザーが、「この情報が役に立った」と感じれば、次に同じような疑問や関連する課題が生じたとき、ふたたび自サイトを訪れる可能性が高まります。
こうしてユーザーと継続的に接触することで、ユーザーとの信頼関係が生まれ、最終的に自社商品の購入やサービス利用につながりやすくなるでしょう。
<ユーザーとの信頼関係からコンバージョンへ>
コンテンツSEOで対策できるキーワード
ユーザーが検索するキーワードには、「情報収集型」「案内型」「取引型」の3種類があると考えられています。
そのうち、コンテンツSEOで対策できるキーワードは、「情報収集型」のキーワードです。
<キーワードの種類>
Googleなどの検索エンジンで多く検索されている情報収集型のキーワードには、特定の事項の概要を知りたい場合に使われる「◯◯とは」のほか、方法について知りたい場合に使われる「◯◯ やり方」などがあります。
こうしたキーワードに対し、Webサイトのトップページや商品一覧ページが上位表示されることはほぼありません。
しかし、コラムなどのコンテンツであれば、これらのキーワードを対策することが可能です。
例えば、「新NISAとは」というキーワードであれば、新NISAの制度内容や始め方について解説するコンテンツを発信するといった対策ができます。
コンテンツSEOを進める手順
次に、具体的にコンテンツSEOを進める手順を見ていきましょう。
1 キーワード設計
まずは、どのキーワードで検索上位を目指すかを設計します。
その際には、ターゲットとなるユーザー像をペルソナに落とし込み、さらにそのユーザーがどのような経路で商品・サービスにたどり着くかを可視化する「カスタマージャーニーマップ」を作成することで、よりニーズに合ったキーワードを選定することができます。
詳しくはこの記事をチェック!
2 構成案作成
対策するキーワードが決まったら、個々のコンテンツの構成を考えます。
ユーザーが求める情報を漏れなく、無駄なく伝えるためには、事前に見出しの流れを設計しておくことが重要です。
検索意図にしっかり応える構成になっているか、客観的な視点で確認しましょう。
3 原稿執筆
次に、構成案に沿って、原稿を執筆していきます。
このとき、単に情報を詰め込むのではなく、ユーザーが理解しやすい表現や、読みやすいレイアウトを意識することがポイントです。
また、専門性や信頼性を伝えるための根拠や事例も適宜盛り込みましょう。
構成案作成や原稿執筆について、詳しくはこの記事をチェック!
4 効果検証
記事を公開した後は、検索順位や流入数、ユーザーの行動(滞在時間、クリック率など)を確認し、効果を検証します。
思ったような成果が出ていない場合は、記事の内容や構成を見直したり、別のキーワードに差し替えたりするといった改善をしていきましょう。
効果検証について、詳しくはこの記事をチェック!
コンテンツSEOを進めるために必要な体制
コンテンツSEOは、ただ記事を作るだけでは成果につながりません。
コンテンツの企画から制作、公開、分析、改善までの一連のプロセスを効果的に進める必要があります。
ひとりですべての工程を担当することも不可能ではありませんが、それぞれの専門知識やスキルを持つメンバーが協力し合うことで、より効率的に質の高いコンテンツを生み出し、持続的な成果を出すことができるでしょう。
コンテンツSEOに取り組むにあたっては、主に次のような職種が関与します。
<コンテンツSEOの主な役割>
SEO担当(戦略・分析)
SEO担当者は、全体戦略の設計と効果測定・分析を担当します。
具体的には、キーワード調査や競合分析を行い、どのようなコンテンツがターゲットユーザーに価値を提供できるかを見極めます。
また、Googleアナリティクス(GA4)やGoogle Search Consoleなどのツールを使いこなし、データに基づいた改善提案をする能力が求められます。
技術的なSEO知識(内部リンク最適化、構造化データなど)も持ち合わせていると理想的です。
編集者(企画・編集・ディレクション)
編集者は、SEO担当者からの戦略的インプットを実際のコンテンツ企画に落とし込み、全体のコンテンツ品質を管理する役割を担います。
SEO視点とユーザー視点の両方を心得た上で、魅力的な構成を考案し、ライターへの指示出しや原稿のチェック・編集を行います。
複数のコンテンツを同時進行で管理し、スケジュールを調整するディレクション能力も重要です。
ライター(原稿執筆)
ライターは、編集者の指示に基づいて実際の記事を執筆します。
SEOの基本を理解しながらも、読者を惹きつける魅力的な文章力が求められます。
特定分野の専門知識を持つライターであれば、専門性の高いコンテンツを執筆できるため、扱うジャンルの知見があるライターをアサインすることも大切です。
ユーザーの疑問や悩みに共感し、それを解決する情報をわかりやすく伝えるユーザー目線のライティングスキルが必要です。
そのほかのスタッフ
コンテンツの種類や規模によっては、次のような人材も必要になる場合があります。
- デザイナー:コンテンツ内の図解やインフォグラフィック、アイキャッチ画像などを作成
- カメラマン:オリジナル画像の撮影
- エンジニア:コンテンツの技術的な実装やCMS(コンテンツ管理システム)のカスタマイズ
- 校正・校閲担当者:完成したコンテンツの誤字脱字や事実確認、表現の統一性などをチェック
これらの役割を必ずしもレギュラーメンバーとする必要はなく、コンテンツの内容次第でスポット的に依頼するのでもいいでしょう。
施策をスムーズに進めるためのポイント
コンテンツSEOは、短期間で成果が出る施策ではありません。
数ヵ月、時には年単位で取り組む必要があるため、継続的に安定して進められる「運用の仕組み化」がとても重要です。
特に、担当者が異動や退職で変わってしまうと、何を目的に、どのように施策を進めていたかが共有されていないと、運用方針がブレてしまうリスクがあります。
そのため、属人化を防ぎ、チームとして一貫性を持って施策を継続するために工夫しましょう。
施策をスムーズに進めるにあたって押さえておきたいポイントは次の3つです。
<施策をスムーズに進めるポイント>
コンテンツ制作ルールをマニュアル化する
コンテンツSEO運用の基本となるのが、明確な制作ルールを定めたマニュアルです。
タグ付けのルール、統一表記といったものを盛り込み、制作マニュアルとして作成しましょう。
これを関係するメンバー間で共有することで、誰がコンテンツを制作しても一定の品質が保たれ、Webサイト全体の一貫性が維持されます。
タグ付けのルールを統一する
カテゴリタグやキーワードタグの使い方に一貫性を持たせることで、サイト内のコンテンツ整理がしやすくなり、ユーザーにとっても関連情報を見つけやすくなります。
統一表記を定める
例えば、「Web」と「ウェブ」、「カテゴリー」と「カテゴリ」など、表記ゆれがあると読者に混乱を与え、プロフェッショナリズムにも欠けます。
商品名や専門用語、数字の表記方法など、細かな点まで統一ルールを決めておきましょう。
KPIの定義を明確にする
PV数や直帰率、コンバージョン率など、どの指標で成功を測るかを示すKPI(重要業績評価指標)を決めておくことで、チーム全体の目標が一致します。
また、短期・中期・長期のKPIを段階的に設定することで、成長の道筋も明確になります。
KPIについて、詳しくはこの記事をチェック!
コンテンツ一覧シートを作る
コンテンツの全体像を把握し、進捗管理を効率化するためには、コンテンツ一覧を管理するシートが欠かせません。
スプレッドシートやプロジェクト管理ツールを活用して、次のような情報を一元管理しましょう。
このシートを活用することで、どの記事がどの段階にあるのか、どういったキーワードがカバーされているのか、どのコンテンツが成果を出しているのかが一目でわかります。
また、リライトが必要な記事の洗い出しや、新規コンテンツの企画時の重複チェックにも役立てることも可能。
定期的にこのシートをレビューすることで、コンテンツの全体最適化も図ることができるでしょう。
なお、ナイルでは、コンテンツ一覧シートのテンプレートをご用意していますので、ぜひご活用ください!
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PDCAを回す場を作る
コンテンツSEOの成果を最大化するには、定期的に効果を検証し、改善していくサイクルを確立することが不可欠です。
そのためには、チームで集まって検証と改善策を議論する「場」を設けましょう。
具体的には、月次で検索順位や流入の振り返りを行うミーティングを開催します。
このようなPDCAミーティングを通じて、データに基づいた意思決定を行い、効果的な施策に集中することができます。
また、成功事例や失敗から学んだことをチーム全体で共有することで、ノウハウの蓄積にもつながるでしょう。
四半期や半期、年次でより大きな振り返りを行い、中長期的な戦略の見直しを行うのもおすすめ。
このように継続的な検証と改善のサイクルを回すことで、常に進化し続けるコンテンツSEO施策を実現することができます。
コンテンツSEOの注意点
コンテンツSEOは。適切な方針と戦略で取り組まないと、期待した結果が得られないこともあります。
ここでは、コンテンツSEO実践における主要な注意点を解説します。
<コンテンツSEOの注意点>
コンテンツを“量産”すれば成果が出るわけではない
記事数を増やせば検索流入も増える――そんなイメージを持たれがちですが、量だけを追いかけても効果は出ません。
Googleのアルゴリズムは、コンテンツの質を見極める精度が格段に向上しており、単にキーワードを詰め込んだだけの薄いコンテンツや、他サイトの内容を言いかえただけの価値の低いコンテンツは、むしろ評価を下げる要因になります。
大切なのは「ユーザーが本当に知りたい情報」を深く丁寧に届けること。
ターゲットユーザーの課題を深く理解し、それに対して独自の視点や解決策を提示できるコンテンツを制作することです。
たとえ月に数本しか記事を出さなくても、ユーザーにとって価値があり、検索意図を満たすものであれば、検索結果で上位表示される可能性が高まります。
量よりも質を重視し、「このコンテンツを読んで本当に役立った」とユーザーに感じてもらえるような内容を目指しましょう。
検索エンジンのために作ったコンテンツはユーザーに響かない
SEOを意識するあまり、検索エンジンの評価を高めるためだけのコンテンツづくりに陥ってしまうケースがあります。
しかし、「キーワードを詰め込む」「見出しに無理やり検索語を入れる」など、“検索エンジンにウケる”ことだけを考えた小手先のテクニックには効果がなく、むしろ逆効果となる可能性もあるのです。
検索順位を決めるのはあくまで“ユーザーの満足度”で、検索エンジンはそれを間接的に評価しています。
テクニックだけでなんとかしようとするよりも、ユーザーに「この記事を読んで良かった」と思ってもらえるかどうかを第一に考えることが、結果としてSEOにも効いてきます。
効果検証をせずに改善はできない
記事を公開しただけで満足してしまい、後からの見直しや検証を怠るのも、ありがちな落とし穴です。
検索順位が上がっているか、流入が増えているか、ユーザーの滞在時間はどうか――これらをチェックせずに改善ポイントを見極めることはできません。
定期的に数値をチェックし、「なぜ成果が出たのか」「なぜ伸び悩んでいるのか」を考えることが、次の一手につながります。
効果検証について、詳しくはこの記事をチェック!
コンテンツSEOの成功事例
続いて、ナイルがコンテンツSEOのご支援をした企業の成功事例を紹介します。
<コンテンツSEOの成功事例>
メディアの戦略策定からコンテンツ制作によって、自然検索流入数が約20倍増加
クライアント | 株式会社ニチレイフーズ |
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業種、対象サービス | 食品・宅配食サービス |
クライアントの課題 |
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行ったコンテンツSEO施策 |
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施策実行後の成果 |
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初めてSEOに取り組むお客様だったため、メディアの立ち上げ前の調査や戦略策定時は、調査結果の説明や、ペルソナ、カスタマージャーニーを踏まえた方向性のすり合わせを丁寧に行うことを心がけました。
コンテンツは健康にまつわるテーマだったため、ナイルでアサインした管理栄養士の監修のもと、厚生労働省や文部科学省などの官公庁が公開している資料をエビデンスにして制作を実施。
ニチレイフーズ様社内での審査におけるご指摘を踏まえて、より効率的な進め方を意識しました。
また、「糖質を気にする人向け」「ダイエット関連」などのテーマに分け、コンバージョンにつながりやすい記事を可視化することで、それまで気づいていなかったユーザーニーズを発掘できています。
詳しくは、事例記事をチェック!
コンテンツSEOの強化でサービスページ、資料請求、問合せページへの送客が月200件に
クライアント | 三井住友海上火災保険株式会社 |
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業種、対象サービス | 損害保険業(自動車保険) |
クライアントの課題 |
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行ったコンテンツSEO施策 |
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施策実行後の成果 |
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ナイルの調査では、情報量が非常に幅広いという印象を持った一方で、SEOの観点から見ると、競合他社に比べて説明が足りていない部分がありました。
しかし、キーワードによっては検索順位が上位に食い込むものも多く、事前調査では高いポテンシャルを感じていたため、「王道のキーワードを伸ばしていく」方針でご提案。
検索ボリュームが大きいものから狙うべきキーワードをピックアップし、潜在層から顕在層まで網羅し、コンテンツ制作を進めました。
選定したキーワードの約7割が検索順位トップ10入りし、新規顧客を呼ぶことに成功している上、そこから問い合わせや資料請求といった次のアクションにつなげることができています。
詳しくは、事例記事をチェック!
迅速にPDCAを回し、半年でコンバージョン数3.4倍を実現
クライアント | 株式会社ライフワークス |
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業種、対象サービス | キャリア研修・開発支援事業、企業向けキャリア支援事業 |
クライアントの課題 |
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行ったコンテンツSEO施策 |
└コンバージョンを獲得できていたコラムや商談でよく使われる言葉をもとに、顕在層向けのコンテンツを強化 |
施策実行後の成果 |
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お客様のWebサイトでは、流入数が増えてもコンバージョンが横ばいというのが課題。
さらにUI/UXやフォーム完了率の低さにも改善の余地があり、ボトルネックは明確でした。
SEOの観点からは、注力すべきキーワードに対する適切なランディングページが少なく、情報量や独自性が不足していたため、顕在層向け、潜在層向けで2つの方針を提案し、コンテンツ制作を行っています。
お客様との密なコミュニケーションと、週に2〜3個のペースでの施策実行により、プロジェクト開始からわずか3ヵ月で目標のコンバージョン数を達成。
半年後には3.4倍に増加し、営業へのパス件数も前年比約2倍を達成しました。
詳しくは、事例記事をチェック!
コンテンツSEOは、戦略と体制づくりが不可欠
コンテンツSEOは、キーワードを入れた記事をただ作っていけばいいものではありません。
キーワードからユーザーの課題を正しくとらえ、ユーザーの役に立つコンテンツを届けていくことが重要です。
そのためには、キーワード設計から執筆、効果検証までの手順をきちんと踏み、属人化を防ぐ運用体制や制作ルールを整えておくことが重要になってきます。
地道な取り組みではありますが、正しく運用すれば、広告に頼らない継続的な成果が見込める施策です。
基本を押さえて、長く取り組むことができる仕組みを作っていきましょう。
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