[寄稿] 「検索順位で1位になる」ことがSEOの成功なのか?を、事例を踏まえて考えてみる

[寄稿] 「検索順位で1位になる」ことがSEOの成功なのか?を、事例を踏まえて考えてみる

スタビライザー小松氏からの寄稿記事、久々にSEOにフォーカスした内容です。「1位になる」と言っても流入可能なキーワードは限りなくありますが、今回はとりわけビッグキーワードとされているキーワードでの順位は重視されるべきなのか?という話題です。

SEOの業界の変化を感じます

数年前までのSEO会社のサービスメニューには、成果報酬や順位保証のサービスがあり、順位にフォーカスしたサービス内容が大半を占めておりました。その名残もあり、「SEO=検索結果で上位表示すること」という認識を持たれている方は少なくありません。

今、多くの企業様からお話を伺っている限り、経営者や部長クラスの決裁者に特に多く見受けられます。これは、数年前のSEO会社の話をよく聞いていたからでしょうか。

業界に携わるものとしては、ちょっと悲しい現実でもあったりします。

SEOサービス提供者から提案される内容にも変化がある

今の時代でSEOではどういうことを話されているか?といいますと、

など、コンテンツ制作や構築の話をされる方が多くいらっしゃいます。中には、「バズるコンテンツを作りましょう!」という方もいらっしゃるようです。

サービス提供側から順位の話をされることが少なくなってきているように感じます。サービス提供内容がここまでガラッと変わってしまう業界はそうそうないのでは?と思う変わりようです。

SEOのそもそもの言葉は、「検索エンジン最適化」です。これまでは、「検索エンジンそのもの」に対して最適化させるという考えから、「検索エンジンを使うユーザーに向けて最適化させる」という思想の方が増えたように感じます。

良し・悪しの話は一旦、脇においておこうと思いますが、こうして、サービスを提供している側の考えが変化しているなぁ。と感じる日々です。

とあるクライアントの一言「逃げないで、1位目指してよ」

「ロングテールで?」「バズらせて?」などの話は、それぞれの視点にたつと、どれも間違いではないと思います。(取捨選択は必要ですけどね)

そんな中、とあるクライアントに言われた一言があります。

『ロングテールでも何でも売り上げにつながるならやって良い。でもね、あなた言うビッグワードで1位を取った上でそれをやればもっともっと売上上がるってことだよね??どこかは必ず1位になってるんだから、逃げないでビッグワードで1位目指してよ。』

明確な回答をその場で出せなかったことが今でも頭をよぎりますし、正解も未だに分かりません。もちろん、ビッグワードで1位を取れればアクセスは大きく伸びます。しかし、そこに行き着くまでには様々な努力も時間も投資も必要です。

「ビッグワードで1位を取ること」と「ロングテールで拾い集めること」の優先度をその場で回答できなかったことは、今でも心に残っています。

「1位を取ること」が本当に必要なのか?「検索エンジンで集客する」という方法論を議論したらキリがありません。例えば、検索連動型広告を出すことも、ひとつの手段です。

さて、前談が長引きましたがここからが本論です

「検索1位」になることでどれだけの変化があるのか?

まずは、わかりやすくこちらのグラフから御覧ください。※クリックすると大きくなります。
8月くらいから徐々にアクセス数が増え続けているアクセス解析レポート

給湯器を卸している東京給湯器交換センターさんのアクセス推移です。サービス提供地域は東京都内で、サイトローンチが2014年3月です。

ローンチからしばらくはほぼアクセスがないのでグラフは5月からとっています。ここからいくつかの山があるのが分かると思います。ひとつづつ補足をしますと、

6月:YDNの入稿を1週間実施
7月末:GoogleAdWordsの出稿
8月:サイトのコンテンツの作り方/構造の刷新
8月下旬:「23区名」+「給湯器」などのワードで11位?30位を推移
9月中旬:「23区名」+「給湯器」などのワードで1位?10位を推移
10月上旬:「23区名」+「給湯器」で、ほぼ1~3位表示
10月下旬:「東京」+「給湯器」で、1位
11月中旬:「給湯器交換」で9位。

このように、最初はロングテールから初めて行きましたが、ビッグワードが上位に表示されてきたタイミングで、アクセスの山が積み上がっていくのが分かると思います。
※こちらの会社様にとってのビッグワードは「東京 給湯器」です。

10月のアクセスは1,500弱ですが、ここからの反響数が34件。成約数が20件です。あくまで一例ですが、オーガニックからのCVRが反響ベースで2%。成約ベースだと1.7%ですね。

こちらのサイトは広告用のLPも用意されており、そちらのCVRは問い合わせベースで5%を超えていますので、そちらと比べると見劣りはしますが、非常に良い数値だと思います。

当初は非常に少なかったオーガニックでのアクセス流入元キーワード数も、

8月36→9月164→10月306→11月534 (※原稿を書いている20日時点)

と順調に伸びてきています。コンテンツを追加して最適化してから、更に幅広いアクセスで集められるようになりつつあります。

こちらの会社様はリンクの購入等もされず、主にコンテンツの追加とページ内リンクの最適化、サイト構造の見直しを行いました。投資内容も、8月にサイトを刷新したタイミングだけになりますので、総合的な費用対効果も高いと言えます。

こちらのサイトは、最初から「東京」という大きいエリア名や「給湯器交換」というワードでの1位を目標にしていたわけではありません。最初はロングテールを拾う施策を行っていましたが、そこからひとつづつ積み上げていき、結果的にビッグワードで花開いたかたちとなっています。

特に中小企業様のSEOとしては、はじめのうちはロングテールキーワードを中心に確実にアクセスを確保しながら、少しづつ土台となるサイトを育てていき、ビッグキーワードの上位を目指していくのが1つの王道といえると思っています。

取材依頼、メディア掲載、広告営業など他にもメリットは多い

前職では介護系の比較サイトで激戦区のビッグキーワード1位のサイトを運営していましたが、アクセスやコンバージョンはもちろん、新聞や雑誌の取材依頼や、業務提携依頼の依頼が数多く来ますし、関連サイトがYahoo!ニュースで取り上げられたり良い面が多数あります。

また、広告の営業がクライアントに訪問した際にも、『○○で検索すると1位です。』と言えるのは営業面でも受注にかなり寄与しました。

1位じゃないとダメ、ではないけど、いいことはたくさんあります。ですので今考えると、

『ロングテールでも何でも売り上げにつながるならやって良い。でもね、あなた言うビッグワードで1位を取った上でそれをやればもっともっと売上上がるってことだよね??どこかは必ず1位になってるんだから、逃げないでビッグワードで1位目指してよ。』

と言われたことは、真理かもしれません。「1位を目指すこと」で得られるものは確かにたくさんあります。

目指すべきではあるが、それを目的にはしない

ですが、あくまで今回これらの例を紹介したのは、「1位を取ることを目的としてほしくない」ということです。

今回のような地場産業のサイトなどであれば、リンク購入や無理矢理な施策を施すこともなく、上位に表示されることが可能です。

詳細は伏せますが、今回紹介したサイトは、「見る人が見やすく、検索エンジンにとっても分かりやすい」ということを、お持ちのリソース内で最大限頑張っていただいた結果です。

こちらの企業様としては、「安価で給湯器を交換して欲しい」という目的があり、「1位を取る」というのは、そのなかで達成するべき目標の一つだっただけです。

これは戦略のたて方にも繋がるのですが、1位に絶対的に固執をすることだけを目的としないほうが良いと思います。あくまで、もっと上段の目的があるなかで、施策を間違えなければ順位は上がっていきます。
(大規模サイトの場合、もちろん考え方は変わるかもしれませんが・・・)

SEO=1位になること では無いと私は考えますが、

「メリットもたくさんあるので、目標とすることは良いと思います。ただ、それを分解して、誰のために・何のためにサイト運営をしているかをきちんと考えて、その上で、現在の1位に負けないくらいコンテンツの充実した見る人にも検索エンジンにも好かれるサイトを作っていき、ひとつづつ目標に向かって前進していきましょう」

というのが、今なら言える答えかもしれません。
 

※編集者補足※

SEOの話題でしたので最後に土居から補足を。本文で指摘されている通り、商用サイトにおいては「ビッグキーワードで上位になるとアクセス数が増えるとか以上にいいことがたくさんある」のは間違いありません。ですので1位を目指すべきですかと言われれば貪欲に狙って行くべきと答えるのがやはり正解と思います。

ただし最後の締めにあるように、それだけを目標にした瞬間にSEOは高確率で失敗します。SEOで必要なほとんどの施策は個々のキーワードレベルでの最適化施策とは直接関係のないことだったりするからです。今回のように「初期のうちは確実に集められるロングテールを中心に→サイトを育てながら、主要なキーワードでも上位を目指し、維持していく」という順序で考えられると投資を進めやすいのではと思います。

※で、SEOの土台はどうやって育てていくの?はこちらの記事などを読んで頂けるとイメージつくかと。
 

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