【SEO担当者向け】アルゴリズムアップデートの歴史と対策
効果的なSEOを実現するためにはGoogleのアルゴリズムアップデートを深く理解することが必要不可欠です。過去に行われてきた代表的なアルゴリズムアップデートの歴史を振り返り、その背景と対策について解説します。
Googleの検索アルゴリズムアップデートは、定期的に行われています。良質かつ専門性の高いコンテンツを評価し、ユーザビリティを高めるために年々アップデートの内容はブラッシュアップされているのです。
アルゴリズムアップデートの傾向と対策を把握することは、Googleが目指している方向性を捉えるヒントになります。
ここでは、過去に行われてきた代表的なGoogleのアルゴリズムアップデートの歴史を振り返り、その背景と対策について解説します。
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目次
アルゴリズムアップデートとは何か
アルゴリズムアップデートとは、一言で言うと検索結果順位が決まる仕組みとなるプログラムのことです。Googleが検索結果を改善するために毎日のようにアルゴリズム調整を行っており、それによって検索結果順位が変動しています。
アルゴリズムアップデートの種類
アルゴリズムアップデートの中でも大きな変更を伴うものを「コアアルゴリズムアップデート」と呼びます。コアアルゴリズムアップデートは年に数回行われており、Google検索を利用するユーザーの期待に沿う検索結果へと改善していくことを目的としています。一部のサイトはコアアルゴリズムアップデートの影響で大幅な順位変動が起こることがあります。その場合はアップデートの内容を確認し、問題や課題のある個所を修正して再度上位表示を目指すことになります。
コアアルゴリズムアップデートはGoogleの公式Twitterで告知されます。(内容は告知されません)
参考(外部サイト):Google SearchLiaison (@searchliaison)
Googleはユーザーファーストに重点を置いており、より専門性が高く独自性の強い良質なコンテンツを評価するようになっています。ほかのサイトに記載されているコンテンツとほぼ同じ内容のページを作成しても、アルゴリズムアップデートで評価されなくなってしまう可能性があります。SEOを目的としたコンテンツを作成する際は、ユーザーにとって有益な情報を提供できているか、という観点を忘れてはなりません。
参考(外部サイト):Googleウェブマスター向け公式ブログ[JA]:Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと
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アルゴリズムアップデートの対策
アルゴリズムアップデートが行われても、SEO担当者が右往左往しないために、どのような対策が有効になるのでしょうか。具体的に確認していきましょう。
マーケターとGoogleアルゴリズムとの向き合い方については、こちらの記事もおすすめです。
マーケターとGoogleアルゴリズムの、ほどよい関係|ナイルのSEO相談室ブログ
ユーザーファーストなコンテンツ作りをしよう
一番の対策は、何と言ってもユーザーの役に立つコンテンツを作ることです。前述した通り、アルゴリズムアップデートの目的は「ユーザーの役に立つサイトを評価すること」となります。上位表示を狙うためのテクニックはさまざまな種類がありますが、小手先に惑わされず、良質なコンテンツを作り上げていくことがアルゴリズムアップデート対策としては最も有効になります。
アルゴリズムアップデートとの付き合い方
アルゴリズムアップデートは日々行われる上に事前に予告されて行われるものではなく、どう変化するか予測するのが難しいです。また、事前アナウンスがあるコアアルゴリズムアップデートも、アップデートの内容までは発表されません。
アルゴリズムの実装や反映にも時間がかかるため、リアルタイムにアルゴリズムを知ることは不可能と言えるでしょう。
しかし、SEOとして最低限守るべき原則を抑えた上で、Googleが目指している理想と現時点での状態を紐づけることで、打つべき施策が見えてくるようになります。
アルゴリズムアップデートの予告はされませんが、過去に行われたアップデートやニュースで流れてくる情報などから、現在地を把握することができます。また、Googleは目指すべき理想の姿として、「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」を公開していますので、公式情報を参考にしていきましょう。
\アップデートの影響で悩みでしたらお気軽にご相談ください!/
Googleのアルゴリズムアップデートの歴史
ここからはGoogleのアルゴリズムアップデートの歴史を振り返りながら、どのような方向をGoogleが目指しているのか、確認していきます。
ベニスアップデート
ベニスアップデートとは、ユーザーの位置情報を検索結果に反映するアップデートのこと。2015年の1月にはじめて導入されました。
これにより、例えば杉並区にいる人が歯医者や美容院というワードを検索した場合、自動で杉並区の歯医者や美容院が優先的に表示されるようになりました。今ではほとんどすべてのユーザーが当たり前に使っている機能ですが、このアップデートが行われるまでは、杉並区にいる人が歯医者を検索すると、北海道の医院が紹介されるということも普通に起こりえたのです。
サイト運営者目線でいえば、これまでよりもユーザーに発見してもらいやすくなったとも言えますが、そのためにはエリアに関する表記をしっかりと記載しておくことが必要になりました。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
パンダアップデート4.2
パンダアップデートとは、2011年に英語圏を中心に導入され、2012年7月に日本にも導入されたアップデートです。パンダアップデートにより、低品質なコンテンツは検索結果上位に表示されにくくなりました。
それまでは、どちらかというとコンテンツを膨大に保有するウェブサイトが評価されて、検索上位になっていました。そのため、ウェブサイト上には似たような内容のコンテンツが乱立したり、中身の薄いコンテンツが増えたりしていて、ユーザーの満足度を下げていました。この状況を解消するために行われたのがパンダアップデートです。サイト運営者はより質の高い、ユーザーのためになるコンテンツを作成することが求められるようになったのです。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
パンダ・アップデートとは?Googleアルゴリズム更新とSEOでの対策について
ペンギンアップデート
ペンギンアップデートとは、被リンク元のページを分析して、不適切なリンクであると判断した場合、そのリンクを無効化したり、価値を下げたりするアップデートのことです。
これにより、検索順位を上げる目的で自作のリンク元を作ってリンクを張る行為や、あえて質の低いリンクを張ってサイトの評価を下げる「ネガティブSEO」への対策が可能になりました。
基本的に、正しくサイト運営をしていればあまり気にするアップデートではありませんが、念のため自身のサイトにどのような被リンクがあるかは一度確認しておいてもいいでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
【ペンギンアップデート4.0実施】今見直しておきたい。SEOにおける『良い被リンク』『悪い被リンク』の見分け方|ナイルのSEO相談室ブログ
Rank Brain
Rank Brainは、AI(人工知能)ベースの検索アルゴリズムのことで、言葉の意味をより正確に理解するためのアップデートと捉えるといいでしょう。これにより、例えばユーザーが「今日のサッカーの試合はどうなった?」といった口語調の言葉で検索した場合も、「サッカー 試合 結果」といった言葉に解釈し、それに合致するページを検索結果に表示するようになりました。言葉や文章に対するAIの理解度が高まったということは、コンテンツの中身の文章が検索順位に与える影響がより大きくなったともいえます。そのため、サイト運営者はよりユーザーの気持ちや意図を組んだコンテンツ制作が求められるようになりました。
クオリティアップデート
クオリティアップデートとは、ランキングアルゴリズムをより精度の高いものにしたアップデートです。2015年5月に行われました。このアップデートについては、特定のサイトに行われたものではなく、アルゴリズム全体に対して行われました。言うなればサイトの審査員が新しいメンバーに変わったと捉えるといいでしょう。具体的な内容については公表されてはいませんが、クオリティアップデートによる変動を見てみると、内容の薄いコンテンツの順位が下がっているという結果が出ており、パンダアップデートのように、記事やサイトの「質」を問うアップデートであったと考えられています。
モバイルフレンドリーアップデート
モバイルフレンドリーアップデートとは、スマホや携帯電話などの端末にも見やすく対応したページの検索順位を上げるものです。2015年の4月に行われたアップデートです。
逆に言えば、ズームをしないと文字が読めないようなページや、タップできる場所が多すぎて上手く操作できないページなどは、評価を下げられる可能性が出てきました。スマホからサイトを訪れるユーザーの数はかなり多いため、スマホでも読みやすくする必要があります。
インタースティシャルアップデート
インタースティシャルアップデートとは、インタースティシャル広告を設定しているサイトの評価を下げるものです。2017年1月に行われたアップデートです。
インタースティシャルとは、ページの切り替え時などにポップアップで表示される広告のこと。ユーザーはこの広告を経由しないと、次の画面や希望のページへ進むことができませんでした。関係のない広告が大きく表示され、場合によっては広告の消し方や次のページへ進むためのボタンが見つけにくかったり押しにくかったりと、ユーザーの満足度を低下させる大きな原因となっていました。このアップデートにより、インタースティシャルを用いているサイトは、インタースティシャルそのものをなくしたり、スペースを小さくしてユーザーの邪魔にならないようにしたりすることが必要になりました。
日本語検索アップデート
日本語検索アップデートとは、内容としてはパンダアップデートやクオリティアップデートのように、内容の薄いコンテンツを評価しないようにするものです。2017年の2月に行われたアップデートです。
ただその名前が示す通り、このアップデートは日本語検索表示が対象となっており、日本国内における検索順位がよりユーザーにとって正しいもの、ありがたいものに変わるものと捉えるといいでしょう。それまでは、いくらコンテンツの内容が薄くても、技術的なSEO対策をしていれば検索上位を狙うことができていました。日本語検索アップデート以降は、しっかりと内容のあるコンテンツを制作しなければ検索順位を上げることができなくなりました。
健康アップデート
健康アップデートとは、医療と健康に関する検索結果をより正しいものにするものです。2017年12月に行われたアップデートです。極端な話をすると、このアップデートが行われるまでは、医療の素人が書いたとんでもない内容の健康法などが検索上位に来てしまい、多くの人に誤解を与えてしまう結果を招いていました。
健康アップデート後は、医者や看護師といった専門家が書くサイトの評価が上がり、より信頼のおける情報が検索順位の上位に来るようになったのです。権威性が求められるようになったわけで、サイト運営者はエビデンスに基づいた情報を記載したり、専門家の正しい監修を受けたりすることが求められるようになりました。
参考(外部サイト):Googleウェブマスター向けブログ[JA]:医療や健康に関連する検索結果の改善について
スピードアップデート
スピードアップデートとは、読み込み速度が極端に遅いページの評価を下げるというものです。2018年7月に行われたアップデートです。いくら情報や中身が充実していたとしても、そのページを表示するために読み込み時間を要してしまうと、ユーザーの満足度は下がってしまいます。スピードアップデートにより、ユーザーがページを快適に閲覧できる環境を作ることが求められるようになりました。
Googleが提供しているPageSpeed InsightsにURLを入れると、そのページの表示スピードを診断してくれます。
BERTアップデート
BERTアップデートとは、2019年に実装された検索結果の質を向上させるためのアルゴリズムアップデートのことです。具体的には、検索クエリのニュアンスや文脈を理解した上で、関連性の高い検索結果を表示するという内容です。人工知能の自然言語処理技術「BERT(バート)」を採用したことから、この名前が付けられました。
ユーザーの検索意図に沿った検索結果を表示するためのアップデートになるため、対策としてはユーザーの検索意図を考慮してコンテンツを作成する必要があります。タイトルやコンテンツ内容にキーワードを含めた上で、独自の切り口や言い回しを用いながらユーザーのニーズに応えるコンテンツを作成します。また、会話型検索との親和性が高いアップデートなので、コンテンツの文章も簡潔に分かりやすく仕上げましょう。誤字脱字はなくし、長文は短い言葉に置き換えるなどの工夫が必要です。
フレッドアップデート
2017年3月に行われたフレッドアップデートは、広告を重視した質の低いコンテンツの順位を下げるためのものとされている、Google非公式のアップデートです。
リンクの品質に関わるアップデートという見方もされています。
特にアフィリエイトサイトなど、広告で収益をあげているサイトが大きな影響を受けて話題となりました。この直後にGoogle検索品質評価ガイドラインの内容が更新され、「過剰な広告は、低品質サイトやページとして扱われる可能性がある」と明記されました。
参考(外部サイト):2人のGoogle社員が何でも答えてくれた――フレッドアップデート、PWA、重複コンテンツペナルティ、機械学習などなど #SMX West 2017|海外SEOブログ
このことからも、過剰に広告へと誘導することは避けるべきでしょう。広告の量が多いというだけで、サイトの評価が低くなる可能性があるためです。また、広告の量を減らすだけでなく、コンテンツの内容を見直してより質の高い内容へとブラッシュアップしていくことも必要です。
ピジョンアップデート
ピジョンアップデートとは2014年7月に英語圏の国に適用されたもので、オーガニック検索と位置情報を元にしたローカル検索結果のアルゴリズムが統合されたアップデートとなります。それまではオーガニック検索とローカル検索は別々のアルゴリズムで動いていました。統合された結果、オーガニック検索上でポータルサイトのディレクトリページが評価されやすくなり、「銀座」と「中央区」といった検索クエリの意図の違いも解析できるようになりました。
位置情報に関わるアップデートとして「ベニスアップデート」がありますが、こちらは検索者の位置情報に合わせた検索結果を表示するという施策です。銀座で「レストラン」と検索すると、位置情報を元に銀座のレストランを検索結果に表示するというイメージです。
ハミングバードアップデート
ハミングバードアップデートとは、検索キーワードの背景や文脈を理解した上で、より関連性が高い検索結果を提示するために行われたものです。ランキングアルゴリズムの技術基盤の刷新に位置づけられると発表されています。特に会話型検索の処理能力が向上しています。例えば、「東京駅の泊まれる場所」という検索キーワードに対して、「ホテル」や「宿泊施設」といったキーワードを含むページも検索結果に表示するようになったのです。上位表示を狙うキーワードのランキングに直接影響するわけではないので、特別な対策は必要ないといえますが、今まで以上にユーザーが求める良質なコンテンツを作成することが重要になってきています。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
Googleの狙いを理解してアップデート対策しよう
Googleが行ったアルゴリズムアップデートの歴史を振り返り、それぞれの目的や対策について紹介しました。過去のアップデートの内容を見ると、Googleはユーザーの検索意図に沿った質の高いサイトやコンテンツを的確に表示したいと考えていることが分かります。Googleの信条とも言えるユーザーファーストという理想を理解し、ユーザーにとって有益な情報を分かりやすく伝えるコンテンツを作成することが求められます。
今後も継続的にコアアルゴリズムアップデートが行われるでしょうが、ユーザーとGoogleと同じ目線でコンテンツを作成すれば大きな問題はないはずです。また、コンテンツの内容はもちろんのこと、UI・UXといった面でもユーザビリティの向上を目指していくといいでしょう。
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