あきらめる前に試したい!ChatGPTの「地に足つけた使い方」

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あきらめる前に試したい!ChatGPTの「地に足つけた使い方」

こんにちは!ナイル株式会社でたぶん五番目くらいにChatGPTを使っている青木です。

突然ですが、みなさん。ChatGPT、まだ使っていますか?

「AIに仕事を任せて業務効率化しよう」と考えたのもつかの間、どうも自社にあった回答が返ってこず、いまいち使いこなせないまま挫折してしまった方も多いかもしれません。

そこで今回は「諦める前に試したい!ChatGPTの地に足つけた使い方」と題しまして、謎の忙しさに悩んでいるAさんと「社内のコミュニケーションコストを削減する方法」についてお話していきます。

手元の資料を読み込ませるだけで年間960分、2営業日もの時間が浮きます。

ナイルがChatGPTに関わらず、あらゆる業務効率化を試してきた中でも、手堅く成果が出ている施策です。

ChatGPTの活用には無限の可能性がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

ナイルではChatGPTをはじめとするGenerative AI(GAI、生成AI)の活用を推進しています。ビジネスの取り組みについてはこちらからどうぞ。

回答者 青木 創平
ナイルSEO研究所所長・SEOコンサルタント。大規模データベース型サイトなどの技術的に複雑なSEOのプロジェクトに多く携わるかたわら、ChatGPTの業務活用も研究している。最近はChatGPTとZapierを組み合わせて遊ぶのにお熱。

質問者 Aさん
某大手企業でオウンドメディア運営を担当。やたらと仕事が舞い込んできて、いつも忙しい。仕事がラクになる方法を探している。


「ムダなコミュニケーション」に時間を奪われる

Aさん:業務中に、多くの質問や相談をされて時間がなくなります!

Aさん

青木さん、今日はWebマーケティングじゃなくて、個人的な仕事の相談です。

なんか私、いつも忙しいんです。タスク管理もして、不要な会議も減らして効率化してるんですけど、ぜんぜん自分の仕事の時間が取れなくて……。

青木
それは困りましたね。何に時間を取られてるんですか?

Aさん
説明が難しいのですが、やたらと質問や相談をされるんです。

青木
いろんな人から同じことを何度も聞かれるとか?

Aさん
そうです、まさにそれです!「これどうやるんですか」みたいな連絡があっちこっちから入ってくるんです。

青木
社内全体での情報共有に問題があるんでしょうかね。「ムダなコミュニケーション」が起きているように見えます。

Aさん
がんばって業務マニュアルも作ってるんですよ。
でも「急ぎだから、悪いんだけど」っていわれて、直接質問されることが多いです。私も忙しいんだけどなあ…

青木
マニュアルってそもそも読まない人が多いですからね。がんばって書いたのに閲覧数が10件もいかないとか、あるあるじゃないですか?

Aさん
たしかに…!

青木
一言聞いて済むならそっちのほうがラクですからね。とはいえ、質問や相談相手になる人はだいたい仕事がデキる人なので、会社のリソース的には相当もったいないですよね。

うーん。わかりました!AさんにピッタリなChatGPTの活用方法があるので紹介しましょう!

ChatGPT製チャットボットでムダなコミュニケーションを削減!

Aさん「ChatGPT製チャットボット」でコミュニケーション解決! ChatGPTへ事前に情報を渡す 情報をもとに回答してもらう

ChatGPTで、社内のコミュニケーションを改善できるんですか?

ChatGPTって社内に合わせた返事をしてくれる印象がないですが…

青木
Aさんのおっしゃるとおり、ChatGPTは基本的にWeb上の情報を整理して返すものなので、社内の個別事情をふまえた返事は苦手です。

でも、最近は周辺ツールも進化をしていて、それを使うと「社内の個別事情を踏まえたChatGPT製チャットボット」が簡単に作れるんです!これを用意するといい感じに解決できそうな気がします。

パッとしなかった、これまでのチャットボット

青木
あ、Aさん。いま「チャットボット?いまさら?」って思いました?

Aさん
バレました?

青木
バレてます。

Aさん
えへへ…

青木
いや、お気持ちわかりますよ。チャットボットってあんまり良い印象がないですよね。

回答がズレてたり、まわりくどかったりするので、それこそさっさと問い合わせしたくなりますよね。

でもChatGPTの技術で、そんなチャットボットのイケてないイメージがくつがえりつつあるんですよ。

Aさん
どういうことですか?

青木
はい。何かというと「あらかじめChatGPTに情報を食べさせて、それをもとに質問に答えてもらう」ことができるんです。

Aさん
食べさせる?ChatGPTに事前に情報を渡しておくって意味ですか?

青木
そのとおりです!

ChatGPTなら「人の分身」のようなチャットボットが作れる

青木
ChatGPTって、ふつう「ぜんぶGPTに考えさせる」ように使いますよね。

でも、先ほど申し上げたようにChatGPTはWeb上の情報を整理して返すものなので、社内特有の話をGPTに聞いても気の利いた答えは返ってこないですよね。

めちゃめちゃ雑ですけど、例えばこんな感じです(下図)。

ChatGPT質問例1

Aさん
はい、まさにそんな印象です。社内のことを聞きたくても一般論で返ってきますよね。

青木
そこで「GPTに考えさせる」のでなく「GPTに情報を渡して、それを引き出してもらう」んです。こうすると、ちゃんと個別事情を踏まえて返事をしてくれます。

Aさん
ごめんなさい、まだピンときてないです。

青木
例えば、Aさんが頑張って作った「みんなが読んでくれないマニュアル」ですね。これをChatGPTに渡して内容を覚えさせるんです。

そして、そのマニュアル内容を覚えたChatGPTに、質問の受け答えをしてもらえばいいんです。実際、食べさせたあとに同じ相談を投げてみましょうか。

ChatGPT質問例2

Aさん
わ、ぜんぜん違いますね!これならたしかに自社専用のチャットボットになりそうですね!

あれ、でもChatGPTって、知識を引き継ぐ機能は持ってないですよね?都度、情報を渡すってことですか?

青木
たしかにChatGPTは知識を引き継げません。ただ、最近、この問題をクリアできる周辺ツールがいろいろでてきたんですよ。

例えば、「ChatPDF」とか「DocsBot AI」といって、PDFやドキュメントファイルを食べさせると、以後それにそってChatGPTが質問に回答してくれるっていう便利なものがあるんです。

これを使えば、技術もほぼ不要で、簡単に「自社専用のChatGPT製チャットボット」が作れます。

Aさん
いつの間にそんなものが……。

青木
マニュアルだけじゃなく「フィードバックしたドキュメント」「研修資料」「ウェビナー用に作った資料」など、いろんな資料を食べさせていくと、最終的には「人の分身」みたいなボットになってくれますよ。

Aさん
人の分身!それはすごいですね。

でも、これはこれで結局、あんまり使われなくなって、また人に質問したくなるようなことにならないでしょうか…?

青木
ChatGPTは優秀なので、さっきお見せしたような雑な投げ方でもちゃんと回答してくれます。人に聞くより気を使わなくていいし、案外使えると思いますよ。

それに、マニュアル検索と違ってピンポイントで回答を戻してくれるので「自分で検索結果から探さなくてもいい」のも嬉しくないですか?

つまり、人に質問するのとあまり変わらない使用感になるのです。

Aさん
たしかに……。これなら期待が持てそうです!

青木
ただ、情報セキュリティ的なリスクもあるので、渡していい情報とそうでない情報とはちゃんと区別しつつ使うことにはなります。そこはくれぐれも注意してくださいね。

ChatGPT製チャットボットの具体的な活用例

青木「ChatGPT製チャットボット」2つの活用例! 社内のヘルプデスクとして使う ノウハウのシェアを研修に使う

せっかくなので、具体的にChatPDFのチャットボットを使った業務効率化の例を2つほど紹介させてください。

Aさん
具体例はありがたいです!ぜひ教えてください!

ケース1 ヘルプデスクにする

青木
まず紹介したいのが、Aさんがドンピシャで悩まされている「ヘルプデスク」的な役割での活用ですね。

ChatPDFのようなツール経由で現場の知識やノウハウをGPTに覚えさせて、自分の代わりに受け答えをしてもらうわけです。

Aさん
すごい!凄まじくラクになりそうですね!どんなファイルを食べさせればいいんですか?

青木
こういったものです!

  • 社内で眠っていた分厚いマニュアルや社内wiki
  • 数十時間かけて作ったのに1回しか使われない社内研修資料
  • 先輩が時間をかけて添削したドキュメント
  • 生き字引のような社員の話を文字起こししたもの

無理に新しく作る必要はなくて。まずは今手元にあるものを渡していけるといいと思います。

Aさん
言葉の端々に「特級呪物」のような雰囲気を感じるのは気のせいですか?

青木
お、某漫画ですね。「領域展開」じゃないですが、不幸にも活かされなかった「過去の呪い」を業務改善の力にする、そういう話でもあると思います!

Aさん
負債化していた情報が再び輝くわけですね。大富豪(トランプ)の「革命」みたいな…

青木
そっちのほうが、わかりやすいじゃないですか!

ケース2 ナレッジやノウハウのシェアに使う

青木
もうひとつの例が、教育コンテンツにしてしまうことですね。ヘルプデスクだけじゃなく、研修やノウハウのシェアにも使えます。

Aさん
例えば、どんな感じでしょうか?

青木
例えば、新人にSEOの研修をするとしたら、事前にベテランが持っている専門的な知識をChatPDFに渡してチャットボットにしておいて、わからないことがあったらボットに聞いて学んでもらうんです。

Aさん
なるほど、そんな使い方もできるんですね。

青木
はい。実際に私はこの方法で「SEOコンサルタント青木の分身チャットボット」を作りました!

分身ボットに「noindexはどういうときにつけますか」と聞いてみたんですが、「検索結果に表示させたくないとき」のような模範的な回答に加え、青木がコンサル現場でお返事している「クロール制御」のような本質的なところまで深掘りして回答してくれました!

Aさん
素晴らしいですね!

青木
もちろん、渡した知識以上のことは出てきません。なので何を渡しておくかが重要ではあります。

とはいえ、回答できないものや不足が出てきたとしても、コツコツ加筆して食べさせなおせばみるみる精度は上がっていきますよ。

Aさん
そうか、更新もできるんですね。

青木
はい。構造的にはマニュアル作るのと一緒ですね。

ただ、ChatGPT製のボットなら、あたかも先輩に1to1で尋ねるかのように情報を取り出せる分、社内の情報資産としての価値は劇的に高くなると思います。

年間960分!ChatGPT製チャットボットのコスト削減効果

青木
ちなみに青木の試算では、このChatGPT製ボットで、あなどれない時間が削減できると見ています。

Aさん
どういうことでしょうか?

青木
例えば、ChatGPT製チャットボットで毎日5分発生していた質問対応時間が1分に減ったとすると、1日4分x20営業日x12ヶ月=年間960分、つまり2営業日相当の削減になります。

しかもこの960分は、仕事がデキる人の希少なリソースです。これが各部署・各事業に波及するとなると、単純なムダ時間の削減以上の業務改善効果が期待できそうじゃないですか?

Aさんの場合は、もっと相談を受けてると思いますので、さらに効果が高まりそうですね。

Aさん
たしかに……!

青木
もっというと、可視化されてない業務改善の効果もあると思っています。

たとえば「マニュアルを探す時間」「マニュアルが見つからず、非効率的な対応をとってしまったことによるタイムロス」みたいな生産性の問題も解消できるはずで、もしかしたら年間960分どころか倍以上、それこそ2,000分、3,000分レベルの無駄時間の削減にもなるんじゃないかなと。

これで社内コミュニケーションのムダが減って、誰もが本来やるべき仕事ができるようになったら理想的ですよね。

業務効率化において、ものすごく大きな可能性がある、まさに、「地に足のついたChatGPTの活用方法」ではないかと思います。

Aさん
本当にそのとおりですね!

お話を聞いて、さっそく試したくなりました!…でも、どうやってはじめたらいいんでしょうか?

数分で導入完了!ChatGPT製チャットボットを使ってみよう

青木

手順が紹介できていなかったですね。

今回は、ChatPDFを例に説明しましょう。ものすごく簡単ですよ!

ステップ1 PDFファイルを用意する

PDF見本

青木
まずは、GPTに覚えさせたい内容がまとまったPDFファイルを用意してください。

「社内wiki」などをPDF化して、保存しておきましょう。

もし可能であれば、PDFの中身はキレイに見出しをつけて整理しておけると、回答の精度が上がるので理想的です。回答の精度が気になるときは意識してみてください。

ステップ2 PDFファイルを食べさせる

青木
PDFファイルが準備できたら、ChatPDFに食べさせます。操作はドラッグアンドドロップで読み込ませるだけです。

Chat with any PDF(TOP画面キャプチャ)画像引用:ChatPDF

ちなみにChatPDFは無料で、PDF120ページまで対応できます。操作感を確かめたり、ちょっとしたマニュアルのボット化をするならこれで十分だと思います。

気軽に試してみてください。(有料契約するとしてもわずか月5ドルと格安です)

※ただし!機密情報の扱いにはご注意ください。社外に知れ渡ったら困る情報を扱う場合には、よく検討してからの利用をおすすめしますよ。

ステップ3 質問してみる

青木
あとは質問するだけです。

たったこれだけの手間で、いくらマニュアルに載せども、いくら個別に回答をせども、いつまでも積年の悩みでありつづけた「同じことばかり聞かれる」という非生産的・非効率的を解消できるかもしれません。

ChatPDF回答

とはいえ、このままでは「自分しか読めない」「セキュリティ面が気になる」など、様々な課題がありますので、ナイルでは貴社オリジナルのチャットボットの開発も行っています。

読み込ませるデータさえあれば、開発期間は1ヶ月~1ヶ月半とかなりスピーディーに進めることができますので、まずはお気軽にご相談ください!

ChatGPTで業務効率化の可能性を広げよう

Aさん
今日はいろいろ教えてもらってありがとうございます。これで忙しさ対策ができそうです…!

最近、ChatGPTをすっかり触っていなかったんですが、使ってみるとやっぱり便利ですね。お話を聞きながら、いろいろあんなことやこんなことができそうだなと思えてきました。

青木
そうなんです。今回はムダなコミュニケーションコストの削減についてでしたが、応用したらいろいろできそうだというイメージを持っていただけたなら嬉しいです。

「ChatGPTの力を借りれば、無理と思っていたことに再挑戦できる」と思います。

ぜひ自分たちでも何かこんなことできないかなってのを考えてみてください。可能性はまだまだもっと広がるはずです!

ChatGPTの活かし方のヒントが知りたい方はこちらの資料も読んでみてください。

ナイルがお手伝いします

青木
以上、今回は地に足のついたChatGPT活用について紹介してきました。みなさんの日々の業務改善の役に立てば幸いです。

とはいえ、ChatGPT関連の業務効率化をしようにも、何をどうしたらいいかわからなかったり、やってみたけどやっぱり思うようにいかなかったりなど、支援がほしいときもあると思います。

そんなときはナイルが相談にのります。以下よりご相談ください。全体の御社の課題を聞きながら、適切な方法をご支援いたします。

\ナイルのChatGPT・GAIの取り組み紹介と問い合わせはこちら/

編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
無料相談はこちらから

監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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