マーケティングファネルの活用例3選!分析して課題解決につなげよう
マーケティングファネルは、購買プロセスを段階的に分けた概念を指します。マーケティングファネルをうまく活用することで、何を改善すべきか分析した上での施策が実施できます。
本記事では、マーケティングファネルの活用方法や種類を紹介します。マーケティングファネルの考え方を売上につなげたい方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
マーケティングファネルとは
マーケティングファネルとは、顧客が商品を知ったときから購入するまでのプロセスを段階別に表した図のことです。
図は逆三角形で表され、見た目が「漏斗(じょうご、ろうと)」に似ているため、日本語で漏斗を意味する「ファネル」と名付けられました。最終ステップである購入に近づくにつれ数が減っていくので、逆三角形となります。
マーケティングファネルは、消費者の購買プロセスを示した「AIDMA(アイドマ)」が元になっており、共通している項目が多いです。
【AIDMA(アイドマ)の5ステップ】
- Attention(認知・注目)
- Interest(興味・関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
さらに、ユーザーの心理状態をフェーズごとに表したのが下図です。顧客の購買プロセスを捉えることで適切な施策を打ち出せるため、マーケティングの戦略立案に役立ちます。
【AIDMAモデル=消費者は5ステップを経て、商品の購入に至る】
AIDMAモデルについてやAIDMAを活用した具体例は、下記の記事にて紹介していますので、気になる方は併せてご一読ください。
マーケティングファネルが重要な理由
マーケティングファネルが重要とされる理由は、顧客に対して適切な施策を打てるようになるためです。
各プロセスにおいて、顧客に対する適切なアプローチは異なります。例えば、購入を検討している顧客に対して、商品の基本情報だけを提供しても購入の決め手とはなりません。
それぞれの顧客に対して適切な施策を打ち出すために、購買プロセスの中でどこに問題があるのかを確認する必要があります。
例えば、100人の認知が得られたのに、実際に購入へ至った人数は10人だとします。これだけの情報では、100人から10人に減ってしまった理由や改善すべき点がわかりません。
そこで、マーケティングファネルの構図を確認します。下図をご覧ください。比較検討の段階が70人で、購入に至ったのが10人です。
この場合は、比較検討の施策に問題が潜んでいそうです。今回の例は極端ですが、購買プロセスに落とし込み分析することで課題を発見しやすくなり、マーケティング施策の効果を高めることにつながります。
マーケティングファネル活用方法の例
下記の例にしたがって、マーケティングファネルの活用方法を紹介します。
マーケティングファネルはデジタルマーケティングだけでなく、従来の活動においても活用できます。下図は、マーケティング戦略で売上を伸ばし、新規顧客を獲得する構図です。順番に見ていきましょう。
【例1】ECサイトにおけるファネル分析
ECサイトにおけるファネル分析は、認知から購入までの基本パターンで分析可能です。
大きく分けて、下記4つのプロセスになります。
【ECサイトのファネル4プロセス】
- ECサイト流入
- 商品詳細ページ
- カートに追加
- 決済完了
ECサイトを訪れた消費者は商品を認知し、興味を持つことで商品詳細ページに遷移します。さらに、類似商品と比較・検討したのちに、購入に至ります。
購入率を高めるためには、各プロセスで適切な施策を打つことが重要です。例えば、商品詳細ページに自社の強みを大きくアピールすることで、消費者の比較・検討プロセスで離脱されづらくなります。
そのため、どのような情報を提供すれば次のプロセスに進んでもらえるのか、しっかりと考えましょう。
【例2】オウンドメディアにおけるファネル分析
オウンドメディアにおけるファネル分析は、流入から商談までのパターンで分析可能です。
大きく分けて、下記4つのプロセスになります。
【オウンドメディアのファネル4プロセス】
- オウンドメディア流入
- お役立ち資料のダウンロード
- ウェビナーの参加
- 商談
オウンドメディアの流入数とお役立ち資料のダウンロード数に離脱が見られず、ウェビナーの参加で大きく離脱しているとします。その場合は、お役立ち資料に満足できなかったか、ウェビナーの内容が適切でなかった可能性が考えられます。
また、離脱は少ないものの商談数が目標に達しない場合は、そもそもオウンドメディア流入数の改善が必要な可能性も考えられるでしょう。
このように効果的に改善を行うためにもマーケティングファネルを活用して、どのプロセスに問題があるのか見極めることが大切です。
【例3】採用活動におけるファネル分析
採用活動におけるファネル分析は、応募から内定までのパターンで分析可能です。
大きく分けて、下記5つのプロセスになります。
【採用活動のファネル5プロセス】
- 応募
- 面接実施
- 面接通過
- 内定通知
- 内定
内定を最終的なゴールとした場合、どこで離脱される可能性があるのか、コンバージョン率はどれぐらいかを確認して、それぞれのプロセスで施策を打ち出しましょう。
正確な人数を見極めるため、過去のデータを参考にして、具体的な数字を算出することが重要です。
ご不明な点は、以下バナーよりお気軽にお問い合わせください。
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マーケティングファネルの種類は3つ
マーケティングファネルには、下記の3種類があります。
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものなので、どちらの特性も必要な場合に使用しましょう。ひとつずつ紹介します。
【種類1】パーチェスファネル
パーチェスファネルとは、もっとも基本的なマーケティングファネルで、顧客が商品を認知してから購入するまでのプロセスを図式化したものです。
「Purchase(購買)」から、「購買ファネル」と呼ばれることもあります。
どのプロセスに課題があるかを明確化でき、ゴールである「購入」をより獲得するために何をすべきかなど、施策の見直しが可能です。
各プロセスにおける顧客の行動を可視化し、ファネルの狭い部分をできる限り最大化するために施策を立案・実行することが重要です。
【種類2】インフルエンスファネル
インフルエンスファネルとは、商品を購入した後の顧客の行動プロセスを表したものです。
主に継続・紹介・発信の3ステップで表され、リピート・ファン化・シェアと言い換えられます。
インターネットやSNSが普及し、個人の発信力が高まったことから、インフルエンスファネルが誕生しました。具体的には、下記のとおりです。
【インフルエンスファネルの流れ】
- 商品を購入した顧客が継続購入する(継続)
- 商品に満足した顧客が第三者に紹介する(紹介)
- SNSで商品のレビューを発信する(発信)
このように商品購入後の顧客行動が、新規顧客の呼び込みにつながります。そのため、継続して使用したくなる魅力やすぐにシェアできる仕組み作りが重要です。
【種類3】ダブルファネル
ダブルファネルとは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたもので、顧客の認知から発信までを一気通貫で分析できる図式です。
ダブルファネルを活用することで、統一感のある施策が実行できます。
一方で、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを別々に考えると、プロセスごとに統一感のない施策が実行されてしまいます。したがって、顧客による効果的な発信へつなげるために、各プロセスの分析が欠かせません。
分析結果から最適な施策を打ち出すために、ダブルファネルで考えることが重要です。
BtoCでのマーケティングファネルは古い?その理由は
マーケティングファネルは重要な考え方ですが、インターネット社会である現代では古いマーケティングといわれるようになりました。
具体的な理由は、下記の2つです。消費者の行動だけではなく、サブスクやSaaSなどのサービスが普及し、購入体験をすることが少なくなったのも要因です。順番に見ていきましょう。
【理由1】消費者の行動が多様化している
消費者の行動が多様化したことで、従来のマーケティングファネルではプロセスを捉えきれなくなってきました。
マーケティングファネルは消費者の購買行動を認知から購入まで、一直線で進むことが前提で考えられています。
現代は、インターネットやスマートフォンの発展やSNSの普及などで消費者の行動は複雑化しているため、マーケティングファネルの構図だけでは表しづらいのです。 家電製品の購入を例に挙げると、以前は店舗を訪れてカタログや店員の話から情報収集し、購入に至りました。
しかし、現在はインターネットで製品の基本情報が得られるほか、類似製品との比較記事やSNSのリアルな口コミから簡単に比較検討が可能です。
このように消費者の行動が直線的ではなくなっているため、マーケティングファネルを使用できないケースが増加し「マーケティングファネルは古い」と考えられるようになりました。
【理由2】購入体験を認識できない
マーケティングファネルが古いといわれる理由に、購入体験を認識できない点も挙げられます。
消費者の行動が多様化する一方で、ビジネスモデルも大きく変革しています。以前は「商品の購入」がゴールとされていましたが、サブスクリプションやSNSなどのサービスが普及したことで、ユーザーの「買う体験」から「支持をして共有」の需要が高まりました。つまり、顧客を継続的に満足させることが重視されています。
そのため、「購入」がゴールとなっている従来のマーケティングファネルは活用しづらくなったのです。
BtoBビジネスでのマーケティングファネルは現在も有効!
BtoCとは違い、BtoBにおいては現在もマーケティングファネルが有効と考えられます。
BtoBはそもそも一直線型で、最大公約数のモデルに近い実態があるからです。つまり、ほかのカテゴリの製品に気がそれたりすることはほぼありません。
例えば、BtoCでは、「チョコレートを購入するつもりだったが、クッキーがほしくなった。ところが、限定版のキャンディを見かけてしまい、最終的にキャンディを購入した」ということが頻繁に起こりえます。個人ユーザーは購買行動の変化が大きいため、マーケティングファネルだけではカバーしきれないのです。
一方で、BtoBの場合は、「会計システムの導入を検討していたが、途中で見かけた在庫管理システムが気になって導入を決めた」ということは、ほとんど発生しません。企業ユーザーは購買行動プロセスが変化しづらいため、マーケティングファネルが適しているといえます。
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マーケティングファネルで改善点を発見し効果的な施策を
マーケティングファネルは顧客の購買プロセスにおいて、課題を見つけ改善するために活用できる概念です。
マーケティングファネルには3つの種類があり、商品の認知から発信まで一貫して状況を確認したい場合はダブルファネルが適しています。
また、マーケティングファネルは古いといわれることもありますが、特にBtoBビジネスにおいては現在も有効なので積極的に活用しましょう。
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