サイト分析で見るべき5つの項目とは?おすすめの分析手法を解説

サイト分析で見るべき5つの項目とは?おすすめの分析手法を解説

サイト分析では、ポイントを押さえなければ何から手をつければいいかわからず、効果的なサイト分析が行えなくなってしまいます。

そこで今回は、サイト分析の前提となる心構えから見るべきポイント、おすすめの分析手法や分析ツールまで網羅的に紹介します。これからサイト分析を始めるという方や、サイト分析の方法に迷ってしまったという方はぜひ参考にしてください。

 

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サイト分析の心構え

サイト分析で扱うデータは、ぼんやりと眺めているだけではただの数字の羅列としか認識できません。データを意味あるものとして読み解くためにも、3つのポイントを心がけて分析するようにしましょう。

サイト分析

全体の傾向をつかむ

データ分析は、サイト全体の傾向をつかんだ後に、ページやセグメントごとの詳細を把握するのがコツになります。例えば、いきなり問い合わせフォームのPV数を分析しても、サイト全体のPV数がわからなければ、その数字が十分なのかそうでないのかの判断がつきません。また、ユーザー行動の仮説を立てたり、課題を見つけ出したりする際にも、ページ単位の分析だけでは文脈がわからず、データを深く読み解くことが難しくなってしまいます。そのため、サイト分析では必ずマクロの視点でサイト全体のデータをチェックし、ミクロの視点に絞り込んで分析することを心がけてください。

過去のデータと比較する

サイト分析では、現状の数字がどういう状況なのかを把握するためには、過去のデータと比較することが必要不可欠です。例えば、先週の1週間はコンバージョン数が100件発生したのに、今週は80件しか発生していないという場合を考えてみます。「先週はメールマガジンの反応がよく、会員登録フォームのリンクのクリック率が高かった」「では、次回以降のメールマガジンでも類似テーマを扱おう」といったように、過去データと比較することで課題に対する仮説と改善施策を検討できるようになります。

 

また、月や年単位でデータを比較する際に大きな変化があれば、市場や競合他社の影響を受けている可能性も視野に入ってきます。現状を認識するためには、過去の自分や周囲の状況を知ることが重要なのです。

トレンドを把握する

サイト分析では、1日だけのデータを分析してもあまり意味がありません。例えば9月7日のPV数が5,000だった場合、その数字がどういう意味を持つのか判断に困ってしまうでしょう。それに対して、9月1日~9月7日の平均PV数が4,000というデータがあった場合、9月7日のPV数は多かったと判断できます。その原因はウェブ広告かもしれませんし、メールマガジンかもしれませんし、メディアで商品が紹介されたからかもしれません。これらの仮説を検証するために、データを深掘りしていきます。サイト分析を行う際は、データを点で把握するのではなく、一定期間のデータからトレンドを把握するようにしましょう。

サイト分析で見るべき5つの項目

サイト分析で見るべき項目について、5つに絞ってご紹介します。代表的な分析ツールであるGoogle アナリティクスでのデータの見方とあわせて参考にしてみてください。

サイト分析

アクセス状況

まずは、サイト全体のアクセスを把握する必要があります。Google アナリティクスの左メニューから「ユーザー」>「概要」を選択します。すると、指定した期間の代表的な指標が表示されるので、その中の「ユーザー」「セッション」「ページビュー数」をチェックしましょう。

それぞれの指標の意味は以下の通りです。

 

  • ユーザー:特定期間にサイトに訪問した固有のユーザー数
  • セッション:ユーザーのサイト訪問から離脱までの行動の数
  • ページビュー数:ページが閲覧された数

 

これらの指標は、どれだけのユーザーがサイトに訪れて、どれだけのコンテンツが閲覧されたかを把握するのに有効です。1週間や1ヵ月といった期間の中で、増加や減少しているタイミングがあれば、その日のデータや施策の状況を分析して原因を突き止めます。

 

なお、コンテンツごとのアクセス状況を把握する場合は、「行動」>「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」を選択します。表示された指標の中から「ページタイトル」「ページ(URL)」「ページビュー数」をチェックすることで、PV数の多い・少ないコンテンツを把握することができます。

流入経路

ユーザーがどういった経路で、サイトに訪問したかを把握していきます。Google アナリティクスで調べる場合、「集客」>「すべてのトラフィック」>「チャネル」を選択します。掲載されている指標の意味は以下の通りです。

 

  • Organic Search:Googleなどの検索からの流入
  • Direct:URLの直接入力やブックマークからの流入
  • Referral:外部サイトリンクからの流入
  • Display:ディスプレイ広告からの流入
  • Social:SNSからの流入
  • Affiliates:アフィリエイトリンクからの流入
  • Paid Search:リスティング広告からの流入

 

例えばDisplayやPaid Searchといった広告からの流入に対し、Organic Searchの流入数が少なかったとします。その場合、SEOを施すことでさらなる流入増が見込めると仮説を立てられます。また、ある一定期間にSocialからの流入が増加していた場合、TwitterやInstagramなどで企業や商品の情報がバズった可能性が考えられます。SNSを運用していなければ、運用を強化することでサイト効果の改善に期待できます。このように、期間や指標ごとに比較することで、流入経路の課題を見極めていきます。

検索キーワード

流入経路で紹介したOrganic Searchの中で、どのような検索キーワードで流入されているかを把握していきます。

 

Google アナリティクスで確認する場合、「集客」>「Search Console」>「検索クエリ」を選択します。それぞれの指標の意味は以下の通りです。

 

  • 検索クエリ:検索されたキーワード
  • クリック数:リンクがクリックされた数
  • クリック率:リンクが表示された回数に対するクリックされた割合
  • 平均掲載順位:検索エンジンの検索結果画面での平均掲載順位

 

例えば、平均掲載順位が高いにも関わらず、クリック数やクリック率が低い場合、検索キーワードに対するタイトルやディスクリプションの文章がユーザーの期待を満たせていないことが考えられます。また、自社のビジネスと関連性の高いキーワードの平均掲載順位が低い場合、SEOを強化することで見込み顧客の流入を増加させられる可能性があります。

 

検索キーワードについては、Google Search Consoleで、さらに詳細な情報を把握することが可能です。Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」>「検索結果」を選択することで、それぞれの検索キーワードのクリック数や表示回数を確認できます。

 

ユーザーの行動

ユーザーのサイト内での行動を把握していきます。Google アナリティクスで確認するためには、「行動」>「行動フロー」を選択します。ここでは、最初にたどり着いたページ(ランディングページ)やその後のサイト内遷移状況を把握することができます。サイトの狙い通りの行動がとられていない場合は、導線や情報の掲載場所などに課題があることが考えられます。

コンバージョン状況

サイト上で最終的な成果となるコンバージョンの数字は、分析において外せません。Google アナリティクスでは、管理画面から以下のステップで、会員登録や問い合わせなどの行動をコンバージョンとして設定することができます。

 

  1. ビューの目標をクリック
  2. 新しい目標>カスタムをクリック
  3. 目標の名前を入力して到達ページをクリック
  4. 到達ページのURLを入力して目標到達プロセスをオンに

 

設定したコンバージョンがどの程度発生しているかを確認する場合、「コンバージョン」>「目標」>「概要」を選択します。すべてのコンバージョン数・率や目標ごとのコンバージョン数・率を確認できるので、過去のデータと比較するなどして状況を把握しましょう。

おすすめのサイト分析手法

定量分析の手法を駆使することで、より高度なサイト分析を行うことができます。それでは、おすすめのサイト分析手法を具体的に見ていきましょう。

クロス集計

クロス集計とは、複数のデータ項目をかけ合わせて分析する手法です。例えば、PV数を分析するとき、デバイスや性別、年代といったデータ項目をかけ合わせて、「PV数の70%が女性」のように分析していきます。Google アナリティクスでは「セカンダリディメンション」を設定することで、分析軸を加えることができます。サイトの状況を深掘りし、ユーザーへの適切なアプローチをとるためにも、クロス集計を積極的に活用しましょう。

アトリビューション分析

アトリビューション分析とは、コンバージョンに直接貢献した接点だけでなく、コンバージョンに至るまでのすべての接点を見て、貢献度を把握する分析手法です。普段の生活で何かを購入するとき、まずはウェブ広告で商品の存在を認識し、後日SNSでクチコミを見て、後日サイトにアクセスして購入する、といった行動はよくとられます。その際、「サイトにアクセスして購入する」といった行動のみを分析するのではなく、ウェブ広告やSNSの貢献度も考慮して分析するのがアトリビューション分析となります。

コホート分析

コホート分析とは、ユーザーを行動ごとにグループ化して、さまざまな指標を分析する手法です。例えば、9月1日に初訪問したユーザーの何割が再訪したか、何割がコンバージョンにつながったか、などを把握できます。ユーザーの維持率を高めることはサイト効果改善にもつながるため、コホート分析も積極的に活用したいものです。

おすすめのサイト分析ツール

サイト分析では、ツールの活用が欠かせません。ここでは、無料で使用できる分析ツールを紹介します。

Google アナリティクス

Googleが提供する分析ツール「Google アナリティクス」は、サイト分析の定番です。無料でありながら幅広い分析を行うことが可能で、サイト全体の状況やページ、ユーザーごとの詳細状況を把握することができます。

なお、Google アナリティクスの最新版である「Google アナリティクス4(GA4)」が2020年10月にリリースされました。GA4はウェブとアプリを横断的に分析することができ、機械学習モデルを活用した予測機能が導入されているなど、さまざまな機能がアップグレードされています。GoogleはGA4の使用を推奨しているため、まだ導入していない方はこの機会に設定を行いましょう。

 

SimilarWeb

「SimilarWeb」は競合サイトのアクセス状況を分析できるツールです。PV数や流入キーワード、外部リンクの状況まで把握することができるため、自社サイトとの比較に活用できます。無料版では1ヵ月間のデータを見ることが可能です。

PageSpeed Insights

Googleが提供する「PageSpeed Insights」は、ページ表示速度の無料分析ツールです。ページの表示速度が遅いとユーザビリティが下がり離脱率が高まるだけでなく、SEO上の評価も下がってしまいます。「PageSpeed Insights」では3段階の評価で表示速度が判定され、「90~100(緑)」なら速い、「50~89(オレンジ)」なら平均、「0~49(赤)」なら遅いという結果になります。全てのページで緑の評価を目指せるよう、サイトの構造を改善しましょう。

 

サイト分析を効果につなげるために

サイト分析は、あくまでサイト改善ための手段です。サイト分析自体が目的とならないようにしましょう。そのためには、どのような意識を持って分析すべきなのか、効果につなげるための分析のポイントを紹介します。

仮説を立てながらデータを見る

データは何も考えずに見るとただの数字でしかなく、そこに意味を持たせるためには仮説を立てることが不可欠です。例えば、先月に比べて今月のコンバージョン数が伸びていた場合、「新商品のリリースが影響しているのだろうか」「ウェブ広告の予算を増やしたからかもしれない」といったように、その原因の仮説を検討します。仮説を立てることにより、「では、商品検索・詳細ページのPV数はどうなっているだろう?」「ウェブ広告経由のコンバージョンはどの程度増えたのだろう?」と、さらにデータを深掘りできるようになるのです。

課題に対する改善策を考える

サイト分析をしていると、気になる課題がいくつか発見できると思います。しかし、「このページの直帰率が高いな」「会員登録率が悪いな」と感じたまま、何も施策を打たなければ、サイトは改善されないままです。

課題を発見したら「直帰率を下げるために、他ページへの導線を設けよう」「会員登録フォームの構成を見直そう」といったように、具体的な改善策を考えるようにしましょう。中にはすぐに実行できない改善策もあるでしょうが、施策候補として残しておき、リニューアルやサイト改善の際に実施するようにしてください。

できるだけ主観を排除する

サイト分析は仮説が重要になりますが、思い込みや勘違いに基づく仮説になってしまう可能性も否めません。主観をできるだけ排除して、ニュートラルな状態でデータを読み解くためにも、他の社員やユーザーへのインタビューなどを行い、客観的な観点で分析することを心がけましょう。

サイト改善と効果検証を行う

サイト分析は、一度行って終わりではありません。課題を発見し、それを解決する改善施策を実行し、その効果を検証する。このPDCAサイクルを常に回し続けることで、サイトの効果はどんどん高まっていきます。ユーザー満足度を高め、企業の売上やビジネス効果を伸ばすためにも、継続的にサイト分析を行いましょう。

サイト分析によって成果につなげよう

サイト分析は、ウェブから成果につなげるための第一歩です。データを正しく読み解き、適切な改善施策を実施することで、コンバージョン数や売上を高めていきましょう。

 

なお、ナイルでは、豊富な経験・データに裏付けされたコンサルティング力で、サイト改善の支援が可能です。大きく3つのステップに分けて、対応させていただきます。

 

  • 調査・設計:現状のヒアリングやKPIの設定、ツールの導入などを行う
  • 分析:アクセスやヒートマップの分析、ユーザー行動観察などを行う
  • 分析・試作の効果検証や定例レポーティング、継続施策の提案などを行う

 

段階的にサイト改善を進めていきますので、お気軽にご相談ください。

 

編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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