AI時代のコンテンツ制作内製化に“マスト”な人材とは?「AIがあればできる!」では難しい理由

加藤 直子

著者:加藤 直子

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AI時代のコンテンツ制作内製化に“マスト”な人材とは?「AIがあればできる!」では難しい理由

生成AIによって、専門的なライティング経験がなくても、記事の構成や本文を短時間で作れるようになりました。

その一方で、AIを使えば誰でも事業に貢献するコンテンツを作れるかというと、そう単純ではありません。
重要なのは、AIの出力を適切に判断し、ユーザーにとって価値のある内容へ仕上げる「編集」の視点です。

ここでは、AIを前提としたコンテンツ内製化を進める上で必要なスキルや体制づくりについて解説します。

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AIが「0→1」を作っても、それを「1→2」にするか「1→100」にするかは人間次第

前提として、コンテンツ制作にAIを使うこと自体はまったく問題ないです!
私自身も日々の制作業務で当たり前のようにAIを活用していますが、そのおかげで記事1本にかかる時間が以前の半分以下くらいになっている実感はありますね。

ただ一方で、AIを使えば誰でも簡単に「読みやすいコンテンツ」「自社の事業に寄与するような“機能する”コンテンツ」を作れるようになったかというと、そうではありません。
ただ文章を作ることと、その文章をユーザーにとって価値のあるコンテンツに仕上げることのあいだには、まだ大きな隔たりがあります。

というのも、AIが「0→1」を作ってくれたとしても(それはかなり大きいですが)、それを「1→2」で終わらせるか、「1→100」まで持っていけるかは、仕上げる人間側の力量次第だからです。

実際、私は日ごろから、編集者やライターではないメンバーがAIを使って書いた原稿をチェックしていますが、そこで修正がなかったケースはほぼありません(※)。
「一からやり直して」と言うことも少なくないです。

※もちろん、職業としての編集者・ライターじゃなくても上手く原稿を書ける人はたくさんいます。職業としてやっている人も、そうじゃない人も、人によって力量には差がありますので…。

でも、それは仕方がないといえます。
もはや“AIあるある”ともいえる、「この説明ではターゲットの読者には伝わらない」「ここは一般論ではなく具体例が必要」「この情報はなくてもいい」「この順番では読者が理解しづらい」といった問題点に気づくスキルがなければ、AIに適切な修正指示を出すことができないからです。

企業のコンテンツ制作に必要なのは「何を作るべきか判断できる人」

では、「機能するコンテンツ」「質の高いコンテンツ」とはなんなのか――企業のWebサイトがコンテンツを制作する場合は、読者にとってわかりやすくて役に立つものにするのは大前提で、その上で事業に何らかの形で貢献するコンテンツであることが求められます。

<“機能する”コンテンツとは>

機能するコンテンツとは、読者にわかりやすく役立ち、集客・信頼・CVなど事業成果にもつながるコンテンツ

企業がコンテンツを作る目的は、

  • コンテンツを通じて自社を知ってもらう
  • 商品やサービスへの理解を深めてもらう
  • 課題を自覚してもらう
  • 比較・検討を後押しする

など、果たしたい役割はさまざまです。

そのため、制作段階では、「誰に届けるのか」「何を伝えるのか」だけでなく、

  • 読んだ人にどうなってほしいのか
  • なぜ自社がこの情報を発信するのか
  • 最終的に事業とどうつなげるのか

を踏まえて企画を立て、コンテンツにうまく落とし込む必要があります。

どれだけおもしろい内容でも、自社の事業との接点がまったくなかったりすれば、企業がコストをかけて制作するコンテンツとしては十分に機能しません。

ユーザーにとって有益なことと事業に貢献することを、コンテンツの中で違和感なく、良い塩梅で共存させることができる人が必要なのです。

AIがある時代のコンテンツ制作には、「編集」の視点が最重要

「ユーザーにとって有益な内容×事業貢献する内容」に仕上げる作業を担うのが、編集者です。

編集者とライターの違いがわかりにくいかもしれないのですが、ざっくり説明すると次のような感じです。

<編集者とライターの違い>

編集者…コンテンツの企画から完成まで、制作全体をディレクションする人
ライター…編集者のディレクションによって「書く」ことを担う人
※あくまでも基本の考え方です。

編集者は、コンテンツを作る目的(ゴール)から逆算してコンテンツを企画し、構成を作り、ライターへどういうふうに書いてほしいのかを伝え、最終的にユーザーにとって有益な内容になっているか、事業への貢献が期待できるかまで見ながら完成に導くのが仕事。

編集者とライターの役割

※あくまでも一般的な考え方です。

そのため、編集者が不在の状態で、「コンテンツ制作をプロのライターに外注しているのに思うような成果が出ていない」というのはある意味当然です。
編集者のいないコンテンツ制作は、「職人はいるのに設計図がない建築現場」「選手はいるのに監督がいないサッカーチーム」みたいなものといえるでしょう。

AIがそれなりのクオリティで執筆できる今、コンテンツの内製化を目指すなら、AIを適切にディレクションできる存在――このWebサイトに必要なコンテンツとは何か、どう作れば伝わりやすくなるか、どうすれば事業に貢献するものとして機能するかを踏まえて、文章全体の良し悪しを見極められる編集者――が、人間側には必要だと感じます。

自社の制作リソースに合った体制づくりをする方法

コンテンツ制作を内製する場合、すべての企業に同じ方法が適しているわけではありません。
社内に編集スキルを持つ人がいるか、制作に割ける人員や時間がどれくらいあるかによって、必要な体制は変わります。

「AIがあるからすべて内製で、それなりの品質のコンテンツを作る」ことに少しでも不安があるなら、最初から完全内製にこだわらず、いま自社に足りないものをどう補うかを考えることが重要です。
ゆくゆくは“AIを活用した完全内製化”を目指し、その基盤を整えるためにプロの力を活用することも視野に入れるといいでしょう。

ここでは、よくある制作体制のパターンごとに、コンテンツの品質をキープしながら内製化を目指す方法を紹介します。

パターン1:制作する人はいるが、編集の知見を持つ人がいない

【おすすめの体制】 編集のプロといっしょに制作の型を作る

AIを使ってコンテンツを作る人員はいるものの、コンテンツの品質を判断できる人=編集者がいないケースは、まず外部の編集者といっしょに制作の型を作る方法がおすすめです。

例えば、企画の考え方や構成の作り方、原稿の品質基準、公開前のチェック項目などを編集者と整理し、原稿完成後のレビューを通じて社内に編集の知見を蓄積していきます。

最初のうちは企画や構成、完成原稿を編集者に確認してもらい、社内で判断できる範囲が広がってきたら、徐々に外部の関与を減らしていく方法もあります。

単に原稿を直してもらうのではなく、「なぜ直すのか」「何を基準に良しと判断するのか」などの知見を貯め、編集できる人を育てることが、全内製化につなげるポイントです。

パターン2:編集できる人はいるが、十分なリソースの確保ができない

【おすすめの体制】 必要な時期のみ業務委託など外部ライターに依頼する

社内にコンテンツ制作の経験者はいるものの、ほかの業務との兼務だったり、一人しかいなかったりするために十分なリソースが確保できないケースもよく聞きます。

この場合は、例えば新規メディアの立ち上げやコンテンツの拡充など、多くのコンテンツを制作する必要があるフェーズは業務委託など外部のライターを活用し、社内の編集者は企画・ディレクションと品質管理に集中する体制がおすすめです。

常に多くの制作リソースが必要ではないなら、パーマネントな社内の人員を増やすのではなく、制作量が増えるタイミングだけ外部の力を借りることで制作量を確保しつつ、品質も保つことができるでしょう。

パターン3:編集スキルも制作リソースも十分にない

【おすすめの体制】 まずは外部のプロに制作を任せ、内製化に向けた社内体制を整える

社内にコンテンツの企画や編集を担える人がおらず、実際の制作に割ける人員や時間が十分にない――この場合は、すでにおわかりかと思いますが…全内製化は結構厳しいですね。

例えば、コンテンツ制作の知見があまりないにもかかわらず、ほかの業務と並行して片手間でAIを使って制作する…のような形になるのであれば、まずは外部のプロに制作全般を任せて品質を担保できる形をとりつつ、将来的な内製化に向けて社内の体制を整えていくのがおすすめです。

内製化を進めるのであれば、社内の担当者がプロとのやり取りや制作過程に関わることで、ノウハウを社内に蓄積していくことも重要。
一定の制作体制が整った段階で、できる工程から徐々に社内へ移していけばいいでしょう。

「AIならなんでもできる」わけではない。品質を担保できる制作体制を作ろう

生成AIによって、文章を作ること自体のハードルは大きく下がりましたが、企業がコンテンツ制作を内製する上で目指したいのは、ユーザーにとって有益で、事業にも貢献するコンテンツを継続的に作っていける状態です。

そのためにマストで置いてほしい人材は、「ただ書ける人」ではなく「品質管理のできる編集者」です。
最終的に全内製化を目指すにしても、ただ「AIがあるからいけるっしょ」で始めてしまうと、コンテンツ品質は担保できません。

自社に編集スキルのあるメンバーはいるか、制作リソースがどれくらいあるのかを把握し、足りない部分があれば、一時的にでもそこを補う方法を探ししましょう。

なお、ナイルでは、現状の制作体制やお持ちの課題に合わせて、さまざまな形でコンテンツ制作を支援しています。

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