UIやユーザビリティという問題とSEOは「別物」として切り離して考える

UIやユーザビリティという問題とSEOは「別物」として切り離して考える

SEOの文脈で「検索エンジンではなく、ユーザー視点でサイトを作りましょう」ということがよく言われます。SEOの観点から話をするにあたり、果たして本当にそれで良いのでしょうか。

Googleが特に重視したいこと

もし、「ユーザー重視」がユーザーの検索体験の向上、であったり、ユーザーが検索に求める価値ある情報をコンテンツとして提供する、という意味でユーザーの視点を重視するべきという話であれば、そうした観点での改善は概ねSEOの改善につながりますので正解です。

しかし、同じようにユーザー視点でのサイト改善施策として括られる「ユーザビリティやUIの改善」などの施策が直接SEOに貢献するかといえばそれは決してそうとは言い切れません。少なくとも現時点では、これらはひとまずSEOとは別の改善施策として考えておく必要があります。

Googleが重視するのはあくまでユーザーが発見できる情報の質であり、また到達したサイトの仕様によりユーザーの検索体験を著しく損ねないことです。

言いかえれば、素晴らしいUIではなく、検索者にとって価値ある情報を検索結果で提示したい、その結果として、ユーザーの検索体験をより良いものにしたい、ということです。

UIやユーザビリティの改善≠SEOの改善

例えば、ユーザーテストを繰り返し実施したりアクセス解析をもとに課題を抽出して、よりユーザーがサイト内で迷わず目的を達成しやすいように変更する、ということは多くのWebサイトの改善施策として有効です。

では、そこで挙げられた改善項目はSEOにとってプラスになる改善なのか?といえば、必ずしもそうではありません。UIとかユーザビリティを重視してサイトを改善すれば自ずとSEOがよくなるほど今のGoogleは都合良くなってくれてはいません

従って、逆にSEOを少し妥協してでも全体の転換率を高めるかどうか、などの判断を求められる場合も多いでしょう。

例えば下図のように、自然検索流入が20%減少しても全体のコンバージョンが10%向上して総合的なROIが改善するのであればそちらを選択すべきですね、とかそういう世界です。

検索トラフィックが減ったとしても、広告やソーシャルメディア経由の流入をはじめ全体の目標達成率が改善し、結果として目標達成数が改善することはあり得る。

※さすがにここまで都合良く数字が動くわけではないにせよ、言いたいことのイメージとして。

ユーザビリティの改善がSEOの改善に繋がるケースも多くある

もちろんユーザビリティやUIの最適化を行うことで、それがSEOの改善に直結することは少なくありません。例えば、

  • ユーザーに不適切な転送設定がある
  • 実質的なコンテンツを持たず広告への橋渡ししかしていない
  • 広告表示量がページの情報量に対して異常に多い
  • ファーストビューの表示が著しく遅い
  • そのページのメインとなる情報の起点がファーストビューに存在しない

などの問題は、ユーザーの検索体験を大きく損ねる要因になるでしょう。ユーザビリティ上の問題だけではなく、検索順位に直接的に悪影響を与える可能性が高いため、SEOの観点でも改善すべきポイントと言えます。

また、これとは別に、検索者や彼らの検索行動を考慮した情報設計のもとでナビゲーションを変更するなどの施策でしたら、それは多くの場合にSEOに直結する改善施策になります。

SEOを考慮する上では、検索エンジンの制約が前提にある

しかし、今の検索結果で露出を高めるための最適化を行うということは、今の検索エンジンの性能などといった制限を考慮する必要があります。今のGoogleは昔に比べ進化したとは言え、人間と同様の情報処理が行えるわけではありません。

ですので、SEOという制約の中でサイトを考えるときには、やはりクローラビリティやインデクサビリティ、アクセシビリティなどへの考慮がまだまだ必要です。

具体的には、例えば大半のユーザーにとってはサイト利用上で不要かもしれない文章を用意したり、同様に不要なリンクナビゲーションを用意することがSEO上の改善に繋がる場合もあるのです。

モバイルファーストで作られたサービスのSEOの課題

こうした課題は、特にモバイルファーストで発進したWebサービスにおいては顕著に現れます。スマートフォン向けサービスにおけるサービス設計やUI設計においてSEO要件が優先的に考慮されるケースはまずありません。

文字情報やナビゲーションも、スマホUIを重視するのであれば操作性やコンテンツの視認性を考慮して「不要な情報をできるだけ削る」というステップを踏むのが一般的でしょう。

その要件を基準にサイトを作れば、必然的に検索エンジンがインデックスできる情報量や、クロールできるURLについても制限されることになります。

最近ではよく「スマホ版のコンテンツをとりあえずそのままデスクトップ版に拡張しました」というサイトを見ることがありますが、上記のような理由でSEOには不利になります。

スマートフォン端末を優先した情報設計を行うサイトが増えても、Googleのインデックスは依然としてデスクトップを前提として形成されているという実情が、このギャップを更に広げている気がしなくもありません。そしてそれは検索者の都合を考慮すれば自然なスタンスだと思います。

これはインターネットにおける情報探索行動が年々スマートフォンに移行していく中で、モバイルファーストで作られたWebサービスの普及が進むにつれよりいっそう顕著な課題となるでしょう。

どこまでSEOを重視するか

サービスの内容によっては、上手にUIやユーザビリティとの妥協点を見つけ、デスクトップ版とスマホ版、アプリ版などでUIとSEO要件のバランスのとれた設計をすることが可能と思いますが、そうではないケースも多々あります。

では、そういうケースではSEOに取り組む必要がないのか?といえば決してそうではありません。

そのあたりの線引きは、「この情報は(ユーザー視点で見た時に)検索結果に載るべきか?載る必要はないか?」で考えるべきです。テキスト情報があるか、ないか、とかそういう事実だけで判断するべきではありません。

検索結果に載るべき情報(=他にない付加価値を持っている情報)なのであれば、コストの許容する限り&サービスを損ねない要件においてSEOを考慮するべきと思います。

「テキスト情報が少なすぎてこれでは何とも、、」などのことも勿論あるでしょうが、それでも保持しているデータと情報そのものの性質を元に、持っている情報をページの情報やリンクナビゲーションにどのように反映させるかを考えるだけでも、改善させることはできると思います。

まとめ

いろいろなSEO系の記事のコメント欄を見て、「SEOじゃなくてユーザー視点でサイトを作ることだけ考えれば良いのに」的なコメントもちょくちょく見かけますが、検索エンジンという特殊なプラットフォームの制限を無視することは今の段階ではオススメできません。

SEO要件を考慮せずあえて無視する、が功を奏することもあるでしょうが、ある程度の知識と判断材料なしにその判断をするのであれば、それは単に検索流入を放棄することになりかねませんので、注意してください。

お知らせ

しきりにSEOの話をしてきましたが、最近、サイト改善ソリューションとしてユーザビリティ改善に特化したサイト改善サービスの強化にも力を入れています(実はユーザーテストルームなんていう専用部屋とかアイトラッキングシステムなんてものもオフィスに存在していたりします)。

その流れで、そちら系のテーマでの話題での勉強会なども行いますので、SEOだけではなくこういうところでも皆さまの支援を出来ればと思います。SEOの会社としては珍しい方向性かもしれませんが、この人たち珍しいなと思って是非お越しください。

詳細:【初心者向け】サイトパフォーマンス向上の為のユーザビリティ改善セミナー
※残席少ししかないみたいなのでお早めにお願いします。

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著者紹介

土居 健太郎(どい けんたろう)
土居 健太郎(どい けんたろう) 取締役

東京大学工学部を2度の留年を経て休学し、復帰すること無く中退。その後フリーターとして飲食店で働くも、ひょんなことから2009年ナイル株式会社に参画。2010年よりWebコンサルティング事業部 事業部長としてWebコンサルティング事業の立ち上げに従事。その後執行役員を経て、2015年、取締役に就任。「Appliv」にもサービスリリース時よりSEO/サービスグロース面から携わる。著書に「10年つかえるSEOの基本」がある。

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