サービスサイトのSEOを成功させるための「4つの心得」

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サービスサイトのSEOを成功させるための「4つの心得」

こんにちは、Webコンサルティング事業部でコンサルタントをしている平塚です。最近はMFIや日本語アップデートの件が世間では賑わってますね。そんな世間の波には乗らず、今回はサービスサイトをテーマにお話します。

自社のサービスサイトやブランドサイトを運営している方の中には、SEOでの集客が不可欠と考えている方もいるでしょう。弊社にお問い合わせをくださるお客様の中にはサービスサイトのSEOについてのご相談も多々ありますが、「前提として知っておいてほしい」ことをご契約前にお伝えしています。

今回は、サービスサイトのSEOを行う・外部に依頼する上で良くある『つまづき』を防ぐために知って欲しい「心得」を、弊社のサービスサイトであるSEO HACKSを例に交えて解説します。

\疑問や不明点はお気軽にご質問ください!/

サービスサイトとは?

本題に入る前に、前提として今回テーマとするサービスサイトは以下のようなサイトを想定しています。

SEO HACKSのTOPページ

※弊社で事例紹介させていただいているクライアント様のサイトです。詳しくはこちらをどうぞ

今回お話するサービスサイトとして想定しているのは、「企業などが提供する、Web上で自社商品やサービスの購入・問い合わせを行なえるWebサイト」のことです。

例えば弊社のSEO HACKSはコンサルティングサービスの導入の問い合わせができるサービスサイトですし、上記のライオン様のブランドサイトも自社商品の購入をWeb上で誘導するためのサービスサイトと言えます。(※明確な定義が出来るものではありませんので、今回はかなりざっくりとした分類をしております。)

サービスサイトでよくある集客上の課題感

サービスサイトを運営されている方々は、このような課題感を抱えていることが多い印象があります。

  • SEOを考慮したサイト設計にしたはずなのに、いまいち検索経由の集客の母数が増えてない
  • 自社サイトよりも、アフィリエイトサイトやECサイトのほうが圧倒的に成果が出ている
  • 上位表示したい「とあるビッグワード」の順位がまったくつかない
  • 潜在的なユーザーが検索するようなキーワードから流入してほしいが、なかなか成果が出ない

この記事がこれらの課題感に対するなにがしかのヒントになれば嬉しいです。

サービスサイトの特性・役割

さて、サービスサイトの役割はなんでしょう?サービスサイトの役割は様々なものがあるかもしれませんが、一番重要な役割は「自社サービスの情報を正しくユーザーに伝えること」です。

サイトによって、ブランドの認知、商品の購入、問い合わせなどゴールポイントは異なってきますが、

  • 企業情報
  • サービス、商品内容
  • 価格や他社商品との違い

などの情報は最低限掲載しているはずです。だって商品やサービスのことが全然具体的に書かれていないのに、そのサイトで購入しようとは思いませんよね?

またサービスサイトの役割上、掲載できる情報に限りがあるため、データベースから大量のページを生成する賃貸情報サイトや求人情報サイトのようなポータルサイト、記事を大量に保有するニュースメディアサイトに比べてサイト規模が小さくなる傾向にあります。

 

参考:ナイル流、SEOの方程式

ここからの話に大きく関わってきますので、簡単にご説明します。

seoの方程式

参考:2015年、確実に成果を出すためのSEOの方程式

SEOでは、この方程式で言う右辺の絶対値を増大させることにより検索トラフィックを伸ばすということを意識しています。

右辺の「Web資産の総量(コンテンツ + リンク) 」×「資産価値(リンク × 品質 ÷ コンテンツ)」×「コンテンツの検索需要の総量 」は、SEOの基礎体力であり検索流入量の上限値とも言えます。この数値が増えればSEOで得られる成果の絶対量が増えるということです。

一方、右辺の「キーワードの最適化(0~100%)」「サイト仕様の最適化(0~100%) 」はあくまでも「SEOにおける基礎体力≒資産」を効率よく検索流入に転換するものであって100%以上大きくすることはできません。

この方程式で何が言いたいかというと、サービスサイトはコンテンツの絶対数が少ない(≒資産が少ない)傾向にあるため、「キーワードの最適化」「サイト仕様の最適化」によるテコは効きづらいということです。

長くなりましたがこれらの前提を元に、本題の「サービスサイトのSEOを成功させるための4つの心得」について解説します。

\SEO対策の基本については↓↓で詳しく解説しています!/

心得1 : 商品名やサービス名が含まれるキーワードを逃さない

当たり前と思われるかもしれませんが、自社の商品名やブランド名、サービス名等のいわゆる指名検索においては、1位に表示されるようなサイト・コンテンツ設計にすることが望ましいです。

こういった指名検索はユーザーが自社を利用する意欲の一番高いキーワードにあたりますが、上位に表示されていないだけで、大きな取りこぼしを起こしてしまう恐れがあります。

例えば健康ドリンクの自社製品名でアフィリエイトサイトやECサイトなどの他のサイトが上位表示されていて、自社サイトは1位表示されていないというのは感覚的にみても喜ばしい状態ではないでしょう。一見当たり前のように思いますが、お問い合わせをしてくる方の中には、ビッグキーワードを重視しすぎていて、自社のサービスや商品名を蔑ろにしてしまっているケースもたまに見受けられます。

 

指名検索におけるSEO施策

基本的な情報は網羅させることはもちろんのこと、自社商品のことをどこよりも詳しく、わかりやすく書くことを心がけて下さい。もちろんこれはSEOの文脈で考えずとも、未来の顧客となりうるユーザーに自社商品のことをより知ってもらい、購入してもらうために必要なことです。

また、サービス名や商品名などの指名検索では、サイトトップや商品ページへユーザーがランディングする可能性が高いため、そこからの導線をしっかりと設計しておくことが大切です。

SEO HACKSの場合だと「SEO HACKS」や「ナイル SEO」といった指名検索キーワードで、トップページにランディングするため、「私たちの特長」「事例」「サービス」「会社紹介」など、ユーザーの方々がそれぞれ気にするであろうポイントへの導線を確保しています。

中でも、SEOコンサルティングのサービス紹介ページでは「SEOにおける課題感」から「私たちの特長」「クライアント様事例」「サービス内容」、「お出しする資料の例」までお客様の求めている情報は全て網羅的に掲載することを心がけています。

SEO HACKSのサービス情報

(画像は旧デザインのもの)

 

自社サービスサイトにどう活かすのか

  • 指名検索キーワードとランディングページを想定してページやコンテンツ設計を行う
  • ユーザーが気にするであろうポイントについてページの中で言及する
  • ユーザーが他に知りたいであろう情報への導線を確保する

以前はWebサイトは営業ツールの一つに過ぎなかったため、特に営業力のある会社だと「詳しい内容は営業担当が説明に行くのでまずは問い合わせしてくれ」というスタンスでWebサイトの情報が簡素な場合が多いです。また最近ですとレスポンシブウェブデザインでスマートフォンにあわせて作っているため、かなりシンプルなWebサイトが増えている印象があります。

単純に上記のようなWebサイトが悪いというわけではなく、今のユーザーはWeb上で情報収集して、比較検討してから問い合わせることが当たり前になっているため、そもそも情報が少なすぎて、または情報はあるけど導線がないためユーザーに見てもらえず、比較検討の土台に乗らないという自体を防ぐことが大切です。SEO云々のためだけではなく、考えてみれば当たり前のことですね。

心得2 : SEOの内部チューニングの効果に過度に期待しない

titleの調整、内部リンクの追加、細かいHTML上の最適化…など、いわゆるSEOの基本的な要件を満たすことだけで、大きな成果を生むことはありません(もちろんできるだけ満たされた方が良いです)。

先ほどもお伝えしたとおり、内部チューニングは先ほどの図で言う、サイトの価値を100%正しく検索エンジンに伝えるために行う「サイト仕様の最適化」に当たります。

SEOの方程式_内部チューニング

内部チューニングはサイトの価値を100%検索エンジンに伝えることは出来ても、150%、200%の価値を出すようなことはないでしょう。

コンテンツ量が大きいWebサイトの場合内部チューニングによるテコが効きやすいですが、ページ数(≒コンテンツ量)が少ないWebサイトの場合、内部チューニングによる大きな効果は期待しづらい傾向にあります。

前述の通り、サービスサイトはその特性上自社の情報がメインとなり、ページ数が少なくなる傾向にあります。なので、競合性の高いビッグキーワードなどで上位表示するためには、内部チューニングだけではなく、上質なコンテンツの追加や被リンクの獲得など継続的な積み重ねが必要です。

自社サービスサイトにどう活かすのか

  • まずは内部チューニングの対象となるページやコンテンツを増やす
  • ページが少ない分、一つひとつのページのチューニングにこだわる
  • 重要ではないページのチューニングに工数をかけない

心得3 : 単体ワードやビッグワードでの上位表示だけを目標にしない

「化粧水」「育毛剤」「虫歯」のような、このユーザーは何を思って検索してきたのか?という検索意図が見えづらい単体キーワードは「虫歯 痛みを抑える方法」のようなキーワードに比べて抽象度が高いため、情報の網羅性やサイトのドメインパワー等が関わってきます。

サイトの情報を充実しサイトの価値を高めていけば、長期的に見て狙っていくことは可能ですが、それだけを目標にするとなかなか成果が見えず取り組みのしがいも無いでしょう。

あくまで大目標の一つと決め、長期的に追っていくようにしましょう。

例えばSEO HACKSは「SEO」という単体かつビッグワードでSEO(検索エンジン最適化)とはというコンテンツが1位に表示※しています。これは主に2つの取組みが功を奏したためです。

※2017年2月12日現在

「SEO」での検索結果

ナレッジグラフでも表示されているため、広告を除いて実質1位と2位に表示されています

ランクインページの情報の網羅性と量

このコンテンツはそもそも「SEO」で上位表示するために作成・チューニングされた記事です。そのため、情報の「網羅性」と「量」を意識して作られています。SEOを語る上で必ずついて回る要素を含めることで、抽象度の高い「SEO」というキーワードで評価されやすいコンテンツとなっています。

また、SEOについて一般的に解説する、どこにでもありそうな普遍的な情報ではなく、ナイルだからこそ言えること、伝えたいことを盛り込んだ、オリジナリティのある読む価値のあるコンテンツにすることを心がけています。

SEOとはのコンテンツ構成要素

 

サイト全体の価値(ドメインパワー)

サービス情報以外のノウハウ情報をコンサルタントが発信することでコンテンツの質と量を担保しています。継続的に情報発信を行うことで被リンクを自然に獲得し、それがサイトの価値となっています。

もちろんこれは「SEO」で上位表示するための取り組みのためだけに取り組んだわけではありません。SEOを気にかけるようなユーザーはどういった検索をするのか、それに対するアンサーをSEO HACKSに準備することによって、結果的にドメインの価値を高まったことによって「SEO」で上位表示しているといえるでしょう。

 

まとめますと、もちろん狙いたいキーワードが難易度の高い単体ワードやビッグワードの対策はおこなうとしても、それだけではなくユーザーに自社のサービスがなんたるか、サービス(とその周辺の情報)に対する情報やスタンスを伝えるために懇切丁寧にページを作った結果として、上位表示したといえます。

なので狙ってすぐにどうにかなるものではなく、本当に上位表示を目指したいのであれば虎視眈々とサイトの価値(≒上質なコンテンツ)を積み上げていく必要があります。

自社サービスサイトにどう活かすのか

  • 単一ワードやビッグワードで検索するユーザーが期待している「情報の網羅性と量」に応えるコンテンツを用意する
  • ページ単位ではなくサイト全体、ドメイン自体を強くする取り組みを継続的に行う
  • 他では手に入らない、自社独自の見解や価値を提供する

心得4 : 潜在層向けに広くキーワードから流入を得たいのであれば、コンテンツを作り込む

上述したようにポータルサイトや比較サイトなどの比べると、サービスサイトは保有ページ数や掲載できる情報に限りがあるため、潜在層へ認知をいかに広げていくかということは、特に重要な事です。

SEOはそういった潜在層に自社サービスを知ってもらうための有効な手段です。いわゆるコンバージョンに近いキーワードやビッグキーワードでは狙えないような潜在層から流入を獲得し、サービスを認知してもらうのであれば、広くキーワードを狙いに行く必要があります。

SEOのことを知っている方ならご存知かと思いますが、ユーザーの問いかけ(キーワード)に対する答え(コンテンツ)を自社サイトに持っていないと、そのキーワードから流入を得ることは出来ません

サービスに直接関係ないキーワード、例えば「Google アルゴリズム」のようなニーズが若干離れるキーワードを広くとりにくのであれば、自社のサービス情報だけじゃフォローしきれないパターンがあるはずです。

SEO HACKSでいえば、Googleのアルゴリズム更新の一つであるベニスアップデートは確かにターゲットユーザーが調べそうなキーワードです。しかし弊社のSEOサービスの情報では拾えません。だから、用語集であったりブログを更新してそういったキーワードを拾いに行くということを行っているわけです。

ただ自社情報やサービスの情報を掲載するだけではこのような広いキーワードは取れません。

※自社サービスの需要が高いキーワード群ではないので、あまり直近の売上貢献になることは少ないです。

SEO HACKSの順位データ

自社サービスサイトにどう活かすのか

  • 潜在ユーザーが検索するであろうキーワードまで広く考える
  • キーワードに対応するコンテンツを用意する(用語集、よくある問い合わせ、ノウハウなど)
  • 潜在層向けコンテンツで流入してくるユーザーにすぐのコンバージョンを期待しない

上記のようなコンテンツを作る際にありがちなのが、検索ボリュームのあるキーワードからひたすらコンテンツを作っていく手法です。もちろんケースによっては成果がでるので必ずしも間違っているやり方ではありませんが、検索ボリュームだけを基準に考えてしまうと、検索ボリュームには表れない顧客になる可能性があるユーザーニーズを見逃してしまうかもしれませんので注意が必要です。

SEOとは検索エンジンを通したマーケティングの取り組みである

お伝えした4つの心得はサービスサイトを検索経由の集客を見込んだ運営、設計する際はぜひ意識していただきたいことです。SEOに対して過度に期待することも、消極的に考える必要もありません。長期的にユーザーの求める情報を積み上げていけば、サービスサイトにおいてSEOによる成果を出すことはそう難しいことではないでしょう。

…余談ですが、SEO不要論は定期的に話題に上がりますね。

今回解説した内容とも繋がりますが、『SEOとはいわゆる内部対策によって「検索エンジンに評価してもらう」だけのもの』という認識だと、確かにSEOは不要と取られても異論はありません。

そうではなく、『SEOとは検索エンジンに正しくサイトを理解してもらうことだけではなく、「顧客に対してキーワードレベルでニーズを把握し、それに答えるコンテンツを用意する」ことでサイトの価値を高め、検索結果でより見つかりやすいサイトに構築していくためのマーケティング手法である』という認識を持っていただければ、自ずと今回解説した4つの心得の意味もお分かりになるかと思います。

自社のサービスサイトが何のために存在していて、どういう人達にどんな情報を提供すればいいのか一度立ち止まって考えてみて、SEOに取り組んでいただければ幸いです。

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編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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