ユーザーのニーズに応えるために、1本の記事を深く厚くチューニングする

ユーザーのニーズに応えるために、1本の記事を深く厚くチューニングする

2011年、業界に先駆けて、メガネのオンライン販売会社としてスタートしたオーマイグラス株式会社。
競合ひしめくメガネ業界にあって、早くからコンテンツマーケティングの重要性を認識し、会社設立の翌2012年にオウンドメディア「Omg Press」を立ち上げた。
オウンドメディアを拠点に、ソーシャルメディアを駆使しながら、オンライン販売から店舗販売、店舗販売からオンライン販売へと、「オムニチャネル戦略」を進める。
Omg Press」を運営するのは、同社でマーケターを務める渡辺洋輔氏。「ユーザーニーズ」をくみ取っていく、コンテンツマーケティングの重要性を改めて実感しているという。
オンライン販売を軸にした「Omg Press」は、今後どんな戦略でどこに向かおうとしているのか。渡辺氏にお話を伺った。

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ブランドのプロモーションから始まったオウンドメディア

――「Omg Press」が始まった経緯を教えてください。

会社(オーマイグラス株式会社)が設立されたのは2011年で、オンラインでメガネを売っていく企業としてスタートしました。「Omg Press」は、翌2012年に立ち上げています。

私がオーマイグラスにジョインしたのは、20176月です。最初は広告物やECサイトのディレクション・運用を行っておりましたが、12月頃から「Omg Press」を含むマーケティング全般を担当しています。

――渡辺さんが加入されて、今はテコ入れをしているフェーズですか?

そうですね。スタート当初の2012年は、コンテンツマーケティングがちょうど流行り始めたころで、数十名のライターを使って、毎日10記事程量産する体制でした。コンテンツマーケティングをやっていくことで、広告に頼らず効率的に集客できるのではないか、というのが狙いでした。

――当時は、どのような記事を配信されていたのですか?

人気アイウェアブランド別の記事が多かったですね。そのほかにも、メガネの選び方やエリアごとの人気メガネ店の記事などがありました。

広告で集めるお客様はリピートにつながりにくい

――これまでの戦略で見つけた課題や、大きく変わってきたことはありますか。

広告で集まるお客様は、リピートにつながりにくい傾向がありますね。

改めて分析してみると、過去の記事から安定的に集客できていることがわかってきました。そこで、いかに効率的に集客を図っていくかを検証して、見直しを図っている段階です。

現在は、集まるお客様の質も良くなってくるという仮説に基づいて、広告費は少しずつ抑えて、コンテンツマーケティングで集客するよう、シフトしています。

――オウンドメディアは、比較的長期的戦略なので、短期的にはどうしても広告に頼りがちになりますよね。

そうですね。KGIはオンラインストアへの効率的な送客ですが、その中で、いかにユーザーのニーズに応えていくかというのが重要な指標になります。

――どのようなニーズをくみ取っているのですか?

やはり検索ニーズですね。検索ニーズを知ることで、仮説を立てやすくなります。意思決定をするときに、「こういった検索ニーズが高まっている」とか「こういった記事が読まれている」という検証ができますので、ユーザーインサイト(深層心理)の仮説が立てられるのです。

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まずはメガネを楽しんでもらうお客様を掘り起こす

――ニーズに合わせて増えてきた記事はありますか?

「メガネが似合わない」といった、メガネの初心者のニーズも拾うことができています。メガネ自体が自分に似合わないと思い込んでいるお客様が、かなりいるんです。そのような方には、「こういう顔型にはこういうメガネが合っています」という、ニーズに答える策を打っています。

ほかにも、「髪型を変えてみてはどうでしょう」とか、「お化粧をちょっと変えてみてはどうでしょう」とか、「コーデをこうやってみたら」とか…。あとは有名人を例に出して、「こういうかけ方をしている人がいる」とかですかね。

――課題解決型コンテンツですね。

そうですね。例えば、「メガネ 似合わない」「メガネ おしゃれ」と検索したお客様への解決策を用意しておく。もちろん、店舗やオンラインストアに誘導はしていますが、まずはメガネをファッションとして楽しんでもらうお客様を掘り起こして、パイを広げていっています。

――店舗との連動はどのようにされていますか?

店舗では、スタッフが直接お客様にヒアリングをして、フィードバックをしてもらいます。店舗への送客はオウンドメディアの大きな役目ですが、逆に店舗からオンラインストアへもつなげるようにしています。

例えば、渋谷店で最初の商品を買ってもらって、そこでオンラインストアの会員になってもらいます。今度はオンラインストアで2本目を買っていただく。オンラインとリアル店舗の往来をする、オムニチャネルとしての最適化をいろいろ試している段階です。

――オムニチャネル戦略の中で、ソーシャルメディアはどんな活用をされていますか?

TwitterやLINEなどを、それぞれ目的別に使っています。
FacebookとTwitterは、基本的にオンラインストアのキャンペーンや入荷状況などが軸で、Instagramは、プライベートブランドのブランディングとして使っています。プライベートブランドは海外にも卸していることもあり、海外からのアクセスも多いので、極力ビジュアルで伝わるように配信しています。LINEは、おもに店舗ごとの集客ツールとして使っていますが、リピーターの確保が中心ですね。店舗で購入していただいたお客様に、友達紹介などのキャンペーン情報や入荷情報を配信しています。今後は、新規獲得も積極的に狙っていきたいと考えています。

過去の記事をチューニングするためにはライターの内製化が必要だった

――記事作成は、どういうサイクルで回されていますか?

週に45記事程度のペースで更新しています。これまで、ずっと外部のライターさんにお願いしていたのですが、結構細かなチューニングをしていくことになったのでライターを内製化しました。

もちろん、新しい記事も書いているのですが、過去の記事をチューニングする比重を高めています。これまで書き溜めてきた記事と同じようなテーマで新しい記事を書くと、過去の記事が弊害になることがあるんです。そうすると、新しい記事を書いてもなかなか検索で上位に上がってこない。そういう検証もできたので、過去の記事をチューニングすることで、上げていくほうが効果的という判断です。週に12本新しい記事を書きながら、古い記事を23本チューニングするということをやっていますね。

――コンテンツのエコサイクルですね。

そうですね。人気記事の上位40本のうち、1位の記事が全体のアクセス数の5%、上位40本で全体の約20%を占めています。ですから、この上位40本の記事の精度を上げていくことで、全体の底上げをしていきたいと考えています。

――求められている記事を、より深く厚くさせていくというイメージですね。

方向性としては、バンバン新しい記事を書いていくより、ユーザーのニーズに近づけていく作業ですね。

こちらの都合で「こういうワードで検索させたい」としてしまうと、外してしまうことが多いんです。計測結果からきちんとユーザーのニーズをくみ取って、オンラインストアへの送客も含めて、取りこぼしのないようにと考えています。

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どんなに商品訴求をしても、読まれなければ意味がない

――過去の記事を深く厚い記事にチューニングしていくための具体的なプロセスをお教えください。

記事の文字数は、6,0008,000字と、しっかりと情報量のある記事でないと、なかなか検索順位の上位を目指せない状況があります。一方で、それだけ労力をかけてもまったく上がらないこともある。そうなると、大きな損失になりますので、まず3,000字ぐらいで書いてみて、比較的上がっていくという傾向が見られたら、それをチューニングしてさらに深く厚くしていきます。

8,000字の記事を書いて、検証して、次につなげるという単純なプロセスでは効率が悪い。なので、1本の記事に対して結果を見て、何度もチューニングをしていき、常にアップデートしている感じになります。ですから、どうしても外注に依存していては難しいので、ライターを社内に置く体制になったという経緯があります。

――今後、コンテンツマーケティングに期待することをお教えください。

当たり前ですが、いい記事を書いても、読まれなければ意味がない。お客様のニーズをくみ取り、どういう記事をあてていくべきか、精査・選定していくプロセスが非常に大事だと改めて実感しています。

コンテンツマーケティングを、「広告の代替手段以上にしたい」という期待はあります。具体的には、早期の段階で見込客と接点を持つことで、よりロイヤルティーの高いお客様をうまく獲得していきたいと思っています。

集客で一定の目標をクリアした後は、企業ブランディングも視野に、バランスをとって取り組んでいこうと考えています。

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編集者情報

大澤 心咲
大澤 心咲
新卒でアクセンチュア株式会社を経て、2018年ナイル入社。
コンサルタントとして大手企業SEO戦略策定・コンテンツマーケティング支援を担当。
現在はナイルのマーケティングとセールスの統括マネージャーとして従事。
著書:「ひとりマーケター成果を出す仕事術

監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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