Googleのランキング要素にPassage Indexingが導入。ページの特定部分での評価が可能に
※本記事は、2020年公開当時の情報を基にした記事です。
ページ内の一部分だけを対象に、検索ランキングに反映するPassage Indexing(※)の導入をGoogleが発表しました。
Passage Indexingへの言及があったのは、 2020年10月15日にGoogleが開催したオンラインイベント「Search On 2020」でのこと。
これはGoogleの検索結果に影響する重要な変更になりますので、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。
※後述の通りインデックスのシステムが変わるわけではないため、誤解を招きかねないという点から、名称変更の可能性をGoogleのジョン・ミューラー氏は示しています。
この記事のポイント
- ページの一部分だけを対象にして、キーワードとの関連性を評価できるようになる
- インデックスの変更ではない
- キーワード全体の7%に影響が出る
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目次
ページの一部分を評価するPassage Indexingとは?
今回、Googleの新しい技術により、ページの一部分だけを対象にして、キーワードとの関連性を評価できるようになります。
この機能を、Googleは「Passage Indexing」と呼んでいます。「Passage」とは「一節」を意味しますが、ページ内の「一文」「一段落」といった意味になるでしょう。
これまでGoogleは、ページ内のすべての内容を対象に、どれくらい検索キーワードと関連するかを評価して、検索結果のランキング付けをしていました。それが、ページ全体だけではなく、ページの一節を対象にして、検索キーワードとの関連性を判断できるようになるのです。
サメ図鑑で例えてみると…
具体例を挙げたほうがわかりやすいかもしれませんね。
ナイルとしての解釈になりますが、1ページで「ホオジロザメ」を紹介する記事があったとします。一方で、さまざまな種類のサメを図鑑のように紹介するページがあったとしましょう。サメのことならば、ほかのどのページよりも詳しく載っているような記事です。もちろん、このページでは、ホオジロザメについても詳しく書いてあります。なにしろ、図鑑のように多くの種類のサメがしっかりと紹介されているわけですから。
これを「A」「B」に整理して考えてみましょう。
- A:1ページでホオジロザメを紹介する記事
- B:1ページで複数のサメを紹介するサメ図鑑記事
「ホオジロザメ」でユーザーが検索したとき、これまではページ全体で評価されるため、「B」は評価対象になっていませんでした。つまり、ホオジロザメ以外の情報も多いため、ホオジロザメの情報だけを書いている「A」よりも、場合によっては、相対的に検索ランキングが下がっている可能性があったということです。
Passage Indexingが導入されることで、ページの一部に適した内容があれば、評価される可能性が出てきます。「ホオジロザメ」と検索されて、「A」「B」どちらも評価対象になるというわけです。
誤解を招きやすいがインデックスの変更ではない
Passage Indexingの導入で誤解を招きやすいのが、インデックスの変更ではないかということ。「ページのURLでインデックスして、評価を付ける」ことは、これまでと変わりません。
ここは少し誤解を生じやすいので、さらに噛みくだいて説明しますね。インデックスとは、作成したWebページが検索エンジンのデータベースに登録されること。インデックスされるのはページ全体です。
Passage Indexingの導入でページ内の一部分がインデックスされるというわけではありません。あくまで評価対象の範囲が変わるという変更になります。
世界的にキーワードの7%に影響を与える
Googleは、Passage Indexingの導入は、キーワード全体の7%に影響が出るだろうと言及しています。世界で検索されているキーワードの7%ですから、かなり大きな影響があるといえるでしょう。
また、Passage Indexingを導入する時期については、アメリカの英語検索においては、2020年11月予定となっています。いつごろ日本で導入されるかは、今のところは不明です。
【ナイルの見解】ユーザーへの影響とコンテンツ作り方について
では、日本でPassage Indexingが導入された場合は、どのようなことが起こると考えられるのでしょうか。ユーザーへの影響やコンテンツの作り方について、ナイルの見解をお伝えします。
ユーザーへの影響は?
まずは、ユーザーへの影響です。これまでは、検索キーワードと関連性が高い内容にもかかわらず、サメ図鑑記事は検索結果に表示されにくい状況でした。
Passage Indexingの導入によって、サメ図鑑記事も検索キーワードに適していれば、評価されて検索結果に反映されることになります。ユーザーが探している情報にアクセスしやすくなります。つまり、本当の意味で、ユーザーが求めているコンテンツ表示へと一歩近づくと言えるでしょう。
もちろん、正しくアップデートされるという前提ではありますが、ユーザーにとっては、Passage Indexingの導入はメリットしかありません。
コンテンツの作り方はどう変わる?
コンテンツの作り方はどう変わっていくのでしょうか。
結論としては「基本的には、コンテンツの作り方を変える必要はない」と考えています。もし、一文一文にさまざまなキーワードとの関連性を持たせようとすると、記事に一貫性がなくなってしまいます。
もちろん、検索エンジンが評価しやすいように、さまざまな見出しにキーワードを置けば、評価される可能性はあります。ただ、検索結果で自サイトを上位に入れるために、従来から行われてきた工夫ともいえます。今回の変更で「コンテンツの作り方を劇的に変える必要はない」でしょう。
SEOについて詳しく知りたい方はこの記事も読んでみてください。
「わかりやすいページを作る」という基本に立ち返ろう
「結局、何も変わらないってこと?裏技的な話はないの?」。そう思うかもしれませんが、Passage Indexingの導入に備えて、特別な対策をする必要はないと考えています。ただし、コンテンツがより正当に評価される可能性は高まったといえるでしょう。
1ページで書いていようが、網羅した内容の中の1コンテンツとして書いていようが、単純に「検索ユーザーが求めているページ」が検索ランキングに反映されやすくなるはずです。そのため、コンテンツを作る際は、記事がよりわかりやすくなるように、これまで以上に気を配ることが大切です。
Passage Indexingの導入は、「丁寧にわかりやすいページを作る」という基本に立ち返るよい機会かもしれません。それが実践できれば、Webコンテンツ全体のクオリティ向上にもつながるのではないでしょうか。
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