【わかりやすく解説】リードタイムの意味と短縮するメリット

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【わかりやすく解説】リードタイムの意味と短縮するメリット

リードタイムという言葉は、ネットショップの普及によりビジネス現場で耳にする機会が増え、その重要性も高まっています。商品を発注・生産してからユーザーの手元に届くまでの「期間」を表すもので、主に流通・製造業で使われている考え方のひとつです。

この記事では、リードタイムの基本的な解説に加えて、期間を短縮させることによるメリットを紹介します。

※営業活動におけるリードタイムの記事は、こちらをご参照ください。

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リードタイムって何?

リードタイムとは、「lead」と「time」を組み合わせた言葉で、「商品の開発から配達までに必要な期間」を表します。

荷物を持っている配達員

また、「物流業務の各工程のスタートからゴールまで」という、物流のオペレーション改善の指標として使われている言葉でもあります。つまり、商品を仕入先に発注したり、工場で生産を開始したりしてから配送先へ納品するまでの時間のことを指します。ECサイトやネットショップの運営者であれば、エンドユーザーに届けるまでの時間といえるでしょう。

リードタイムは短縮することで「顧客満足度が上がる」

リードタイムを短縮することは、少しでも早く商品・サービスがユーザーのもとへ届くということです。

迅速な手配や配送は、当然「顧客満足度の向上」につながります。例えば、同じ商品で価格も同じ2つのショップがあれば、ユーザーは商品がより早く届くショップを選択するでしょう。リードタイムを短縮して他社との差別化ができれば、リピーターがより増える可能性も考えられます。

製造・物流業界で重要視されているのは、まさにこの点にあります。リードタイムの対策を怠れば、競合企業に対する競争力が低下してしまうこともあるかもしれません。

コンサルティングサービスやツールの導入などにも同じことが言える場合があります。そのサービスを導入したいと考えるのは何か課題があるからですが、初回のお問い合わせへの反応、商談期間中の返信など1つ1つの対応期間が長いと、お客様は競合を選んでしまう可能性があります。

日常化するECサイトでリードタイムの需要が高まる

近年では、インターネットを通じた買い物が日常化しています。

ECサイトでは、Amazonのように商品をユーザーの手元にどれだけ早く届けられるかが顧客満足に大きな意味を持つようになりました。いまや、お店に足を運ばなくても、好きな商品を手に入れられるECサイトユーザーが多いのではないでしょうか。

例えば、イベントの日までに一日でも早く商品が到着するように納期をチェックしている人も少なくないはずです。便利に活用できるECサイト需要は伸び続けるとともに、リードタイムが短いこともユーザーメリットに含まれているといえるでしょう。

「リードタイム」と「納期」との違いとは?

リードタイムと似たような言葉として混同して使われがちなのが「納期」です。

「リードタイム」と「納期」とでは、意味が異なります。納期とは、納品完了日のことで「〇月〇日まで」など具体的な期限日のある場合がほとんどでしょう。

リードタイムとは、商品発注から納品完了までの期間のことです。例えば発注日が12月1日の場合、「注文から5日程度でお届け」であれば12月5日前後に届くといった意味合いになります。そのため、12月4日や6日に届くこともあるでしょう。リードタイムは、日付の特定ではなく「時間・期間」を示すものなのです。

リードタイムには4種類ある

リードタイムを短縮するには、現場の状況を把握し、業務の適切な見直しを行う必要がありますが、その工程は大きく4つの種類に分けられます。

それぞれ見ていきましょう。

リードタイムの種類4

開発リードタイム

開発リードタイムとは、「商品・サービスを企画してから、実際に完成させるまで」の期間のことです。

リードタイムを短縮し、トレンド商品を消費者の熱が冷めないうちに送り届けることができればビジネスチャンスにもつながります。しかしただ、やみくもに短縮を進めると、かえってコストや人件費の増大にもなりかねません。仕入れ先の変更や、どの技術・どの素材を利用するかなど、優先順位を付けて対応するのがおすすめです。

調達リードタイム

調達リードタイムとは、「企画時に決めた原材料を仕入れ先から調達し、納入するまで」の期間のことです。

海外からの取り寄せであれば、時間はある程度かかる可能性があります。仕入れ先にリードタイムを短縮できないか交渉したり、改善点があれば提案したりすることを検討しましょう。

生産リードタイム

生産リードタイムとは、「生産開始から、予定した商品数ができるまで」の期間のことです。

自社ですべての生産工程を完結させるケースと、外注先で一部の生産を行うケースがあり、それによってリードタイムの対応も分かれるでしょう。人員を適材適所に配置したり、最新設備に切り替えたり、ソフト・ハード両面から適宜見直しを行いながら短縮を図ります。

配送リードタイム

配送リードタイムとは、「完成した商品・サービスを発送し、ユーザーへの配達が完了するまで」の期間のことです。

ECサイトで表示される「注文から到着まで」が、この配送リードタイムです。ユーザーからの注文後、ピッキングから検品・梱包、トラックに商品を積んで配送するまでになります。多くの人材が必要な工程のため、倉庫管理システム(WMS)を活用するのもひとつの方法です。

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リードタイムを短縮するメリット

顧客満足度の向上につながる「リードタイムの短縮」は、企業側にとってどのようなメリットがあるでしょうか。

改めて考えてみましょう。

リードタイム短縮のメリット3

販売機会を増やせる

単純に商品をスピーディに届けられるようになれば、1回の顧客対応にかける時間が短縮されます。

その結果、より多くの注文を受ける機会が増えることになります。もし、リードタイムが「3日間」の商品の場合、1ヵ月に30日稼働できる倉庫では月に10回転が理論上可能です。ところが、リードタイムを2日間に縮小できれば、月に15回転もできるようになるのです。

実際にはさまざまな条件が重なり合って理論通りにいかないケースもありますが、リードタイムを短くすれば、これまで以上の注文数を処理できるということには変わりません。より多くの注文を処理できるのであれば、それだけ受け付けられる注文数も増加して収益の向上を見込めます。「販売機会を逃す可能性も低くなる」と言い換えることもできそうです。

在庫リスクが軽減できる

リードタイムが短くなると、倉庫内の在庫リスクを抑えていけるというメリットがあります。

商品の保管が長期化すれば、劣化に伴う廃棄の可能性も高まりますが、出荷の回転が速いことで在庫リスクを低い状態に保つことが可能となります。併せて、過剰在庫による倉庫作業でのヒューマンエラーも起こりにくくさせ、人件費や作業環境、作業スペースなど保管コストの削減にも寄与するでしょう。

また、在庫の回転率が高まると、現金化されるペースも速まります。キャッシュフローの改善にもつながって運営が健全化するでしょう。

他社との差別化ができる

リードタイムを他社より短くできれば、「差別化」に直結します。

インターネット販売が一般化して以来、早く商品を届けてくれるショップに対して、ユーザーは価値を感じる傾向にあります。リードタイムどおりの期間できちんと商品が届けられれば、一回きりの注文ではなくリピーターも増えることでしょう。

安定的な売上を上げ続けるためにも、リピーターの存在は非常に大切です。ただし、配送の品質には十分に目を配らなければなりません。商品を届けるのが早くても、破損や不良品などがあれば一気に信頼を失います。

クレーム対応も含めたユーザーからの問い合わせへの対応も怠ることのないようにし、そのような体制作りも「他社との差別化」につながるのです。

顧客ニーズの面からリードタイムの短縮を

リードタイムの短縮方法は千差万別で、職種の違いによっても大きく異なります。

今回は、さまざまなビジネスシーンで取り入れられるようになっている「リードタイム」の概要や短縮によるメリットについて紹介してきました。

例えば、ECサイトなどで顧客に知らせる配送期間は、上述した4種類のうち「配達リードタイム」であることがほとんどです。どの工程において、どのような形でどの程度リードタイムの短縮を実施できるかは重要なポイントとなります。

また、取り組むにしてもコストのかかることが大半で、かけられるだけの予算があることが前提となりますが、「リードタイムの短縮」は顧客からのニーズが非常に高いだけに、ぜひとも取り入れたい考え方といえます。

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編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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