定量分析の方法とは?具体的な分析手法を解説

定量分析の方法とは?具体的な分析手法を解説

数値データを元に客観的な状況を分析する定量分析。事実に基づいた分析が行えるため、説得力が高く関係者間で共通認識が持ちやすいという強みがあります。そんな定量分析には、どのような分析方法があるのでしょうか。

ここでは、具体的な定量分析の手法や分析の際に注意すべきポイントについて解説します。

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定量分析とは

定量分析とは、数値データを元に分析・評価する手法のことです。Googleアナリティクスなどのアクセス解析データや売上業績の数値など、数値として可視化されているデータを分析し、課題点を見つけ出したり今後の成長予測を立てたりするために用います。

「昨年同月比でPV数が2倍になった」「昨年度と今年度で売上は130%伸びた」といった数字の結果は誰が見ても明らかで、関係者間で課題や現状に対する共通認識を持ちやすいことがメリットです。また、プレゼンを行う際に客観的なデータを示すことで、説得力が増すのもメリットといえるでしょう。

一方、数値データはあくまで「何が起こったか」を示すものであり、「なぜそうなったのか」という背景や理由は仮説を立てて推測するしかありません。この点を深掘りするためには、ユーザーインタビューなどで定性分析を行い、仮説検証する必要があります。

定量分析の方法

定量分析にはいくつかの代表的な方法が存在します。その内容を具体的に見ていきましょう。

定量分析 方法

Googleアナリティクスのアクセス解析

Googleアナリティクスのアクセス解析は、定量分析の定番ともいえる方法です。Googleアナリティクスでは、PV数やセッション数、コンバージョン数、サイトの滞在時間など、あらゆる指標をデータとして蓄積することができます。「コンバージョン率は高いもののPV数が低いページがある」「あるページへの導線を強化した結果、先月よりもPV数が50%上昇した」といったように、課題や成果をデータに基づいて評価することができます。

例えば、コンバージョン率が高くPV数が低いページに関しては、SEOを強化したり導線を改善したりといった改善施策を検討できるでしょう。また、PV数が上昇したページの場合はさらにコンバージョン率を高めるため、コンテンツの内容を拡充したり問い合わせフォームへの導線を強化したりといった施策が考えられます。このように、アクセス解析のデータを元に、さらなる改善施策を検討・実施することが重要になります。

選択式アンケートの結果分析

「この商品の満足度を1~10点で評価してください」といったような選択式アンケートの結果も定量分析に用いることができます。顧客の属性や満足度、興味・関心などを数値データとして収集することができ、心情や状況などを分析するのに役立ちます。

選択式アンケートは、店舗やイベントなどでアンケート用紙を配布して協力してもらうもの以外に、インターネット上でアンケートを実施してユーザーから協力を仰ぐものもあります。十分なデータ量を確保するためにも、インセンティブなどを用意してできる限り多くのユーザーに協力してもらえるよう工夫し、アンケートを実施してもいいでしょう。

ABテストの結果分析

ランディングページやウェブ広告などを複数パターン用意し、どのクリエイティブが最もコンバージョン率が高かったのかを分析するのがABテストです。ABテストではクリエイティブごとのコンバージョン率をチェックできるため、「なぜAパターンのほうがBパターンよりコンバージョン率が伸び悩んだのか」「Bパターンが評価されたポイントはどこだったのか」など、仮説を立てながら定量分析を行います。その上で、一本化するクリエイティブを判断したり、今後のクリエイティブの参考にしたりと、今後の施策に役立てましょう。

POSデータの分析

レジを導入している店舗の場合、POSデータも定量分析に活用することができます。POSデータには商品別の売り上げデータや購入者の年代・性別データなどが蓄積されています。例えば、ある商品が30代女性によく売れているという分析結果が得られた場合、「20代女性向けの広告が中心だったところを、30代女性向けのクリエイティブに変更する」「店頭のPOPのテキストを改善して、本来のターゲットにも手にとってもらえるようにする」といったような改善施策が検討できるようになります。

商品のモニタリング調査

選択式アンケートなどによる商品のモニタリング調査は、商品への認識や満足度を数値データ化する上で役立ちます。商品の愛用者からの意見を募ることができ、定期的にモニタリング調査を行うことで、顧客満足度の推移やニーズの変化などを捉えることができます。

定量分析を行う際の注意点

ただ数値データを眺めているだけでは有効な定量分析を行うことができません。定量分析では、以下の点に注意して実施するようにしましょう。

十分なデータ量を確保する

定量分析で正確な評価をするためには、十分なデータ量が必要になります。例えばアクセス解析の場合、2~3日程度のデータでは偏りが発生している可能性があり、誤った判断を下してしまう可能性があります。最低でも1ヵ月~数ヵ月のデータを蓄積した上で定量分析を行いましょう。また、選択式アンケートも数人からの意見では正確な傾向が読み取れません。数百人単位のデータを集められるよう、協力者募集の際には工夫が求められます。

仮説を立てて分析する

定量分析では、さまざまな数値データを扱います。漠然と数値を眺めていても、その数値が何を意味しているのかは読み取れません。仮説を立てながらデータを読み、「なぜこの数値はこうなっているのか」「なぜ想定よりも低い結果になっているのか」と検証しながら分析しましょう。

また、改善施策を実施する際には、その根拠とした仮説をテキストで残しておくことをおすすめします。「こう考えたから、こう改善した」という仮説の記録が残っていれば、その後の効果検証の時に実際にそうなったのかをチェックすることができます。想定通りの結果が出ていればさらなる改善を目指したり、別の課題の改善に着手したりしましょう。想定通りになっていなければ、仮説が誤っていた可能性があるため、別の改善施策を模索していきます。

定性分析も行いデータを深掘りする

定量分析では数値データを元に客観的な状況を分析できますが、「なぜそうなったのか」という点については仮説を立てるしかありません。その弱点を補えるのが定性分析です。

定性分析とはユーザーインタビューや自由回答式アンケートなどを通し、顧客の本音や心理を探る分析手法のことです。定量分析で課題を明らかにし、なぜそうなってしまったのかを定性分析で調査すれば、データを深掘りして具体的な改善施策につなげることが可能です。数値で表すことのできない顧客の心理状況を把握するためにも、適宜定性分析を活用してデータを分析しましょう。

定量分析の方法を理解してマーケティングに活かそう

定量分析にはさまざまな方法が存在することを解説してきました。分析できる対象や活用できる施策が異なるので、それぞれの方法についてよく理解してマーケティングに活用するために実施しましょう。

なお、ナイルでは、豊富な経験・データに裏付けされたコンサルティング力で、サイト改善の支援が可能です。大きく3つのステップに分けて、対応させていただきます。

  • 調査・設計:現状のヒアリングやKPIの設定、ツールの導入などを行う
  • 分析:アクセスやヒートマップの分析、ユーザー行動観察などを行う
  • 改善:施策の効果検証や定例レポーティング作成、継続施策の提案などを行う

状況をヒアリングした上で、段階的にサイト改善を行っていきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。

編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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