【最高打率57%!】Google Discoverに表示されるコツ――124記事検証してわかったこと

加藤 直子

著者:加藤 直子

公開日: | 更新日:
【最高打率57%!】Google Discoverに表示されるコツ――124記事検証してわかったこと

Google Discover(以下、ディスカバー)とは、ユーザーが興味・関心のあるコンテンツを、Googleアプリなどに自動的に表示する機能。

ディスカバーに掲載されることで、Webサイトへのアクセスを一時的に飛躍的に伸ばすことができるほか、それまで接点のなかったユーザーからのアクセスが期待できます。

しかし、ディスカバーに表示されるかどうかはGoogle次第のため、運営者側がコントロールすることはできません。ただ、表示される可能性を高めるコツはあるようです。

そこで今回は、ディスカバー表示を狙った記事づくりに取り組み、仮説・検証サイクルを回した結果、月間の表示率が最大で57%にのぼったスマホアプリ専門メディア「アプリブ」編集部の辻美紀子に、ディスカバーに表示される可能性を高めるコツについて聞いてみました。

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<話を聞いたのはこの人!>

辻 美紀子 ナイル株式会社 メディア&ソリューション事業部 アプリブ編集部 デスク

辻 美紀子
ナイル株式会社 メディア&ソリューション事業部 アプリブ編集部 デスク

新卒で入社した総合出版社で文芸書や実用書の編集を手がけた後、食品系や旅行系の事業会社にてオウンドメディア編集のほか販促・広報にも従事。ナイルでは、カルモマガジン編集部を経てアプリブ編集部に在籍する。多様な業界で培った編集力と経験を活かし、ユーザーにわかりやすく価値ある情報を発信すべく奮闘中。

Google Discoverに表示されるメリット

Google Discoverは、ユーザーの興味・関心に合わせてパーソナライズされたコンテンツを自動的に表示するGoogleの機能です。

Google Discoverのホーム画面

Google DiscoverのTOP画面

検索という能動的な行動によって表示されるのではなく、ユーザーが「知りたい」と思うであろう情報をGoogleが予測して表示するため、多くのWebメディアがその影響力に注目してきました。

ディスカバーに表示される最大のメリットは、短期間でのアクセス数の増加

潜在的なユーザー層にアプローチでき、ターゲットに近い良質なユーザーの獲得につながるため、ブランド認知の向上やエンゲージメントの強化も期待できるでしょう。

ディスカバーに表示されるための最低条件は、Google検索におけるSEOと共通しています。

具体的には、次の項目が満たされていればOKです。

<Google Discoverに表示される必須条件>

条件 概要
インデックス登録済みである ディスカバーに表示されるには、該当ページがGoogleのインデックスに登録されている必要がある。
未インデックス状態では表示されない。
モバイル対応ページ(モバイルフレンドリー)である ディスカバーはモバイルデバイス向けのフィード機能のため、PC専用ページは対象外。
HTTPSで配信されている HTTPを使用しているWebサイトのみがディスカバー表示の対象になっている。
コンテンツポリシーを満たしている ハラスメントやヘイトコンテンツではないなど、Googleが公開しているディスカバーのコンテンツポリシーを遵守している。
検索結果に表示可能なページである(noindexでない) ページがnoindex指定されていると、インデックスされない=ディスカバーにも表示されない。
非ログイン状態でアクセス可能である ディスカバーに表示されるコンテンツは、誰でもアクセスできるものに限られる。
ログイン限定ページなどは対象外。

 

124記事検証してわかった、Google Discover表示の可能性を高めるコツ

Google Discoverに表示される5つのコツ

ここからは、アプリブ編集部が実際に検証し、ディスカバーに表示される可能性を高める上で効果的だった条件を、アプリブ編集部の辻に紹介してもらいます。

1 自サイトがどういったジャンルの専門家だとGoogleに認知されているかを知る

ディスカバーに自サイトの記事を表示させたいなら、SEOにおけるエンティティと考え方は同じで、まず「自サイトがどういったジャンルの専門家であるか」をGoogleに理解してもらうことが必須です。

その上で、自サイトがどういったジャンルの専門家であるとGoogleに認知されているかを知る必要があります。

アプリブの場合は、これまでの実績から「アプリに精通しているメディアである」ということをGoogleは理解していました。
ただ、その中でもさらに限定されたアプリ情報に特に強いとGoogleに見られていたようです。

例えば、飲食店やショッピング系の公式アプリ、大阪・関西万博や東京都など公的機関が出しているアプリに関しては、アプリブの記事がディスカバーに表示されやすい傾向にありました。

「アプリブ」のエンティティ構造

飲食店やショッピング系の公式アプリの場合は、公式がサイトで公開している情報だけではわからない、実際にアプリを使ってみた上でのレビューを公開していたことが評価されたと考えます。

<ディスカバーに表示された記事例>
リニューアルした『バーガーキング』アプリは使えば使うほどお得!気になる内容をまとめました
3本も無料でもらえちゃうサントリー専用自販機アプリ『ジハンピ』がアツい!『Coke ON』との違いは?

また、公的機関が出しているアプリの場合は、欲しい情報がいろいろなところに散らばっていて、ひとつにまとまっていないケースが多いので、それをうまくまとめて記事にしていたのが良かったんじゃないかと思います。

<ディスカバーに表示された記事例>
都が開始した『東京アプリ』は都民以外も使える!? 気になる機能や今後の展開を解説
大阪万博は公式アプリ『EXPO 2025 バーチャル万博』で予習がおすすめ!現地で使う関連アプリ情報もお届け

ただ一方で、LINEやFacebookといった規模の大きいツールに関連するアプリだと、ほかにも取り上げるメディアが多くあるのでディスカバーに表示されにくい…というのがあると感じました。
そこがちょっと難しいなと思ったポイントでもあります。

このように、Googleが「このネタを掲載する場合は、このメディアからの情報発信が適している」と判断してもらえるようなサイトづくりをしていくこと、そして、自サイトがどのテーマに関して評価されているかを具体的に知ることが大切です。
ただそれは、実際に記事を出してみないとわからないところではあります…。

2 “新しい”だけじゃなく“ユーザーが知りたい”タイミングで出す

ディスカバーでは、ユーザーがそのとき知りたいであろう情報(=トレンド情報)がピックアップされます。

例えば、各家庭でエアコンが多く使われるタイミングに、「節電につながるエアコンの使い方」を紹介する記事、大阪・関西万博が話題になったタイミングに「大阪・関西万博の注目グルメ」を紹介する記事が表示される、といったイメージです。

アプリブの場合なら、新しいアプリがリリースされたタイミングで記事にすることはできますが、その企業やアプリが話題にならないと検索行動が起きにくいため、最新情報でもディスカバーに取り上げられづらい傾向があります。

<トレンドのタイミングにディスカバー表示された記事例>
ゴールデンウィークにイッキ読み!期間限定で全話無料・無料話拡大で読めるおすすめ漫画タイトル13選
【大阪・関西万博攻略】アプリも活用!予約当選確率アップ&効率よく回るコツ

そのため、ユーザーの“知りたい状態”が高まっているタイミングで、それに対応する記事が存在していると、ディスカバーに表示されやすいといえるでしょう。

ただ、必ずしも公開直後の記事だけを表示するわけではないようで、数日前に公開した記事が突如ピックアップされるケースもありました。

3 ピンポイントなネタで勝負する

これは一概には言えないところかもしれませんが、アプリブの場合は、ひとつの記事の中でいくつかのジャンルの話が混在する記事はディスカバーに表示されにくい傾向がありました。

具体的にいうと、次のような記事です。
大学入学共通テスト直前! 受験生なら今すぐ入れておきたい便利アプリ・サービス8選

この記事は、受験生におすすめの「天気予報アプリ」「リラクゼーションアプリ」など、さまざまなジャンルのアプリを紹介する内容になっており、やはりディスカバーには表示されていません。

これはおそらく、ひとつのジャンルにフォーカスしていないことが要因ではないかと考えた私たちは、同種のアプリで、ひとつのジャンルにフォーカスしていない記事(混在記事)と、ひとつのジャンルにフォーカスしている記事(特化記事)を両方制作して検証することにしました。

<混在記事>
送別会シーズンに必須!卒業式・謝恩会・卒業パーティーなどで感動を演出するアプリ9選

<特化記事>
思い出の写真をステキにまとめるならスライドショーアプリ! 初心者でも無料で簡単に作れるおすすめ4選

すると、仮説のとおり混在記事はディスカバーには表示されず、特化記事は表示される結果に!

つまり、ディスカバーに表示されたいなら、テーマを広く取るより、できる限り絞ってみると良さそうです。

4 独自性の高い情報を入れる

これはディスカバー対策というだけではないのですが、やはり検索においてE-E-A-Tを重要視するGoogleのサービスですので、独自性の高い情報がある記事は表示されやすいと思います。

アプリブの記事で意識しているのは、実際にアプリを使ってみた上で書くこと。

アプリを使ってみてどうだったかを動画やスクリーンショットを交えて解説したり、類似アプリと比較してどう感じたかのレビューを入れたりと、アプリブ独自の見解を交えることを大切にしています。

<独自性の高い情報でディスカバーに表示された記事例>
【検証レポ】あなたの街の桜はいつ咲く?『ウェザーニュース』のAI開花予想が当たるか試してみた
フリマアプリ『メルカリ』『Yahoo!フリマ』『楽天ラクマ』『Yahoo!オークション』を比較 実際に出品して売れやすさを調査してみた

5 どういうテーマの記事かが明快なタイトルにする

これはディスカバーに表示されるためのGoogle対策なのですが、何を扱っている記事なのかがわかるようなタイトルにしないと、そもそも取り上げられない傾向があります。

ただ、ほかの記事ではちょっと釣りっぽいタイトルでもディスカバーに表示されているケースはあるので、一概には言えませんが、少なくともアプリブは何かしらの“解説”をテーマにした記事なので、基本的には内容がよくわかるタイトルを心がけていました。

もちろんディスカバーに表示されることがゴールではなく、記事に到達してもらうことが目的ですので、ユーザーがクリックしたくなるような惹きのある文言は必要です。

ディスカバーは、タイトルが大体50字くらいまで表示されるので、その中で言えれば…という感じに考えていますね。

Google Discoverについてよくある疑問

ここからは、ディスカバーにコンテンツが表示されてほしいと考えるWebサイトの運営者が気になるであろう疑問について、辻に聞いてみました。

検索結果がGoogle Discoverの表示状況に影響することはある?

記事の検索順位がディスカバー表示に影響するかどうかは、現状定かではないです。

ただ、記事のネタ選びでは検索状況を意識したほうがいい、というのはわかってきていますので、質問の内容からは外れるかもしれませんが、ポイントを紹介します。

具体的には、次のような傾向がありました。

検索上位に公式サイトが表示されるネタは難しい

アプリブでは、飲食店アプリの解説記事がディスカバーに掲載されやすかったとはいえ、そうでないケースももちろんあります。

その場合は大抵、関連キーワードの検索結果を公式の解説ページが占めていました。

公式が十分な情報を提供しているテーマは掲載されにくい傾向があるため、ディスカバーを狙うなら記事作成前に検索して確認しておくといいでしょう。

ニッチでも検索需要のあるネタは表示されやすい

アプリブは、1次情報をメインにした記事が多いものの、通常よりも内容が充実していない記事でも思いがけずディスカバーに表示され、流入数が一気に上がった記事がありました。
それが、次の記事です。

スーパー「ハローズ」にアプリが登場 新規アプリ会員登録キャンペーン実施中!

「ハローズ」は広島・岡山を中心に展開しているローカルなスーパーマーケットで、その公式アプリを紹介している記事になります。

アプリブの記事は通常、アプリの利用方法をみずから操作した上で紹介していますが、スピードを重視(最新情報を最新のうちに出す)し、利用方法をそこまで解説しない記事も制作していました。

これもその一環で、あえて深く解説せず「詳しくは公式サイトをご覧ください」という形にとどめて、公開してみたんです。

すると、これはディスカバーに表示された上、しかも長いあいだ出続けていたので、流入数もかなりありました。
ここから、「スーパーのアプリに強いのではないか」という仮説も生まれています。

スーパーのアプリは、顧客がチラシを見るために使っているケースも多いので、アプリを持っている人はもちろんGoogle検索はしません。

ただ、「ハローズ」の公式アプリはそれまでなかったので、毎日のようにGoogle検索をしてチラシをチェックしている層が少なからず存在していたんですよね。

そこにきて、アプリブで「公式アプリが出た」という情報を出したので、日々Googleでチラシ検索をしていたユーザーのディスカバーに表示され、流入数も跳ねた…というのが背景にあると考えます。

このように、ニッチなエリアやテーマでも検索需要が一定あるものは、ディスカバーでも取り上げられやすいといえるでしょう。

アイキャッチ・サムネイルの工夫でGoogle Discoverの表示確率は上がる?

アプリブの記事一覧ページ

アプリブの記事一覧ページ

アイキャッチやサムネイルは、ディスカバーの表示には関与しないと思います。

ディスカバーで表示されるかは、やはり自サイトのエンティティと取り上げるネタ次第なので、タイトルを意識することのほうが大切

ただ一方で、ディスカバー表示後のユーザーのクリック率には影響するかなと思い、アプリブでもいろいろ検証してみたのですが、正直よくわからない…が実際のところです。
画像の上に文字を載せても・載せなくても、画像が寄りでも引きでも、そこまで大きく違いはなかったですね。

ただ、これは記事のジャンルにもよるかもしれません。

例えば、食べ物に関する記事など、画像をメインで見せたい記事であれば、おいしそうな食材やメニューの画像をアイキャッチにするといった工夫があるといいでしょう。

そうでなければ、テキストなし・イメージカットのみで作ったアイキャッチでも問題はなさそうです。

Google Discoverに表示されるには、仮説・検証のサイクルを回すことが重要

ここでは、アプリブが検証してわかった、ディスカバーに表示される可能性を高める方法を紹介しました。

ある程度は、すべてのWebサイトで参考にできるコツを紹介していますが、いかんせんひとつのWebサイトでの検証をもとにしているため、すべてにおいて適用されるものかは正直わかりません。

辻は、「“負け筋(ディスカバーに表示されない記事のパターン)”を見つけることで、おのずと“勝ち筋”は見えてくる」と言っていましたが、やはりまずはいろいろ試してみて、仮説・検証のサイクルを回していくことがすべてかと思います。

その足がかりとして、本記事が参考になれば幸いです。

また、「(2025年)6月頃からまたちょっと変わった気がする…」とのことで、ディスカバーのアルゴリズムも日々変化しているようです。今後も検証を続けていきます!

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