さまざまな業種・業態のサービスの“満足を情報化”する「オリコン顧客満足度ランキング」を2006年より発表している株式会社oricon ME(オリコン エムイー)。
ナイルではサイト内の「自動車保険」「ペット保険」「外貨預金」「ネット証券」の各ランキングページをはじめ、合計8ジャンルのSEOやコンバージョン改善、コンテンツ制作をご支援しています。
コラム記事の制作やリライトを通して、各ジャンルとも流入数を増やすことに成功し、CVRの向上などの成果が出ています。
<オリコン顧客満足度®とは>
オリコンは、「事実を情報化する」という経営理念のもと、客観的、公平な立場から事実を情報化し広く提供してきました。そのグループ事業として、2006年より、さまざまな業種・業態のサービスの”満足を情報化”する「顧客満足度(CS)調査」を開始。特定の企業や個人から受託されたものではなく、実際にサービスを利用したことのあるユーザーのみを対象に第三者の公平な立場で独自に企画・調査を行っています。目次
2023年5月~
お客様にご提案し、実施した施策を紹介します。
ジャンルによって記事が多いもの・少ないものとありましたが、中にはFAQや古いニュース、質を高める余地のある記事が乱立していました。
そこで、カテゴリの整理をした上で、各ジャンルのコラム記事を新規で制作。
さらに、当時の流入量やエンゲージメント時間などを確認の上、品質面で改善余地がある既存記事のリライトや統廃合、作り直しなどを実施しています。
初期調査の結果、オリコン顧客満足度ランキング自体は厳正な調査をもとに作成され、信頼できるものである一方で、Webページ上では情報の見せ方やデザインの問題から、その信頼性が十分に伝わっていないことが課題として浮かび上がりました。
そのため、各ジャンルのランキングトップページのファーストビューを改善。
ランキングが信頼できるものであることを読者に漏れなく伝えるために、どういう形で調査を行っているかなどの説明文を追加しています。
自動車保険 ダイレクト型のランキングトップページ(2025年7月現在の情報)
ナイルとのお取組みにおけるKPIを「各ジャンルのランキングトップページの訪問数」に設定し、口コミページや記事ページなどからランキングトップページへの送客を増やす導線を追加しています。
また、送客先であるランキングトップページの使い勝手を良くする取り組みも。
ランクインした企業のサイトへの送客がコンバージョンとなっているため、各ジャンルの送客状況をジャンルごとに比較し、それぞれの課題に合わせたコンバージョン改善施策を実施しました。
当初より、内製化を目指すことを前提にご発注いただいておりました。
ナイルのコンサルティングを通してお客様社内でノウハウを取り入れていただきつつ、別途SEOとコンテンツ制作に関する内製化勉強会を実施しています。
内製化勉強会の資料の一部
上記の施策を行った上で、どのような成果が出たのかを紹介します。
既存のコラム記事のブラッシュアップや新規記事制作を行い、主要キーワードを含む多くの記事で順位上昇。
特に、ハウスメーカーやバイク保険など、元々記事が少なかったジャンルにおいて流入数が増えています。
それに伴い、KPIとしていたコラム記事から各ジャンルのランキングトップページへの遷移数も向上しました。
<ハウスメーカー 主要キーワードの現行順位>
ハウスメーカー ランキング 4位
ハウスメーカー おすすめ 6位(お取組み開始前)→ 3位
ハウスメーカー 口コミ 1位
<バイク保険 主要キーワードの現行順位>
バイク保険 おすすめ 5位 → 3位
バイク保険 ランキング 3位
バイク保険 比較 7位
コラム記事からランキングページへの流入が増加したことで、ランクインした企業のサイトへの送客数(コンバージョン数)の向上も顕著になっています。
今回は、株式会社oricon MEの菅原龍平氏と、本プロジェクトを担当するナイルの西脇遼平、大脇功暉、山口航に、お取組みの内容について話を聞きました。
――まずは「オリコン顧客満足度ランキング」の概要と目的について教えてください。
株式会社oricon ME 菅原龍平氏(以下、菅原):2006年8月に「オリコン顧客満足度調査」をスタートしました。
当時、サービスの提供者と消費者とのあいだにある、“情報格差”に起因した消費者トラブルが社会問題になっていました。
そこで、「本当に消費者が満足しているサービスは何か」を情報化して、暮らしの満足を高める情報の提供を目的に、実際に商品・サービスを利用したことがあるユーザーだけを対象に調査し、ランキングとして発表しています。
自動車保険 ダイレクト型の総合ランキング・口コミ(2025年7月現在の情報)
――市場シェアや認知度ではなく、商品やサービスを選ぶ上で本当に知りたい情報を得られるのがいいですね。
Webサイトでは、総合ランキングの順位に加え、評価項目別、年代別などのランキング結果やユーザーコメントを掲載しています。
実際に利用したことがあるユーザーのリアルな声を通じて、消費者が参考になる情報を提供していきたいと考えています。
各ジャンルでさまざまな項目別の顧客満足度ランキングを見ることができる(上掲はバイク保険の項目別ランキング一覧)。
――ナイルがご支援させていただく以前にも、ほかの支援会社さんに依頼されていたそうですが、ナイルに切り替えた背景、課題に感じられていたポイントをお聞かせください。
菅原:オリコン顧客満足度ランキングでは、現在保険や金融をはじめ、14カテゴリ193ランキングを扱っています(2025年7月現在、専門家が評価したランキングを含む)。
その中でも主要なカテゴリのジャンル、それぞれの主要なキーワードでの順位下落があり、オーガニック流入も減っていました。
以前の支援会社に依頼していたときは、強調スニペットの対策など、細かなテクニック的なSEOの部分では積極的に提案してくれていたのですが、コアアップデートのたびに状況は変わるので、その場しのぎの対策になっていたところがあったんです。
一方、新規での記事コンテンツの制作はできていませんでした。
社内でも「長期的な資産になるコラム記事でのコンテンツSEOに注力したほうがいいんじゃないか」という声もあったため、コンテンツSEOに強い会社を探すことになりました。
株式会社oricon ME 菅原龍平氏
――新しい支援会社を決定するにあたって、重視されたポイント、最終的にナイルにご発注いただくことになった決め手を教えてください。
菅原:SEOに強い会社を知りたくて、最初は検索をかけたり、ChatGPTに相談したりした際、いくつか出てきた会社の中にナイルさんの名前があったんです。
Webサイトを拝見したら、弊社が注力したいジャンルの企業を支援していた事例があったため、相性がいいんじゃないかと思い、声をかけました。
さらに、実際に施策を提案していただいた際、ベンチマーク調査などをしていただき、弊社の課題を明確に、そしてロジカルに提示してくださったことが、ナイルさんへお願いする決め手になりました。
――では、ナイルがご提案した施策について教えてください。
ナイル株式会社 西脇遼平(以下、西脇):最も比重が高かったのは、菅原様もおっしゃっていたコンテンツの強化ですね。
多岐にわたるジャンルを取り扱われている「オリコン顧客満足度ランキング」の中から、8つのジャンルをご支援していましたので、一口にコンテンツといってもジャンルごとに状況は異なりました。
例えば、Aのジャンルではコンテンツが充実しているのに対し、Bではその逆といったこともありましたので、施策の方針は各ジャンルで立てています。
ただ、いずれにしても、コンテンツの質を上げることを最重視し、すべてのジャンルでキーワード選定をした上での記事制作、さらに既存記事の統廃合や作り直しといったメンテナンスを行いました。
ナイル 西脇遼平
――コンテンツ制作だけでなく、各ジャンルのランキングページの見直しも行ったそうですね。
ナイル株式会社 大脇功暉(以下、大脇):はい。ランキングページが最も重要なページになりますので、オリコン満足度調査がいかに信頼できるものなのかをアピールするような見え方にすることをご提案しました。
今のSEOはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が非常に重視されます。
ですが、これだけ信頼に足る調査をされていらっしゃるのに、そこがしっかり伝わっていない節が見受けられたんです。
そこで、調査がどのように行われているかなどをファーストビューに入れていただくことで、ランキングへの信頼が向上するようにしています。
――コンバージョン改善においては、どのような調査・提案をしたのでしょうか?
ナイル株式会社 山口航(以下、山口):これまでさまざまなご提案をしてきたのですが、最初は、ナイルにご依頼いただいた8ジャンルそれぞれで、等しく数値を計測してレポーティングできるよう、Looker Studioを使ってモニタリングの環境を整えました。
<ナイルで作成したLooker Studioの一部>
多くの方がご覧になるレポートなので、わかりやすいサマリになるよう、見せ方も工夫しています。
その上で初期分析を行ったのですが、お取り組み開始当初は、ジャンルによってサイトのレイアウトがリッチなもの、簡素なものとあり、統一されていなかったんです。
「オリコン顧客満足度ランキング」のコンバージョンは、ランクインした企業のサイトへの送客になるのですが、レイアウトが統一されていないからか、ジャンルごとにCVRにばらつきがあったんです。
そのため、CVRの高いジャンルのスタイルを横展開するのが合理的だろうということで、まずCVRが高いジャンルはどのあたりがコンバージョンに関わっているのかを分析しました。
そこで、ユーザーに活用されているUIはどういうものかを定量的に見極め、ほかのジャンルもなるべくそろえたほうがいいんじゃないかというのを、データをお見せしながらご提案しています。
ナイル 山口航
――一方で、ジャンルごとの最適化も行われているんですよね。
山口:そうですね。各ジャンルのページに訪問したユーザーが検討するにあたって役立つ情報はどういうものかを、8ジャンルそれぞれで分析しました。
例えば、ペット保険のランキングなら、ユーザーコメントに、その方が飼っている犬種・猫種やその年齢を入れることで、より保険会社が検討しやすくなるため、追加していただいています。
――ナイルからご提案した施策に対して、どのような印象を持たれましたか?
菅原:ナイルさんのご提案の中には、単純にSEOやコンバージョン改善が目的であれば実装したほうがいい施策もありましたが、弊社のポリシーを鑑みると実装が難しいものもありました。
弊社の事業は“満足を情報化する”という目的があり、公平・公正な立場で企業や消費者に価値を提供することをポリシーとしているため、それを前提に施策を実装するかどうかを判断しています。
例えば、ランキング1位の企業だけをもう少しリッチな見た目にする、といったような施策はできません。
そのような時も、ナイルさんは弊社の事情をくみ取った上で改めてサイト分析・競合分析をし、代替施策を提案してくれました。
その結果、CVR改善という目的を果たすことができたので、ありがたく思っています。
――では、施策を実施した後の成果についても教えてください。
西脇:実は、お取り組みを始めてすぐに、コアアップデートのタイミングではないときに順位が下落してしまったジャンルがあったんです。
これには私たちも正直焦ったのですが、遡ってみると、弊社とのお取組みが始まる前からその傾向が見え始めていたので、その対策を早急に打っていく必要があると感じました。
結果的に、施策をスタートして3、4か月ほど経ったタイミングで順位が大幅に上昇しはじめたので、弊社の施策による成果を示せたのではないかと思います。
特に、ほぼコンテンツがなかったジャンルに記事を作って、これまで取れていなかったキーワードで順位が獲得できたことが大きかったですね。
それによってコラムの流入数が増え、それに伴ってランキングページへの遷移数も増えました。
もちろんどのジャンルも流入数やCVRは上下することはありますし、ジャンルによって成果の大小は異なるものの、おおむね好調に推移していると思います。
――oricon ME様ではこのような成果についてどのように感じられていますか?
菅原:検索順位が上がったこともそうですが、いろいろなコンテンツを作っていったことで、それまで取れていなかったキーワードからの流入が増えたことに加え、サイト内回遊の促進やCVRの改善でユーザビリティが向上したと考えております。
また、検索上位を獲得できているキーワードが増えたことで「オリコン顧客満足度ランキング」の認知拡大という付加価値を感じています。
――また、ナイルではSEOの内製化のサポートもさせていただいているんですよね。
西脇:実は、内製化のために行ったことというのはSEOとコンテンツ制作についての勉強会を1回ずつ開催した程度で、それほど多くはないんです。
それよりも、日々のやりとりの中で、菅原さんをはじめとした皆さんのSEOノウハウを習得したい意欲をすごく感じています。
普段からご質問いただく量はとても多いですし、ミーティングでも「これはどう解釈したらいいのか」など、SEOの考え方について関心を持たれている姿勢が印象的です。
また、弊社との毎月の定例ミーティングに関連部署の方もオブザーバーとして自由に参加でき、全社的にSEOの知見を取り入れられる環境を整えられています。
――日々のやりとりを通したノウハウのインプットのほうが、お役に立てているのかもしれないですね。
菅原:キーワード選定から、どういうコンテンツを作っていくのかといったコンテンツSEOに関する理解は進んでいるかと思います。
実際、ナイルさんのご支援をいただいていないジャンルで、内製でコンテンツを制作したところ、検索順位が上昇しているものもあるんです。
一方で、LLMOや直近のコアアップデートに対する打ち手など、新しい知識が必要な場面では、まだ自分たちだけで情報をキャッチアップして対応するまでには至っていません。
また、弊社で考えたアイディアに対してもナイルさんにご相談させていただくことが多いですね。
――ナイルとのお取り組み全般においてメリットを感じられている点、成果だけでなくコミュニケーション面などにおいて評価いただいているポイントがありましたら教えてください。
菅原:弊社は信頼性を重要視しています。
そうした前提がある中で、ナイルさんはこちらが投げかけた質問には事例を用いてアドバイスをしてくださるので、信頼できるコンサルティングをしてくださっているなと感じます。
例えば、言葉だけで「こういうことがあります」と言われるのと、実際に根拠があった上で説明いただくのとでは、やっぱり説得力が違うので。
西脇:ランキング系のキーワードは、コンテンツの中身だけで検索順位が決まらないところもあるんです。
そのため、事例をお見せしてご説明できる部分はしつつ、あくまでも仮説の範囲を出ない部分に関しては、はっきり「ここから先は仮説です」と正直ベースでお話させていただいています。
――このほかにも、oricon ME様とのお取り組みにあたって工夫していること、意識していることはありますか?
大脇:長くお取組みさせていただいている中で、菅原さんをはじめ、oricon MEの皆さまが気になりやすいポイントかがわかるようになりました。
ですので、定例ミーティングなどで状況のご報告をする際は、ご質問がありそうなポイントをあらかじめ調べて準備するようにしています。
また、私はネット証券や外貨預金など、外的な要因で検索順位が上下するジャンルを担当しているため、SEO以外の部分で変動要因と考えられる情報も付け加えて報告するように心がけています。
ナイル 大脇功暉
山口:SEOとコンバージョン改善は領域が別にはなるのですが、菅原様からはそれらが紐づいているようにわかりやすくしてほしいとリクエストをいただいたため、oricon ME様とのミーティングの前には社内のメンバーで集まって、8ジャンルすべてで数値状況の共有や提案内容についてすり合わせをするようにしています。
また、oricon ME様からピンポイントで分析のご要望いただく機会が少なかったので、なるべく私から積極的に施策のご提案をすることを意識していました。
――現在はSEOをメインにお取り組みをさせていただいていますが、今後ナイルにご期待いただいていることはありますか?
菅原:先ほども少し話題に出ましたが、LLMOが今後どうなっていくのか、またそれに替わる新しいものが今後出てくるかもしれないので、そのあたりの対策について、サポートは引き続きお願いしたいです。
さらに、最近ではBingが流行り出している感覚もあるんです。
BingのSEOはGoogleとは若干違うと思いますし、まだ対応しきれていない部分があるため、そこでの力添えも期待しています。
――ありがとうございます!ナイルとしては、oricon ME様とのお取り組みについて考えていることはありますか?
西脇:お付き合いが長くなってきた中で、菅原さんがいらっしゃるWEBマーケティング部以外の部署の方との関わりや、社内の全体像みたいなものが見えてきた感覚があります。
それもあって、他部署様のご協力が必要になる場面もありそうですが、中長期的な視点での施策をご提案し、きめ細かな対応ができたらと考えています。
大脇:いろいろなお取り組みを通して、oricon ME様のランキングの公平性や情報の信頼性に対する真摯な姿勢を感じていました。
だからこそ、「オリコン顧客満足度ランキング」は多くの方に届いてほしいと強く思っています。
そのため、SEO/LLMOを通してこの素晴らしいサービスがユーザーに届くよう、これからもご支援させていただきたいです。
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最後に
ナイルは成果を追求するのはもちろん、「会社ごとの事情を理解したプロジェクトの伴走者であること」を心掛けております。
「プロの知見を活かしオウンドメディアを運営したい」「自社だけではリソースが足りない」という課題をお持ちの方は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
さまざまな事例をもとに、貴社に最適なお取り組みをご提案します。
この案件・類似案件を担当したメンバー
西脇 遼平(にしわき りょうへい)
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大脇 功暉(おおわき こうき)
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山口 航(やまぐち わたる)
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