「脳内SEO」がAI検索時代のマーケティング戦略――流入減でも成果を維持するアプローチ

岸 穂太佳

著者:岸 穂太佳

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「脳内SEO」がAI検索時代のマーケティング戦略――流入減でも成果を維持するアプローチ

AI検索の浸透によって、従来のSEO戦略の見直しが急務となっています。

従来の検索エンジン最適化(SEO)に加え、「AI検索対策」である「大規模言語モデル最適化(LLMO)」という新たな概念が生まれ、それが急速に広がっている今、自社でどのような施策判断をすればいいのか悩んでいる人は少なくないでしょう。

そこで今回は、今ナイルが考えているAI検索時代における効果的な対応策について解説します!

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AI検索時代においてもSEOが必須な理由

「自サイトへの流入が減ってしまった、AI検索対策をしたほうがいいか」というご相談は、弊社にお問い合わせいただいたお客様からよく寄せられています。

もちろん、AI検索対策はこれからのマーケティングにおいては必須の施策です。
ただ、私たちの見解としては、“減った流入を埋めるため”にAI検索対策を行うのは時期尚早だと考えています。

なぜなら、AIのアルゴリズムが現在も激しく変化し続けており、Google検索の「AIによる概要(AI Overviews)」をはじめ、AIに言及・引用されるための明確な対策が確立されたとはいえない状況だからです。

その中でひとつ言えるのは、ベースとなるSEOは引き続き重要で、やり続ける必要があるということ。

SEOコンサルティングを提供しているナイルがそれを言うと“ポジショントーク”だと思われそうですが、これにはちゃんと根拠があります。

端的に言うと、SEOで実施する取り組みの多くはそのままAI検索対策になるからです。

例えば、次のようなSEOの重要な取り組みは、AIに選ばれるための準備をしていることになります。

<AI検索対策につながるSEOの取り組み例>

  • 検索インデックスの最適化…AIが回答を生成する際の参照ソースとして認識されるための必須条件
  • 構造化データの設定…検索エンジンだけでなく、AIも内容を理解しやすくなる
  • 専門性の高い1次情報…AIが引用しやすい独自の価値

加えて、弊社が2025年10月に行った調査では、生成AIで調べものをするユーザーの80%以上が、ほかの情報源で裏取りを行っており(「たまに裏取りをする」と回答した人を含む)、その多くが検索エンジンを利用していることがわかっています。

生成AI利用時の裏取り状況を比較した棒グラフ。最多は「たまにする」で約45%。

生成AIの回答をどう裏取りするかを比較した棒グラフ。検索エンジン利用が最多。

ナイルのSEO相談室「生成AIの信頼度に関するアンケート調査 vol.2」より引用

つまり、SEOとAI検索対策は取り組みとしても地続きな上、ユーザーは現状AIと検索エンジンを併用して調べものをしているケースが多いことから、SEOは引き続き実施していくべきでしょう。

減少した流入数は戻ってこないかも…でもそれは必要な流入だったのか

SEOはこれからも必須の施策ではありますが、減ってしまった自然検索流入数をこれまで通りに戻すのは、なかなか難しいと考えます。もう時代は変わってしまいました。

というのも、「〇〇とは」「〇〇 やり方」のような情報収集系キーワード(通称「Knowクエリ」)で広く流入を獲得していたWebサイトは多いと思いますが、こういったキーワードは検索結果に「AIによる概要」が表示されようになっているため、ユーザーはそれを見れば課題が解決するケースが増えているからです。

<検索クエリの種類別:「AIによる概要(AI Overviews)」出現率>

検索クエリの目的別にAI Overviewsの出現率を示した棒グラフ。Informationalが99.9%で突出。

情報収集系キーワードの「AIによる概要」出現率は99.9%におよぶ(2025年11月発表の調査)
ahrefs「What Triggers AI Overviews? 86 Factors and 146 Million SERPs Analyzed」より引用

しかし、こうした情報収集系の流入がコンバージョンに直結していたかというと、多くの場合そうではないでしょう

実際にコンバージョンに寄与しているのは、比較検討や具体的な課題解決に関するキーワード、つまり購買意欲に直結するキーワードです。

「AIによる概要」の影響はこの領域には及びにくいため、ここに支障が出ていないのであれば、商品購入/サービス導入を検討しているユーザーの意思決定につながる、一次情報をもとにした有益な情報を届けることが引き続き重要だと考えます。

一方で、「YouTubeが引用されやすい」「第三者メディアでの掲載してもらうのが有効」「PR活動を強化すべき」など、これから取り組むべき戦略としてさまざまな情報が飛び交っていて、どれを実施するのがいいか判断に迷っているのが現状ではないでしょうか。

どれもやっておいてまったく損はないですし、できるなら取り組んだほうがいいものです。

ただ、いずれも短期間で成果が出るものではなく、一定のリソース投下が前提になるため、今AI対策のために何か特定の施策を実施したところで、投資対効果は合わないでしょう。よって、そこまで優先度を上げて行う必要はないと考えます。

脳内SEO――エンゲージメントの向上が鍵になるマーケティング戦略

従来のSEOの取り組みは続けるにしても、自然検索流入数が減ってきている今の時代には、新たな戦略が必要です。

ナイルでは、2026年以降の中長期的なマーケティング戦略のコンセプトを「脳内SEOを取る」としています

「脳内SEOを取る」とは、SEOによって検索上位を取る、AI検索対策(LLMO)によってAIに引用・言及されるといった目に見える成果だけでなく、企業のデジタルマーケティング担当者が何かしら課題にぶつかったときに、「ナイルのサイトに行けば答えがある」「ナイルに相談してみよう」と真っ先に頭に浮かぶ存在になる(脳内SEOで1位になる)ことです。

「脳内SEOを取る」とは、悩みが生じたとき真っ先に思い浮かび、相談先として選ばれる状態を示す図。

そのために私たちが行う必要があるのは、エンゲージメントの向上だと考えます。

脳内SEOを取るためには、従来のSEO施策だけでなく、さまざまな媒体を使ってユーザーと接触する機会を増やし、質の高いコンテンツを発信していくことが重要。

それも、ただ接触するだけではなく、SEOやAI検索対策といった領域で高い専門性があり、最新動向を踏まえて本質的な情報を発信している企業だと認識してもらう必要があります。

そのために大切なのは、そういった情報を誰が語るのかです。

どれだけ良い発信でも、それをどこの誰かわからない人が言うより、そのジャンルで経験・実績のある専門家が言うほうが、情報への説得力が増しますよね。

ナイルでは、オウンドメディアの「ナイルのSEO相談室」に加えて、YouTubeやメルマガ、セミナー/ウェビナー、外部メディアへの寄稿と、さまざまなチャネルでSEO・LLMO・コンテンツ制作・CROなどについての情報を発信しています。

そこでは、コンサルタントやコンテンツ編集者など、ジャンルごとの専門家を積極的に露出させています

ナイルのメンバーが出演・登壇したYouTube動画やウェビナーのサムネイルをまとめた画像。

ナイルのメンバーが出演/登壇したYouTube動画やウェビナー

実際にコンサルティングの現場で活躍する面々が語ることで、各分野でのナイルの信頼を醸成するのに加えて、クライアントにご提供するわれわれの役務への期待度を高めてもらう効果もあるといえるでしょう。

このようにさまざまな媒体で発信を続け、エンゲージメントを高めた先に、ユーザーの脳に「ナイル」を深く印象づける=「脳内SEOを取る」につなげられたらと考えています。

少人数でもできる!ナイルが行っているマーケティング活動

私たちのような取り組みを行うにはリソースが必要では…と思われるかもしれませんが、実は弊社のマーケティング部門には4〜5人程度しか人員はいません。
そのため、すべての施策をマーケティング部門内で行っているわけではないのです。

例えばYouTubeに関していえば、そもそも動画を制作する知見はなかったので、外注のパートナーに頼りました。
今後の内製化も視野に入れつつ、現在も外注先と協力して制作を進めています。

ナイルのYouTubeチャンネル「ナイルTV / SEO相談室」の動画一覧ページを表示した画面。

ナイルのYouTubeチャンネル「ナイルTV / SEO相談室

また、エンゲージメントを高めるために重要と位置付けている情報発信、「誰が語るか」の部分を担保する面々も、マーケティング部門のメンバーだけではなく、実際にコンサルティングを担当しているメンバーに依頼しています。

ただ、そのための“社内営業”は、マーケティング部門のメンバーにとって重要な業務です。

実際にお客様を担当しているコンサルタントは、本業がクライアントワーク。その傍らでマーケティング活動に協力してもらうことになるため、交渉はうまく行わなければなりません。

ナイルのSEO相談室では、コンサルタントをはじめ社内のさまざまなメンバーが記事監修を担当していることを示すYouTubeチャンネル画面。

「ナイルのSEO相談室」は、コンサルタントをはじめ、社内のさまざまなメンバーに記事監修を依頼している

しかし裏を返せば、社内の専門家を活用することで、マーケティング担当者のリソースを抑えるだけでなく、外注コストをかけずにスピード感を持って実行できるのはメリットといえます。

ほかにも、商談などから実際の顧客の声を拾い、それをコンテンツにつなげるのもおすすめです。
顧客が抱えている悩みには、宝が眠っています。

ナイルでは、お客様からよくうかがうお悩みや、施策の成功事例をもとにコンテンツを企画しており、それがユーザーのニーズに直結していることを感じます。

関わる人材も、コンテンツにつなげる素材も、社内にある“リソース”を活用することで、マーケティング担当者が少人数でも、より本質的な取り組みにつなげることができるのです。

AI検索時代の成果を支える「脳内SEO」が、今後のマーケティングの肝になる

AI検索時代には、これまでのように自然検索流入の最大化だけを追う戦略では限界があります。

とはいえ、SEOの基盤づくりや専門性の高い情報発信は、引き続きAI検索対策の土台として重要になるため、引き続き取り組んでいくことが必要でしょう。

その上で今後求められるのは、数値で見える成果だけでなく、ユーザーの第一想起を取る「脳内SEO」だと考えます。

複数の接点を通じて信頼を蓄積し、困ったら自社を思い出してもらえる状態を作ることが、AI検索時代の成果につながるマーケティング戦略になるはずです。

もし、自社のマーケティング施策や体制づくりなどにお悩みでしたら、ナイルの無料相談をぜひご活用ください!

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