ナイル編集部が選ぶ!SEO・LLMO最新トピックまとめ vol.5

金子光

著者:金子光

公開日: | 更新日:
ナイル編集部が選ぶ!SEO・LLMO最新トピックまとめ vol.5

SEOやLLMOに関する重要ニュースを厳選してお届けする本シリーズ。

今回は「順位計測ツールにおける大規模エラー」や「Googleスパムアップデートの完了」など注目の話題をピックアップしました。

また、自社で調査した比較検討クエリにおけるLLMの引用傾向についても公開。

いま押さえておきたい最新トレンドを、わかりやすく解説します。

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各種順位取得ツールの計測ができない状況に

2025年9月11日頃から、Google検索の仕様変更により、検索順位チェックツールで正しく順位が取得できない事象が発生しています

順位が取得できない、または数値が大きく変動している場合は、この影響を受けている可能性が高いです。

今回の問題は、Googleが検索結果の表示件数を増やすための「&num=100」を設定できないようにしたことが原因です。

これまでは、検索結果ページのURLの最後に「&num=100」を付ければ、1ページに最大100件の結果をまとめて表示でき、この仕組みを利用して、検索順位チェックツールは100位分の順位取得を行っていました。

ところが、仕様変更によってこの設定が無効となり、現在は1ページにおよそ10件しか表示されません。 そのため、順位チェックツールは11位以降のデータを正しく取得することが難しくなっています。

 

<「&num=100」のパラメータを付与した、現在の検索結果画面>

「&num=100」で指定した検索結果画面

※2025年9月16日時点の画像 / 「&num=100」で指定ても12件までしかリンクが出なかった

また、Google Search Consoleのデータにも影響が出ており、表示回数が減少したり、平均順位が大きく変動したりする例が報告されています。

 

<ナイルのSEO相談室のGoogle Search Consoleのデータ>

ナイルのSEO相談室のGoogle Search Consoleのデータ

これは、今回の仕様変更で、検索順位チェックツールが10件分のリンクまでしかスクレイピング(※)できなくなったため、自サイトの表示回数が減少し、その影響で平均掲載順位の計算ロジックにも影響を与えている可能性が高いと考えられます。

※スクレイピング...Webページの情報を自動で読み取り・収集すること。

自サイトの数値に普段と違う動きが見られたときは、こうした仕組み上の変化が原因になっていないかを意識して分析するといいでしょう。

本件に関しては、こちらの記事でも解説しているのでぜひご覧ください。

\YouTubeでも解説しています!/

<編集部の一言>

今回の仕様変更で1ページあたり約10件しか取得できなくなったため、同じ件数を集めるには約10回のスクレイピングが必要となり、取得にかかるコストもおよそ10倍に増える見込みです。

 

この影響で、一部のツールでは料金の値上げや取得件数の制限の見直しなどが行われる可能性があります

利用中のツールがある場合は、ツール提供会社のサイトで対応状況を確認しましょう。

2025年8月スパムアップデートがロールアウト完了

Googleは2025年8月26日に開始したスパムアップデートを、9月21日に完了しました。

スパムアップデートとは、検索結果の質を保つために、スパム(不正行為)を検出・無効化する仕組みを大幅に強化するものです。

<スパムの該当例>

  • ハッキングによる不正操作
  • 生成AIなどによって、独自性のないページを大量に作成する行為
  • 検索順位を上げる目的でリンクを売買する行為 など

今回のアップデートでは、序盤と中盤に大きな順位変動が見られ、完了後の現在もやや変動が続いています。

<検索結果の変動値を表すグラフ>

検索結果の変動値を表すグラフ

参考:Semrush

スパム行為をしていないサイトであれば、基本的に心配は不要です。

ただし、アップデート期間中に検索順位やアクセス数が大きく下がった場合は、自サイトがスパムポリシーに違反していないかを確認しましょう。

違反が見つかった場合は早めに修正し、その後はGoogleによる再評価を待つことをおすすめします。

<編集部の一言>

ナイルで観測している中でも、今回のスパムアップデートの影響で急激に順位を落としたとみられるサイトがあります。

そのサイトはAIツールで記事を作成し、短期間で大量のコンテンツを追加していたのが特徴でした。

 

AIを使ったコンテンツ制作は一般的になりつつありますが、量だけを追求すると評価を下げるリスクがあります。

重要なのは、記事は必要な分だけ作成し、その質を高めるためにAIを活用することです。

もしコンテンツ制作に課題を感じていたり、今回のアップデートで順位が下がったりした場合は、ぜひナイルの無料相談をご活用ください。

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【独自調査】比較検討クエリにおける各種LLMの引用傾向について

生成AIを使った検索が広がり、商品やサービスを選ぶ際にもAIを活用する機会が増えています。

その中で「おすすめの〇〇を教えてください」といった比較検討の質問では、どのようなリンクが引用されやすいのか気になる方も多いのではないでしょうか?

そこでナイルでは、主要なLLMに同じ質問を投げかけ、回答に含まれる引用リンクの傾向を調査しました。

調査概要

<調査対象のLLM>

  • Google AI Overviews
  • ChatGPT
  • Gemini
  • Perplexity

 

<調査対象のクエリ>

消費者向け(BtoC)100件、企業向け(BtoB)60件の計160件を対象に調査。

いずれも「おすすめの〇〇を教えてください」など、複数サービスを比較・検討する意図を持つクエリです。

 

<調査方法>

各クエリをLLMに投げかけ、回答に含まれる引用リンクを集計。

さらに、それぞれのページについてGoogle検索での順位やどんな種類のページに該当するかを調査しました。

調査結果:検索上位の方がLLMに引用されやすい傾向は見られるが、それ以外の要因も大きい

調査の結果、LLMが引用するリンクとGoogle検索での順位には、検索順位圏外を除いた場合、中程度の正の相関関係が見られました。

特にPerplexityは、検索順位10位以内のページを引用する割合が特に高く、ほかのLLMでも同様の傾向に

一方、AI OverviewsやChatGPTでは検索圏外のページを引用するケースも多く見られます

また、Geminiはどのプロンプトでも回答内にリンク引用がありませんでした。

 

<BtoCクエリにおける引用リンクとその検索順位の分布割合>

ナイルのSEO相談室のGoogle Search Consoleのデータ

 

<BtoBクエリにおける引用リンクとその検索順位の分布割合>

ナイルのSEO相談室のGoogle Search Consoleのデータ

なお、100位圏外から引用されるページには、質問した内容に関連するほかの回答を含むページや海外サイトのページもあり、生成AIが質問意図を広げて関連情報を取り込む傾向を示しているのではないかと考えられます。

<編集部の一言>

海外ではLLMOに関する大規模調査が多く行われていますが、日本国内のデータは少ない状況です。

また、今回のように「比較クエリ」など特定の条件に絞った調査も少ないのではないかと思います。

 

ナイルではこうしたSEO・LLMOに関する調査を引き続き行っていきます。

結果が出ましたら、また公開するのでぜひお楽しみに。

ナイルのSEO相談室 コラム

Google、YMYL領域に政府・公民関連のトピックを追加

Googleは品質評価ガイドラインを更新し、選挙や市民活動など、政府・公民に関連するトピックもYMYLに含めることを明言しました。

YMYL(Your Money Your Life)とは、健康やお金など、誤った情報が広がると個人や社会の健康・経済・安全に大きな影響を与える重要なテーマのこと。

GoogleはYMYLに該当するテーマに該当する情報に高い正確性と信頼性を求め、ユーザーが安心して検索できる環境づくりを重視しています。

今回の更新により、政府や公民に関わる情報を扱うWebページも、厳しい品質基準が適用される対象となります。

<変更前のガイドライン文章>

YMYL社会:特定の集団に悪影響を及ぼす可能性のある話題、公共の関心事、公共機関への信頼など
※DeepLで翻訳

<変更後のガイドライン文章>

YMYL:政府・公民・社会:特定の集団に悪影響を及ぼす可能性のあるトピック、公共の利益に関わる問題、公共機関への信頼、選挙・投票情報、そのほか人々の生活に影響を与える政府・公民・社会に関するあらゆる情報トピック。
※DeepLで翻訳

自サイトがこれらのテーマを取り扱っている場合は、信頼できる情報源へのリンクや、専門家・公的機関による監修、著者や運営者情報の明示などができているかを改めて確認しましょう。

また、古い情報を含んだコンテンツを放置せず、最新の内容に更新することが重要です。

品質評価ガイドラインは、Googleがどのようなサイトを上位表示したいかを知る手がかりになります。SEO担当者は一度目を通しておくことをおすすめします。

<編集部の一言>

YMYLのSEOにおいては次のポイントを押さえる事が重要です。

また、上記の施策にプラスして、「ユーザーにとって理解しやすいコンテンツになっているか」も確認しましょう。

 

また、上記の施策にプラスして、YMYL領域では専門的で堅い表現のサイトが多いため、平易な言葉や図解を取り入れ、ユーザーが理解しやすいコンテンツづくりを意識しましょう。

 

ナイルが支援した三菱UFJニコス株式会社さまの事例では、「源泉徴収上の見方」や「国民健康保険料の計算方法」など、難しい話題をわかりやすく解説した記事が伸びる傾向にありました。

 

三菱UFJニコス株式会社さまとの取り組みは、次の記事で詳しく紹介しています。こちらもぜひ参考にしてください。

Search Live機能がアメリカのAIモードで一般公開

GoogleはAIモード内に「Search Live」という機能を正式リリースしました。

Search Liveは音声とカメラを使い、リアルタイムでGoogle検索AIと会話できる機能です。

ユーザーが話しかけたり、カメラで目の前のものを映して質問することで、その場でAIから回答を得ることができます。

例えば、電子機器の設定で困った際に、カメラを機器に向けて「接続方法がわからない」と話しかければ、不具合箇所を特定し、正しいケーブルの接続手順や関連情報をその場で案内してくれます。

 

<Search Liveの使用イメージ>

参考:Google

さらに画面下部には出典元のWebサイトへのリンクが表示されるため、情報の裏付けも確認できます。

 

<出典元リンクの表示例>

出典元リンクの表示例

コーヒーボトルを映しSearch Liveに「これはなんですか?」と聞いた際の出典リンク。

これらのリンクから流入が発生するのかは、SEO担当者として気になるところです。

<編集部の一言>

冷蔵庫の中身を映して「余った食材でどんな料理が作れる?」とSearch Liveで質問すると、AIが「これで〇〇が作れます」と提案してくれる──そんな使い方もできるため、とても便利になりそうです。

また、サイトによっては想定していなかった切り口からの流入が生まれる可能性もありそうです。

 

例えば、カレーのレシピ記事なら、従来は「カレー 作り方」などの検索からの流入が中心でした。

これが「余った食材でどんな料理が作れる?」という質問への回答としてカレーが提示され、自サイトのレシピ記事が出典リンクに載れば、新たな流入が生まれる可能性もあるでしょう。

 

<Search Liveからカレーのレシピ記事への流入イメージ>

Search Liveからの流入創出例

SEO・LLMOに困ったらナイルにご相談を

検索順位チェックツールの大規模エラーやスパムアップデート、生成AI検索の進化など、この半月だけでもSEO・LLMOに関連するトピックは多くありました。

ツールのエラーによって数値が計測しづらくなったり、AI生成コンテンツのリスクが可視化されたりと、正直戸惑うことも多いはずです。

でも見方を変えれば、これは大きなチャンス。
順位だけに頼らない評価軸を作る、ユーザーの役に立つサイトづくりに向き合う、独自の体験や情報で選ばれる――そんな本質的な改善に踏み出す好機ともいえます。

もし、自サイトの戦略策定や運営等にお困りであれば、ナイルにお問い合わせください

SEO・LLMOのプロが親身に対応いたします。

なお、本シリーズは定期的に配信する予定です。
次回の記事もこちらのページにて、更新情報が公開されるので、ぜひお気に入り登録をお願いします。
→SEOコラムTOPページ:https://www.seohacks.net/column/

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