【インタビュー】データベース型サイトのリニューアルでSEOを強化、問い合わせ数が約5倍アップ!|中小企業福祉事業団

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人事・労務のスペシャリストである「社会保険労務士」の日本最大級の支援団体として知られる中小企業福祉事業団(以下、中企団)。

2025年10月現在、全国6,833の社会保険労務士事務所が加盟しており、会員社労士および中小企業への支援を行っています。

ナイルでは、中企団様が運営する、企業と社労士をつなぐポータルサイト「社労士ナビ」のリニューアルを支援。

社労士を探すことができるデータベース型サイトとしての利便性の向上はもちろん、さらにSEOを強化したことで、2025年8月のリニューアル直後から大きな成果を出すことに成功しています。

<お知らせ>

ナイルでは、事例ページをご覧の方向けの無料相談会、壁打ち会を実施しております。
ご相談の背景等をお伝えいただくことで、最適な非公開事例のご案内も可能です。
お悩みや課題が明確でない、ふわっとした内容に思えるご相談でも大丈夫です。
押し売りや手抜きはありませんので、お気軽にご活用ください。

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SEO事例の概要

社労士ナビのトップ画面

社労士ナビ

お客様の課題

  • 旧サイトは「社労士を検索する」機能が主で、それ以上の機能がない
  • 「社労士の認知を広める」という当初の事業目的が達成できていない

ご契約期間

2024年9月~

サイトリニューアルにあたってナイルで実施した内容

お客様にご提案し、実施した施策を紹介します。

社労士のプロフィールページの強化

ユーザーインタビュー調査を踏まえて、社労士を探している企業が、さまざまな条件からより自社にマッチした人を見つけられるよう、社労士の個別ページ内の情報をリッチにすることをご提案しました。

社労士の拠点や得意分野、対応が可能な業界といった基本情報にとどまらず、労務系クラウドサービスやチャットツールを含めたコミュニケーション手段などツールの利用状況、契約・料金体系をはじめ、より詳細な情報を盛り込める形に。

また、これらの情報のアップデートを各社労士みずから行うことができる仕組みも導入しています。

社労士プロフィールページ(サンプル)のスクリーンショット。

社労士個別ページ例(こちらはサンプルです)

社労士の得意分野や対応可能業界を説明する文章が掲載されたプロフィール画面。

これらをはじめ、詳細な情報の確認が可能

データベース型サイトならではのテクニカルSEO

Webサイトの要件定義やディレクトリマップ作成、タイトル・ディスクリプションなど、基本のSEO要件を固めたのはもちろん、データベース型サイトならではのテクニカルSEOに力を入れました。

幅広いロングテールキーワードで引っかかるページを作り、それらをインデックスさせる一方で、そこで発生する重複コンテンツのインデックス制御、不要なURLを生成しないようなサイト構築といったインデックス対策を行っています。

トレンドを捉えたコラム施策で競合の少ないキーワードを攻略

企業の人事・労務担当者が実務で検索しうる検索数の大きいキーワードの対策が不十分で、サイト全体の流入数に課題がありました。

しかし、それらのキーワードの多くはHRテック系や金融機関、政府系などが競合となるレッドオーシャン領域で、上位表示は困難な状況。

そこで、直近で改正が行われた法律など、競合がまだ対策できていないトレンドのキーワードなどにフォーカスし、コラム(人事・労務の基礎知識)制作を行っています。

リニューアル後の成果

2025年8月のリニューアル完了後、どのような成果が出ているのかを紹介します。

サイト流入数、社労士への問い合わせ数共に大幅アップ

2025年8~9月のサイト流入数は約7倍に、社労士への問い合わせ数は約5倍(いずれも前年同月比)と、リニューアル直後から大幅な数値向上を達成しています。

2025年9月にセッション数が大幅に増加したことを示す棒グラフ。

2025年に社労士問い合わせ数が大幅に増加したことを示す棒グラフ。

社労士への問い合わせの質が向上

ロングテールキーワードからの流入拡大に加え、社労士の個別ページを充実させたことで、より具体的な問い合わせが増え、そもそも条件が合わない依頼が減少しました。

中小企業福祉事業団×ナイル、担当者が語る取り組みの裏側

ここでは、中小企業福祉事業団の千葉秀樹氏、小林光瑠氏と、本プロジェクトを担当したナイルの松田明に、サイトリニューアルの背景やお取り組みの内容について話を聞きました。

「社労士ナビ」は当初のイメージとは違うサイトに

――中企団様が運営されている「社労士ナビ」は、元々「社労士サーチ.com」という名称でした。今回リニューアルに踏み切られたいきさつを教えてください。

中小企業福祉事業団 小林光瑠氏(以下、小林):「社労士サーチ.com」は社労士を検索するサイトとして15年ほど運営してきましたが、 “社労士を探す”機能だけで、それ以上の機能を持ち合わせていませんでした。

それだと、当事業団が目指す“社労士の認知を広める”という目的を果たせないため、その目的を達成するサイトを作ろうということがスタートでした。

中小企業福祉事業団 千葉秀樹氏(以下、千葉):そのようなこともあって、当初はサイトのリニューアルまでは考えていなかったんです。

最初に「どんな社労士がいるのか」「各先生方の特徴は何か」といった情報が伝わる、いわゆる“社労士名鑑”といったサイトを作りたいとお伝えしていて。

それに対してナイルさんからご提案いただいたのは、“社労士の認知を広める”ことは無論として、その先には、「企業と社労士をつなげること」が連なっているのではないかと、一歩踏み込んだ意見をくださったんですね。

それで、“我々が作りたいもの”ではなく、“より大きな目的を達成できるもの”にするには、「社労士サーチ.comのリニューアルが必要だということになったんです。

中小企業福祉事業団 千葉秀樹氏

中小企業福祉事業団 千葉秀樹氏

――なるほど、サイトリニューアル自体がナイルからの提案だったんですね。

小林:また、社労士業界における企業向けメディアは特殊だと思っていまして、HRテック系の企業がメディアを作っているケースは多々ありますが、我々のように社労士業界に振り切っているところはありません。

その中で良いサイトを作るためには、社労士業界の理解を深めていただくことが必要だと思ったんです。

それで「社会保険労務士白書」などの分厚い資料をお渡ししたところ、しっかりと資料を読み込んでご提案いただきました。

仮説としてご提案いただいたものが、社労士業界の傾向を踏まえてカスタマイズされた内容だったことも印象深くて。
その上でたびたび挙げた要望に対して、何度も提案書類を修正していただくなど、とても親身に我々の想いに応えてくださったことが、最終的にナイルさんにお願いする決め手となりました。

中小企業福祉事業団 小林光瑠氏

中小企業福祉事業団 小林光瑠氏

徹底的な初期調査で課題を洗い出し、改善点を明確化

――サイトのリニューアルをするにあたって、ナイルではまずどういうところから考えていきましたか?

ナイル株式会社 松田明(以下、松田):すぐにサイト設計に入るのではなく、まずは現状の把握と、企業が社労士様に依頼するときの解像度を上げるための調査を徹底的に行いました。

具体的には、サイトの技術的な課題を特定するための内部技術調査や、社労士に関わるキーワードを網羅的に洗い出すようなキーワード調査、実際に企業が社労士に依頼する際にはどういったインサイトがあるかを確認するためのユーザーインタビューなどを実施しています。

――それによってどういった課題が見つかったのでしょうか。

松田:大きく2つの課題がありました。まず1点目が、これは課題につながると同時にとても驚かされたことでもあるのですが、社労士という仕事の業務範囲の広さでした。

社労士の独占業務である就業規則の作成や社会保険手続きはもちろん、それ以外にも、例えば人事制度のコンサルティングだったり、給与計算だったり、社内外におけるトラブルの対応だったりと、かなり幅広い業務に携わっていることがわかったんです。

ただ、リニューアル前のサイトでは、そういった幅広い業務に対応するページが存在していない、あったとしても情報が正しく検索エンジンに伝えられていないなどの課題がありました。

2点目は、社労士に関連する人事労務系のキーワードでのSEOも十分ではなかったことです。

ただ、そのキーワードに関してはすでに他社さんがしっかり対策している領域で、そこに真っ向から挑んでも正直勝ち目は薄いかなと。
なので、後発でも上位表示できるキーワードを見極めていくようにしました。

ナイル 松田 明

ナイル 松田 明

――具体的に、どういったキーワード戦略を策定したのでしょう。

松田:絶対に外せない社労士にまつわるキーワードは最優先でご提案させていただきつつ、それ以外のところでは少し軸をずらしていったイメージです。

例えば、「社会保険」といったワードは基本だとは思うのですが、そこを対策しても上位表示は難しいと思ったので、それよりも法改正のために直近でアップデートがあったものなど、他社さんもまだ対策できていないようなトレンドのキーワードを中心にピックアップしました。

――また、今回はデータベース型サイトになりますので、テクニカル面で意識したことは多かったのではないでしょうか。

松田:そうですね、やはりインデックス対策には力を入れました

先ほど言った通り、社労士に関連する幅広い検索ニーズがある中で、ロングテールキーワードにもしっかりと引っかかるようなページを作って、それをインデックスさせることをまず意識しました。

ただ、データベース型サイトでは対策キーワードの幅を広げるほど、検索結果に表示させる必要がないページや重複コンテンツが発生してしまいがちです。
なので、そういった部分のインデックスを制御したり、そもそもURLを発生させないようにしたりといったディレクションを行っています。

また、内部リンクを張り巡らすことで、ユーザーが社労士ナビを訪問したときに回遊しやすい動線設計も心がけました。

社労士の個別ページへのこだわりが、問い合わせの解像度向上につながった

――こうしたナイルからのご提案や施策の進行についての印象はいかがでしたでしょうか。

小林:月ごとに細かいスケジュールを立てていただいて、「誰が」「いつまでに」「何をするか」を明確に提示してくださり、それに則った形でご案内いただきました。

不明点への回答やこちらからの要望に関しても、迅速に、柔軟に対応していただけたので非常に心強かったです。

中小企業福祉事業団 小林光瑠氏

――やはり最もこだったのは社労士の個別ページでしょうか

松田:そうですね。社労士の個別ページ――私たちのあいだでは「社労士名鑑」と呼んでいるんですが、ここは中企団様もかなりこだわられていたところですので、制作会社も含めた3社で、たくさん議論をしました。

初期調査で見えてきた社労士に関する企業のニーズを踏まえつつ、ただ社労士個々の情報を出しすぎてもトゥーマッチになりますので、そのバランスを調整しながら、求められている情報を網羅的に掲載することを意識しています。

小林:社労士名鑑の見せ方はもちろんですが、コラム記事で社労士のニーズを喚起し、さらに社労士検索へどうつなげていくのか、といった設計に関しても同時にこだわった部分ですね。

――そして2025年8月に「社労士ナビ」が公開されました。まだリニューアルして間もない時期ではありますが、現状についても教えてください。

松田:リニューアル前の前年比で、サイト流入数は約7倍と、大幅に増えました。また、社労士への問い合わせは前年比で約5倍となっています。

サイトがオープンして3ヵ月が経過して、直近30日間のPV数では20万PVを突破するなど、順調に伸びている状況です。

ナイル 松田 明

小林:リニューアル後は、企業様からいただくお問い合わせの解像度が上がっている印象があります。

というのも、リニューアル後のサイトでは、社労士の先生方それぞれの特徴や強みが可視化されたことで、企業様もより具体的な内容でお問い合わせいただけるようになったのかもしれません。

――リニューアルにあたってこだわった部分が功を奏しているんですね!では、ナイルとのお取り組みにおいて、こうした数値面での成果以外に評価いただいているポイントがありましたらうかがいたいです。

小林:日々のやりとりに関しては、とにかくレスポンスが速いことに驚きました

一方、オンラインの打ち合わせでは、こちらもここぞとばかりにたくさん質問をさせてもらっていたんですが、それによって時間が超過することもなく、うまくタイムコントロールしていただいて、非常に密度の高い打ち合わせができました。

また、ちょっと面倒くさいだろうなと思うような質問に対しても親身に答えてくださいましたし、テキストでは齟齬が生じそうな内容の場合は、「ショートミーティングをしましょう」「電話で話しましょう」と適切な方法でコミュニケーションをとってくださったので、我々も不安なく、スムーズに作業を進められたかなと思います。

千葉:松田さんからの指示も明確でしたね。取り組む施策はたくさんありますが、その優先順位をきちんとつけてくださったので、我々も闇雲に手をつけるのではなく、今すべきことに絞って作業することができました。

中小企業福祉事業団 千葉秀樹氏

――松田さんは、中企団様とのやりとりではどのようなことを意識していましたか?

松田:おっしゃっていただいたレスポンスの速さは、クライアント様にとっては安心材料のひとつになるかと思いますので、特に意識するようにしました。

また、中企団様が我々にサイトリニューアルにあたっての強い想いをぶつけてくださったので、その想いに応えたいという気持ちも大きかったです。

もちろん、できること・できないことはありましたが、可能な限りご要望に応えられるように、どうすれば「できる」の割合を増やせるかを考えながら進めるようにしていましたね。

ナイルと共に進める、持続的なサイト改善と「社労士ナビ」の進化

――中企団様が今後ナイルに期待する役割や、新たに行っていきたいことなどがありましたら教えてください。

小林:「社労士ナビ」は、良いサイトにしていただいたと思っていますが、現状実装済みのコンテンツは全体の約6割といったところで、残りの4割については、実装までにさらに半年ほどを要する見込みです。

しかし、これで完成というわけではありません。むしろ、この基盤が整った後にこそ、次に取り組むべき新たなコンテンツのアイデアがいくつも浮かび上がってきています。

したがって、ナイルさんの知見と支援を必要とする場面は、これからさらに広がっていくと考えています。

そのときはまたいろいろとアドバイスをいただきながら、我々の目的が達成できるサイトにするため、引き続き支援いただけたらうれしいです。

千葉:今後はSEOに加えてAI検索についても考えていかないといけないので、その対策にも目を向けながら、引き続きサポートしていただきたいです。

小林:まさに、AIが入ってきて不安に感じるところはあるんですが、そのあたりもナイルさんにお願いすれば安心かと思っています。

――では、ナイルとして今後取り組んでいきたいことはありますか?

松田:まず進行中のものとして、中企団様が最終的にはご自身でサイト運営をできるよう、しっかりサポートを続けさせていただきたいです。

また、SEOの傾向として、実際にサイトを公開してみないとわからない課題がたくさんあるのですが、「社労士ナビ」も、もうしばらく経つとそういったものが顕在化してくると思います。

特にテクニカルSEOについては、中企団様だけでメンテナンスするのは難しいと思いますので、そこはプロである私たちに頼っていただき、さらに「社労士ナビ」の成長に貢献できるようにがんばりたいです。

 

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最後に

ナイルは成果を追求するのはもちろん、「会社ごとの事情を理解したプロジェクトの伴走者であること」を心掛けております。

「プロの知見を活かしオウンドメディアを運営したい」「自社だけではリソースが足りない」という課題をお持ちの方は、こちらよりお気軽にお問い合わせください

さまざまな事例をもとに、貴社に最適なお取り組みをご提案します。

この案件・類似案件を担当したメンバー

 松田 明

松田 明(まつだ あきら)

複数の事業会社(旅行・教育業界)でSEO・広告を中心とするWEBマーケティングスキルを身につけ、ナイルに入社。これまで事業サイドでデータベース型(EC・求人)・店舗ビジネス・オウンドメディア等、多岐にわたるサイトに携わった経験を活かして、クライアントの立場を深く理解し、最適な解決策を提案できるコンサルタントを目指している。

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