【インタビュー】三井住友海上、コンテンツSEO強化で検索流入が前年比大幅増へ

【インタビュー】三井住友海上、コンテンツSEO強化で検索流入が前年比大幅増へ

三井住友海上火災保険株式会社では、「GK 見守るクルマの保険」としてドライブレコーダー付き自動車保険を提供しています。

2022年1月始期契約より、同社は「GK 見守るクルマの保険」にセットできる特約として、通常の「ドラレコ型」に加えて「プレミアム ドラレコ型」を販売開始。このタイミングから、ウェブマーケティング施策としてコンテンツSEOに着手しました。

現在までの約1年間で、選定したキーワードの約7割が検索順位トップ10入り。それらの記事を経由して、サービスページ、資料請求、問合せページへの送客が月200件に達するなど、大きな成果を生んでいます。

このプロジェクトについて、三井住友海上火災保険株式会社 経営企画部の西尾隆志氏と粟田裕一氏、そしてナイルからSEOコンサルティング担当の西脇、コンテンツディレクションを担当する秋丸に、詳しい話を伺いました。

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お客さまが知りたいコンテンツを用意し、顧客体験を向上したい

――ナイルとの取り組みは2022年1月から始まりました。なぜこのタイミングでSEO対策を強化しようと思われたのでしょうか。

 粟田裕一

三井住友海上火災保険 粟田裕一氏

三井住友海上火災保険 粟田裕一氏(以下、粟田):当時、当社のオフィシャルサイトでは、保険商品そのものをご説明する情報はあるものの、お客さまが保険を検討する前段階で必要な情報や、契約の決断を後押しするような情報が十分ではありませんでした。当社の調査でも、「保険はとっつきにくい」「誰に相談したらいいか分からない」という声が非常に多かったんですね。

私たちの所属するCXマーケティングチームは、デジタルマーケティング推進を目的に、2021年10月に新設されました。お客さまの情報収集手段の約8割が検索やSNSなどのウェブというデータもある中、顧客体験の向上は急務です。お客さまが見たい・知りたいコンテンツを多方面に展開することを目指し、コンテンツ制作に取り組むこととなりました。

 

――SEO対策にあたり、パートナーとしてナイルを選んでいただいた決め手はどこにあったのでしょうか。

粟田:第一に、SEOにおいて十分な実績のあるパートナーさまとご一緒したいという思いがありました。コンテンツSEOは、一度コンテンツを作ってしまえば終わりというものではありません。分析やブラッシュアップを継続的に進められるなど、中長期的な取り組みができる点も大事にしていました。

また、当社のオフィシャルサイトは、自動車保険や火災保険などの各ページをそれぞれの担当部署が管理しています。保険商品を扱う以上、正しい情報を発信する必要があり、コンテンツ制作では内容確認等で進行が滞る可能性も考えられました。ですので、金融分野での実績を持つ会社であることも重視していました。

 

西尾隆志

三井住友海上火災保険 西尾隆志氏

三井住友海上火災保険 西尾隆志氏(以下、西尾):保険の募集にはさまざまな規定があり、表記が固いものになりがちです。しかし、それがお客さまに分かりやすい文章かといえば、そうでもない。規定を遵守したまま、わかりやすい文章でコンテンツを制作された実績があることも決め手のひとつとなりました。

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キーワードやKPIをどのように設定するか

――SEO対策にあたり、具体的にどのような点に課題を感じられていたのでしょうか。

粟田:まず、社内の理解を得ることが最初の課題でした。当社は、代理店さまを介してお客さまに販売するBtoBtoCのビジネスモデルなので、「お客さまに直接接するのは代理店さまの仕事」という意識が非常に強い。ウェブサイトへの訪問を増やすことがビジネスにどうつながるかなど、今回の取り組みの意義を各部署に丁寧に説明してきました。

西尾:これまでも単発でコンテンツを作ることはあったのですが、作ることが目的になり、その後の分析や計測まで至らないことがほとんどだったんです。分析や計測ができなければ、改善点もわかりません。ブラッシュアップにつながるPDCAを回すことも課題の一つでしたね。

 

――では、コンサルタントの視点から、サイトに感じた課題点はどこにあったのでしょうか。

西脇遼平

ナイル株式会社 西脇遼平

ナイル株式会社 西脇遼平(以下、西脇):情報量が非常に幅広いという印象を持った一方で、SEOの観点から見ると、競合他社に比べて説明が足りていない部分がありました。とはいえ、キーワードによっては検索順位が上位に食い込むものも多く、事前調査では高いポテンシャルを感じていたのも事実です。

そこで、提案では「王道のキーワードを伸ばしていく」という方針でご説明しました。このポテンシャルの高さがあれば、コンテンツをしっかり作り込むことで伸びていくはずですと。お客さまが社内の方々にも説明できるように、提案では専門用語をなるべく避け、ロジックが明確に伝わるよう心がけました。

 

――今回は「見守るクルマの保険(ドライブレコーダー付き自動車保険)」への送客拡大をするためのSEO強化とのことでしたが、目標達成とするKPIやKGIはどのように設定されていましたか?

粟田:まずは、お客さまにサイトに来ていただくことを重視しました。「なぜドライブレコーダーが必要か」「ドライブレコーダーが役に立つ場面は」など、「ドライブレコーダー」というニーズが顕在化しているキーワードで新規訪問につなげようと。

併せて、商品ページへの送客数や、資料請求・お問合せといったアクションもどのくらい獲得できるかを見ていけるように、ナイルさんとご相談しながら各目標値を設定していきました。

「王道のキーワード」で、分かりやすく正確な記事を

――プロジェクトは2021年1月から始まりました。現在までの成果はいかがでしょうか?

粟田:おかげさまで多くの記事で検索上位の獲得や、新規訪問数の増加が見られており、対象ディレクトリにおける検索流入は前年比716パーセント増となりました。期待以上の成果を出せていると感じています。

西脇:現在は月6本の記事を制作しており、そのうち7割が選定したキーワードでトップ10入りしていますね。

 

――それは素晴らしいですね! 具体的にはどのような施策を行ったのでしょうか。

西脇:キーワードについては、検索ボリュームが小さいものを積み上げる形ではなく、検索ボリュームが大きいものから狙うべきキーワードをピックアップし、潜在層から顕在層まで網羅していく形でリストを作っていきました。先ほどお話しした「王道のキーワード」ですね。

 

――キーワードを選定したあと、記事制作~公開まではどのように進めているのでしょうか。

秋丸穂乃佳

ナイル株式会社 秋丸穂乃佳

ナイル株式会社 秋丸穂乃佳(以下、秋丸):キーワードの選定後、まず記事の構成案を作ります。記事の骨子について粟田さまにご確認いただいたあと、ライターが執筆し、当社で編集・校正を経て初稿をお出しする流れです。その後は何度か修正等のやりとりを経て、当社でコーディングまで行います。

粟田:最初のうちは、お客さまに伝わりやすい表現と、守らねばならない表記ルールの間でせめぎ合いがあって、悩むことも多かったですね。記事制作にあたっては、さまざまな部署に確認してもらうのですが、最近は社内でも慣れてきた部分があり、進行が少しずつスムーズになってきたと感じます。秋丸さんにも、我々の社内事情を汲んで柔軟にスケジューリングをしていただいて、本当に助かっています。

 

――スケジューリング以外に、秋丸さんがこだわっているポイントはありますか?

秋丸:「免許を取り立ての方」も読むことを想定して、なるべく分かりやすい内容になるよう心がけています。保険の契約に直接結びつく記事だけでなく、お役立ち系の記事もありますので、読者の役に立つことで「この会社っていいな」「このサイト、また来よう」と思ってもらえたらと。

ナイルでコンテンツに携わっているメンバーは、前職等でメディアや出版社で編集に携わってきた人たちばかりです。コンテンツ制作を本業としてきたメンバーが、コンテンツSEOに関わっているわけですから、この強みを生かして引き続き記事制作に取り組めたらと思います。

本丸はオフィシャルサイト全体のSEO

――コンテンツSEOで成果が出たことで、社内ではどのような反応がありましたか。

2人_粟田西尾

 

粟田:コンテンツSEOによって、新規のお客さまを呼び込めていること、そこから問合せや資料請求といった次のアクションにつながっていることは、社内でも非常にポジティブに受け止められています。最終的な契約数の増加につなげるには、まだやるべきことは多いのですが、「最初の一手」として実績を出せたことは大きいですね。

西尾:プロジェクトが始まった当初、あおり運転に関連したコンテンツをいくつか作ってもらいましたよね。それからしばらく経ったある日、役員から「“あおり運転”で検索したら、うちのページが一番に出てきた。これはどの部署で作っているのかね」と聞かれたんですよ。

まさにそれが、私たちが取り組んでいるコンテンツマーケティングです、とお話ししました。検索結果に一番に出てきたらこそ、役員に実感してもらえたわけです。内容についても「分かりやすくていいね。お客さまに役に立つ良いブランド施策だね。」という評価もいただきました。

 西脇:ありがとうございます。検索行動を通じて実感してもらえるのは嬉しいですね。

 

――プロジェクトが始まって1年ほど経ちました。これまでのナイルのコンサルティングで、良かった点や印象に残った点などありましたらお聞かせください。

粟田:キーワード選定はもちろん、記事の構成、実際のコンテンツに至るまで、「どうすれば社内のルールを守りながら、お客さまに必要な情報をお伝えできるか」を一緒に考えていただけるのは、非常に安心感があります。

また、課題であったブラッシュアップについても、定期的に順位や環境の変化などをレポートしていただき、分析を踏まえた提案もしてもらえています。中長期的に取り組んでいく中で、心強いパートナーだなと改めて感じているところです。

 

――ありがとうございます。それでは最後に、今後挑戦したいこと、期待していることについてお聞かせください。

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粟田:記事を増やすことで流入を増やしていきながら、契約などアクションにつなげる取り組みも進めていきたいですね。コンテンツSEOによって蓄積してきたデータを活用しながら、体験価値を向上していければと考えています。

また、現状は自動車保険を中心に取り組んでいますが、保険にはまだまだ多くの領域があります。損害保険会社という立ち位置から、より多くの情報をお客さまにお届けできるよう、保険種別やカテゴリなどを拡大していけたらと。

西尾:私も、本丸はオフィシャルサイト全体のSEOを手掛けることだと思っています。

西脇:SEOコンサルタントとしても、事業をまたいで一貫して取り組むところまでサポートできたら嬉しいですね。まずは引き続き、幅広い視点からキーワードのご提案を続けられたらと思います。自動車保険の分野でも、まだまだやれることはありますから。

秋丸:編集としても、ユーザーにとってはどんなページの見せ方だとわかりやすく感じるかなどをいっしょに検討させていただいたり、ほかカテゴリの保険商品についても、記事制作で協力させていただく機会があったりすると嬉しいなと思います。いずれにせよ、今はひとつずつ丁寧に制作することでご期待にこたえていきたいです。

西尾:最終的には「自動車保険」というビックワードで1位を取りたいですね。その日まで、ぜひナイルさんには伴走していただけたらと思います。

 


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この案件・類似案件を担当したメンバー

 西脇 遼平

西脇 遼平(にしわき りょうへい)

・YMYL領域である金融業界での支援事例では、選定したキーワードの約7割が検索順位トップ10入り
・BtoB、BtoCで幅広くプロジェクトを経験しており、主にメディア型サイトにおけるSEO施策や導線改善を担当

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