あなたの話が伝わらないのはなぜか?

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会議室

「寺田さんの話は、わかりづらいんですよね」

5年前の上司は、人がいなくなった会議室で言った。

 

当時、私は今と同じコンテンツマーケティングに関する企画や編集の仕事をしていた。WELQや電通の事件が起こるもう少し前の話。コンテンツは今よりも少し雑に扱われていて、働き方は少し粗っぽかった。

 

雑誌の編集から30代なかばで転職してきた私は、設立7年目のIT ベンチャーとして勢いに乗る社内で、Webコンサルタントたちとうまく意思疎通ができないことに悩んでいた。彼らは、学歴が飛び抜けて良かったり、底知れない行動力があったりして、とにかく優秀だった。

そして、私はそのどちらとも意思疎通がうまくできなかった。

 

なぜ意思疎通ができなかったか?

 

今から考えると簡単な話なのだが、報連相の基本がわかってなかったからだ。

5年前の上司は言った。

「寺田さんの話は、最初に結論がないんですよ。報告なのか、相談なのか、私に何をして欲しいのかがわからない。前提がない状態のまま話を聞き続けなければいけないから、話を聞く間ずっとモヤモヤすることになる。そして、最後まで結論がなかったりする。
だから、最初にぼくに何をしてほしいのかを明確にしてほしい。報告です。相談です。と、最初にひと言入れるだけでいいんです。」

年上の私に気を使うように言葉を選びながら、上司はゆっくりと話してくれた。

 

なるほど。そういうものかと、その日から私は言われたことを守るようにした。当時から社内では、ChatWorkやSlackといったテキストコミュニケーションが中心だったので、上司に関わらず報連相の場面では最初に前提を入れるようにした。

すると、周囲との意思疎通は不思議とうまくいくようになった。その習慣は今も変わらず続けている。

 

文章の表現力について多くの著作がある山田ズーニーさんは、『あなたの話はなぜ「通じない」のか』で前提を「問い」の問題として解説している。

問いが共有できないとは、問題意識が共有できないということ。日本人は、自分で問いを意識しないまま話すことが多い。それだけに、心が無意識に向かう関心、考えずにおれない切実な問題意識が、問いに込められている。だから、それを受け止めてくれないと苛立ち、相手に不信感を持つのも無理はない。

以前の私は、問いを立てずにコミュニケーションをしていた。伝える相手に何をしてほしいのか、伝えることの目的は何かを意識しないで思いつくままに言葉を伝えていた。そして、なぜ相手はわかってくれないのだろうと苛立っていた。

 

最近言われて嬉しかった言葉がある。

「ナイルさんのオウンドメディア設計は、こんなに多くの調査をしてくれるんですね。どのような方針で運営していけばいいのか納得しました。」

今年ローンチしたオウンドメディアの方針提案をした時に、担当者から言われた言葉だ。伝わった。と、ほっとしたのを覚えている。

サイトは、公開1ヶ月で検索上位に記事が表示されるなど順調に数字を伸ばしている。なにより、サイト運営に関わるコンサルタント、編集、アナリスト、そしてパートナーのWeb制作チーム、さらにクライアントまで、方針に納得して仕事ができている。

 

わかりづらいと言われた私の言葉でも、前提と目的を明確にして、伝わるための努力を続ければ伝えることができる。
そう教えてくれた上司には、今も感謝している。

 

わかりづらい話をわかりやすくするのは、簡単なことだったのだ。

 

コンサルタント 寺田(Twitter: @yatera1979

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