Googleより容赦無し?Appleのアプリランキング操作の『即アウト』的な排除規制が、実際わりと厳しい模様

Googleより容赦無し?Appleのアプリランキング操作の『即アウト』的な排除規制が、実際わりと厳しい模様

同じ”ランキング”に関わるテーマでも、今回はiPhoneやiPadを代表とするiOSアプリを主題とした話題です。つまりGoogleでの検索ではなく、「App Store」の中の話です。とりわけ新情報というわけではありませんが、「本格的な動きが見られた」という意味では新しいかなと。

App Storeのランキング操作に関わる仕組みを持つiOSアプリがゴッソリとストアから排除されるように規制強化

ランキングの人為的な操作を排除することでユーザーの利便性の向上を図りたいのは、なにもGoogleだけではありません。ランキングの品質改善は、ユーザーにランキングを提示する仕組みを持つ多くのプラットフォームにとって、避けては通れない課題の一つなのです。

Appleのアプリストア「App Store」でも、ランキングの公正化のための取り組みとして、人為的にランクの操作をする目的のプロモーションを排除する動きが厳しくなっているということがつい先日、話題になりました。まとまっている記事としてはこのようなところをご覧頂ければと思います。

※2つ目、3つ目のURLについては、訂正も入れられていますが「規約がずいぶん厳しくなった」ではなくて「もともと言われてたことが本格的に実行されてきているようです」という意図ですね。タイトル内の「規約厳格化」の表記で誤解する人も中にはいそうでしたので、念のため補足。

“記事の公開時、「規約を発表」とありましたが、「すでにある規約を厳密に運用し始めた」の誤りでした。”

“以前からAppleはリワード付きの広告を禁止していた。しかし、実際には規約は厳格に運用されず、「厳密には違反しているようだが、何も言われない」という状況になっていた。”

 
さて、挙がっている話題をまとめますが、

“規制の対象となるのは、報奨で誘ってビデオの視聴をすすめるツール、ソーシャルに共有するとおまけがもらえるもの、プレイしているゲームの中でほかのアプリを見つけさせるもの、などだ。この規制はアプリ業界全体に影響を及ぼし、アプリの成長や市場拡大のためにこれまで一般的に使われていた方法を“リセットする”効果を持つだろう。”
ビデオを見たりソーシャルな共有で“ごほうび”をくれるアプリはApp Storeから締め出しへ…iOS 8の大改革

ということで、何かしらのインセンティブ(報酬)と引き換えにユーザーに何らかのかアクション(広告の閲覧、アプリのインストール、Facebookでのシェアなど)を求める仕組みを持つアプリは、アプリストアからリジェクトされる、つまりストアに掲載されなくなるということですので、その間は一切新規のインストールを獲得出来ません。重めです。

そういう規制がここにきて本格的に運用され始めたようです、というのが今回の話題の主旨となります。ここからは、この話題を背景から掘り下げて行きましょう。

App Storeの人気ランキングってどうやって決まるの

Appleのアプリストア「App Store」は、利用したことがある方は分かると思いますが、アプリの人気ランキングには、「総合」「有料アプリ」「無料アプリ」のような全体的なランキングと、「仕事効率化」「ビジネス」のようなカテゴリ毎のランキングが存在します。

アプリのランキングには、総合的なランキングとカテゴリごとのランキングがあり、有料アプリ、無料アプリ、どちらも含むランキングから探すことが出来ます

こうしたランキング決定ルールについてはGoogleと同様公表されてはおりませんが、やはり「一定期間内にどれだけ多くの人がインストールしたか」という要素は大きいようです

※もちろんGoogle検索と同じで、インストール数が全てではありませんが、主たるランキング決定要因の一つにはなっている、ということです。だからApple側としても本腰入れて規制をせざるを得ないわけです。

 

そして、iOSでアプリをインストールするユーザーのうち、App Storeの人気ランキングを参考にインストールするアプリを選ぶユーザーはやはり多く存在します。

従って、「一定期間のうちにどれだけインストールされるか」でランキングが上がるか上がらないかが決まり、ランキングが上がればその後のインストールの促進にもなるわけです。

つまり、iOSアプリにおいて継続的にインストールを増やすために、

  • 短期間でのインストールを増やし、人気ランキング上位に食い込む
  • App Storeユーザーへのリーチが増え、オーガニックなインストールも増える
  • その後も継続的に一定量のインストールを獲得し続け、ランキングを維持する

大きくこのような施策が一般的に行われています。

従って、まずは「短期間でのインストール促進」というのはこの流れの起点となることですので、ここが上手くいくかどうかがアプリマーケティングの鍵を握る、と言っても過言ではない状態でした。

何かしらの報酬を対価としてアプリのインストールを促進するプロモーションが普及

「何かしらの報酬を対価としてアプリのインストールを促進するプロモーション」て何やねん、ということですが、砕けて言えば「ここからこのアプリをインストールしてくれたら、コイン○枚プレゼント!」みたいなやつです。

逆に、「コイン○枚あげるから、その代わりこのアプリインストールしてよ」とも言えますね

そしてこういう形式でインストールを増やしまくったアプリが人気ランキング上位にいるというのは、何か本質的な「人気ランキング」と言うには違和感ありますよね、というのはWeb検索に関わる仕事をされている方であれば慣れ親しんだ文脈だと思います。

また直接的なインストール促進以外にも、同じような意図で、ポジティブなレビューの投稿やソーシャルメディアでのシェアを報酬付きで促すようなプロモーションも広く行われています。

とにかく、このようなランキングの人為的な操作につながるような行為を何かしらの報酬を対価としてユーザーに促すような仕組みについては、実はもとから規制するとされていました

しかし、Googleのかつてのガイドラインと同じく、「そんなこと言ったっていくらでもやれちゃうし、やってるやつたくさんいるし、現にランキング上がりまくりじゃん」状態であった、ということですね。

Google検索とApp Storeの違い

Google検索ランキングとの大きな違いとして、掲載されているコンテンツ(アプリ)は全てAppleの規定に基づく人的な審査を通過したものですので、Web検索よりも掲載時点でのコンテンツ品質をある程度は担保しやすい、という点が挙げられるかなと(App Storeの場合は審査時に体裁整えて通してしまえば、、という抜け道はあるのでしょうけど、さすがにいずれはその辺も対応されるかと思いますし)。

また、それに付随し、コンテンツ量はGoogleのように”兆”とかの規模にはなり得ませんので、あくまでアナログな規制であっても機能しやすいという点も今回の話題には直結します。(ちなみにApp Storeの場合は特定の仕組みを自動検出する精度とかはどうなんでしょうかね?)

したがって、Googleのようなアルゴリズム依存ではなく、プラットフォーム側の運用ルールをどのように引くか、どのように運用するか、という改善のみで大きく規制を加速することが可能ということです。

その前提で、Google検索のリンク売買のアレと比較すると

若干こじつけだったりしますが概ねこんな対比は分かりやすいかなと思います。

App StoreとGoogleで対比して考えます。  App Storeの事情。 ・インストールが多いアプリは人気があるというロジック ・だからインストールが増えるとランキングが上がりやすい ・何らかの報酬と引き換えにインストールを促す機能を持つアプリがある ・何らかの報酬を払って得たインストールでランキングをあげようとしているアプリがある ・ユーザーの自発的なインストールでないのであればランキングに反映したくない ・報酬と引き換えにユーザーにアクションを促す機能を持つアプリに規制を入れる ・アプリストアからのリジェクト(排除):ストアに掲載されない ・問題となる部分を修正して再審査を行い、問題がなければ規制解除  Google側の事情。 ・リンクがたくさんあるサイトは人気があるというロジック ・だからリンクが増えるとランキングが上がりやすい ・何らかの報酬と引き換えにリンクを提供しているサイトがある ・何らかの報酬を払って得たリンクでランキングを獲得しているサイトがある ・ユーザーが自発的に貼ったリンクでないのであればランキングに反映したくない ・報酬と引き換えにリンクを提供しているサイトに規制を入れる ・検索結果からのインデックス削除:検索結果に表示されない ・問題となる部分を修正して再審査を行い、問題がなければ規制解除

という感じですね。Googleに慣れている方であれば特に違和感なく飲み込める話題だと思います。

今回のケースはGoogleのリンク売買の例に例えれば「リンクを売っているサイトは問答無用でインデックス削除ね(=検索結果に表示されなくなるよ)」ということになりますので、Googleで言えば最も重度のペナルティを、割とバシバシ行っているということです。

現実には、Googleのインデックス削除は、本当に低品質なサイト(アフィリエイトリンクばっかりとかリンク提供以外の目的がないとか)を除いては、よほどのことがない限りは一般的なサイトでそう起こりうるものではないのですが、Appleの場合はその辺は容赦ないみたいですね。

しかもGoogle検索で言えば、大事に作ってきたメインのサイトがそうなる、とかそういうレベルのことですので、アプリ関係者としてはそれなりに大きい変更と言えそうです。

ちなみに:実際この規制運用の強化によりどうなったか

ちょっと又聞きの情報なので不確かではありますが(関係者の方、もしも不適切でしたら訂正追記しますのでご指摘頂けますと幸いです)、結構色々話は聞きます。

結論から言えば、とりあえず、Appleは割と本気出してきているようです。

少なくとも上記の規制の対象と言われている

  • インセンティブ付きで他アプリのインストールを促進する仕組みを持つアプリ
  • インセンティブ付きでソーシャル拡散等を促す仕組みを持つアプリ

のような代表的な規制対象の仕組みを持つアプリは割とガシガシリジェクトされているみたいです。

また、ユーザーにインセンティブ付与が有りだろうと無しだろうと、アプリの中で他のアプリインストールを推奨するようなものも含めてアウトになっている的な噂もあります(これはあくまで噂)。

インセンティブの有無に関わらず、アプリの中で他所のアプリをプロモーションするのはヤメレ、という意図がそもそもあるのかもしれません。ぶっちゃけそれくらいはええやんとか思ってしまいますが。普通に広告してるだけだし。。(※もちろんそれ以外でアプリ内に表示される通常の広告ネットワークなどは特に規制の対象ではありません)

ちなみに、Webを通じたインセンティブ付与の広告とかについては特に規制とかないんですけどね。アプリの中にそういう仕組みを持ってたらダメよ、ということなので。

※この辺については、アプリ内でのインセンティブ付与の排除の背景として、「ランキング操作の禁止」だけではなく「そんなところでインセンティブとして付与しちゃったら、Appleに課金してもらえないじゃないの」という意図も多分にあるのかなと思いますがどうなんでしょうね。媒体(アプリ)としてはアドオンで課金されるより広告で得られる報酬が高いのであれば普通そちらを選びますし、事実今でもインストール成果報酬型の広告って単価かなり高く設定されますし。

 

まとめ

アプリの関係者の方々にとっては何だかんだ言ってもそれなりにはインパクトのある規制強化なのではないかなと。少なくともGoogleがここ何年もかけて取り組んできた規制レベルを、それに比べれば結構な短期間でズバンと進めてきたのが今のAppleということですので。

実際には、監視をかいくぐってうまいことやることが出来ないわけではないと思いますので、どこまで厳密にこの規制をAppleが運用していけるか分かりませんが、Googleのそれに比べれば現実的に運営側の努力と工夫である程度対応できるコンテンツ量ではないかな、などと考えますと、

アプリマーケティングの世界では、定められたルールの中でちゃんとプロモーションするにはどうしたらよいか、というのを考えていかなきゃ行けないよね、がキレイ事ではない時代はそんなに遠くないかもしれないですね。

※今回の件、おそらく「そういうプロモーションをしてるアプリを規制する」だとめちゃくちゃハードル上がると思うんですけどね。外的要因が絡むので検知と判断が難しいので、今Googleが右往左往してることと似たようなことを何だかんだすることになると思いますし。あくまで、「そういう仕組を持っているアプリ」への規制、ということで、根本からそういうプロモーションをやりづらくしようとしているのが現状でしょう。Googleも、最近のリンク系ペナルティの話題を聞くに、表面的なリンク対策への対応よりも、根本的な原因の検出と排除に注力するポイントをシフトしてきているようにも見えますし。

 

ともかく、GoogleにしてもAppleにしても、特定のプラットフォームに依存したビジネスを行うにあたっては、プラットフォームが許容する中でどうやって勝っていくか、を考えるのは普通です。

その中で、現時点での勝ちパターンを追求することで勝てている勝負も多くあると思いますが、一方で、プラットフォーム自体のルールや仕様の変更によりその勝ちパターンが一気に破綻する、といった可能性は常に考慮しておかないといけませんよね。

ということで、普段と違った話題をお伝えしました。別事業でアプリ紹介サービスを運営しておりますのでたまにはアプリ界隈の話題も良いかなと。(長い割に薄い内容ですみません)

最後に:SEOセミナーのお知らせ

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著者紹介

土居 健太郎(どい けんたろう)
土居 健太郎(どい けんたろう) 取締役

東京大学工学部を2度の留年を経て休学し、復帰すること無く中退。その後フリーターとして飲食店で働くも、ひょんなことから2009年ナイル株式会社に参画。2010年よりWebコンサルティング事業部 事業部長としてWebコンサルティング事業の立ち上げに従事。その後執行役員を経て、2015年、取締役に就任。「Appliv」にもサービスリリース時よりSEO/サービスグロース面から携わる。著書に「10年つかえるSEOの基本」がある。

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