「SEOに注力しよう」はお門違い

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「SEOに注力しよう」はお門違い

ナイルの大澤です。

前職は外資系のコンサルティング会社で働きながら、趣味でアフィリエイトをしており、Webの世界が楽しそうだと思って、ナイルでSEOコンサルタントになりました。


アフィリエイターだったころには気づかなかったことですが、SEOコンサルとして働いている間、ある違和感を持つようになりました。その違和感について今日は書いていきます。

施策リストに覚える違和感

私の「違和感」が湧いてくるのはたとえば以下のような施策リストを見たときです。

▼違和感がある施策リスト

違和感のある施策リスト

以下のような施策リストなら違和感はないです。

▼違和感がない施策リスト

違和感のない施策リスト1

違和感のない施策リスト2

この違和感の正体を考えていたところ、数年前に弊社のメンバーがセミナーをした動画を偶然見かけました。そこで、こんなことを話していました。

「SEOってわざわざするものではないんですよ。SEOで成果を出している会社の多くはWebサービスを提供するプロセスの中にごく自然にSEOが組み込まれている」

▼セミナー資料から抜粋

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ようやくこの違和感の正体が分かりました。SEO施策とは順位を上げるための特別な施策ではないのです。

Webサービスを提供している側ならば売上を立てるために、ユーザーが見つけやすいように、ユーザーがサイトで迷子にならないように、ユーザーが「このサイトは役に立つなあ」とおもえるようにやっていくことなのです。それをわざわざ「SEO施策」と切り出して、ユーザーのためではなくて、検索エンジンのために施策を打つような雰囲気や考え方に、私は違和感を持っていました。

ユーザー行動を録画して観察した体験

大規模サイトにおいて、アルゴリズムを無視した施策を打って成果をあげることはできません。技術要件も正しく実装すれば結果としてランキングは上がりますし、コンテンツの重要性はGoogleもアルゴリズムに関する公式ブログの中で触れています。

参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと

しかし、世の中の多くのサイトではアルゴリズムに一喜一憂するのではなく、ユーザーの動きを信じて施策を打つことで成果を出すこともできます。SEOに向き合い続けてきた人に、何言ってんだこの人、、と思われるかもしれませんが、これにはある体験があります。

半年やっても順位が上がらない

あるデータベース型のサイト(不動産情報を扱うホームズさん、求人情報を扱うindeedさんなどのようなメディア)を担当させていただいたとき、noindexやcanonicalなどの基本的な設定に漏れがあったので、それらをご提案し、実装いただきました。ほかにもパンくずの変更など、クリティカルと思われる課題は解決しましたが、なかなか順位が上がりません。

競合他社のサイトを研究し、立てた仮説は、「表示件数によってユーザーの動きが変わり、それが検索順位に影響しているのではないか」です。

詳しく書くと検索結果で1位表示をしている競合とのコンテンツ差分を見つけていき、その差分を確実に埋めるようにしたのです。このやり方自体は珍しいことではありませんが、そこで1つ争点になったのは、掲載記事の表示件数でした。

今の検索結果を信じるべきか

競合他社は記事の表示件数を10件以下まで絞り込んでおり、お客様サイトは50件など大量に表示していました。ユーザー行動を録画して分析したところ、件数が多いとすべてを見る前に離脱してしまっていました。おそらくユーザーが飽きたり、疲れているのです。

そこで「ユーザーにとって役立つのは表示件数が少ない方ではないか。その方が選ぶストレスが減り、結果サイト内を回遊するようになり、検索エンジンから評価されているのではいか」という仮説を立てていました。

しかし、私もお客様も、表示件数が多い方がいいと思っていたのです。なぜなら10件の中に自分の希望する記事がなければ、もっと調べる行為をしなくてはなりません。自分がユーザーなら、表示件数は多くて、自分の要望に近い順に並び替えができたらいいと思っていました。

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検索結果から「どんなコンテンツがGoogleに評価されているんだろう」と分析して、「現在のアルゴリズムはこんなサイトを評価しているらしいぞ」と考えて施策を打つ人ならば、きっと表示件数を減らしたと思います。「表示件数が少ないサイトの方が評価されている」「画像枚数が多いサイトの方が評価されている」と考えるからでしょう。

ところが私たちは何度も話し合いを重ねて、表示件数は絞らない。その代わり、表示件数が多いままでも探しやすいようにデザインを変えていくことにしました。デザインを変えてもすぐに順位は上がりません。ようやく上がり始めたのは、PJTが始まってから1年経とうという時でした。

上位表示されている検索結果のサイトの傾向を思考を介さずに真似するのではなく、「ユーザーの役に立っているのなら真似してみる」「ほかの方法の方が役に立てるのなら、真似せずにほかの方法を考える」ことが重要だと経験できたPJTでした。

ユーザーの立場で考えて決断するから施策が意味をもつ

この順位があがったのも、デザインを変えたからあがったとか、そんな単純なことではありません。リダイレクトを変えたりcanonicalやパンくずなどを変えていった施策の積み重ねで順位が上がっていったと考えられます。これはわざわざSEOをした、アルゴリズムを研究したというよりは、どういうサイトがユーザーの役に立つんだろう、と考えて、そう決めた、の方が正しい言い方になります。

Googleの検索結果は、参考にはなります。こんな情報をユーザーは求めているから、このキーワードを狙うならこんな情報を書けばいいんだな、と。ただ、それはあくまで参考です。

アルゴリズムは変わり続けます。ユーザーの期待に応える検索結果を出すためにアルゴリズムが変わり続けているのなら、ユーザーのことをとことん考えたサイト作りをしていけば、すぐに成果はでなくても、やがてアルゴリズムが変わっていき評価されるかもしれません。アルゴリズムより先回りできるのかもしれません。

「検索結果で上位表示するため」にやる施策はない

技術要件は検索結果ランキングのためにやるのではありません。技術要件の正しい実装によって、サイトコンテンツを検索エンジンが把握する手助けをしているのです。ユーザーに役立つサイトであっても、ユーザーのニーズとサイトの内容を検索エンジンが紐付けることができなければ、検索結果画面にサイトが出にくくなります。

画像を追加しましょう、なども、検索結果ランキングのためにやるのではありません。画像はユーザーが記事を読みやすいように、また内容を理解しやすいようにするためです。または文章だけでは伝わりづらい内容をより正確に理解してもらえるように、情報を整理したり、視覚的に理解できるようにするものです。

多くのサイトではアルゴリズムを分析しなくたって、ユーザーの検索意図を考え、技術的な手助けを考えてサイトをつくっていけば成果はでるはずです。すべての施策はユーザーが求める情報を見つけやすく、「検索したら解決した」となるために打つものです。これはSEOというよりは、サイトで売り上げをたてていくのであれば当然のことだと思います。

営業ツールをいれるのは、営業の課題を解決するためです。そのツールは営業の課題を解決することに力を注いでいるはずです。

ECサイトにたどり着くのは、買いたいものがあるからです。そのサイトは買い物しやすいように工夫しているはずです。

その「ユーザーが買い物しやすいようにする工夫」の中にごく自然にSEOの施策たちが組み込まれていくわけです。それがリダイレクトをきちんとしましょう、であったり、重複コンテンツをなくしましょう、ページが表示されるスピードを改善しましょう、商品情報をオリジナルで記載しましょう、構造化データを実装しましょう、になるのです。決してSEOのためにしている施策ではないのです。

まとめ

私はSEOコンサルタントとして働きながら、たびたび施策リストに違和感を持っていました。その違和感の正体は「SEOのために施策を打つという雰囲気や考え方」でした。

「検索結果ランキングをあげるため」の施策は意味を持たないと思います。技術要件の施策も、コンテンツの制作も、すべてはユーザーがGoogleというプラットフォームで情報を見つけやすくし、求めた情報にたどり着くために行うことです。Webサイトで売上を立てるためなら、やっていて当たり前の施策であり、SEOのためにやる施策ではないのです。すべてとはいいませんが、多くのサイトではユーザーのために施策を実装する考え方の方が、結果として施策が迷走しないと思います。

以下の記事もSEO施策の考え方について述べています。ぜひ参考にしてみてください。とくにアルゴリズムとの向きあい方や施策の優先順位で悩んでいる方がいれば、おすすめです。

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