マーケティング予算の決め方5STEP&予算配分で重視すべき4つのポイント

マーケティング予算の決め方5STEP&予算配分で重視すべき4つのポイント

企業の最終目標を達成するためには、売上に貢献できるマーケティング施策に注力することが重要です。しかし、年々新しいマーケティング手法が生まれる中で、どのように予算を配分すればよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、マーケティング予算を決めるときのSTEPや、予算配分で重視すべきポイントについて解説します。

もし、マーケティングの専門家に相談して判断したいということでしたら、お気軽にナイルまでご相談ください。

マーケティング予算を増やす企業は増加傾向にある

マーケティングで成果が出せるかどうかは、予算の配分も大きく影響します。

コムエクスポジアム・ジャパン株式会社の調査によると、2023年に広告・マーケティング予算を増加予定の企業は38.4%と発表されています。なかでもこの先1年で重要度が増し、注力する・予算を振り分ける施策で最も多いのが「オウンドメディアの充実・強化」(52.3%)です。

参考:2023年に広告・マーケティング予算を増加予定の企業は38.4%。注力したい施策に「Connected TV」が初めて上位に ~「企業が注力するマーケティング調査レポート」最新版を発表(コムエクスポジアム・ジャパン株式会社/2023年1月17日配信 PR TIMES)

このようにマーケティングに注力する企業が増加しているため、施策を選定した上で適切な予算を配分することが欠かせません。

なお、BtoBのリード(見込み客)獲得に有効な施策について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。効果的にリード獲得を進める手順も解説しています。

マーケティング予算を決める5STEP

ここでは、マーケティング予算を決める方法を、下記の5STEPに沿ってお伝えします。

マーケティング予算を決める5STEP

STEP1 マーケティング目標を設定する

まずは、会社全体のKGI(最終目標)やKPI(中間目標)を確認しましょう。

全体の目標から自部門の目標を逆算することで、他部門との連携を考慮した予算を配分しやすくなります。

例えばKGIが「月の売上1,000万円を達成する」ことだった場合、「月に100件のリードを獲得する」などです。この1年で最も達成したい目標を決め、そこから施策内容と予算を詰めていきましょう。

STEP2 現状のマーケティング施策の課題を明確にする

次は、すでに実施している施策の課題を洗い出します。

適切な予算配分を行うためには、既存のマーケティング施策の課題や改善点を分析することが重要です。

例えば、「リスティング広告を実施しているが、顧客獲得単価(CPA)が問い合わせ1件あたり10万円かかっていて、目標値を大きくオーバーしている」などです。

目標達成に対して貢献度が低い施策は予算を縮小するか、停止しましょう。その分の予算を新たな施策へ配分するなど、取捨選択が必要です。

STEP3 1顧客当たりの売上・利益を計算する

1顧客あたりで発生する利益(LTV)を計算しましょう。

LTVを決めておくことで、「投下する予算に対してどれだけの利益が出るか」という試算を出せます。

LTVを算出するための計算方法は複数ありますが、代表的なものは下記のとおりです。

LTVの計算方法 適したケース
顧客の年間取引額×収益率×顧客の継続年数 BtoBで長期契約型の商材を扱う場合
全顧客の平均購入単価×平均継続月数 サブスクリプション型の商品・サービスの場合
顧客の平均単価×粗利÷解約率
  • サブスクリプション型の商品・サービスの場合
  • 解約される可能性も含めて計算

例えば、BtoB商材で特定の企業との取引におけるLTVを算出したい場合は、次のような計算式になります。

顧客の年間取引額(100万円)×収益率(50%)×顧客の継続年数(3年)=150万円

なお、過去にマーケティング施策を実施している場合は、施策ごとのLTVまで用意できるとベターです。施策ごとの収益性が明確になり、優先度付け、ひいては予算配分に役立ちます。

STEP4 各施策のリード獲得単価を算出する

次のSTEPとして、検討している施策のリード獲得単価を算出しましょう。

リード獲得のコストがわかることで、費用対効果を判断する材料になります。リード獲得単価は、下記の計算式で算出できます。

リード獲得単価 = リード獲得にかけた費用 ÷ リード数

リード獲得にかけた費用やリード数は、次のようなデータを参考にしましょう。

  • 前年度までに実施していた施策の場合:実績ベースで算出
  • 新しい施策の場合:見積もりや、業界のデータを参考にコストを予想して算出

また、獲得単価を施策の目的別に分けることで、経営層に稟議を通すときに予算配分の意図を理解してもらいやすくなります。「新規リードの集客」「既存リードの育成」などに分けてみましょう。

STEP5 マーケティング予算を配分する

最後に「リード獲得単価×目標獲得数」に応じて、予算を配分しましょう。

施策にもよりますが、獲得単価はPDCAを回して改善していくことが多いので、少し多めに配分することがおすすめです。

優先度は、「費用対効果」を重視するなら施策ごとの「リード獲得単価」や「LTV」を比較して決めます。「リード数」を重視するなら「想定リード獲得数」を見るとよいでしょう。

また、新規施策に予算を配分する場合は、既存の施策であまり効果が出ていないものをストップし、その分を新規施策の予算にあてます。

なお、予算はある程度柔軟に調整できるようにしておくことが重要です。世の中の状況が変化した場合に備えて、成果の出る施策にすぐに切り替えられるようにしましょう。

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マーケティング施策の予算配分で重視すべき4つのポイント

マーケティング施策の予算配分で重視すべきポイントとして、下記の4つが挙げられます。

順番に見ていきましょう。

マーケティング施策の予算配分で重視するポイント5

ポイント1 予算が少ない場合、施策を広げすぎない

1つ目のポイントは、予算が少ない場合に施策を広げすぎないことです。

施策ごとの予算が限られてしまうため、蓄積できるデータも少なくなります。その結果、各施策でPDCAが回しにくくなり、成果につながらない可能性があります。

予算が少ない場合は、1〜2個の施策に絞りましょう。成果が出てきたら予算を上げ、他の施策をスタートさせることがおすすめです。ただし、「少ない」の定義は施策ごとの相場によります。あらかじめ施策の相場を調査した上で判断してみてください。

ポイント2 過去に実施した施策のデータを活用する

過去に実施した施策のデータを活用することも、ポイントのひとつです。

どのような施策が失敗・成功したかを振り返ることで、新たな施策の立案に役立てることができます。

例えば、下記のようなデータを収集しましょう。

  • リスティング広告の場合:CPA、コンバージョン数、コンバージョン率
  • メールマガジンの場合:開封率、コンバージョン数、URLのクリック数

もし過去に目標達成に大きく貢献した施策があり、今後も同じくらいの成果が期待できる場合は、重点的に予算を配分することをおすすめします。

ポイント3 注力したい施策から優先的に予算を配分する

3つ目のポイントは、注力したい施策から優先的に予算を配分することです。

需要が高まりやすい時期や受注タイミングに合った施策に注力することで、成果を上げやすくなります。

例えば下記のように、特定の時期に限定的・集中的に行う施策などが挙げられます。

  • セミナー・ウェビナー
  • キャンペーン
  • 展示会・イベント

注力すべき時期を把握するときは、過去のマーケットデータや購買データなどを利用しましょう。具体的なタイミングを導き出すことが可能です。

ポイント4 固めすぎず柔軟に対応できるようにしておく

施策の予算配分を確定した後も、固めすぎず柔軟に対応できるようにしておくことが大切です。

当初決めた予算配分の通りに施策を実施するよりも、施策の目標への貢献度を見ながら予算を最適化したほうが、効果を得やすくなります。

例えばリスティング広告を運用していて、CPAやコンバージョン率などの数値が想定通りにいかない場合は、SEOの配分を増やすなどです。

また、予算計画にバッファを持たせておくと、状況が変化したときも柔軟に対応しやすくなります。予算規模に応じて、1.1〜1.2倍を設定しておくとよいでしょう。

予算を消化しきれない、予算が余りそうな場合の対策は以下の記事で解説しています。

既存の施策を分析し、適切なマーケティング予算を決めよう

マーケティング予算を決めるときは、まず目標を設定した上で現状の施策の課題を洗い出しましょう。

施策を実施した後も結果だけに着目せず、目標が達成できなかった原因を分析し、施策内容を改善していくことが重要です。原因分析と改善を繰り返すことで、また次の目標につなげていくことができます。

予算に対して目標達成できなかった場合は、原因を分析し施策の改善を図る

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編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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監修者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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