オウンドメディアのSEOを技術要件から運用体制まで徹底解説

オウンドメディアを立ち上げて、やみくもにコンテンツを公開するだけでは、求める効果を得ることはできません。流入やCV(コンバージョン)といった成果を出す上で外せない、オウンドメディアでやっておくべきSEO対策について徹底解説します。

スマートフォンやタブレットといったデバイスの急速な普及と、それに伴うソーシャルメディアのシェア拡大によって、個人が受け取ることができる情報量は爆発的に増加しました。2019年にアドビシステムズが公表した日本人のデジタルコンテンツ消費に関するトレンドによれば、日本の消費者がデジタルコンテンツに費やす時間は1日平均4.8時間にも及ぶと言われています。こうした中、従来型のペイドメディアのみの集客に限界を感じ、新しい情報を求めて流れていきやすい潜在層へのリーチを強化するため、コンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアを構築する動きが活発化するようになりました。

しかし、単にオウンドメディアを立ち上げて、やみくもにコンテンツを公開するだけでは、求める効果を得ることはできません。

  • 作ってはみたものの、流入がまったくない
  • 手間だけがかかって、CV(コンバージョン)を獲得できない

こうした悩みの多くは、オウンドメディアを立ち上げる際にSEOの観点が欠落していることが一因になっています。オウンドメディアで効果を出すなら、立ち上げから運用まで、一貫してSEO対策を行うことが非常に重要です。

オウンドメディアで流入を増やすには立上げ~運用までSEOを考慮する

今さら聞けない、オウンドメディアとは?

まずは、「そもそもオウンドメディアとは何か」という基本からおさらいしておきましょう。オウンドメディア(Owned Media)は、その名の通り企業(自社)が所有するメディアのことです。厳密にはコーポレートサイトやブログ、TwitterやFacebookなどのSNSに加えて、メールマガジン、パンフレット、会社案内なども含まれます。

ひとことでいえば「自社独自の情報を、ユーザーや潜在層である消費者を想定してコンテンツ化し、発信するウェブメディア」を指していると考えていいでしょう。

オウンドメディアは、自社製品・自社サービスに関する情報をユーザー目線のコンテンツとして公開します。情報を拡散するソーシャルメディア、ネット広告などのペイドメディアと組み合わせることによって、ユーザーとの接点をつくります。オウンドメディアの構築には工数がかかり、成果が出るまでの時間もかかりますが、自社で長く育てていけば、潜在層にもアプローチできる点が大きな魅力です。

これらの魅力を生かして効果を最大化させるには、検索エンジンからの流入は欠かせないでしょう。そのために、オウンドメディアの運用時はもちろん、構築段階からSEOを意識しておく必要があります。

オウンドメディアの技術要件

オウンドメディアで成果を出すためには、具体的にどのような技術要件が求められるのでしょうか。ポイントは8つあります。

オウンドメディアの技術要件

1. URL名のつけ方を工夫する

URLはシンプルに、一目で内容が推測できるものにしましょう。理由は2つあります。

1つは、長期的なSEO効果が狙えるからです。簡潔にコンテンツの内容を表したURLにすることで、ユーザーは参照先の概要をつかめるので、アクセス向上になる可能性があります。もちろん、こうした効果を狙うには、「視認性の高いURLで、参照してみたら内容もよかった」というように、コンテンツの内容も伴っていることが絶対条件です。

もう1つは、Googleで適切にクローリングしてもらえるからです。Googleの検索結果に表示させるには、クローラーにクロールしてもらわないといけません。ユーザーと同様、クローラーもシンプルでわかりやすいURLを好む傾向があります。日本語URLですとHTMLのソースコードが文字化けしてしまい、インデックスがうまくいかない、といった事例も少数ですがありました。

そのためシンプルでわかりやすい、アルファベットのURLがよいでしょう。

2. パンくずリストを設置する

パンくずリストとは、ウェブサイトの上部に表示され、訪れた人に「今、サイトのどこにいるのか」を伝える階層順のリストです。

赤枠部分がパンくずリストです。

パンくずリストのスクリーンショット

例:

ホーム > SEO > パンくずリストとは

パンくずの主な役割は、ユーザーの利便性を高めることのほか、サイトの情報を整理することで、検索エンジンがクローリングしやすくなることです。

SEOを意識してパンくずリストを設置する際には、次の3点を心がけましょう。

・基本的にすべてのページに設置する

階層を伝える必要がないランディングページやトップページを除いて、基本的にはすべてのページにパンくずリストを設定しましょう。

・サイトの構造を明確にする

階層が深くページ数がありすぎると、最適でわかりやすいパンくずリストの設置が難しくなります。パッと見て理解しにくいパンくずリストは、ユーザーにとっても、クローラーにとっても、利便性が低くなるため、本来の役割をはたすことができません。サイトを設計する段階で、コンテンツをカテゴライズして綿密にプランニングし、ユーザビリティを考えたつくりにしておきましょう。

・パンくずの中に重要なページを入れ込む

パンくずリストの中には、強化したいSEOワードや、リンクを集中させたい重要なページを入れ込むことができます。優先的に検索してほしいページがある場合、パンくずリストにそのページを入れ込むと、同一カテゴリの中にある各種ページからの内部リンクが集中します。「このページは重要そうだ」ということをGoogleのクローラーに理解させることができるのです。

3. HTTPS化する

HTTPS化の導入

HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)とは、サーバーとの間でデータを転送する際に用いられるHTTPに「S=Security(セキュリティ)」機能がプラスされたものです。簡単にいえば、URLがHTTPで始まっていれば通信内容が暗号化されておらず、HTTPSで始まっていればSSLやTSLといったプロトコル(※)によって暗号化されているということです。暗号化されていれば、第三者に中身を見られたり情報を書き加えたりされる恐れがなく、安心してやりとりすることができます。

HTTPSは、IDやパスワード、個人情報などの入力が求められる場面で使われますが、現在はウェブサイト全体を「http://」ではなく、「https://」を中心としたセキュアな空間にしていくことがスタンダードになってきています。

HTTPSの導入はポイントを見誤ると流入数低下を招くため、SEO効果とリスクを比較検討した上で慎重に導入する必要があります。

4. スマホに対応する

MFI導入のイメージ

2016年、GoogleはMFIの導入を発表し、2018年3月から一部サイトにおいてMFIの適用が開始されました。MFIは「Mobile First Index(モバイルファーストインデックス)」の略称で、Googleのクローラーが収集したウェブページをデータベースに格納する際、PC向けのページよりモバイル向けのページを優先することを意味しています。Googleの決定は、モバイル検索のユーザビリティを向上させることがいかに重要であるかを示しているといえるでしょう。

なお、GoogleはMFI対応の方法として、「レスポンシブウェブデザイン」を推奨しています。レスポンシブウェブデザインとは、パソコン、タブレット、モバイルとユーザーが使用するデバイスの画面サイズにあわせて、コンテンツやタグを変えることなく、レスポンシブに表示を変えるものです。

1つのURLで、アクセスするデバイスに応じて異なるHTMLを増やすダイナミックサービングの場合、各サイトの使用環境に合った設計やデザインができる反面、改修の手間が増えます。一方、レスポンシブウェブデザインにすると、HTMLをデバイスごとに増やす必要がないため、改修が一度で済み、管理工数が減るというメリットがあります。

5. HTMLタグを設置する

クローラーには、HTMLタグなどのテキストから、サイト情報を理解します。よってHTMLタグは最適にしておかなければ、検索エンジンは正しくサイト内容を理解できません。

HTMLタグ設置のポイントは2つあります。

・titleタグ、meta descriptionタグを適切に設置する

titleタグとmeta descriptionタグは、どちらも検索結果ページで表示され、実際にサイトを訪れる前のユーザーと検索エンジンが見るものです。そのため、キーワードを必ず含めてページの内容を明確に伝え、クリックしたくなるものにしましょう。表示が途中で途切れてしまわないよう、titleタグは35文字前後、meta descriptionタグは120文字程度が目安になります。

▼titleタグ

titleタグのスクリーンショット

▼meta descriptionタグ

meta descriptionタグのスクリーンショット

・W3Cが定義するHTMLの規格を使う

ウェブ技術の標準化をめざす非営利団体W3C(World Wide Web Consortium)は、特定のブラウザのみで動作するHTMLタグによる混乱を防ぐため、すべてのブラウザで共通して使用できるタグと、タグの使い方を定めています。W3Cの定義に従って背式なHTML文法でマークアップすることにより、クローラーがサイトをより認識しやすくなります。

6. XMLサイトマップを記述し、登録する

XMLサイトマップは検索エンジンにとっての地図

XMLサイトマップ(sitemap.xml)は、サイトを構成する各ページのURLや最終更新日、更新頻度などをリストアップして伝えるためのXML形式のファイルです。ウェブサイトを訪問した人向けにサイト全体の構成を案内するHTMLサイトマップとは違って、XMLサイトマップは検索エンジンのクローラーに向けて作成するものです。

XMLサイトマップを作成する場合、まずsitemap.orgで定められた形式に則って記述します。次に、ファイルをクローラーがアクセスできるサーバーにアップロードし、GoogleウェブマスターツールにXMLサイトマップを設置したURLを登録して通知します。通知後は、定期的にXMLサイトマップを更新して登録しておけば、クローラーの巡回を誘導しやすくなります。

7. canonicalで重複コンテンツを制御する

canonical(カノニカル)とは、内容が重複していたり類似していたりするURLが存在する場合に、正しいURLを検索エンジンに示して評価の分散を防ぐための記述です。「www」や「/(スラッシュ)」、「index.html」の有無によって内容が重複・類似している場合、URL正規化に使われる301リダイレクトができないケースで使われます。そのほか、やむを得ず類似するサイトを作らなければいけないケースでもcanonicalで対応することがあります。

Googleなどの検索エンジンは、ユーザーの検索語からその意図を読み取って、最適な検索結果を表示しようとします。しかし、検索語に該当するページと内容が重複・類似するページが存在していると、検索エンジンには優先度がわからない場合があります。

その結果、ユーザーの意図とは異なるURLが表示されたり、ページ評価が分散されたりして、ユーザーにとってもサイトの運営者にとっても好ましくありません。こうした状況を未然に防ぐために、canonicalを使用してURLを正規化し、本来評価してほしいページを検索エンジンに正しく示す必要があります。

ただし、canonicalは正しく使用しないと、正規のURLが検索にインデックスされなくなる可能性があります。外部リンクによるページ評価もcanonicalで正規化したURLに引き継がれるため、統合したことで全体の流入数が低減してしまうことにもなりかねません。不用意な統合をしないよう、十分注意しましょう。

8.カスタム404を設置する

ユーザーが誤ったURLを入力していたり、リンク切れが起きていたりしてアクセスしたウェブページが存在しないとき、表示されるのが「404 not found」と表示される404エラーページです。404エラーが表示されると、ユーザーは興味を失って「戻る」ボタンでサイトから離脱するか、やむなくトップページに戻るか、といった行動を余儀なくされます。

カスタム404は、こうした離脱を防ぐために設置されるページです。ユーザーが存在しないウェブページにアクセスした場合に、「アクセスがエラーである」事実をユーザーに知らせる文言が表示されます。それとともに、サイト内を検索する検索窓や、カテゴリ別のページへのリンク、人気記事などを表示して、引き続きサイト内を回遊できるようにしておきましょう。カスタム404を表示することによって、ユーザビリティ向上、離脱の防止が期待できます。

サイト運用のポイント

オウンドメディアは、作って終わりではなく、日々着実に運用してこそ効果を発揮するものです。継続的に、無理なく運用して効果を出すためのコツを紹介します。

オウンドメディアの運営はフェーズに合った体制構築が重要

1.体制を構築する

オウンドメディアの運用と一口に言っても、コンテンツのネタ探しから制作、配信スケジュールの管理、効果測定、コンテンツの修正など、やるべきことは多岐にわたります。しかも、効果が出るまで長期的に、更新が止まらないようにしなくてはなりません。スタートからしばらくして行き詰まってしまうのは、担当者の負荷が重すぎるからだといえるでしょう。

まずは、一人に負荷が集中しないよう、適材適所で仕事を分担できる体制を構築しましょう。オウンドメディア運営に必要とされる、主なリソースの一例を挙げてみます。

  • 編集長
  • 編集者
  • デザイナー
  • ライター
  • イラストレーター
  • カメラマン
  • 進行管理
  • SEO担当者
  • SNS担当者

やるべきことと必要なリソースが把握できたら、次に「社内でリソースを確保できる作業」と「外部に委託する作業」を分類します。安定的に記事をアップする必要があるオウンドメディアでは、編集者やライターのように作業頻度が高い部分については社外に委託したり、社内と社外のリソースを組み合わせたりするのもおすすめです。

2.ネタだしの工夫をする

オウンドメディアでは、ユーザーが知りたいことを想定して検索キーワードを設定し、「知りたかったことがわかった」と思ってもらえるようなコンテンツを提供していく必要があります。

そのために欠かせないのが、ネタだしです。ネタ切れになれば、当然オウンドメディアの更新にも支障が生じます。担当者は、常にアンテナを高く張り、さまざまなネタを収集する努力をしましょう。

おすすめの方法が2つあります。

・社内にあるネタを生かす

社員にインタビューしたり、いろいろな部署に顔を出して情報収集したりして、社内からネタを集めます。

・社内勉強会の資料を生かす

社内勉強会に使われた資料には、コンテンツ制作のヒントが多く眠っています。一度じっくり見直してみましょう。社内報や、それに類似する情報共有ツールを見直してみるのも一つの手です。

3.低品質記事を加筆・修正する

継続的な新規コンテンツのアップと合わせて、行わなければならないのが低品質記事の見直しです。効果につながらないものは適宜加筆をしたり、大幅にリライトしたりして、状況の改善を図ります。

SEOの観点でいう低品質記事には2つあります。1つは、検索からの流入がない、もしくはあったとしても非常に少ない記事です。これは、検索順位に注目し、上位にきていないキーワードに紐づくページをピックアップすることで洗い出すことができます。もう1つは、量産型の記事です。「どこかで読んだような内容だ」「つまらない」と思われてしまっては、コンバージョンに繋がりません。

低品質記事と似通った内容の記事が量産されていないかを調べ、じっくり読み込んで納得してもらえる良質な記事にリライトしましょう。

4.SEO以外の流入経路を活用する

SEOによる流入はもちろん重要ですが、サイトへの流入経路はそれだけではありません。従来のペイドメディアやSNSなどを活用してコンテンツを発信することで、SEO以外の流入を獲得して集客率を高めることができます。

なかでも重視したいのがSNSです。InstagramやTwitterなどを活用することで、コンテンツのデリバリーが可能で、SEOではリーチできない層にもアプローチできます。SNS経由で商品名やサービス名を知ってもらえば、指名キーワードでの流入も増え、結果的にSEOの流入増加にも期待できます。

オウンドメディアを成功させたいなら、一貫してSEOの観点を

オウンドメディアは、見た人の記憶に残る良質なコンテンツや、腹落ちするコンテンツを継続的に提供し続けていくことで成功に近づきます。ただし、作り手がどれだけ良いものを作ったと自負していても、コンテンツが人の目に止まらなければ宝の持ち腐れです。

オウンドメディアを立ち上げる際は、はじめからSEOの観点を持ってウェブサイトを構築し、運用にあたってもSEOを意識した上でコンテンツの品質を追求するようにしましょう。

オウンドメディアは、試行錯誤しながらじっくり育てていくことによって、長期的に会社の財産となってくれるものです。今回ご紹介したポイントを抑えて、有効なオウンドメディアづくりにトライしてみてください。

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